フランドールズ   作:ダークフレア

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3話まで読んでほしいといったなら全3話しかない状態は避けるべきと急ぎ投稿。

言葉で世界を描くことの難しさとかネット小説と普通の小説の違いとか感じつつ。
(小説書くのこれが初めてなのだけれど)


 ついにフランドール以外の視点が登場します。フランドール達を区別しないままどこまで書いていけるのか


魔術

 

 

 体の調子を確かめる。ふわふわ空中浮遊したり地を蹴って高速移動してみたり空中を素早くとんでみたり。レーヴァテイン(破滅の魔杖)がうねうね蠢く。好きに動けと妖力を分け与えて宙に放ってみると空中を泳ぎだした。

 

 (結構いい感じだね)

 

 あの子が言ってくる。まあその通りで、体は軽いし力強い。今までと同じような力の込め具合だと内に力が溜まっているのをセーブしている感覚になる。

 

 (力がだいぶ高まっている感じ)

 

 (それだけ自己認識の影響は強いってことだね)

 

 力はあれど、力を持て余し周りと同調しようと窮屈に縮こまる過去の自分と

 力を持ち、力を肯定し周りと離別し自身の意志に従わんとする今の自分と。

 

 (どう強くなろう?)

 

 (壊し合い(遊び)を続けて再生能力と能力行使をスムーズにするのは確定かな)

 

 (いいね、でさ、)

 

 たぶん懸念事項は同じ

 

 ((父親は壊しても死ななそうなんだよね))

 

 (まあ、そこからよね)

 

 (むしろ壊した程度で死なれたら興醒めもいいとこ)

 

 それをどうにか出来そうな方法をどう取得するか考えたら脳裏にある人物が浮かぶ。

 

 (パチュリーね)

 

 そう、なのだが、何か忘れている気がする。

 

 (何かあったっけ?)

 

 !!!!!!!!!

 

 (パチュリーに父殺しの意志があること聞かれてるじゃん!!)

 

 (あー、今報告されると厄介かな。今戦っても負けるつもりはないけど万全尽くしたいよね)

 

 脳内会議開始。パチュリーに関する情報をリストアップ、共有。動かない大図書館。この少しの間で父親に報告しているか検討。まだと結論。すぐさま止める必要もなし、対策検討の時間は十分。接触目的は報告の遅延、魔術の教授。主張の組み立て開始。父殺しの意志は隠す必要なし。パチュリーの求めること。読書時間の確保。父への忠誠は高くないと推論。こちらが出せるメリットを検討。完了。出発。

 

 その辺泳いでいたレーヴァテインを呼び寄せ掴み出口へ飛ぶ。20年は開かれず軋む扉を吹き飛ばして図書館へ飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

   パチュリーは本を開いてはいたが読んではいなかった。昨日唐突に感じた妖力のぶつかり合い。とんでもない力をぶつけ合っていた。それ自体はすぐにやみ、会話をしている様子は魔術で聞き取れた。おそらくは二重人格の作成に成功したのだろう。ここしばらくは能天気なひとりごとをいっていたり唐突にメイドを殺したりとよくわからないまま引きこもっていたが、影響はあるのだろうか。

 だが、昨日のことはいいとして、今日の恐ろしいまでの力の高まり。これは凄まじく、正面から応対はしたくはないと感じた。そして今までに感じたことのない強い意志。地下室に行使している魔術は要望を聞くために音を拾う魔術と意思の検知の複合術式。要望をするときには何らかの意思がこちらに向くからそれを検知したら集音をフルでやるようにしている。そうでないと独り言や寝言をいちいちひろってしまい読書の邪魔なのだ。

 

 そうして高らかにうたわれた父殺しの決意、吸血鬼の王への決意。自分の魔術が私に向かっているわけでもない意志を検知したあたり紛れもなく本気。純粋な殺意、高みへの意志。成し遂げるだろう、と感じた。ノーライフキングへの反逆を。

 

 そのようなことをつらつらと考えていたらドアを破りこちらへ飛んでくるフランドールの気配を感じる。さてさて、どんな会話になるやら。少し楽しみなような面倒なような。そんな自分の感情を楽しみながらページをめくった。

 

 

 

 

 

 

 

私専用の図書館への入り口を通り抜け勢いのまま中空まで上がる。魔力感知をしながら飛び出す。読書しているパチュリーをみつけ、降り立つ。

 

 

 「ごきげんいかが?パチュリー」

 

 「悩ましい気分よ、フランドール」

 

 「あら、お悩み相談のるわよ?」

 

 「そう?じゃあ、本の中のある人物がお守りしている女の子が反抗期でその人物が困っているのよ」

 

 「あら、そうなの、好きにさせてあげたらいいんじゃない?」

 

 「ふふ、その父親に娘が反抗期になったらおしえてくれって頼まれているのよ」

 

 「はは、面白い父親だね、娘が反抗期になったか分からないなんて」

 

 「それもそうね、だからこそ私が教えてあげないとなーなんてその人物は思っているわけね」

 

 「まあ、ずいぶん真面目に仕事する人物ね。お守りなんて仕事、読書とかの片手間でもできそうじゃない?」

 

 「まあ、それはそうなのよね」

 

 「それに父親というのは娘に反抗されてもそれを楽しめるくらいの度量がなくっちゃ」

 

 「あら、なかなかに父親って大変なのね」

 

 「そうね、世の中の父親には同情するわ」

 

 

 

 「それでフランドールはなんのようで出てきたの?」

 

 じっとパチュリーの目を見つめる。そう、そういうことなのね。この会話は監視されている。

 

 「パチュリーに魔法を習おうと思って」

 

 「魔法ねえ」

 

 「あんまりにも暇だからさ。なんかこう習得するのに時間がかかってやってて楽しいものを探してたら思いついて。」

 

 「うーん」

 

 「ね、いいでしょ?片手間に軽く教えてくれるだけでいいからさ」

 

 「まあ、いいわ」

 

 「やったー!!!」

 

 実際かなりご機嫌である

 

 「いつから教えてくれる?」

 

 「そうねえ、今はちょっと手が離せないからあとでまた連絡するわ」

 

 「わかった!待ってる!ばいばーい!」

 

 自分の部屋に一直線で戻る。

 

 

 

  (いい感じだったね)

 

 それはそうなのだけど。

 

 (たぶんあのまわりくどくきてる感じ、監視がついているわ)

 

 (本当?それは察されちゃうんじゃない?)

 

 (いや本の人物を語ったとはいえ、あそこまで露骨な話ぶり、父親本人じゃないわね、たぶんアホな部下ね)

 

 (まあ、あの父親がいちいちパチュリーの監視を自分でやるはずないしね)

 

 (そうね。それでか知らないけど私の味方をしてくれそうな感じね)

 

 (予定していた、等価交換含みの殺伐とした交渉とはまた違ったね)

 

 (第一歩としてはこれで十分。そのうち本格的に話すことになれば、話すことになるわ)

 

 (吸血鬼の体を研究材料として提供。父打倒後の平穏の保証。かなり乗ってくれるとは思うわ)

 

 まあ、吸血鬼の体のパーツは切り落としても気合入れれば生えてくるから呪いとかで悪用でもされないかぎり提供は簡単で、父打倒後の図書館の管理はこちらからお願いしたいくらいだ。

 

 (とりあえず魔術のめどはたったわ)

 

 もう一人の私が分身作ってでていく。分かってる

 

 「ならあとはこっちだね」

 

 「そうそう」

 

 空中でぶつかり拳や蹴りの応酬を始めた。




薄暗い地下室で一人いるって状況のイメージはドフトエフスキーの「地下室の手記」の影響が強かったりします。興味ある闇の資質をお持ちの方はぜひご一読を。亀山郁夫さんの訳は秀逸でした。

 
 
 
 P.S.
  SAN値が減っても作者は責任を負いかねます。自己責任でお読みください。そのときはあなたの闇の資質が足りなかったのでしょう。
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