白い少女と異世界の魔法使い   作:紺乃 惺爛

2 / 4
改定が難しい。




白い少女達

 

【side ???】

 

 

私が目を覚ましたのは森の中だった。

森の中なのに、安全なのが分かる。

目を覚ますと目の前には狐耳の女性と、金髪の女性がいた。

 

ご主人さま(マスター)、大丈夫ですか?」

 

奏者(マスター)、ケガはないか?」

 

「ちょっと、そこのアナタ、気安くご主人さま(マスター)に触れないで下さいまし。」

 

「む!そなたこそ余の奏者(マスター)に触れるでない!!」

 

「まー!!なんて図々しい!!この方は私のご主人さま(マスター)です!!」

 

「何をいう!!余の奏者(マスター)だぞ!!余と奏者(マスター)はパスもしっかりつながっているぞ!!」

 

あのー、お二人さん。とりあえず、私の上で喧嘩するのはやめてもらっていいですか・・・・?

 

とりあえず、二人を納めることはなんとかできた。

ムーンセルから出てきたのはこの場に私と、私と後の二人の三人しかいないワケで。

協力していくしかないと思う。うん。

 

「とりあえず、二人とも、名前教えてもらっていいかな・・?」

 

「「ご主人さま(マスター)奏者(マスター)よ)もしかして、私(余)の名前をお忘れに(忘れたのか)!!」」

 

あー、両側から叫ばないでください。

耳がキーンてしますよう・・・;

 

「ごめんね・・・私もすこし混乱してて、思い出せないんだ。」

 

そう、あの白い少女に逢った所は覚えている。

沢山の話を聞いたのも覚えている。

ただ・・・

 

『それは簡単だよ。私は、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは―――――――――――を助けに来たんだよ?』

 

『でもね、これは覚えておいて?お姉ちゃん。お姉ちゃんは――――――――――にならないでね?』

 

『最後にお姉ちゃんの本当の名前を教えてあげる。――――――それが、―――――――の名前。』

 

 

霞がかかっている・・・いや、意図的に隠されている気がする。

 

『思い出せないなら、無理に思い出さなくていいからね。』

 

白い少女の言葉が頭に浮かんでは消える。

 

そう、思い出せないなら無理に思い出さなくていい。

 

ご主人さま(マスター)・・・?」

奏者(マスター)・・・?」

 

 

「ごめんね・・・二人とも。」

 

「わ、私は構いません。ご主人さま(マスター)に忘れられてしまったのは少し悲しいですけど、私良妻狐はそれぐらいでご主人さま(マスター)を見捨てたりいたしません!!」

 

「余もそうだぞ!!それに、余と奏者(マスター)の絆はそんなことで無くなるほど細いものではないのだ!!」

 

二人はとても優しい。素直に打ち明けて良かったと思う。さて、自分の名前さえ思い出せない私。

手っ取り早く二人に聞いてみよう。

 

「ありがとう。ねぇ、二人とも私の名前ってわかる?」

 

「え・・・?ご主人さま(マスター)の名前ですか・・・?はい!!それはもち・・・ろん・・?・・・あれ・・・?」

 

「ふん。所詮狐、物覚えが悪かったと見える。いいか奏者(マスター)よ。奏者(マスター)の・・・あれ・・・?」

 

どうやら、二人も私の名前が覚えていないらしい。

 

「申し訳ございませんご主人さま(マスター)!!私ともあろうものがご主人さま(マスター)の名前を失念してしまうなど・・・!!」

 

狐耳の女性は頭を地面に擦り付けんばかりに土下座。

マジ土下座初めてみた・・・結構引くかも・・・。

 

「すまぬ、奏者(マスター)よ。余も、奏者(マスター)の名を思い出せぬのだ。」

 

金髪の女性はなんか、子供みたいにしょんぼりしてしまった。

なんか二人に悪いことした気分。

とりあえず、あの白い少女の名前をもらっておこう。

 

「じゃぁ、とりあえず、私はイリヤ。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンって名前を使うことにするよ。」

 

ご主人さま(マスター)、つかぬ事をお聞きしますが、その名前、どこで得たんでございましょうか?」

 

狐耳の女性はなんか、ムスッとした感じの表情で聞いてきた。

金髪の女性も同じような表情してるし・・。

 

「あのね、あのムーンセルの中で、私をお姉ちゃんって呼ぶ女の子に逢ったの。その子は・・・」

 

あのムーンセルの中での出来事を覚えている限り二人に話す。

二人は黙って聞いてくれた。

 

「ふむ、余のいなくなった後にそのような事があったのだな。その聖杯の少女には感謝せねばな、姿かたちが違うとは言え、再び奏者(マスター)と会いまみえる事が出来たのだからな。」

 

「なるほど・・・過去の聖杯ですか。そのようなものがあったのですね。」

 

「うん。その子が体をくれて、私を生かしてくれたから。だから、私は感謝の意味も込めてその子の名前で生きる事にする。だから、二人とも私のことは、イリヤって呼んでね?」

 

「・・・ご主人さま(マスター)っ・・・なんてかわいらしい!!」

奏者(マスター)!!余は・・・奏者(マスター)がかわいいぞ!!」

 

なんか、二人に抱きつかれてしまった。

私なにかしたのかな・・・?

かわいい・・って恥ずかしい。

 

「と、とりあえずさ!!二人の名前、教えてよ。」

 

二人をなんとか引き剥がし、二人の名前を聞く。

 

「とりあえず、私のことはキャスターとお呼び下さい。」

 

「余のことはセイバーと呼ぶのだぞ?」

 

「二人の本当の名前は?」

 

「「・・・・」」

 

「おしえて?」

 

「しかたありませんわね・・・ご主人さま(マスター)にそのようなお顔をされると、私良心が痛みますわ。私は、玉藻と申します。玉藻の前と呼ばれた、白面金毛九尾狐でございます。」

 

「そうだな、キャスターよ。余も奏者(マスター)のそのような表情を見ると心が痛む。さて、余も名乗るとしよう。余の名はネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス。ローマの第5代皇帝だ。」

 

 

私は二人が名前を教えてくれたのがなんだか少し嬉しくて二人を指さしつつ答えた。

 

「じゃぁ、タマモとネロって呼ぶね?」

 

でも、二人は、何故か顔を真っ赤にして後ろを向いてしまった。

なんでさ・・・?

 

 

結局、二人きり以外ではキャスターとセイバーというクラス名で呼ぶことになってしまった。

二人ともかわいいのに・・・。

 

「おほん!!ご主人さま(マスター)、とりあえずここから場所を移動しませんか?」

 

「確かに。キャスターの言うとおりかも。」

 

「うむ、余も賛成だ。いつまでもこのような森では夜になってしまうやもしれぬ。」

 

「そこで私、このあたりの地脈を調べたところ、ここは私の知っているところというのがわかりました。」

 

「ほう。そなたの知っているところとな?」

 

「へぇ。どこなの?」

 

「日本です!!しかも、私の分身の近くです!」

 

「どういうこと?キャスター」

 

キャスターの分身の近くって・・どういうことなのだろう。でも、キャスターの知っている場所というのはありがたい。

 

「えーっとご主人さま(マスター)は私が殺生石になって封印されたのは知ってますよね?」

 

「うん」

 

「ほう。キャスター、そなた悪さでもしたのか?」

 

「セイバーさんにはかないませんよ~」

 

「はいはい!それで??」

 

二人はなんだかイヤミを言い合うのが好きみたいだ。まったく。そういうのは勘弁してほしい。

 

「とりあえず、歩きながら話そう!!キャスター、セイバー」

 

「そうですね。ご主人さま(マスター)

 

「うむ。余もそれに賛成だぞ。」

 

「で、キャスターどっちに行くの?」

 

「はい。こちらに。殺生石はとある和尚(くそジジイ)によって砕かれて飛び散ったんです。その殺生石の一つの近くに今私たちは居るんですよ。」

 

「ほう・・・それで、キャスターよ。その殺生石がある地ということで、そなたがこの地に詳しいのはわかった。で、それでどうするのだ?」

 

「もしかして、そこへ行くの?」

 

「はい。そう考えております。そうすれば、私のパワーアップにもなりますし、たしかその近くには、昔から烏族(うぞく)の村があったはずです。」

 

うぞく・・・?

聞きなれない言葉だった。うぞく・・・鵜族?兎族?羽族?芋族・・・はないか。

 

「カラスゾクって書いて烏族(うぞく)っていうんですよ。ご主人さま(マスター)。足元、気をつけて下さいね。」

 

考えてたらキャスターが教えてくれた。

 

「烏とな?あの黒い鳥が沢山住んでいる村か?」

 

「まぁ、当たらずとも遠からず。簡単に言うと妖怪の村ですねー。烏の妖怪が集まって住んでいる村ってことです。」

 

なるほど。その村になにかあるのかもしれない。

 

「ほうキャスター、おぬし、狐の妖怪であろう?狐が鳥の村に行って大丈夫なのか?」

 

「なんですか?それ。」

 

「いや、なに。おぬしが烏と仲が悪いのでわないのか?とおもってな。」

 

・・・それってあり得るかも。狐って鳥とって食べるっていうし。

なんか、いま、キャスターが烏くわえてる絵が見えたような・・・?

 

「そう言われれば、狐って鳥たべますねえ・・・でも、私は野干・・って野干も鳥食べるんでした・・・でも、まぁなんとかなるんじゃ無いっすかー」

 

最後、棒読みだった・・・なんか不安だ。なんかやな感じな気がする。

 

「じゃぁ、近くまで行ったら、キャスターは耳としっぽ隠したらいいんじゃないかな・・?」

 

奏者(マスター)、名案だな。カラスは目が良いらしいからな。」

 

「でも、人間装って烏族の村に行ったらさらにあやしいんじゃないでしょうか?」

 

う、それは一利ある・・・。

 

「仕方ないな。まぁ奏者(マスター)になにかあっても余の剣で守るのみだ。」

 

「大丈夫ですよ。セイバーさんの出る幕はないですよ。私がキチンO☆HA☆NA☆SI(お は な し)させて頂きますから」

 

なんかキャス狐さんが怖いよう・・・。

 

「とりあえず、殺生石のとこいけば烏族の人に逢えるの?」

 

「まぁ、先に烏族(うぞく)に行った方がいいと思いますね。たしか、管理もしてたはずですから。」

 

管理・・・って。

どういう状況なんだろう・・?

 

「先ほどから気になっていたのだが、奏者(マスター)奏者(マスター)自身の調子はどうなのだ?」

 

そういえば、私は私自身の体の事を気にしていなかった。

 

ご主人さま(マスター)、もしキツイようでしたら言って下さいね。」

 

キャスターもセイバーもやさしいな。

 

「ありがとう、すこし自分を調べるよ。」

 

私は立ち止まると目を閉じると自身に集中した。

二人は周囲に気を配ってくれた。

無意識に足を肩幅に開くと頭の中で回路が浮かび上がる気がした。

 

頭の中に声が響いた。男の人が話している。

誰だ・・・?集中出来ない。邪魔をするな。

 

『集中出来ないのは自身の想像(イメージ)が足りないからだろう?』

 

イヤミな声が聞こえてきた気がした。

 

頭痛がする。それでも(オレ)は自身に集中しようとする。

 

『―――――同調(トレース)開始(オン)

 

瞬間、クリアになった。

 

魔術師(メイガス):108本:待機状態:全て可動可能

魔術師(ウィザード):霊子化可能:端末破損:こちらの世界の端末入手必須

肉体機能(ハードスペック):肉体縮小:それに伴い戦闘方法変更:ムーンセルからのインストール完了まであと102秒

魔力量:聖杯(ムーンセル)聖杯(イリヤ)からの魔力供給:100%:警告:魔力漏れ多数:回路閉鎖を推奨

聖杯(ムーンセル):魔力量89%:サーヴァント維持状態良好

聖杯(イリヤ):魔力炉正常稼働:稼働率60%:魔力供給率:78%

――――――:正常稼働中:肉体損傷0%

 

さて、見覚えのないものが沢山あるのは気のせいだろうか・・・?

一つ一つ考えていこう。

 

 

魔術師(メイガス)はたぶん、古いほうの魔術(マギ)だろう。回路108本って多い?

魔術師(ウィザード)は、新しいほうの魔術。端末破損って、もしかして。

私はポケットに手を入れると、ボロボロの携帯端末を取り出した。うわー。気に入ってたのに。フォンちゃん・・・。

肉体は、イリヤにもらったモノだから、縮小ってのはなんとなくわかる。ムーンセルから戦闘知識や経験を学習練磨(インストール)出来るのは助かる。

魔力量って、聖杯達から自動供給なのか・・・。自分の魔力が無駄に放出されていることに気づくと回路を最低限のこして閉鎖する。

 

聖杯(ムーンセル)は魔力タンクってことなのか。だいぶあるなー。私の魔力量半端ないなぁ。

聖杯(イリヤ)は魔力を生みだす魔力炉の役目か。稼働率を30%まで下げておこう。しばらく使わなそうだし。

 

さて、最後のわからないものを調べてみますか。意識をそれに向けると、青い板・・・?違う。剣の鞘だ。もしかして、ケガや老化を止めている・・・?

もしかして、あの有名な聖剣の鞘?

なんで?そんな物が?まぁ、あるならいいや。

 

―――――:名称変更:名称『鞘』に変更されました。

 

よし。これでいい。

 

「とりあえず終わったよ。二人ともありがとう。」

 

二人にお礼を言う。

 

「いえいえ。これくらい当たり前です。では、ご主人さま(マスター)、参りましょうか?」

 

「そうだぞ。余は奏者(マスター)の剣であり、盾。これくらいは当たり前だ。」

 

二人は頼もしく胸を張る。

なんか二人とも立派に揺れてる…ウラヤマシクナンテナイよ…。

 

私達は再び足を進める。

 

1時間位歩くと少し離れた所に気配を感じた。

 

 

 

 

 

【side out】

 

 

 

 

 

 

【side 刹那】

 

 

 

 

 

なんで・・?

なんでなん?

 

なんでみんなうちにひどいことするん・・?

 

うちが悪い子やから?

 

うちが・・・『しろい』から?

 

なんで・・?

 

なんでみんないたいことするん?

 

なんでうちのいやなことするん?

 

なんで?

 

いたいよ・・たすけて。

 

だれか・・・たすけて・・・。

 

うちははしった。

 

いたいのも、つらいのもいやだから。

 

だれも、もうたすけてくれない。

 

おかあさまは、うちをうんでしんだ。

 

おとうさまも、しんでしまった。

 

だれも、たすけてくれない。

 

うちはにげるしかなかった。

 

だれか。たすけて。

 

でも、『くろい』おじちゃんたちがうちをおいかけるん。

 

だから、うちはもっとはしらんといけん。

 

つかまったら、いたいことされる。

 

つかまったら、いやなことされる。

 

だからにげるん。

 

 

 

 

 

【side out】

 

 

 

 

 

 

【side イリヤ】

 

 

 

 

 

 

気配がした。キャスターとセイバーが配置について警戒している。

 

私自身も身構えていると、草むらから転がるように出てきたのは、真っ白の少女。

あわてて助け起こす。私は女子供は大事にするんだ。

 

「大丈夫か?」

 

その子供は私に目が合うと、私の髪をさして、言った。

 

「うちと、おなじ・・・。」

 

よく見ると、その子は傷だらけ。草とかで切った傷の他に、明らかに殴られた跡が見える。

 

「キャスター、セイバー。周囲の警戒してて」

 

二人にはまだ周囲を警戒してもらう。

私はその子の背中に翼があるのに気づいた。

 

「どうしたの?なにがあったの?」

 

ご主人さま(マスター)、その子は烏族のハーフかと。でも白い烏族とは・・。」

 

キャスターが白いと言った瞬間子供がビクリと震える。私にしがみつくようにして、がたがた震えるその子は何かに脅えているようだった。

 

「キャスター。わかる事は説明して。」

 

私は内心、怒りに震えていた。こんな子供を殴るやつは許せない。子供には罪がないはずだ。周囲の大人に罪があっても。

 

「はい。烏族は基本黒い色の方がおおいです。しかし、白・・・は禁忌とされて・・・たぶん、その子は・・。」

 

「なるほど。余はなんとなくわかった。いつの時代も人は自分と違うものを恐れ、排斥しようとする。そのかわいらしい子も同じなのだろう。」

 

ご主人さま(マスター)。気配多数。たぶん烏族かと。」

 

「二人とも・・・わたしは・・・」

 

奏者(マスター)、言わずともわかる。余はその子を受け入れるぞ。」

 

セイバーが、私の言葉を読んで答えてくれる。

 

「ええ。すこしきついかもしれませんが、その子さえよければ。」

 

キャスターも賛成してくれた。

あとは本人次第。

 

「ねぇ、あなた、名前は?」

 

私はなるべくやさしくその子に話しかける。

 

「・・せつな・・・」

 

「せつなちゃんね。せつなちゃん。前居たとこでいやな事あったんでしょう?」

 

うんと頷く様子から、私には警戒してないみたい。私も白いからかな?

 

「だったら、お姉ちゃんが守ってあげようか?」

 

「・・・ほんとう?・・いたいことない?」

 

私は笑顔で、もちろんと答えた。

 

その瞬間、回りに黒い者が展開し、私たちを取り囲む。

数は、8名ほど。たぶんこの子を追いかけてきたやつら。

 

私は心の中で呟く

 

『――――同調(トレース)開始(オン)

 

 

 

 

 




文章自体は現在はそんなに変えていないです。

ちょっとした単語なんかは変更しています。


ルビは基本コピ&貼り付けです。
コピ用の単語帳が大変なことになってきてます・・・・・(泣)。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。