旋律の彼方に   作:玉莊亭翠嶽

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第三話 新たな仲間

日本時間午後6時11分。台湾時間では午後5時11分。群像たちを乗せた高速船は、台湾国際共同基地の港に接岸した。

 国際共同基地とは、「霧」との戦争が始まった2039年に発足した国際共同基地管理運営機構が管理している港湾、陸上基地、飛行場等の総称で、全世界に102の港湾と300余りの陸上基地が存在する。この台湾国際共同基地も、そのうちのひとつなのである。ここでは「霧」に対抗する部隊や艦隊は、国籍を問わず入港、接岸、補給が可能である。

 

 午後5時だというのに、まだ暑い。船から降りると、熱帯特有の湿気た空気が肌にまとわりついて、汗が出てくるのを群像は感じた。

 

 荷物を受け取りに行ってから、群像たちは島津という若い少佐に案内されて、寮に入った。流石に軍隊だけあって、5人の相部屋である。しかし部屋は30畳というかなり豪華な部屋だったので、群像は不自由は感じなかった。

 

 「明日から君たちはこの基地の所属だ。大いに働いてもらう。期待しているぞ。」

と、緒方中佐は群像たちに言い放って、後ろ手にドアを閉め、肩をゆすりながら廊下の向こうに消えていった。彼がこの台湾基地の日本軍のなかのトップであるらしい。

「随分偉そうな態度だな。」

と群像の横に荷物を広げていた長身の男が言ったので、群像は彼の方を見た。男もこちらを見た。

「確かに、偉そうだったな。」

と群像は言った。

「うん。君もそう思ったか...あ、僕の名は上泉。上泉颯介というんだ。よろしく。」

そう言って、男---上泉---は握手を求めた。群像は上泉と握手しながら

「俺は千早群像。よろしく。」

と言った。

 

 他の4人がこちらを向いたのが分かった。

「千早?千早群像だって?伊401の艦長の?」

群像の後ろで、さっきまで無関心そうに荷物の整理をしていた髭を生やした男が、素っとん狂な声でそう言った。その後ろのおとなしそうな顔をした男2人もこちらを見ている。

「ああ。俺が、千早群像さ。」

群像はそう言って、髭を生やした男を見た。

「へぇー、本物かい!こんな所でお目にかかれるとはね!俺は宮木武だ。よろしくな。」

「吉岡と言います。」

右のおとなしそうな男が言った。

「吉岡圭史郎です。よろしくお願いします。」

吉岡はそう言って、ペコリと頭を下げた。

 この5人、同期の筈なのだが、今や群像は完全に他の4人から敬意を払われる存在になっていた。

 「柳だ。」

左のおとなしそうな男が太い声でこう言ったので群像は少し驚いた。

「柳満義だ。よろしく頼む。」

 

 「みんな、これからよろしく。」

群像はそう言って、少し笑った。

 

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