暗殺~SWORD X SAMURAI~   作:蒼乃翼

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昨年、原作はあのようなことになりましたが、こちらでは変わらず連載続けていきます


試験の時間《期末》

一学期の期末試験。

今回も殺せんせーは多●影分身マンツーマンで勉強を看ていた。

さらに今回殺せんせーからのラッキーチャンスが提示された。

「今回の期末試験、総合と各教科でトップを取った生徒にはテスト返却時に触手を一本破壊する権利を差し上げます」

そう言うと殺せんせーは自らの触手を一本破壊した。すると●重影分身に変化が・・・、

「ご覧なさい、全ての分身が維持できず、疾風伝のナ●トに混じって少年編●ルトが混じってしまいました」

寺坂の前で勉強を教えていた殺せんせーの分身体(オレンジの服に黄色いツンツン頭で頬に横縞三本ずつ)の一部が小さくなってしまった。

(((…分身ってそういう減り方するっけ…?)))

「さらに一本減らすと…、」

急に分身体が大きくなったと思ったら、黒髪ロングの女装になったり、ゆったりとした衣を纏った盲目の青年になった。

「長年自分のことを想っていたくノ一の気持ちに気付いて告白したらあっさり振られて月から来た大筒木の末裔に奪われてしまいました」

(((…重い…)))

殺せんせーがもう一本触手を破壊すると、多重●分身が大きくなったりさらに小さくなったり、主婦になったり幼女になったりした。

「そしてもう一本破壊すると少年編も疾風伝も通り越してB●RUT●になって仕事が多忙で家にほとんど帰れず息子が反抗期になって娘はキレると手がつけられなくなって嫁はラーメン46杯食べる大食い女王になってしまいます」

オチといえるか微妙なオチをつけると殺せんせーの触手は元通りに回復した。

「色々と実験した結果、触手一本につき先生が失う運動能力は、ざっと20%」

つまり、各教科に総合でトップを取れば最大で6本の触手を破壊し、単純計算で120%まで運動能力を減速できるということだ。

「これが、暗殺教室の期末試験です。賞金100億円に近づけるかは、皆さんの成績しだいということです」

殺せんせーの提案に、E組は俄然殺る気になった。

 

ただ・・・、カルマだけは欠伸をしてどこかにふけてしまった。

 

 

 

 

 ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎

 

 

 

 

放課後、髪色を桃色っぽくした健は陽菜乃を呼び止めた。

「…陽菜乃、今回の試験は…その、どう?」

「理科は得意だけど、生物だけだからね~。触手破壊権は奥田ちゃんに期待だね~。ひーちゃんは?」

「ん~…、社会は得意だけどトップとなると…、そっちは磯貝にでも任せようかな」

「あ、そうだ。また変な妨害しないように、って、烏間先生とビッチ先生が理事長のとこに行ってるんだよ」

「………へぇ~…」

烏間先生のことを嬉々として話す陽菜乃に、健は髪色を一瞬黒くして本校舎の方角に殺気を飛ばした。

 

 

 

 

 ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎

 

 

 

 

「~ッ!?」

イリーナと共に理事長室を訪れた烏間先生は、突如首筋に鋭利な刀を当てられたかのような気配を感じた。

「どうかしましたか?烏間先生」

「いえ…、」

理事長は悠然と椅子に腰掛け訪問者2人を目線が下にありながらも見下ろしていた。

「例の転校生の自律思考固定砲台のことですが。流石に人工知能の受験は認められません。数学は言うに及ばず、他の教科もオール満点を簡単に取れてしまいます。これはE組の成績云々ではなく、試験の“公平さ”を著しく欠くことになります」

(………前回自分がやったこと棚に上げて“公平さ”とか真顔でよく言えるわね………)

これまで多くの男と接してきたイリーナも、浅野學峯という男は一筋縄ではいかないことを経験則から感じていた。

「………では、その人工知能にネット授業を受けた生徒を代わりに受けさせていただけませんか…?」

「替え玉試験を認めろ、と?」

「防衛省の直属の上司の娘さんです。口は堅いし必要以上の詮索はしません」

「…そうですねぇ…」

理事長は座ったまま烏間先生を見下すようにクスッと鼻で笑った。

「いいでしょう。その生徒の受験を認めましょう。烏間先生、あなたも大変ですね」

哀れみと嘲笑の視線を向けられた烏間先生はE組に戻ったらとりあえず殺せんせーに八つ当たりしようと心に決めた。

その時、理事長の携帯が鳴った。

「ちょっと失礼。………あぁ、君かアザミ。それで例の計画は?そうかい、来年の秋には、なるほど」

理事長が2人に、来年も地球があればいいですね、的な視線を送ると、烏間先生とイリーナは理事長室から出て行った。

「それで引き抜けそうなのは?………あぁ、叡山君も………」

烏間先生が扉を閉める直前聞き覚えのある名字が聞こえたように思ったが、そのまま扉を閉めてしまった。

 

 

烏間先生とイリーナが廊下を歩いていると、一人の生徒とすれ違った。

「E組の烏間惟臣先生と外国語のイリーナ・イエラビッチ先生ですよね」

「…そうだが」

教員の、しかもE組の担任と外国語教師の名前をフルネームで呼べる生徒がいることに驚きつつ、烏間先生は振り返った。

「今理事長室から出てきたようですが、もしかして前回の中間のようなことを警戒してますか?」

「まぁね。隣のカタブツが理事長を疑ってきかなくて」

「大丈夫ですよ。この学校は生徒の自主性も育てています。成績を決めるのは教師ではなく生徒です。今回は僕の力でA組40人で各教科トップはもちろん、40位までを独占するつもりなので、悪しからず」

「あら、ずいぶん大きく出たわね。貴方があと5年早く生まれていれば、お近付きになりたかったわ」

「あなたのような美人にそう言っていただけるのは光栄ですね。では、これからA組の勉強会なので、失礼します」

爽やかな顔、丁寧な口調(を話すイケメンボイス)、目上への敬意も忘れず、それでいて自分の力を確信しそれを貫く強い意志を感じた。

「………どうやら今回の試験は生徒達による真っ向勝負になりそうだな。彼が出張ってくるとは…」

「あの子誰?タイプ的には磯貝とメグを足して二乗…、三乗くらいしたような感じだったけど」

「理事長の一人息子だ」

「ハァッ?!」

流石のイリーナも驚いた。結婚くらいはしているだろうとは思っていたが、まさか息子がいてしかも同じ学校に通っているとは意外だった。

「椚ヶ丘中学生徒会長、名前は浅野学秀。成績上位のA組を纏め上げるその人望は厚く、実力とカリスマ性を兼ね備えた逸材…、言うまでも無く、成績は常にトップだ」

「まさに支配者の遺伝子ってわけね…、ってかそれはどこ情報よ?」

「前回のことを踏まえて俺なりに少しこの本校舎のことを調べていた。E組行きの原因を作った生徒や因縁が合って絡んできそうな生徒、それに教員達も。これでも前職は統合情報部の諜報部員だったからな」

「へぇ~…、あ、じゃあ今私の胸元を横目でガン見しながらすれ違った“にきび”と“眼鏡”の名前は?確かちょくちょくE組に絡んできてたでしょ?」

「…?いや、彼らは………、知らんな」

 

 

 

 

 ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎

 

 

 

 

陽菜乃と他愛ない会話をしていた健は、意を決して本題を切り出した。

「でさ…、この後…、ふ、二人で………勉強会でもしない?あ、いや、二人じゃなくても翼とか萌とか岬とかついでにタスクに雪も誘ってさ…」

肝心なとこで日和った健の誘いを陽菜乃は・・・、

 

「ごっめ~ん。放課後にメグちゃんと桃花ちゃんと凛香ちゃんと勉強する約束してるの」

バッサリと、返り討ちにした。

「特にメグちゃんは総合で萌ちゃんには負けないって意気込んでるみたい」

前回の中間、萌は377点(60位)でE組女子総合トップとなっていたので、次点の片岡としてはクラス委員の面目を差し置いても萌には勝ちたいのだろう。

「………あ、………そう、先約があったなしょうがないか………」

「じゃ~ね~」

そう言うと、陽菜乃は小走りで去っていった。健にとってはさならが、太陽が沈むが如く・・・・

髪色が赤毛に戻り、というかテンションが下がって怒りとは別のベクトルで黒ずんでいる健の肩にポンと手が置かれた。

「健…、健はよく頑張ったよ。いつもの6人で勉強しよ」

翼はかなり前から図書室の利用券を予約していた。何でも後回しにされるE組にとてはプラチナチケットを、もし健が陽菜乃を誘えたら一緒に行く振りをしてあとは若い2人だけで~・・・、的な感じで2人っきりで勉強をさせようとしていた。が、敢え無く無自覚無邪気な返り討ちに遭ってしまったので、自分と健、岬と萌、タスクと雪のE組では通称“緋村組”と呼ばれている6人で利用することにした。

 

 

 

 

 ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎

 

 

 

 

本校舎図書室

そこでは勉強していた渚と茅野、磯貝と中村、奥田と神崎が五英傑に絡まれていた。

「おや、E組のみなさんじゃないか。この図書室は君たちにとってはブタに真珠じゃないかな?」

「どけよ雑魚ども、さっさと帰れ」

「生意気な女だ、おまけに眼鏡のせいでイモ臭い」

「腐すばかりでは見逃すよ小山。ご覧、どんな掃き溜めでも鶴はいる」

生徒会書記榊原が神崎の黒髪に触れようとすると・・・、

 

「何やってんだ、ツーブロックスネ夫ヘアー」

 

そこに、翼のチケットでやってきたタスクが榊原の手首をがっちり握った。

「あぁん?!E組の分際でA組に手ぇ出すつもりか」

生徒会議長瀬尾の前に、さらに萌が立ちはだかった。

「相変らずツマラナイ男ねぇ」

ロングヘアーを手櫛で梳きながら萌は瀬尾を挑発した。

「なんだ、誰かと思えば援交ビッチの高荷じゃねぇか」

萌は苦虫を噛み潰したような表情で舌打ちした。

「まともな女から相手にされない男が、偉そうに」

萌はFカップを強調するように腕を組み、瀬尾に対峙した。

一触触発の中、意外な人物が発言した。

「わ…、私たち次の試験で各教科1位を狙っています!そ、そしたら大きな顔しせません!」

普段大人しい奥田がA組に対して強気な発言をしたことに、健達は唖然とした。

「ふむ、たしかに記憶を辿れば………、神崎有希子中間テスト国語90点23位、磯貝悠馬社会82点14位、中村莉桜英語93点11位、奥田愛美理科81点17位、それに…」

生物部部長小山は健達の方に視線を移した。

「紫村雪、浅野、赤羽と並んで数学100点満点の1位、そして高荷萌も総合では学年60位でE組の女子の中ではトップ。落ちこぼれの中にもそれなりに勝負できそうな奴らもいるじゃないか、ぎしゃしゃしゃしゃ」

小山は歯並びの悪い口を不気味な角度で開けて笑った。

「面白い、ならこういうのはどうだい?俺等A組と君等E組、5教科でより多くトップを取ったクラスが負けたことにどんなことも命令できる」

放送部部長荒木が提案すると、瀬尾は萌達を見下して余裕の表情でさらに煽った。

「なんなら、こっちは命かけてもいいんだぜ」

 

 

その言葉に、健達の雰囲気が一瞬で変わった。

 

 

神崎がノートで榊原の視界を塞ぐと翼が人差指と中指を立てた刀印を榊原の首筋に当て、

 

奥田が小山の膝裏を蹴ってバランスを崩したところに中村が定規をノールックで首筋に当て、

 

渚が瀬尾の顎にピストルに見立てた人差指を差し、さらに背後に回りこんだ萌が制服のポケットに手を入れ背中に押し付け、

 

磯貝がシャーペンを荒木の首筋に当てさらに岬がデコピンで眼鏡を頭の上に弾いた。

 

雪だけは何もせず、しかし油断なく簾のように伸びた前髪の隙間から五英傑に睨みを効かせていた。

 

その隣・・・、机に座ったままの茅野のうなじ辺りの髪がほんの一瞬揺らいだが、誰も気づかなかった。

 

 

 

「イノチ簡単に賭けるとか言ってんじゃねぇよ、三下」

萎縮しきった五英傑の惨状に、タスクの発したドスの効いた声で形勢はE組有利・・・・

 

 

かと、思われた。

 

 

「あだだだだ…ッ!」

突如、タスクの両腕が捻られそれにつられる様に上半身も倒れ机に押し付けられた。

「斎藤…!」

「おい斎藤、こいつらE組のくせに盾突きやがった、取り締まってくれよ」

タスクの背後を取り一瞬で制圧したアフロヘアーの男子生徒、斎藤誠が現れると五英傑(憐)は風紀委員長のお出ましに再び調子付いた。

「………」

片手でタスクの腕を極め完全に押さえつけたまま、山犬のような目付きで渚たちを見据える斎藤。タスクの戦闘力を誰よりも知るからこそ、今見せ付けられた斎藤の実力にE組の暗殺者達に緊張が走った。

 

と、その間に、健が割って入った。

 

「………」

「………」

健と斎藤は互いに睨み合い、そして健は振り返った。

「一部始終見ていたが先に突っかけたのは荒木達で挑発したのもそっちだ。E組とは言え正規の手順で使用権を取ったのだからとやかく言うつもりは無い……、って斎藤が言っている」

「ふ、ふざけるな。そんなのお前が口からでまかせ言ってるだけじゃ…」

「斎藤、お前どっちの味方だよ!」

「俺はどちらの味方でもない。E組だろうとA組だろうと誰であろうと椚ヶ丘の風紀を乱す者は噛み殺…じゃなくて取り締まる、とも言っている」

一瞬、翼と不破さんが教室で熱弁していた某家庭教師漫画の人気キャラの決め台詞を口にしかけたが、すぐに誤魔化した。

荒木達は斎藤に睨まれると、そそくさと退散して行った。

 

 

 

 

 

 ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎

 

 

 

 

 

五英傑(逃)がいなくなると斎藤はタスクの腕を放した。

「…っ、痛ぅ…」

「………」

斎藤は萌の方を見ると、そのまま何も言わず出て行った。

「彼、なんて?」

萌は斎藤通釈の健に訊いた。

「そっちの事情は知っているからこれ以上の詮索はしないが、本校舎でそのポケットの中身は出すなよ、だって」

「あらら、バレてた」

「萌っち、なんなの?」

「姐さんから貰った護身用のデリンジャー型スタンガン。まぁ出力は普通のスタンガン以上だけど」

「何物騒な物渡してのさ、あの人…」

「ねぇ健、斎藤君ってもしかして“私たちのこと”知ってるの?」

翼は健が訳した斎藤の言葉に疑問を抱いた。

「あぁ、知ってるだろうね。だってあいつん家、警察のお偉いさんだし」

「そうなの?」

「父親は警視庁捜査一課長。で、母方の祖父が警察庁長官。振りかざそうとすれば交番の警官以上の力があるよ」

「「「………」」」

 




●―○―◎―●―○―◎―●―○―◎―●―○―◎―●―○―◎―●―○―◎―●―○
斉藤の家族も後々登場させます

期末試験本編は二月を予定しています
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