暗殺~SWORD X SAMURAI~   作:蒼乃翼

6 / 42
A組のオリジナルキャラ登場します


集会の時間

ある日の昼休み、E組は全員で山を降りていた。

体育館で行なわれる全校集会に本校舎の生徒達より先に整列しなければならないので、昼休み返上で移動をしているのだ。

 

しかし、その道のりは決して平坦ではなかった・・・・・

 

千葉、三村、岡島の3人は近道の橋を渡ると、突然橋が崩れて岡島が激流に流されてしまった。

「岡島~!」

 

 

不破、原、速水、中村のグループは突如落石に襲われた。が、何故かその岩は斜面を転がりながら、激流から生還した岡島に迫って行った。

「岡島~~!!」

 

 

寺坂組は大量の蛇に遭遇した。

しかし、そこにずぶ濡れで岩に追われながら全力疾走して来た岡島が蛇を全てその身に受けて走り去って行った。

「岡島~~~!!!」

 

 

渚、杉野、神崎、奥田、茅野のグループはうっかり蜂の巣を刺激してしまい、巣の蜂から一斉攻撃を受けそうになった。が、そこにずぶ濡れで岩に追われている蛇をからませた岡島が走り抜けて行き、蜂のそちらへ大半が飛んでいってしまった。

「岡島~~~~!!!!」

 

 

 

 

本校舎への道すがら、健は隣を歩いていた陽菜乃に聞いた。

「そういえば、さっき中村と何してたの?」

「あ、さっき?これナイフケースをデコってみたの~、どうひーちゃん、可愛いでしょ?」

キラキラのビーズをこれでもかと盛り、さらに眼帯をしたウサギまで描かれていた。意外と美術センスのある陽菜乃の力作だった。

「あ~…、うん、いいんじゃない…」

けれど正直、陽菜乃のセンスに着いていけない健であった。

そこに・・・・・

 

「うわあああああ!!!!!」

 

「何だ?!」

「あ、岡ちん」

2人の背後からもはや説明し難い状況の岡島が走ってきた。

「陽菜乃!」

健は陽菜乃の肩を抱くと脇に跳んで岡島をやり過ごした、しかし、その背後から蜂の大群が迫って来た。

「…ッ、」

健は逆刃の小太刀の柄に手を添えて抜刀体勢を取った。

「ひーちゃん、斬っちゃダメ!」

「わかってる…、よッ!」

健はいつもより大きな動きで抜刀すると小太刀の腹の部分を前にして目の前の空間を薙いだ。すると、その勢いで突風が起こり、蜂たちは風圧で気絶して地面に落ちた。

「これでいい?陽菜乃」

「うん、さっすがひーちゃん」

「ま、まぁね…」

健は顔を赤らめながら納刀した。

 

 

 

 

 ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎

 

 

 

 

何とか体育館まで辿り着いたE組は息つく暇もなく整列した。

月に一度の全校集会。

E組には気が重くなる時間だ。

 

「渚く~ん、おつかれ~」

「わざわざ山の上からこっちくるの大変でしょ~」

 

渚をからかうD組の田中モブ太に高田モブ助、だけではなく、全校からE組は嘲笑や蔑みの視線を受けることになる。

「…ッチ、」

健は思わず腰に手を回し制服のブレザーで隠した逆刃の小太刀を抜きかけた。

「ちょっとちょっと、緋村君落ち着いて…」

慌てて健(出席番号23)の後ろの不破優月(出席番号24)が止める。

「ねぇそういえば紫村君は?」

前の原すみれ(出席番号22番)が訊いてきた。

「体調不良、って言ってたけどたぶんカルマとサボってる…」

健は柄から手を放した。

 

 

 

 

健の予想通り、紫村雪(出席番号29番)と赤羽業(出席番号1番)は校舎裏のベストプレイスでのんびりしていた。

「はい、カルマ、これ解いてみて」

雪は空いているマスや数字が綺麗に並んだナンプレを携帯プレイヤーで音楽を聴いていたカルマに渡す。

「んじゃ、俺が解けたらジュース奢りね」

「全校集会終るまでに解けなかったらカルマが奢りなね…けほけほ…」

 

 

 

「あの2人、E組の中でも成績いいからね」

「こういう時成績優秀の素行不良っていいよね~」

E組への嘲笑が止まない状態で、集会は先へと進んでいく。

と、そこに烏間先生が入って来て他クラス担任への挨拶回りを始めた。

 

「誰だあの先生…?」

「しゅっとしててかっこいい~」

 

他クラスの注目が集まる烏間先生に、陽菜乃と中村がデコったナイフケースを見せびらかした。

「烏間先生~、ナイフケースをデコったの~」

「かわいいっしょ~」

烏間先生は慌ててケースを隠し二人に小声で注意した。

「…っ、可愛いのはいいが、ここで出すな。他のクラスには暗殺のことは秘密なんだぞ…」

「「は~い…」」

「………」

それを見た健はか~な~り、不機嫌になった。

 

「…なんか仲良さそー」

「いいなぁ、D組先生も男子もブサメンしかいないし」

「「………」」

 

D組が羨む中、さらにビッチ先生まで入って来た。

 

「ちょ…、なんだあのもの凄い体の外国人は!?」

「あいつもE組の先生なの?」

 

「何しに来た、イリーナ!?」

「うっさいわね、次の計画への情報収集よ」

ビッチ先生は渚を手招きすると情報吐けと谷間に渚の小顔を埋める『乳窒息(ちちっそく)ホールド』に固めた。が、すぐに烏間先生に引き離された。

 

「なんなんだあいつら…」

「E組の分際でいい思いしやがって…」

 

E組のいつもと違う雰囲気の中、集会は生徒会からの発表に移った。

『はい、皆さんに今配ったプリントが生徒会行事の詳細です』

“全校生徒”にプリントが配られる中、健の所には一向に配られてこない。

前の原さんの横から先頭の方を除くと、前方でも岡島が磯貝にプリントが無いことを訊いていた。

「あの…、すみません、E組の分まだなんですが………」

先頭のクラス委員磯貝が壇上の放送局部長荒木鉄平に申告する。

『え?無い、おかしーなー』

わざとらしい仕草で頭を掻く荒木。

『ごめんさーい、3―Eの分忘れたみたい、すみませんけど全部覚えて帰って下さーい。ホラ、E組は記憶力も鍛えないといけないから』

その言葉に、体育館でドッと笑いが起こった。

全校生徒からの差別、侮蔑、軽視、嘲りの渦はE組をあっという間に飲み込んだ。

「なによこれ…、陰湿ねぇ…」

「………」

ビッチ先生も烏間先生も嫌悪感を禁じえずにはいられなかった。

そして髪を赤黒くして瞳孔が開いた健もいっそ小太刀(これ)を見せれば全員黙るんじゃ?つーかいっそ肉体的に黙らせようと柄に手をかけた、

その時・・・・・・・

 

ブワッ   バシ バシ バシ バシ・・・・・

 

E組の列に一陣の風が吹き抜けた、と同時に、全員の手元にプリントが配られていた。

 

「磯貝君、問題無いようですねぇ、“手書き”のコピーが全員分あるようですし」

 

烏間先生とビッチ先生の間に、いつのまにか変装した殺せんせーが立って触手の上でボールペンを回していた。

「あ、プリントあるので続けて下さい」

殺せんせーに頷いた磯貝は集会の進行を促した。

『え?うそ…、なんで?!誰だよ笑い所潰した奴………、あ、いやゴホン、では続けます』

集会が進められる中、烏間先生隣の殺せんせーに小声で小言を言う。

「全校の場に顔を出すなと言っただろ!お前の存在自体国家機密なんだぞ」

「いいじゃないですか、変装も完璧だし、バレやしません」

腕(触手)をふにょんふにょんさせながら自信満々の殺せんせー。

 

「あれ?さっきまであんな先生いたか?」

「なんか妙にでかいし、関節が曖昧だぞ…」

 

そんな殺せんせーにナイフを何度も突き刺そうとするビッチ先生、しかし、全てヒラリヒラリと躱してしまう

 

「なんか隣の先生にちょっかい出されてる」

「なんか刺してねーか?」

 

そしてビッチ先生は烏間先生に連れ出されてしまった。

「ふっ…、しょーがいないな、ビッチ先生は」

健はすっかり殺気も毒気も抜けた髪色と表情になり、柄から手を放した。前後の原さんと不破さんも笑っていた。

先生達のコントを見て笑うE組を、他クラスの生徒達は不満そうに睨んでいた。

 

 

 

 

 ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎

 

 

 

 

「…おい渚、お前ら調子乗ってない?」

「集会中に笑ったりして周りの迷惑考えろよ」

集会が終わった後、ジュースを買いに来た渚はモブ太&モブ助に因縁付けられていた。

「E組はE組らしく下向いてろ」

「どうせもう人生つんでんだから」

「………」

「おい、なんだその不満そうな目は」

「何とか言えよE組!殺すぞ!」

 

(…殺す………?殺す…、殺す…か)

 

 

渚は・・・・・

 

 

殺 そ う と し た こ と な ん て な い く せ に

 

 

静かに微笑んだ。

 

「「…っ!!」」

 

モブ太とモブ助は得体の知れない気、殺気によりすっかり萎縮していまった。

渚は自販機でジュースを買うと足が竦んで動けない2人を押しのけて歩こうとした・・・

 

 

「…!?」

不意に、渚は華奢な肩を掴まれた。

 

 

渚の背後に気配無く現れたその男子はアフロを崩したボサボサの髪のわずかな隙間から覗く眠たそうな目つきで渚を見下ろしていた。

「………」

その男が顎をしゃくるとD組の2人はその場から逃げた。

「………」

「あの…教室に戻りたいんですけど………」

渚は自分の肩を掴んで放さない男子に殺気を飛ばす。

 

「…!」

 

途端、その男の眠たげな目が赤く光、狼のような殺気が放たれた。

渚はいっそ一気に振り払って逃げようかと思った。

しかし、男の殺気がそれを許さなかった。

この殺気に似たものを渚は知っていた、それは・・・・・

 

 

「ちょっと、E組(ウチ)の愛玩動物に何か用?」

 

 

 

渚の肩を掴んでいた男子の手首を合気の要領で軽く捻って放したのは、健だった。

「緋村!」

「風紀委員のお勤めご苦労さん、でもここでこれ以上騒ぐ方が風紀乱すことになるし、渚放してくんない?」

普段と違いずいぶんと饒舌に挑発的になっている健は空いている右手を制服の後ろに回し、いざとなれば抜刀する気配を見せた。

「………」

男子は無言のまま渚を放すとそのまま踵を反して去って行った。

「ありがと…、緋村。助かったよ」

「いいよ、渚も面倒なのに絡まれたもんだね」

健は答えながら自販機で次々にジュースを買っていった。ブドウジュース、パインジュース、イチゴ牛乳、リンゴジュース、乳酸菌飲料、グレープフルーツジュースの合計6個を腕に抱えると渚が半分持ってくれた。

「…ねぇ、あの人は?知り合いっぽかったけど」

健は溜息混じりに応えた。

「3年A組斎藤誠。風紀委員長兼剣道部部長…」

「そっか…緋村って元剣道部だっけ。なんか、殺気がすごかったし、いつかの緋村みたいに」

「まぁね…、たぶんあいつ…、素手でやってもタスクより強いよ」

渚は驚きの評価に息を飲んだ。

「それにしてもあの人全然喋らないんだね」

「…あぁ、俺もあいつが喋ってんの訊いたことないし」

「ところで、このジュースの数は?」

「タスク達とじゃんけんで負けてパシらされた…、あと何故か雪の奴からもメールで買ってきてって…」

「あぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな他愛のない会話をしている様子を監視する人物がいるのを、2人は知る由も無かった。

「E組が…、エンドのE組が普通の生徒によくない影響を与えている………、それは合理的ではない…、改善する余地がありそうだ。私にとっては、暗殺よりも最優先事項だ」

 

 

「それにしても………、緋村健…、彼女に似ているな………」

 




A組斎藤誠
見た目:銀魂の斎藤終(顔は隠してない)
剣道部部長兼風紀委員長

最初は原作の斎藤を…、と思ったがあの老け顔で中学生だったらこの作品は『暗殺教室』ではなく『テニヌの王子様』になってしまうので、同じジャンプからまだギリギリの斎藤終を採用



次回は7月15日
次々回は7月25日に投稿します
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。