暗殺~SWORD X SAMURAI~   作:蒼乃翼

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京都編
HR 班分けの時間


椚ヶ丘裏山

中間が終わり、とりあえずショックから立ち直った健は今日も日課の登校前稽古をしていた。

そんな風景を、森の中の倒木に座りながら陽菜乃はニコニコと眺めていた。

 

 

 

「ひーちゃんはさ、こないだの中間どうだった?」

稽古を終えて陽菜乃の隣(遠すぎず、けれども近いとも言い難い距離)に座った健はペットボトルのほうじ茶を飲みながら、ちょっとだけ得意げに応えた。

「まぁまぁかな。社会は磯貝に2点負けたけどかなり取れた。あとはその…、理科の生物分野は満点だったよ…、………陽菜乃のおかげで」

「そっかぁ~。私は理科以外あんまりよくなかったんだよね~」

「あれはしょうがないって。あんな不意討ち」

それより、と、陽菜乃は持ち前の明るさで話題を切り替えた。

「もうすぐ修学旅行だね」

「…っ!………あ、ああもうそんなじきかー」

途端、棒読みになって視線が泳ぐ健。髪の色は・・・照れている時の赤色になっていた。

「ひーちゃんはいつものみんなと班組むんでしょ?」

「………まぁ…、そうなるかな…」

健は飲んでいたペットボトルを置くと、大きく深呼吸した。

「だよね~、たぶんE組で一番の仲良しグループだし。“わたし”は誰々と班になろっかなぁ~」

 

「………ぁ…、のさ…」

 

「あ、もう行かないと、時間だ」

「っ!?」

時間を確認した陽菜乃は“さっきまで健の飲んでいた”ペットボトルを一口飲むと立ち上がって校舎への登り道を歩き始めた。

「ほら、ひーちゃんも早く~」

「あ…、あぁ………」

健はその場でじっと“陽菜乃が飲んでいた中身がまだわずかに残っている”ペットボトルを見つめていた。

 

 

 

 

京都編―序章

班分けの時間

 

 

 

 

5月中旬、暗殺教室は1つの大きな行事を迎えていた。

 

 

「知ってのとおり、来週から二泊三日の修学旅行だ」

体育(訓練)の時間の最後に、烏間先生は大規模な暗殺計画の話を始めた。

「君達の楽しみを極力邪魔したくはないが、“これも任務だ。”」

その言葉に岬が挙手した。

「ってことは、“あっち”でも暗殺?」

「その通り」

烏間先生は即答した。

「京都の街は学校とは段違いに広く複雑。しかも、君達は回るコースを班ごとに決め、奴はそれに付き添う予定だ。狙撃手を配置するには絶好の場所。すでに国は狙撃のプロ達を手配したそうだ。成功した場合、貢献度に応じて100億円の中から分配される。暗殺向けのコース選び、気張ってくれ」

 

「「「は~~~い」」」

 

クラス全員、修学旅行の楽しみ半分、暗殺のこと半分で頭がいっぱいだった。

 

 

しかし・・・

 

 

 

たった一人・・・、

 

 

 

 

 

それらのこと以上の難題を抱えている生徒がいた。

 

 

 

「………」

緋村健は左頬の傷を隠すように一房に結って垂らした髪と頬を若干ピンクにしながら、陽だまりのように微笑む陽菜乃の横顔を見つめていた。

 

 

健が抱える難題、それは・・・・・

 

 

 

 

班   分   け

 

 

 

 

 ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎

 

 

 

 

「ま、班分けっつても、結局はこの面子だよな!」

笑いながらサ●ヤ人みたいな鳥頭をガシガシ掻いている相楽タスク。

「けほけほ…、」

「あんた…、京都まで身体持つ?常備薬は切らすんじゃないわよ。一応向こうの親戚の病院には行くこと伝えているけど…、駆け込むのは本当に最後の手段だからね」

E組一の長身でありながら病弱体質の紫村雪。

と、それを気遣う中学生とは思えないプロポーションの保健委員高荷萌。

「ふっふ~ん、京都は私のホームラングランド、班長は私に任せてもらわよ!」

長い三つ編みを一本背中に垂らしたツンツン跳ねっ毛の元気っ娘巻町岬。

「あの…、みさちゃん、ホームラングランドじゃなくてホームグラウンドね?」

右側の髪を伸ばしリボンを結んでいる控えめで大人しい大和撫子明神翼。

「………」

そしてさっきからガイドブックに視線を落としたままうじうじしている緋村健。

E組でもすっかり定着している仲良し6人グループは早々に班も班長もが決まり、あとは用紙に記入してクラス委員の磯貝か片岡メグに渡すだけだった。

「ねぇみんな」

唐突に、翼が挙手した。

「はい、つっちゃん、発言を許可します」

すっかり班長気取りの岬が翼を指差す。

「あのね、今回、もう一人誘ってもいいかな?」

「ケッホ…、まぁうちは32人だから6人5グループにしても…、コホ…どこかにあと一人ずつ、7人グループが2つできる計算になるよね」

咳き込みながらも素早く暗算する雪に翼は頷いた。

「んでバサの字、誰誘うんよ?」

タスクの疑問に、翼はちょっと待ってと言うと、その人物を連れてきた。

 

 

「あ、ひーちゃんたちだ」

 

 

「っ!?」

ガイドブックから顔を上げた健は驚愕した。

翼が陽菜乃の手を引いて班に入れようとしていたのだから。

「あら、陽菜乃ちゃんじゃない」

萌も少なからず驚きの声を上げた。

「うん、ひなちゃんもうちの班に入れても…「いいんじゃない」…いい?」

翼の問いが終るよりも早く、健が賛成した。他の面子も、アイコンタクトで頷いた。

「それじゃ、よろしくね。ひーちゃん、がらちゃん、むっちゃん、つーちゃん、みっちゃん、もえちゃん」

 

 

 

 

 ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ ◎

 

 

 

 

放課後、健と翼は近所のデパートに来ていた。

「………翼」

「なに?」

トラベル用品を品定めしている翼に、健は訊いた。

「なんでひな…、倉橋を誘ったの?」

 

 

「え?だって健、ひなちゃんのこと好きでしょ?」

 

 

「~~~~~っ!?!?!」

健は髪も頬も真っ赤にして驚いた。

「あのさぁ…、何年健と一緒にいると思うの?誰にどんな感情向けてるかなんてすぐ分かるんだから」

普段は、良く言えば大人しい、悪く言えばおどおどしている翼だが、幼馴染の健と二人っきりになると、その態度は姉じみてくる。

「………あのさ、そのこと…」

「大丈夫、誰かに言ったりはしないから。もちろん、お母さんやお父さん、小父さんにもね」

「………ありがと…」

「はい、どういたしまして。じゃ、とりあえずもう少し修学旅行の買い物、付き合ってもらうわよ」

「ん…」

そういうと翼は健を下着売り場へ引っ張って行った。

 

 

 

(…まぁ、タスクくんも雪くんもみさちゃんも萌ちゃんも、全員健の気持ちには気付いてるけどね………)

 

 

 

 




緋村健の弱点
④【陽菜乃への気持ちが仲間内全員にバレている】
武士の情けでそれを言わないでいる


一人称 【呼び方】 
健:俺(自宅や明神家では僕になる)
[タスク 雪 翼 岬 萌 陽菜乃(ただし二人っきりの時だけ クラスでは倉橋)]

タスク:オレ
[健 雪の字 バサの字 みさきち 萌 倉橋]

雪:僕
[健 タスク 翼ちゃん 岬 萌 倉橋さん]

翼:わたし
[健 タスクくん 雪くん みさちゃん 萌ちゃん ひなちゃん]

岬:私
[緋村 相楽 ゆっきー つっちゃん 萌っち ひなのっち]

萌:アタシ
[ケン君 タスク 雪 翼ちゃん 岬 陽菜乃ちゃん]

陽菜乃:私
[ひーちゃん がらちゃん むっちゃん つーちゃん みっちゃん もえちゃん]


修学旅行班分け 【暗殺場所】
1班(班長 磯貝) 【保津峡トロッコ】
磯貝・木村・前原 岡野・片岡・矢田

2班(班長 中村) 【太秦映画村】
岡島・菅谷・千葉・三村 中村・速水・不破

3班(班長 原) 【清水寺】
竹林・寺坂・村松・吉田 狭間・原

4班(班長 渚) 【祇園】
カルマ・杉野・渚 奥田・茅野・神崎

5班(班長 岬) 【???】
タスク・健・雪 陽菜乃・岬・萌・翼

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