作:お手柔らかに

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加筆修正中でふ?話が


黄泉路③

明らかに何かが違うって…

何がどう違うのかは元々の姿を知らない私には解らないけど違和感ってゆー漠然としたものじゃあるけど皆も感じてるみたい

一見ただの地下廟に向かう階段に見えるんだけど既にかなりの時間が経ってる

翼、疲てないか?なんならおぶってやろうか?」

そう言われてムッとした私はアーチャーの頭をポカリと叩くと

「また人の事子供扱い…」

今度は私が頭を何かで叩かれしかもかなり痛かったから頭を抱えて振り向くと見知らぬ女性が扇をヒラヒラさせ立っていた

「な、何すんのさ?いきなり人の頭叩いてさっ!」

「殿方の頭を叩くと言う不作法な貴女の様な娘にはお仕置きが必要だからそうしたまでです…暫くは貴女の躾、私が致しましょう」

そう言われてムッとした私は「貴女こそ何なのさ、何で見ず知らずの人に頭叩かれなきゃいけないの?つかただでさえお馬鹿な私がこれ以上お馬鹿になったらどうするのさッ!?」

そう私が喚くと

「二年前の流行り病でなくなった我妻のシーロキュムラスだ…」

そう聞いた私はその人の顔が領主夫人様に似ているのに気付いて一気に血の気の引く気がした

あの爺さんに食って掛かる勝ち気な夫人を思い出して救いを求めたけど爺さんは首を横に振るだけだったし勿論ディアナとレイは曖昧に笑うだけで…

王子とアーチャーに至ってはあからさまに僕から視線を反らされムッとして唇を尖らしたら又叩かれた…ペシッ!っと

「あっ…痛っ!」

「言ってる側からこれですから…貴女は母親から娘としてどんな躾を受けたのですか?」

そう言われて私は残りわずかな記憶を手繰り寄せそんな記憶が有るのか掻き回してみた…でも…そうだ…私はこの世界に来る前の記憶はもうすっかり失われている

だから正直な話私は一体何処から来た何者なのか自分自身も解らなかったから正直に

「昔の事なんかこれっぽっちも覚えてませんよっ♪」

と、答え右手の親指と人差し指を触れるか触れないか位に寄せてその人に見せたら又叩かれた…ペシッ!っと

「痛いっ!本当に覚えていないのだから仕方無いでしょっ!?」 

堪り兼ねた私はそう叫んだら

「シーロキュムラス様…それは本当の事で今では翼の媛巫女になられる以前の記憶はすっかり消えてしまわれているのです…

確かに翼様の言い方にも相当に問題が有りますが記憶の欠落は知識をも奪いさってしまい年相応に振る舞う事も出来なくなっているのです」

そう説明されたその女性は私の顔を見詰めると

「貴女は記憶が無くても…思い出せなくても平気なのですか?」

そう言われて

「私にはもう二度と戻ることの出来ないと言われている世界の記憶なんか要りませんし忘れてるのだから里心がつくこともないでしょ?

今の私にはお爺様、シュー様、アーチャーさんにディアナさんとレイさんが全てでこの人達が居れば私は寂しくないしどんな辛い事にだって立ち向かえる

私にはもう帰る処なんかない…元々帰りたいって思ってたのかもかなり怪しいのだけど…」

そう言って私は微笑んだ…つもりだった

でも…僕の笑顔はひきつっていてとてもじゃないけど見れたものじゃなくて私を見て僕は目を覆った

「翼様…帰る処が無いなんて寂しい事を言わないでください」

「私達では翼様の帰る処にはなれませんか?」

寂しそうにディアナとレイが言った

「勿論皆が私を受け入れてくれる限りは私の帰る処は貴女達の所しかない

でも…私には自信がない…いつまでも皆にそう言って貰える自信が無いんです」

今度はちゃんと笑えた…

だって…今度は寂しい笑い顔なのだから…

無理して笑ってないのだから…

「お前の騎士である俺が信じられないのか?」

アーチャーにそう言われて私は首を横に降りながら

「信じられないのは自分自身…自分すら信じられない私には人を信じる勇気はない…」

アーチャは僕の肩に手を置き

「何故自分を信じない?」

「だって…私が忘れているのはここに来る前の事だけじゃないんだからね…アーチャーさん…私、貴方と何か約束した筈なのに思い出せないんだよ?

貴方の誓いを受け取ったことも…

忘れて良い事じゃ無いよね?大事な事なのに…だから私は自分を信じられない

この先も大事なことをどんどん忘れちゃうかもしれない自分をどうやったら信じられって言うの?信じられる訳なんか少しもないっ!」

(私…もしかして泣いてるの?)

僕は呆然として私を見ていた…

アーチャーの胸に顔を埋めて泣いている私をまるっきり他人事の様に感じる僕…

「もう良い…それ以上自分を責める必要はない…解ったろう?こう言う子なのだよこの娘は…」

「本当の孫の様に思える…ですか?

そう言えば貴方は孫娘を欲しがってましたね…

ですがそう言う事なら益々確り作法身に付ける必要があるはず?」

そう言われてキョトンとなり

「教えて頂いても忘れてしまうかもしれない私に?」

そう言う私に表情を変えず

「頭で覚えた知識は忘れても体で覚えた経験は身体が直ぐに思い出せる筈ですからビシビシ教えますよ、覚悟なさいね」

そう言われて息を飲み

「私が作法を覚えたら嬉しい?」

爺さんに聞いて

「ちゃんと振る舞えるようになったら少しは自分を認めてあげられるかな?」

アーチャーに聞いた

私がアーチャーから離れたのをチャンスとばかりに二人の間に割り込んで

「その暁にはパーティーで私のパートナーになってくれるね?翼媛…」

シューにそう囁かれた私は

「私はお姫様じゃ…「簡単になれる方法は有るが貴女の騎士が怖い顔で睨んでるからこの話しはここまでにしよう」

私の口…言葉を右手の人差し指で塞いでいた指を降ろしてクスクス笑う王子と王子を睨むアーチャー

そして今の展開を理解できず頭の中を?で埋め尽くされる私

そんな私を怪訝そうな目で見るシーロキュムラスに

「どう言うものか翼様はご自分が魅力的な女の子であると言う自覚が無い…いいえ認めようとなさらないのです」

小声で言うディアナに

「見た目以上に幼いのかもしれませんね…」

その言葉に顔を見合わせたディアナとレイ…

そのレイがシーロキュムラスの顔色を伺いながら

「実はこんな事をお話しして良いのか迷いましたが…」

と前置きをして

「実は雷斗様は初めて会った翼様の胸をいきなり揉まれたのですが翼様はあんな風に触られたのは生まれて初めてだからもの凄く痛かったんだからねと…」

話を聞いていた爺さんの顔色は蒼くなりそっと逃げ出そうとしたが間に合わずに

「雷斗様っ!」

シーロキュムラスの雷が落ちたが混乱している私は気が付かなかったけど爺さんへの説教が始まった

「未々言いたいことは山程有りますけど翼の媛巫女様の顔色が良く有りませんからここで少し休んで行きなさい、宜しいですね?」

そう言われて私達はシーロキュムラスが使っていると言う家で休むことにした

顔色が悪いから…でも…本当は逆だった…

急速に膨れ上がりつつある魔力に私の身体が悲鳴をあげ始めているのだけど未だそれに気付かないシーロキユムラスは

「なぜ貴女はそこまで自分を嫌うのですか?」

その問い掛けに覚えてない記憶と言うより思い出したくないと感じる記憶に触れられ

「記憶を失う前の私の名残ですけど私自身を呪っていたのを忌み嫌っていたのだけは覚えてます」

私の口…言葉を右手の人差し指で塞いでいた指を降ろしてクスクス笑う王子と王子を睨むアーチャー

そして今の展開を理解できず頭の中を?で埋め尽くされる私

そんな私を怪訝そうな目で見るシーロキュムラスに

「どう言うものか翼様はご自分が魅力的な女の子であると言う自覚が無い…いいえ認めようとなさらないのです」

レイはシーロキュムラスにそう説明してくれた

アーチャーの背に揺られてどれくらいの時が経ったのだろうか?熱が上がり始めてぐったりする僕の様子を見ていたシーロキュムラスが

「これはもう予定を切り上げてもう出発した方が良いのかも知れませんね…」

なし崩し的に休憩なっていたけどそのシーロキュムラスの言葉に頷く私以外の一同は既に熱が出始めてぐったりする私はアーチャーに背負われ旅を再開することになったんだけど

「熱い…熱い」

歩き始めるとすぐに体調崩した私を気遣うシーロキュムラスが

「少し遠回りになりますが私の屋敷で休んで行きますか?」

そう言ってくれたけど時既に遅く魔力の箍が外れた私の身体は溢れた魔力のせいで高熱でうなされ始めていた

熱でぐったりしている私をアーチャーが背負ってシーロキュラムスが住んでいると言う屋敷に案内され休む事になった私達

皆も十分に休息を取った頃合いをみて

「例の…魔力のせいの発熱だから大丈夫…お爺様、先を急がなきゃ…」

私がそう言うと

「大丈夫なのですか?」

シーロキュムラスに言われた私は

「あ、余り大丈夫じゃない…さっきは憎まれ口叩いてごめんねアーチャーさん…ダメダメな娘を主に選んだ身の不幸と諦めておんぶして…」

弱々しく笑う私に

「まぁ確かに媛巫女として振る舞ってる時以外はな…

お前は肝心な時に羽ばたけば良い

その時以外は無理しないで皆に甘えれば良いのだから…

特に姉さんやレイさんにはたっぷり甘えると良い」

そう言われて

「私がお子様だから?

見習い魔女のみこちゃんにまでお子様とか可愛い翼ちゃんって言われたんだよね…12歳の子にまで…」

何か自分で言っててトコトン凹んでる私…

 

(やっとの思いで最下層まで来たのか…)

そう思ったシューが目の前に現れた断崖絶壁の崖を見て己の浅はかさをひそかに反省しているのは誰も知らない話しと言うかはっきり言ったらどうでも良い話で

「シューが何を気にしてるか知らないけど…少なくとも私は愁いを帯びた王子様は趣味じゃないですから元気出してくださいねっ♪」

そう言って弱々しくウィンクして見せたら

「」

相変わらず対岸は見えないものの行く手に大きな橋が見えてきた

「有難うございます…貴方はこの橋を渡ってはいけないし未だその時じゃないのだからもう帰ってください…ここからは自分達で道を選びますから…」

魔力が溢れて暴走してる為に器である私の身体は以前にも増して多大な負担を強いられてるからマジ辛いんですけど

そんな私達の前にその方は現れた

ー妾がその二人の問題を解決に導いてやろうか?ー

その呼び掛けに驚いた私以外の六人が声のした方を向くと妖艶なる絶世の美女が立っていてその姿を確認したシーロキュムラスは膝ま付くと

「ペルセポーネ様、お久しゅーうごさいます」

そう言って頭を下げるとディアナも驚いて

「では貴女様が冥府の王の后にして冥府の女王様でいらっしゃる…」

そう言ってシーロキュムラスに倣って膝ま付くディアナに

ー良い、シーロキュムラスとディアナと申したな?その格好では話が進まぬゆえ頭を上げなさいー

そう声を掛けると二人も頭を上げ

「失礼しましてペルセポーネ様がわざわざお出ましなられた理由をお教え願えませんでしょうか?」

シーロキュムラスにそう聞かれたペルセポーネは

「翼の民の媛巫女とその眷属に頼みたい事があるゆえ迎えに参った」

そうアッサリと答える彼女はやはり女神なのだと考えた

つまらぬ維持や体裁より己でなんとかならない懸案をなんとかできるかもしれない者達に頼むのに呼びつけるのは中途半端な小物がすること

 

「シーロキユムラス、お前がこの橋を往き来する方法が無い訳ではありませんが…それなりの対価が必要ですが覚悟はありますか?」

ペルセポーネに聞かれた私が頷くと

「並ばその背に生えし翼を切り落としシーロキユムラスに与えなさい」

そう言われた私は黙って頷くと

「アーチャーさんお願いします」

私がそう頼むとイヤイヤと首を横に降るだけのアーチャーさんに呆れた私は仕方無いから自らの手で切り落とすことにした…

かなり痛そうだけど魔剣風切りを呼び出すと気合いを入れて背中にそって切りつけると傷口から地が吹き出し痛みで正気を失いそうだけど歯を食い縛って刃を持つ手に力を入れたけど刃は私が思うようには進まない

その様子を見ながらアーチャーを見て

「お前が媛巫女の意を汲み一思いに切り落としてやらぬから不必要に血を流しいたずらに痛みに苦しんでいるのがわからんのか?」

そう言われて見る私の顔は血の気を失い真っ青で痛みに絶えるために噛み締める唇に歯が食い込み刃を持つ手は震えていて

「お前が一思いに切り離してやらぬから不必要に血を流しいたずらに苦しむ事になっているのだ」

まるで翼を切り離すのが正しいことのように言われそれに納得出来ないアーチャーが

「なんでそんな真似をせねばならんのだ?翼を失いたくないと言ったのだぞ?媛巫女様はっ!」

そう叫ぶアーチャーに

「一時失うだけでまた生えてくるのだから心配無用」

そう冷静に答えるペルセポーネに

「あ、アーチャーさん…やっぱりい、イタイ…痛いんだ…よ」

そう言葉をと切らせる僕を見て決意を固めると抜くても見せずに一瞬の早業て翼を切り落とすと拾い開けた翼をペルセポーネに渡すアーチャー

私の背中から噴き出す血を見ていたレイの絶叫が迸り時が止まっていたじいさん、シュー、ディアナの刻を再び動かした

「あ、貴女と言う方はなんと辛い事を翼に…酷い真似をアーチャー君にさせるのだっ!」

そう言って憤慨するじいさんを全く相手にしないで

「少し静かになさい、今から難しくデリケートな儀式を執り行うのですからね?それと…」

そう言ってレイを見て

「媛巫女の手当てを任せます」

その言葉に衛生兵の誇りを取り戻したレイは

「わかりました、お任せください」

そう言ってアーチャーが持つ荷物の中から医療品を取り出して治療に当たるレイ

そして私が流した血で魔方陣を描くペルセポーネが術式に入りよくわからない呪文の詠唱を始めたんだ

そんなペルセポーネを苛立ちを圧し殺し見守るじいさんとシューに苦り切った表情のアーチャー

…そして不安に押し潰されそうな顔で私を見守るディアナとレイに血の気を失い無表情なシーロキユムラスと異なる表情の六人が黙って私を見つめているけどそれに構うことなく

「シーロキユムラスよ、背をこちらに…私の方に向けなさい」

その突然の言葉に驚いたものの素直に言うことを聞いて背を向けると

「素直でよろしい」

と言い

「これから行う儀式は死者に偽りの生を与える禁呪…それも冥府の王の寵愛を受ける身の妾とて何らかの責めを受けるは必定なほどに罪深き術であるゆえにそれを努々忘れるでない」

そう言って言葉を区切ると大きく息を吐き出し

ー我は理を覆す…負を正に返し…死者に命を与える大罪を犯す呪文を今唱えん…ライフリバースっ!ー

そうペルセポーネが禁呪をとなえると私の翼が輝きだしてその翼を掴むとシーロキユムラスの背中に添えるとシーロキユムラスの身体も輝きだしまるでその身体に吸い込まれるように消えていった

「」「』「」「』:」「」「」

「」

「」

 

「ペルセポーネ様、よろしいでしょうか?」

そう告げてペルセポーネに近付いてきた侍女は

「ペルセポーネ様にご報告いたします、シーロキユムラス様が雷人様達にお出でいただき新たな変身を遂げた媛巫女様にお会いしてほしい、新たなそのお姿を見てほしいと…そうお言付けを賜りました」

そう言って頭を下げる侍女に

「翼が変身?どう変わったと言うのだ?」

というじいさんの問いかけに

「その、私達はディアナ様とレイ様の仰います媛巫女様を存じ上げませんから私共には答えようがございません」

そう答えると

「会ってみるしかないと言うわけか…」

そうアーチャー呟くと

「できるだけ見たままを素直に意見をいえと言うことなのだな?」

じいさんに問われた侍女が黙って頷くと

主人達の到着を待つペルセポーネの侍女達の関心はつうちゃんが誰をパパと呼ぶかだった

つうちゃんがママと呼ぶディアナとの年齢差を考えると一番違和感が無いのはアーチャーだけど実弟の彼は無いのでは?という意見がありじいさんは良い男だけどやはり年齢差を考えると…で可愛そうな?シューはパパと呼ぶには若すぎず圏外と言う予想で賑わっていた

「ペルセポーネ様とお客様方をご案内しました」

侍女の声に振り向いたつうちゃんは

「パパーっ、お帰りなさぁーいっ♪」

そう叫んだつうちゃんの飛び付いた相手はじいさんで

「……」

その状況についていけずに固まって無言のじいさんに不服のつうちゃんは

「つうちゃんおかえりなさいした、だからパパもただいましてっ!」

そうじいさんに訴えるとたじろぐしいさんはシーロキュムラスの顔色を伺いながら

「ただいま、つうちゃん」

そう言ってつうちゃんの左頬にキスを落とすと喜んだつうちゃんは

「パパとママもただいまって仲良しさんしてっ♪」

つうちゃんにそう言われディアナの頬にキスをすると

「パパとママが仲良しさんしない…」

そう言って落ち込むつうちゃんを見ながら

「ま、まさか唇同士で?」

顔を蒼くするディアナに頷いてつうちゃんには見えないように上手く誤魔化してキスしたフリのじいさんはしきりにシーロキュムラスの顔色を伺っているから『妻に頭が上がらない恐妻家か…』と、思った

「パパとママ仲良しさんしたっ♪」

そう言って喜んでるつうちゃんを不思議そうに見ながらアーチャーが姉のディアナの耳元に

「翼に良く似ている気がするんだが…」

そう問い掛けていると自分の目の前に来たつうちゃんに逆に問い掛けられた

「おじちゃん誰?」

と、それを隣で聞いいたディアナが吹き出して笑い

「このおじちゃんはママの弟のアーチャーです、つうちゃん…ご挨拶は?」

そう言われたつうちゃんは

「つうちゃんです、よろしくお願いします、アーチャーおじちゃん」

そう言ってペコリと頭を下げるつうちゃんに

「アーチャーだ、よろしく頼む」

と、声を掛けそれからディアナを睨んでいると

「レイ、この茶番はいつまで続くのかな?翼が見当たらないけどどこに行ったんだい?」

シューのその問い掛けに

「翼様ならちゃんとこちらにいらっしゃいますよ?私やディアナさんも名前でお呼びしてますが…」

そう言われていつの間にか目の前に来ていたのか先程から翼と呼ばれていた少女…つうちゃんを見つめ

「ま、まさか翼?」

そう言われたつうちゃんは

「うん、つうちゃんのお名前は翼ってゆーんだよっ♪あーっ、もしかしてそのお兄ちゃんレイさんの恋人さんなのぉーっ?」

好奇心丸出しで聞いてくるつうちゃんに

「恋人なんかじゃないですよ、この方は私がお仕えしている王国の王子様なんですよ」

レイのその説明に

「そうなんだ、お兄ちゃんは王子様なんだ…」

夢見る表情でシューを見つめるつうちゃんに

「シュー様は未だ婚約者がいらっしゃいませんからパパに頼んで婚約者候補に名乗りを上げませんか?」

嘘か本気かレイがそんなとんでもないことををいってきたけど

「つうちゃんおバカだしお行儀もスッゴく悪いよ?」

そう言ってアハハと笑う私に

「大丈夫よ、お姉さんも応援するし大貴族のシーロキュムラス様がしっかり教えて下さいますからね」

「う~ん…よく解んないけど物覚えの悪さには自信ある気がするんだけどなぁーっ♪」

そんなつうちゃんとレイの二人を見ながら

(この翼も可愛いからこれはこれで有りかもな?)

そう考えたシューが

「よろしければ私が近いうちに遠乗りにご招待いたしますよ?」

そう爽やかな笑顔で答えるてアハハと苦笑いを浮かべる私に

「大丈夫よ、お姉さんも応援するし大貴族のシーロキュムラス様がしっかり教えて下さいますからね」

笑顔でそう言ってくれるレイだけど

「う~ん…よくわかんないんだけど物覚えの悪さには自信ある気がするんだけどなぁーっ♪」

そんな二人を見ながら

(この翼も可愛いからこれはこれで有りかもな?)

そう考えて

「よろしければ近く私が近く遠乗りにご招待いたしますよ?」

そう爽やかな絵顔で答えると顔を真っ赤に染め答えに窮するつうちゃんを見ながら

「大叔父上はこの状況をどう判断すべきと思いますか?」

王子のその問い掛けに答えたのはペルセポネーだった

―要らぬ心配、翼の民の媛巫女は今こそ真の媛巫女に生まれ変わっただけのだ事なのからな―

一同の視線が何も知らない私に集まるけどそれには気付かずにレイと一緒に草の実を食べていた

ただちょっと可哀想なのがアーチャーでママ(ディアナ)の弟なのだから可笑しくは無いけれどおじちゃん呼ばわりは無いよね?いくらなんでもさ…

そんなのんびりした時の流れを邪魔する事態が発生した

「ペルセポネー様にご報告です

毒蜥蜴の群れが町を襲って来ますっ!」

それを聞いて立ち上がる少女は武装化すると槍を背中から外し横座りになるとまると槍はまるで魔法の箒のように私の身体を運んでくれた

私は一軒の住宅の屋根に降り立ち左の手首に装備されたボウガンに魔力を集中し命じた

―焼き払い燃やし尽くせ…フレイムアローっ!―

そう呪文を唱えボウガンを射ちまくった

でも…毒蜥蜴はまるで毒の川とでも言うように後から後からと押し寄せてきた

「どうしよう…つうちゃんの力じゃ足止めにもならない」

半べそかきながらそれでもフレイムアローを放ち続けた

(どうしよう…もう食い止められないっ!)

涙で霞む目はもう毒蜥蜴の姿を捉えることが出来ないでいたが諦めずにフレイムアローは放ち続けた

その時一陣の熱風が吹き抜け一気にかなりの数の毒蜥蜴を平らげた

(おじちゃん…え?)

「涙を拭きなさい…」

いつの間にか爺さんは小さくなった私を支えてくれていた

「つうちゃん強くない…だから…」

頬を濡らす涙を拭いもしないで背中の槍を再び手にし叫んだ

―目覚めよ雷竜の角…雷竜姫槍っ!―

僕の持つ槍に雷が落ち僕は全身にイカズチを纏わせアーチャーを追った

炎を纏ったアーチャーはまるで炎帝の様に見えた

「おじちゃん格好良い…」

二人の活躍でまるで黒い川の様に見えた毒蜥蜴の侵攻を何の被害を被ること無く退ける事が出来た

僕はアーチャーに肩車してもらいペルセポネーの屋敷に戻ることにした

「お兄ちゃん格好良い」

僕はアーチャーの耳元に囁きそっとその額に口付けして

「これからもつうちゃんを守ってくれる?」

私がそう聞くとアーチャーは優しく微笑んで言ってくれた

「俺は翼を守る騎士だから当然だ」

と…

「お兄ちゃんはつうちゃんの騎士様?」

はにかむ私を不思議そうに見て

「?…どうした?翼…」

「うん、守ってくれる騎士様がいるってなんかつうちゃんお姫様みたいだなって思ったらちょっと恥ずかしくなっちゃった」

そう言って舌をペロッと出して笑った姿を見て笑っているアーチャーと爺さんに勘違いしたつうちゃんは

「お兄ちゃんとパパ酷ぉ~いっ!つうちゃん恥ずかしいの我慢して教えてあげたのあげたのにぃ~っ」

そう言って頬を膨らませたら

「何を恥ずかしがる必要があるのだ?お前は私達の可愛いお姫様なんだから胸を張りなさい」

面と向かってそんなこと言われたものだから頬が真っ赤に染まって熱くなるのがわかったつうちゃん

出迎えに来たレイが顔の赤い僕に気付いて

「翼ちゃん…お顔が赤いけどお熱が出ちゃったのかな?」

努めて明るく振る舞っているけど不安は隠せてなくて僕の額に手を伸ばしてきた

「ち、違うよっ!そんなんじゃない…パパが変なことゆーから…」

「翼が私達の可愛いお姫様と言ったのがか?

レイお前もそう思うだろう?」

(成る程そーゆ事か…確かにあれだけ正面切って言われたら誰でも照れるのに…でも…)

「その通りですよ、翼ちゃん…いいえ…翼様は私達の大切なお姫様ですよ」

そう言って微笑むから益々顔は紅くなり熱く火照って仕方無かった僕は俯いて

「お姉さんまでそんな…」

と…小さな声で呟くのが精一杯だった

僕達はペルセポネーの前に戻り今の異変に疑問があるから話を聞くと言う爺さんの意見を聞く事にした

「翼とアーチャーの活躍で何とか敵を退けることが出来たことをご報告します

ですが…毒蜥蜴のあの不自然な行動…アレは一体?」

―何者かに操られている…らしいとしか言いようがない

それ故その調査から始めて貰いたいのだが頼めるか?―

爺さんが「考える時間が欲しい」と言う暇もなく

「うん、良いよ」と答えた私に焦る爺さんは溜め息を吐き

「考えるまでもないか…」

と呟き

「調査からと言われましたが先ずは情報収集からで宜しいですな?」

爺さんは聞いた

―勿論先ずは我々が調べた情報から吟味して貰う…それで良いな?―

そう聞いた爺さんは頷いて

「承知した、賢明な判断に感謝する」

そう答えるのを聞き安心して隣の私を見たけどいつまでも頭を下げている僕を見てペルセポネーが

―翼の媛巫女よそろそろ顔を上げ顔を見せて欲しいのだが…―

そう言われても動く気配の無い私に気付いて私を見て呆れた爺さん

「申し訳ないないのですがペルセポネー様…翼は…媛巫女は眠ってしまっている…」

少し前から眠っていることに気付いていたペルセポネーの側近達は笑うのを我慢していた

ペルセポネーの側近の一人が私達に近付いてきて爺さんに

「媛巫女様をお借りして宜しいですかな?」

そう断り爺さんが頷くと眠っている私を抱き上げペルセポネーの元に運んだ

寝ている僕をじっくり観察し受け取り改めて寝顔を見るペルセポネー…

―やはりな…―

「?、やはりとは一体?」

―ディアナ…と言いましたね?こちらに来なさい―

抗えない迫力で呼ばれてペルセポネーの側に寄ると

―そなたは翼の民の媛巫女の力になりたいと思うか?―

そう聞くと

「はい…ですが私には何の力も有りませんから出来ることは…」

俯いてそう答えるディアナに

―なんならお前の中に眠る力を目覚めさせてやろうか?

お前の血に潜みし母から受け継ぎし渡りの巫女の呪術の力をな―

「有るのですか?私にその様なモノが…」

勢い込んで聞くディアナ

―有る…それもかなりの力が眠っておる―

そう言われたディアナが驚いて

「そんな話…母から聞いたこと有りませんし…ましてや…漆黒の森の魔女様からも何も聞いてませんが?」

ディアナのその言葉に

―お前の母はお前が呪術の力が目覚めることを望んではいなかったからな…

漆黒の森の魔女ならば気付いていたのだろうが簡単には出来ぬことだし未だお前の力は目覚めの時を迎えていなかったのだ

だが…運命が動き出し目覚めの時を迎えた今…妾はお前に問う

このまま普通の一人の女として生きる人生と渡りの巫女…呪術師となって翼の媛巫女と共に戦う人生のどちらを選ぶかを―

「母が亡くなり…後を追うように父も亡くなってからあからさまに疎まれる様になった私達姉弟には今更改めて聞かれるほどの事はありません

翼様の帰る場所になりたい私達は同時に私達の帰る場所も翼様の元にしかないのですから…私は翼様と共に戦う運命を選びます」

そうディアナは力強く宣言した

―ディアナよ…後悔はしないな?―

念を押すペルセポネーの問い掛けにも

「私は出来なかった事を悔やむよりしなかった事を悔やむ生き方を選びたいのです




取り敢えず加筆修正仲です
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