銀座で離れた白野くん。
白野くんは無事で良かったよ
騒動の後始末を終えてから連絡したけど返答がなかったから心配したんだよ。犠牲者の名簿とか調べてもなかったけど、まだ遺体が見付かって無いか……遺体が無いって可能性もあったから、連絡が来るまでもしかして俺が誘ったせいでって、あの時送らなかったせいって考えて怖かった!!連絡が着くまでは白野くんがあの世に居ってないかずーーーっと心配してた。何日かして返信があって安心した……まさか次に自分があの世に行かないか心配になるとは(白目)
いや元から職場柄、命の危険は有るもんだけど…
日本の陸上自衛隊、俺が就職した職業。
名前の通り勿論日本の防衛が仕事の職業。護るのは日本。日本以外にはまず行かない。海外に行くの怒られる組織だし。あ、支援に海外に行くことはあるか。支援先が戦場近くでもなるべく戦ったらダメと制限を付けられる。日本からは攻められない。
日本は攻められた。
自衛隊初の専守防衛。
戦争、専守防衛の行き先として…外国どころか地球を旅立ってしまう俺達自衛隊。信じられるか俺って今、異世界に来てんだぜ。現実世界にいきなりSFの世界観が混ざるとかパワプ◯か。
銀座から移動時間なら隣の県に行くのより近い異世界。あの銀座事件で来た襲撃者が残した銀座ゲートを通って来れるお手軽な異世界。攻められた側の住民で無ければファンタジーな世界を少しは楽しめたかなぁ。
偵察に出ていた道中で俺たちは暇潰しに色々と話していた。中には………銀座においでになった某白い怪人さんについても話してた。
そんな話をしてた少しあと…フラグさんってあるのな。フラグさん何で現実にフラグさんが仕事してんの?フラグさんは働かなくて良いのよ
銀座ではコミケに行ったら侵略の現場に遭遇、そして今回は多分自衛隊初の、火を吹くビルみたいなドラゴンの発見、で、今度はフラグさん達成!白い怪人の発見!偶然にしては酷すぎるだろ!ドラゴンだけで十分すぎるんだよなぁ。なんで二連でおそろしいモノに遭遇すんのさ。
なんだよオレ主人公か!主人公でヤバイのに遭遇する主人公補正か?波乱に遭遇する主人公補正でも俺についてたのか?オッサンに主人公何てあるわけないな!それでも主人公気取りで叫ぶか。
不幸だぁぁ!
って、実際は状況的にそんな台詞は叫べないから心のなかで。周りに居るの部下、特に望んでないのに昇進して今じゃ隊を率いる隊長って立場。叫んだら部下に転属願いとか出されるだろうなぁ。冗談で思ったけどマジで有りそう。
「不幸だぁ!」
ケモナーの倉田このやろう。俺がやりたかったことを!!悔しくなんてないからね!てかなんで倉田が言ってんだ!あ、いや、そう言えば倉田も体験的に言えば殆ど同じか?
倉田もあの日に銀座近くに居たそうだ。今回ドラゴンの出会ったのも同じ…てことはコイツが主人公かもな。主人公か、引き寄せてハプニングと遭遇する主人公か?……何処かに置いていこうか?
「あ、あの隊長?叫んだの悪かったですけど、車から降ろそうとしないでください」
「冗談だよ…対話役(生け贄)に必要だからな」
「不穏な副音声が聞こえたっすよ」
「じゃれてないで下さい………森の火が消えてますよね」
森の火がいきなり消えるってなんだよ。あんな大火事な感じの火がいきなり消えるって、…そんな事ができそうな犯人予想できるわ。森が焼けてないなら暫く待ってようとか出来ない。
態々火を消すって縄張りなのかな。
ちょうど戦ってた辺りだよな
あと……
「集落あるって情報あったのこの森だよな…」
集落って…グロンギの?
もう転属願いとか出されてもいいから駄々こねて行くの嫌がるか。ダメか。ダメだろうなぁ。無駄に社会的に死ぬだけだしなぁ。物理的に死ぬよりましだけど……今さら行くの止めるなんて無理だよなぁ。あー白野くんにもしもの時の為にHDDの中身の破壊をお願いしとけば良かった。
森だから車から降りて移動。焼けた臭いのする森を進んで第三偵察隊が辿り着いた場所はまだ火の気の燻る村。…建物だけじゃなくて人の焦げた臭いもする。さっき見たあの怪獣みたいなドラゴンに襲われたのかね。
「……グロンギの村では無いですよね?」
出迎えたのは震えているこの村の住民らしき現地民。あんな怯えた感じのグロンギ(怪人)は居ないよな。てか!現地民のあの耳、見た目がどう見てもエルフ(仮)だな!それとゴスロリの少女が何故か一人……。
そして、
居たよ
普通に居たよ。
白い怪人、本気で見掛けがまんま『ダグバ』だ…。着ぐるみには無い生物らしさがあるよ。なんでここに居るんだよ!なんで俺が出会うんだよ……此方をみた。
敵意は……ない、か?
腰が抜けそうな威圧感は有るけど攻撃する気は…無いよな!?
「銃を向けるなよ」
「りょ、了解」
俺自身も銃を構えそうになるのを必死に止めてそう指示をだした。仮称ダグバさんは何をしてらっしゃるんだ。俺達をチラッとみただけ、酷い火傷をしたエルフさんに触れてる?火傷が消えてないか!?エルフさん達の治療に見えるのは……気のせいじゃないよな?グロンギに治癒能力あったし出来るのは理解できる。治癒してるのが理解できない。仲間…ってのと違うよな。
治療されてるエルフさんたちビビってらっしゃるし。
…部外者って感じがするな。
白い怪人さん相手へのエルフの反応的に村の住民では無さそう。あのドラゴンを狙って偶々立ち寄った?それか…俺達みたいに情報収集目的……
「……隊長」
話さないとだめか…こんな絶好の機会を見過ごして、後から敵対なんて事になったら目も当てられないしやるしかないよなぁ。やらなきゃダメかな?…はぁいこうか。
あ、木が倒れてきた。
バキッと素手で軽く粉砕した。
うんやっぱムリ。
向こうにヤル気がなくても小突かれるだけで死ねる。頑丈さが足りない。対話役に一条さん呼んでこいおら!!
「隊長」
俺と一緒に対話役として選ばれた倉田と栗林が目が語っている。『無理です』どうやら同じ意見の様だ。
「隊長、行って「な、何て事だ!村が壊滅的な被害を受けてるじゃないか!!きっとあのドラゴンの仕業だな!!人道的に救援しなきゃ(使命感)」いや、あの」
此処は勢いで突っ切るしかない!!
「これより第三偵察隊は被災者の救助活動に全力で当たる!各員良いな!それ以外の事は後回しだ!」
「え、それは」
「俺達が最優すべきは民間人らしき負傷者の救助治療だ!!まさか地球の人間でないから優先度が低いとは言わないだろうな!」
「いえ、そう言うことはないですけど」
何も可笑しいことはない!自衛隊として、いや人として怪我人を早く助けないとな!ダグバさんとの会話は後だ。…治療してる内にどっか行ってくれないかなぁ。それかなんとか倉田か栗林だけに押し付けられないかな。
「救助を開始します!しなし隊長、救助は俺達でしますので隊長は彼方の方と話を」
裏切りやがったな倉田ぁあ!!
人として恥ずかしくないのか!
「いや!救助に隊長の指示は必要だろう。だからもし行くなら…」
栗林と倉田どちらかを見た
「私は救助をします。倉田曹長は救助より対話をしたいようです」
「そういう訳じゃ。ん?曹長…なんで二階級特進してるんすかね!?」
無視しよう。
「ちょっ!?放置ですか!?」
民間人救助の邪魔をする倉田を置いて早く救護活動をする。いや正直後回しにして良い問題じゃないのは判ってるよ。けどほら…向こうも懸命に?治療してる感じだしな。治療してるの邪魔するのも不味いしせめて後の方でって事だ!!…………ホントだよ?
隊員達は爆発物を刺激しない様に離れて救護活動を開始。なんかコンビニのポテチとかの袋があるんだけど、誰かツッコメよ!オレがツッコメ?やだよこわい。
うん…どうしようか。
足しげく通っていたエルフ村で襲われた。襲っったのはワイバーンと比べ物にらない程に大きな赤いドラゴン。ドラゴンはファンタジーモノに出てくると人以上の知性があるなんて事もあるよね。だから話しあいをしようとした。知性があると信じてね。
ドラゴンに火炎放射をぶっぱされた。直火を浴びた。知能なんてない相手だった。気付いたらドラゴン相手に突っ込んでた。後から考えるともう少し落ち着けよと思うけど、思考が過激に成ってるからね。
喰おうとしてきたから牙を砕いた。尻尾は引き千切った。折った爪を剣にしてザクザク、動物愛護団体に怒られそうな事をしてたらドラゴンは退いた。追撃は止めといた。巻き添えでエルフ村が酷い事になってたしね。
それにしても巨大ボスとか仮面ライダーの世界観だと強敵だけど、まぁ何とかなった。
火事が起きてたけど火を消した、エルフの人達の損害は火傷の怪我人ばかり、死人は出てない感じだけど、それはまだってレベルで、火傷で死にそうって感じ。持ってきたモノに包帯とか消毒液とかあるけど意味がない。
死なれると折角これまで対話の為に頑張ってきたのに努力が無になる。
やってみたことは無いけど治療を試してみた。作中でグロンギには治療とかする能力あったしね。ボクも出来るかも、ダメで元々、死ぬような火傷みたいだし、今死ぬよりはきっとマシだよね。
エルフの人達を治療の実験台にしてたら治療をしてたら自衛隊の人等が来た。多分ドラゴンか火事を見てだろう。遠目に見えたけどやっぱり自衛隊の人達……ファンタジー世界観で車で来るって違和感すごいな。
自衛隊を率いてたの…まさかの伊丹さんだった。
本当にまさかだよね。自衛隊だし会う可能性はあるかもと思ってたけど、なんで自衛隊との初遭遇で伊丹さんと遭遇するかな。相手に自衛隊の中に英雄(笑)の伊丹さんが居たらイタズラ心も、じゃなくて友人として去るのはどうかと思う。他の自衛隊なら治療したら去ろうと思ったけど会話をしてみようかな。
その内関わろうと思ってたから丁度良い。
関わるの伊丹さんからに成るとは思ってもなかった
そう言えば、伊丹さんと初対面で銀座の時にゲートを目撃して、そして今回は伊丹さんが近くに来てる時にドラゴンの襲撃。自分が言うのはなんだけど伊丹さんって可笑しい。
此まで平穏だったのに伊丹さんと直に出会ってから一気に騒動に巻き込まれてる…と言い換えれないかな。物語で事件か騒動がある所には主人公がいる。伊丹さんって『ゲート』の主人公なんて事は、オタク自衛官が主人公、そんなの無いとも…言えないかな。30代既婚者のファンタジー作品の主人公…有るかな?
攻撃はしてこない。なら接触をはかろうとしてくるよね。どう接触してくるかなと治療をしながら待ち構えてたら伊丹さん達も治療を始めた。
流石は海外で評判のいい自衛隊。
人道支援優先なんだ。
ボク後回しにして良いのかな?
治療が優先なのは間違ってるとは言えないけど、身構えてた分肩透かしを喰らった。
伊丹さんがチラチラ見てきてる。
ダグバのファンかな?
写真撮影頼まれたらどうしよう。
ロウリィちゃんがいつの間にか来て自衛隊を面白そうに見てる。珍しいからかな?それかボクを監視してたのと同じ感じ?
さて、そろそろ重症なエルフさん等の治療も終わる。意外と治療は上手くいった。
自衛隊の人達もソロソロ接触してきてもいいんだよ?相変わらず見てくるだけ、あれかな、大好きな有名人を見て緊張するファンみたいな感じなのかな。他の自衛官は知らないけど伊丹さんならそんな感じだよね。
「隊長、クリ坊、倉田……怪我人の救護は後は俺達だけで出来ます。本当にそろそろ役目を果たして下さい…」
「見なかった事にしない」
「頑張ってください。治療をしてましたし、とても良い人(?)だと思いますよ」
「ドラゴン殴りとばす良い人と話せる度胸は無いなー。グロンギ語以外もいけるかもしれないし別に黒川が対話を試みてもいいよ?」
「……隊長最低です」
あれ伊丹さんでも駄目なのか。
プルプルプル、ボクは悪いダグバじゃないよ。ちょっと悪人を(数万ほど)燃やしただけの平穏なダグバだよ。動物には優しいよ。証拠に悪いトカゲ(炎龍)は博愛の精神で逃がしたよ。…これ言ったらどうなるか試してみようかな。キャラ崩壊なんてもんじゃないし止めておこうか。
「じゃんけんしない?」
「往生際が悪いですよ」
本気で怖がってるのかな。本気で怖がっててあんな会話を本人の近くで出来ないんじゃないかな。日本語理解してると思ってない?
グロンギ語とか言ってたしグロンギ語で話し掛けてくるのかな。…グロンギ語は勘弁して欲しいかな。ちょっとダグバ感を出したくて銀座でもやってたけど、会話とかやりにくいしね。
「ほら行って下さい。向こうも待っていてくださってる感じですよ!」
「……はぁ、もう!」
あ、小柄な女の人が来た。
伊丹さんの腕が掴まれてる。
「あ、俺も行くんですね」
伊丹さん隊長なのに……扱いが…
対話の言葉はどれかな。
初めはこの世界の言葉かな日本語かなグロンギ語かな。一番イヤなのはグロンギ語だよ。
「ぐ……グボギジョギゼグバ(少し良いですか?)」
グロンギ語…翻訳すると言葉が可笑しくなったりするんだよ。
「パセパセパジゲギダギギンゼグ。ガバダドダギパゾギダギゴベガギギラグ(我々は自衛隊員です。貴方と対話をしたいお願いします)」
この女性、重度のクウガマニア?それとも自分との対話に自衛隊で練習してたのかな?態々練習したなら悪いとは思うんだけど、此れからずっとグロンギ語で会話は嫌かな。
少しキャラ崩壊してもいいか。
「…………ニホンゴデオッケイ?」