ぼくのかんがえたさいきょうのハリー・ポッター   作:招き蕩う黄金劇場

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生き残った男の子

【十年前】

 

夜中、ゴドリックの谷のとある一軒家の前に一人の男が来ていた。

男の容姿は普通とは言い難く、肌は死人のように青白く、まるで蛇のような顔つきをしており、仮装パーティーで着るような黒いローブを羽織るという何とも奇妙な格好をしている。

しかし、不思議なことに時たま通りかかる人は、皆、彼のことを見えない(・・・・)かのように素通りしていく。

 

「予言の子供……俺様を本当に倒せるとは思わんが、万が一のこともある……」

 

男は独り言を呟くと、一軒家の扉の前へ立ちベルを鳴らす。

何秒か経ったとき、「今出ます」と男性の声が建物の中から響いて、扉が開いた瞬間、男は持っていた杖を構えて呪文を唱えた。

 

「アバダケダブラ!」

 

緑の閃光が、扉から顔を覗かせた男性を貫く。その後、男性は人形になったかのようにパタリと地面に崩れ落ちた。

男は、倒れた男性の体を踏みながら建物の中へ入る。

そして、男がリビングへと入ると、そこには若い女性と赤ん坊が居た。

 

「ジェームズ、誰が来たの……ッ!?」

 

男の立っているリビングの入り口の方を振り向いた瞬間、女性は声にならない叫びをあげた。

女性が赤ん坊の方へ駆け寄ろうとした所を、緑の閃光が貫き、抵抗することなく倒れこむ。

そして、男は女性の亡骸を一瞥すると赤ん坊の方へ杖の先を向けた。

 

「アバダケダブラ!」

"凶れ(まがれ)"

 

男の杖から打ち出された緑色の閃光は、赤ん坊に当たる直前、空間のねじれによって消失した。

男は少しの間呆然とする。なぜなら、死の魔法は防ぐことは出来ないというのは魔法界にいる魔法使い共通のものだからだ。だというのに、男の放った無敵の死の魔法が防がれた?ありえない。あってはならない。

さらに男は思った、「さっきの声は誰だ?」と。

 

「くっ、何なのだ!!アバダケダブラ!アバダケダブラァ!!」

"フハハハハハ!無駄無駄無駄ァ!凶れ!"

 

男の打ち出す魔法は、全て空間の歪みによって消えていく。

一度、頭を男は冷やすことにした。

 

「先程から、俺様に話しているのは誰だ……?」

"ああ?てめーの目の前に居るじゃねえですか。オレだよオレ、ちっこいハリー様だよォ!"

「なに?どうやって話している?」

"はァ?んなこともわからないでいやがりますか?テレパシーに決まってんだろ?ん?"

 

男のこめかみに青筋が浮かぶ。

そんな男の様子を見て、ハリーはどんどん煽っていく。まさに外道。

 

"はァ、つまんn。ママンもパパンも雑魚すぎて、こんな三下相手に殺されちまうし。もう終わらせっかな"

「何だと?俺様を終わらせる……だと?」

 

苛立つ男を余所に、ハリーはニヤニヤしながら拳を握る。顔だけなら年相応のかわいい赤ちゃんに見えんこともない。しかし、ハリーが今から男に繰り出予定の技は凶悪すぎた。

 

「何をするつもりだ?赤子の腕力程度では俺様に痛みさえ与え――ッ!?」

"フタエノキワミ、アッー!!"

「ポトフッ!?」

 

ハリーの叫びが轟いた瞬間、男は粉微塵になった。

1発目の打撃で男の抵抗力を殺し、瞬時に2発目を打ち込むことで完全に破壊するという破壊の極意。

オーバーキルもいいとこ。

男が消えた後、ハリーは素知らぬ顔で普通の赤子の振りをし、助けに来た二メートル程のもじゃもじゃの大男に連れられていった。

そして、十年後にホグワーツへ通えるようになるその日まで、ハリーはダーズリー家に育てられることになる。

 

そうして、この日『生き残った男の子』としてハリーのことが魔法界中に知れ渡った。




今回、ハリーが使った能力はこれ↓

歪曲の魔眼

フタエノキワミ 英語翻訳版

ただのテレパシー
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