機動戦士ガンダム MS戦線0079 戯け者の弾痕 作:だ~くぱんぷきん
宇宙世紀0079 11月28日
あの後、無事に退院出来た俺はミデアが置いてあるキャンプへと向かっていた
久しぶりに車に乗ったが(車と言っても軍用車両だが)やっぱりハンドルを握るのは悪くない感触だ
どうやら"あの一件"より、この都市の警備は一層強化され、街を出る際にMSを何機か見かけた
まぁ、そうでもしないと、次に何か起きた時に即時対応出来ないから、妥当であると言えばそうなのだろう
「そう言えばオリーフィア、オデッサの作戦やらベルベット作戦やらは上手くいったんだよな」
「もちろん、その尽くを成功させて今は完全に連邦軍が押しています。このまま行けば、連邦軍の勝利は間違いないかと・・・だから隊長は・・・」
オリーフィアが何を言おうとしてるか察し、それに割り込むように口を出す
「それはダメだ。俺には俺の役目がある。俺だけサボって、給料泥棒なんて言われたら溜まったもんじゃないしな」
苦笑を浮かべながらそう言う俺を見て、オリーフィアもまた苦笑を浮かべて「やっぱりですか・・・」と呟いた
何よりも、"奴ら"を潰すまでは、恐らく俺は戦場に残り続けると思う
「それはそうとして、隊長。」
「ん?」
「…いや、キャンプに着いてからの楽しみにしておきましょうか…」
「MS以上の楽しみがあるかな…?」
「さぁ?どうでしょうね?」
不敵な笑みを浮かべるオリーフィアを横目に見ながら、俺はその言葉に少し期待しながら車をキャンプへと走らせた
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「隊長!自分、一週間前にこの部隊に配属されました!ヨーゼフ・ヴァン・シュミットと言います!よろしくお願いします!」
「同じく一週間前にこの部隊に配属されました!ハミド・スティーヴンと言います!」
キャンプに着いた俺の目の前に現れたのは、見るからに新兵と言った、元気の良い好青年たちだった
彼らは今、俺に敬礼をしながら「隊長」と言った
「オリーフィア、まさか…」
「はい、彼らはこの部隊の隊員ですよ」
なぜだか急に目頭が熱くなる
仲間達に涙を見せまいと、目を隠しても彼らも察しが良いのか気づかれてしまう
「た、隊長!自分ら、確かに新兵ではありますが訓練でもそれなりの成績を残してきました!足だけは引っ張りません!」
「いや…違うんだよ2人とも…」
「と、言いますと…?」
「嬉しいんだ…何もかも失ったかと思っていたが、そんな俺の所に君達は来てくれた…」
俺の涙が嬉し涙という事に気づくと、彼らの顔に笑顔が浮かび上がる
「俺は…いや、俺達は君らを歓迎しよう!だが…ただ一つ、条件がある」
「条件?」
「あぁ…この隊に入った以上、絶対に生還する事だ。俺も出来る限り、全身全霊を持って君らのフォローをする。だが、それでもピンチの時があるかも知れない。その時は絶対に下がれ。それだけは絶対だ」
すると間髪入れずにヨーゼフの方が口を開く
「もちろんですよ!"あの"アンセル大佐の隊に入れたんです!おめおめと殺られちゃいられませんよ!」
「あの?」
俺が困惑の色を浮かべるとこれまた、今度はハミドの方が口を開く
「大佐は知らないかも知れませんが、訓練生時代の時は割と有名でしたよ。"初陣で豚鼻もどきを、しかもあの出来損ないのMSのザニーで撃墜した男"。アムロ・レイの噂の5番目位には有名でした」
「少し尾ひれが付いてるが…まぁいいか」
まぁ、間違ってはいないし、そういうのは嬉しいのだが…
ザニーと言ってもガワだけだし、あの時のパイロットが未熟だった事もあるだろう。今考えればやたらと動きが短調だった
「まぁそれは置いといてですよ、隊長」
少し考えているとヨーゼフがニヤリと笑いながら言う
「そろそろ見に行った方がいいんじゃないですか?」
隊長の"戯け者"を。