機動戦士ガンダム MS戦線0079 戯け者の弾痕   作:だ~くぱんぷきん

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operation.3 《初陣は太陽の下に》

 

「各機。散開して敵勢力を探せ!MSを発見した時はすぐに伝えろ!絶対に無理はするなよ!」

 

『了解。ですが隊長。ここは少しミノフスキー粒子が濃いですよ。散開しても離れ過ぎては通信機が意味をなさないかもしれません。』

 

「そうだな。各機!散開した後もあまり離れ過ぎるなよ!尚、パラシュートで降下してきたのなら敵さんもこっちの存在には気づいているはずだ!建物の影やビルの屋上等には気をつけろ。マゼラアタックと一つ目野郎がアンブッシュを狙ってるかもしれないからな!さぁ、作戦開始だ!」

 

にしても・・・なんでここまで粒子が濃いんだ?たかが残存勢力がここまで粒子を撒けるか・・・?

 

『ア・・・ル中・・・聴こ・・・ます・・・!?』

 

「オリーフェアか?どうしたんだ?」

 

『今すぐ・・・作・・・ちゅ・・・!!』

 

そこで通信は途切れてしまった。

 

どうにも焦っているような声が聞こえたが・・・大丈夫か・・・

 

迷っていてもどうしようもない。

今はただ進むのみだ

 

100mmマシンガンの弾がちゃんと入っているのを確認し、シールドを構えながら、シアトルの奥へ進んでいく

 

『隊長!マゼラアタックを2両撃破しました!・・・おいおいこんなの聞いてないぞ!!』

 

「クレイグか!?どうしたんだ!」

 

『何が残存勢力だよ・・・こんなMS見た事ないぞ!』

 

「MSか!!今何処に居る!」

 

『・・・』

 

クレイグとの通信が切れたかと思うと、機体の背後からキュラキュラとキャタピラの音がしている事に気づく

 

「マゼラかァ!」

 

ザニーの向きを反転させて、マゼラアタックの砲弾をシールドで防ぎ、シールドの脇からマシンガンでマゼラアタックのトップ部に射撃を開始する

 

しかしターゲットが少し下に落ち、撃破する事は出来ずにマゼラアタックから脱出したマゼラトップの接近を許してしまう

 

そしてマゼラトップの砲身がザニーのコックピットに狙いを定める

 

「させるかよ!」

 

接近したマゼラトップの砲身部分を掴み、動きを封じた上でトップ部に頭部バルカンを乱射する

 

それを爆発する前に離し爆風を遠ざける

 

「・・・!!!」

 

次の瞬間だった。

爆風を諸共せずに目の前にいきなり見た事のないMSが現れ、その手に持った通常の物とは形状の違う双刀型のビームサーベルを振り下ろす。

 

こちらもビームサーベルを手に取り、それを受け止める

 

「速い・・・!!」

 

『隊長!そっちに未確認のMSが!』

 

「クレイグ!無事か!」

 

『いえ、腕部をやられました!援護出来ないです!』

 

「お前が無事ならそれで良い!コレット!クレイグの位置まで行けるか!?」

 

『無理です!今はザクII2機とマゼラアタック3両と交戦中です!今だって攻撃も出来ずに隠れているのがやっとなんです!!』

 

「クソ・・・!」

 

未確認MSのパワーは明らかに俺のザニーより上だ。

どうすればいい・・・何が最良の選択なんだよ・・・!!!

 

「このォ!!」

 

敵機のビームサーベルを受け止めながら100mmマシンガンを腕の関節部にゼロ距離で放つ

 

おかげで敵機との競り合いに勝ち、敵機に隙が生まれた

 

その瞬間にサーベルでもう片方の腕を切り落とし、頭部を掴んでコックピットに100mmマシンガンの狙いを定める

 

「MSのパイロット!今すぐ投降しろ!さもなければ今すぐにコックピットを撃つぞ!」

 

これが俺の最良の一手。

恐らくこのMSが残存勢力のリーダーだろう。

つまりこいつを抑えれば自然に他のも大人しくなるはず

 

『・・・投降はしない』

 

「何故だ!これ以上の抵抗は無意味だぞ!無意味な戦闘はお互いに避けたいだろう!?」

 

『俺は誇り高きジオンの兵士だ!貴様らの様に重力に縛られた人間の下に投降するくらいならここで命を散らす方がマシだ!!』

 

「・・・名前は?」

 

『ケビン・クレスト少佐だ。』

 

「覚えておくよ。」

 

 

 

そのパイロットの望み通りMSのコックピットを1発で貫いた

 

『・・・あれ?ザクとマゼラアタックが撤退を始めました!よかったぁ・・・』

 

『隊長。流石ですよ・・・初陣でこんな事になるとは思いませんでしたけど・・・』

 

「俺だって・・・生き延びられたのは奇跡だよ・・・」

 

言葉に嘘はない。

あの未確認MSとこの機体がマトモにやり合うこと自体がまずおかしい。

 

『ユニット2!!無事ですか!?』

 

途端にオリーフェアの焦った声がコックピットに響く

 

「俺は大丈夫だが・・・皆無事か?」

 

『私は無事ですけどクレイグさんは!?』

 

『大切な機体を壊しちまった・・・ごめんな。』

 

「お前自身は大丈夫なのか!?」

 

『俺は大丈夫です。少し頭から流血してる程度です』

 

「大丈夫じゃない!早く回収ポイントまで行くぞ!」

 

『目立った傷は無いんですね!?それなら各機、回収ポイントへ!コレット機はクレイグ機のジムキャノンの回収を!』

 

「了解。・・・オリーフェア。少し話したいことがあるんだが」

 

『・・・なんでしょうか』

 

「今回の作戦。ただの残存勢力の掃除と聞いていたんだが?」

 

『・・・』

 

「一体どういう事なんだ。おかげで俺達は初陣で死ぬ所だったぞ。・・・あのMSは!?ただの残存勢力に!あんなMSがいるか!?」

 

『私だってそのMSを発見した時は驚いたんです!だから通信したんです!作戦を中止してくださいって!』

 

「ッ・・・!」

 

『私にだって・・・全てが分かる訳じゃないんです・・・』

 

「・・・そうだよな。ごめん、ピリピリしちゃってさ。とにかく、回収ポイントへ向かう」

 

『こちらコレット!クレイグさんとジムキャノンを発見しました!』

 

「分かった。クレイグを回収して、回収ポイントへ。ジムキャノンは後で輸送トラックでマディアまで運ぶぞ!」

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

《作戦終了から数時間後》

 

「隊長。先程のMSの正体が判明しました」

 

「あぁ。で、結局あれは何なんだ?とんでもないスピードだったぞ」

 

「あのMSはMS-06R-3S 高機動型ザクIIゲルググです。」

 

「高機動型ザクIIってあの[ザクの皮を被ったゲルググ]って呼ばれているMSですよね。」

 

「はい。隊長が鹵獲したあれは後期型を素にしている機体なのでそれで正しいです。」

 

「それにしてもだ。何故、残存勢力の中にあんなのが混じってたのか気になる。こっちの動きを掴まれてたか・・・」

 

 

「もしかしたら、そうかもしれません。」

 

「・・・それならいいんだがなぁ・・・」

 

「それにしても隊長さんは良くやったぜ。俺は反応出来ずに一瞬でやられちまった。正直もう死ぬかと思ったぜ」

 

「クレイグさん!?なんで出てきたんですか!?ちゃんと寝てなきゃダメじゃないですか!」

 

「いや大丈夫だって。それにああいうとこで寝るのって慣れないんだよ。」

 

「クレイグ、それはコレットの言う通りだぞ。」

 

「コレットさんとクレイグさんの今のやり取りまるで親子ですね」

 

「ハハハハッ!!!クレイグは今でも子供っぽいんじゃないか?」

 

「んな!?いくら隊長でも許しませんよ!!」

 

「クレイグさん!もうやめて寝ててください!」

 

「ハハハハッ!!」

 

こんなに楽しい時間を味わったのはどれだけ久しぶりだろう

 

この戦争が始まってからいい事なんて何一つ無かった。

だが今はこの仲間達がいる

 

この隊、皆が生き残ってこの戦争を乗り越える。

乗り越えてみせる

 

絶対に。

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