機動戦士ガンダム MS戦線0079 戯け者の弾痕 作:だ~くぱんぷきん
「隊長、見えましたよ」
「あそこがパプアニューギニアか」
宇宙世紀0079 10月21日
既に日が沈み、空は黒く染まった頃
俺達ユニット2はシアトルの残存勢力が居るという情報があったパプアニューギニアに到着した
「やっぱりコロニー落としの影響はあるのか」
「そりゃそうでしょうよ。なんせコロニーが落とされたオーストラリアは目と鼻の先ですよ?」
自然はなんとか残っているものの、以前の様な豊かさは完全に消えていた
「まずは補給物資を貰わなければいけません。オーストラリアの基地に要請はしておきましたので、後は合流地点に到着するのを待つだけです」
「まぁ、そろそろ弾薬も切れそうだったし助かるな」
「それは隊長だけじゃ無いですか?俺とコレットはまだ1機も撃墜してないんですよ!?」
「ゴメンゴメン、なんか奢ってやるからさ」
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無事補給が済み、パプアニューギニアに俺達は無事、上陸した
「オリーフェア。さっきの補給の時に、弾薬とか、それ以外にも見たことの無いやつがあったんだが?」
「あれは隊長のMSの武器ですよ。上に無理いって支給してもらったんです。隊長なら使いこなせると思って。ビームアサルトライフルです。まだまだ試作段階の兵器ですが。どうです?」
「お前が俺を信じてそこまでやってくれたんだ。文句は言わないさ。むしろありがたいよ」
「ふふっ、それなら良かったです。さぁ、皆さんの疲れも溜まってきている頃だろうし、暫くは基地で休むとしましょう。」
無論、そのオリーフェアの言葉を聞いた瞬間に艦全体が賑やかな雰囲気になった
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「アルベルト・・・お前せっかくの休みなのにMS弄ってんのか?」
「旦那ですか?悪いけどあっしにはアンタらのMSを完全にしておく必要がありやす。そう休んじゃあいられません。さすがに他の整備兵まで巻き込むつもりはないですが」
「ほら。飯くらい食っとけ。そんなんじゃ身体が持ちやしないぞ?」
「ありがてぇ!最近はレーションしか食ってませんでしたからねぇ。サンドイッチなんて美味いもん食ったのは久しぶりでさぁ」
「だろうなぁ・・・」
「あっ!ここにいたんですか隊長!」
「早く戻ってきてくださいよぉ!皆待ってますよ!アルベルトさんもどうです?」
「あっしは大丈夫ですよ。コレットの姉貴。皆で楽しんで来てくだせえ!」
「そうですか?それじゃ遠慮なく!」
「アルベルト!来たくなったらいつでも来いよ~!」
「クレイグの旦那もありがとうごぜぇやす!」
「それじゃな!アルベルト!俺達のMS!頼んだぞ~!」
「はい~!・・・さてと、期待には答えなくちゃいけませんね!」
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「アンセル隊長!どこ行ってたんですかぁ!?」
「別にどこって・・・」
「せっかくの休みなのにまたMSの所に行ってたんでしょう!そんなにMSが好きならずっとコックピットにいればいいんですよ!」
「・・・酔ってるのか?」
「軍では飲酒は禁止ですよ?」
「飲んでるのだってただのコーヒーだしなぁ・・・」
「酒の代わりにコーヒー飲んで酔うなんて聞いたことないですよ・・・」
「まぁいいや。俺がオリーフェアに一応水飲ませてくるから皆で楽しんでてくれ」
オリーフェアに肩を貸し、マディアに戻ってる時に「ヒュー!ヒュー!」とかの冷やかしの声が聞こえたが無視しよう。そうしよう
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「オリーフェア・・・大丈夫か?」
「・・・」
その時、オリーフェアの目から水滴が零れ落ちる
「・・・泣いてるのか」
「・・・楽しい時間を過ごしてたら・・・私、家族の事思い出しちゃって・・・」
「いくらでも話せ。今日は俺が話を聞いてやる」
「・・・私、家族と3人で暮らしてました・・・でも・・・開戦直後、父は戦争にいって、ジオンのMSに殺されて、それで母も自暴自棄になって・・・とうとう・・・」
オリーフェアは耐え切れなくなったのか、大声で泣き叫び出す
「・・・辛かったよな・・・寂しかったよな・・・」
「ジオンがッ・・・憎い・・・です・・・でも、私は・・・隊長みたいにMSを動かせないから・・・」
「大丈夫・・・大丈夫・・・」
「隊長や・・・皆を・・・危険な目に・・・」
「俺はお前らが生きててくれればそれでいいんだ。アイツらだってそう思ってるはずだ」
「隊長・・・隊長・・・」
「今日は一杯泣け。人間、そう言う時も必要だ。」
「はい・・・」
その後、数十分の間、オリーフェアは泣き続けた。
俺はそれを宥めてやることしか出来なかった
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それから1日が経った
宇宙世紀0079 10月22日
それは突如として起こった
「旦那。アンタの頼まれた通りに塗っておきましたぜ!」
「ありがとな。うんうん。やっぱり黒と銀は至高の組み合わせだな~!」
「旦那。色に文句は無いんですが、アンタの考えたあのエンブレム・・・」
「いいだろ?ザニーに一番似合ってる。」
そのエンブレムは銃を持った猿が道化師の仮面を付けた独特な物
「戯け者にはちょうど良いさ」
「まぁ、そこは旦那の好きにしてくだせぇ。」
「おうよ!」
次の瞬間、艦内に警報が鳴り響く
『各員!戦闘態勢!敵機MSの襲撃です!MSパイロットは直ちに搭乗し、敵機を撃退して下さい!』
「よし。さっそく新武器のテストと打ち込むか」
「旦那。生憎ですがザニーは出撃出来ません。」
「!?・・・どうしてだ!?」
「旦那はザニーに無茶させすぎたんです。シアトルでの戦闘然り、前の空中戦闘然り!ザニーに負担が掛かりすぎてるんですよ!まだ直すのには時間が掛かります・・・」
「そんな・・・」
「それなら、今日は俺達2人だけで出るわけですか」
「隊長は今まで頑張ってましたからね!今回は私達に任せてください!」
「・・・分かったよ。それなら隊長命令を出すぞ。・・・絶対生きて帰ってこい!以上!」
「「了解!!」」
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「コレット!準備はいいか?」
『ええ!いつでも!』
「よし!敵機は今、俺達の存在に感ずいて、この付近で待ち伏せしてるはずだ。気をつけて、出来るだけ離れずに行こう!」
『了解!』
「さぁ・・・ジオンの犬共が!掛かって来いよ!!」