東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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ラ「今・・・真と隔の奴書いてるんだけど・・・」
真「だけど?」
ラ「終わりが見えないでござる」
真「自分で言ったんだからな。責任もって頑張れよ」
ラ「うう・・・」
真「それに夢幻魂歌も完結させなきゃ。一応十月くらいで終わる予定何だろ?」
ラ「うん。えっと・・・もしかしたらそこでラギアのハーメルン人生終わるかも」
真「その時考えろ。というか止める確率は?」
ラ「20%くらい」
真「・・・続ける確率は?」
ラ「180%くらい」
真「聞いた俺が馬鹿だった。では、どうぞ!」


第七章第二話「夜の邂逅」

ラーメンを食べ終えた俺は、早々に店を出た。

紫と幽々子様はまだ中で話している。桜ノ妖に手を掛けつつ、俺は裏路地に入り便箋を開く。

 

内容は、雷という少年についての情報。

そして地底への生き方だった。

地底に行くにはまず妖怪の山へと行かなければならない。

この人里から、徒歩で三日。

飛んでも一日は掛かる距離だ。

 

「・・・なるべく早く行きたいし・・・」

 

俺は懐から銀のナイフを取り出し、それを媒体に八咫烏を生成する。

 

飛び乗った俺は、大きく八咫烏を飛翔させた。

 

吹き付ける風。滲んでいた汗を直ぐに乾かし、背筋が冷たくなる。

便箋を大事にしまい、俺は青い空を飛翔した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

しかし飛んでいても暇である。

最早夕暮れ、五時間ほどぶっ続けで飛んでいた俺は欠伸を噛み殺し、夕日へと視線を向ける。

茜色に染まる太陽が山の向こうに隠れて行く。藍色に染まる空、海が無いのが本当に勿体ない。

現実よりも遥かに美しいこの世界。果ては直ぐに見える物の、俺はまだその半分も見切れていないと思う。

八咫烏の維持もそろそろ疲れて来た。

 

『今日は速めに休んだら?夜間の飛行は危険だし、目立つから妖怪も来るよ』

「んー・・・そうだな。丁度下に人里あるし、そこで今日は休みましょ」

 

それを察したのか、陽炎が脳内で口を開く。

俺は素直に頷き、八咫烏に乗ったまま下降していった。

 

 

 

 

その人里はかなり大きく、陽が落ちた今でも盛んに賑わっている。

至る所に明りが灯されており、人里を高い柵で覆っているからか妖怪を気にせず露店も未だにやっていた。

これは極秘任務・・・の筈だ。俺はきょろきょろと辺りを見回しつつ、知り合いが居ないかどうかを確認しながら歩いていく。

 

まずは宿。その次にご飯だ。

 

 

何回も言うが、俺はお金が有り余っている。それこそ、三か月宿で暮らしても何ら不自由は無いほどに。

刀は幽々子様から貰ったし、服はある物を着まわしている。

だがしかし、宿は隅っこの物を選ぶ。万が一に備え、異変解決メンバーと遭遇しなさそうなところだ。

 

そう思い、入ったのは大通りから少し外れた処に在る『佐倉旅館』という場所。

がたがたと震える木の戸を開け、俺は中に入り部屋を取る。

どうやら先客が居たらしいが、幸いにも部屋は空いていた。畳の和室、刀を取り外した俺は財布をポケットに突っ込み再び外へ出る。

 

 

「「あー、ご飯何にしよう」」

 

思わずぼそっと呟いた声。しかしそれは俺以外の誰かと重なり、条件反射的に俺は横を見た。

 

そしてそこで、背中をぐーっと伸ばし固まっている――――

 

「れ、霊夢じゃないですか・・・」

「真こそ・・・どうしたのよ・・・・」

 

紅白の巫女、異変解決のリーダー的立ち位置である博麗霊夢が此方を見ていた。

 

お互いに固まる。変な空気が場を包み込み、俺は思わず上ずった声で外を指さした。

 

「・・・ご飯でも、一緒にどうですか?」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「下手したらあれ、デートに誘ってるとかに誤解されるからね?」

「うん。反省してる」

 

もぐもぐと焼き鳥を口に運びつつ、目の前で指を振る霊夢に頷く。

あの後結局俺達は二人そろって露店を冷やかし、焼き鳥屋に入った。

 

ねぎまを咀嚼しながら、霊夢は俺へと疑問をぶつける。

 

「そういえば、何で此処に居るの?」

「えっとそのお・・・まあ、色々ありまして・・・」

「ああ、そういえば紫から聞いてたわ。あいつ等の調査でしょ?」

 

思い出したように首を傾げる霊夢。

敢えてあいつ等と、名前を出さずに伏せてくれた霊夢に感謝し、俺は小さく頷いた。

 

「うん。しかも紫に提示された場所が、異変と同じ所なんだよなあ・・・」

「一応、気を付けておくわね。私だって死にたくないし」

 

串の奥に残った肉を歯で噛み引っこ抜く。口元をお手拭きで拭った霊夢は、やがてどこからか『博麗』と書かれたお札を数枚取り出した。

 

「これ。一応、渡しておくわね。このお札は封印の効力を高め、そして干渉型永久封印をこのお札さえ張り付いていれば真が触れなくても出来る様になる道具よ」

「・・・強力だな」

「ええ。使い方には気を付けてね。後・・・」

 

霊夢は俺にお札を渡した後、びしっと人差し指を俺に突き付けた。

 

 

「死なないでね。絶対、戻って来る事!」

 

「・・・勿論」

 

少し頬を赤らめた霊夢は、顔を伏せる様にして再び焼き鳥を食べ始める。

今は夜の七時。

まだまだ夜は長い。暗くなった空に浮かぶ三日月。それを見つめながら、俺はゆっくりと水を口に含んだ。

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