東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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第八章第三話「挨拶」

「・・・しし真!?おい待て、何でここに居るんだぜ!?」

「やっほー魔理沙。・・・どうしたんだ?目元真っ赤だぞ?泣いてたのか?」

「な、泣いてなんか無いんだぜ!!これは・・・毒キノコ喰っちまったんだよ!」

「おい大丈夫かよ!」

 

霧雨魔法店――――魔理沙が営業する店、そして住む場所に俺は朝から来ていた。

妖夢に言われた通り、素直に皆の所を回っているのだ。

驚く魔理沙はちょっと待っててくれ、と言い残すと店に引っ込み、数分で着替えて戻って来る。

 

「どうせ、真の事だ。霊夢とかのとこにも行くんだろ?着いていくぜ」

「おお、ありがとな」

「・・・そういや、真」

「ん?」

 

「もうお前の葬式終わってるから、そこらへん宜しく」

「悪い、宜しく出来ないわ」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

博麗神社の長い階段を、魔理沙の箒の後ろに跨りながらすっとばす。

肩を必死に掴むも吹き飛ばされそうになるような速度で、俺達は境内へと辿り着いた。

 

「もっと強く掴めよ。落ちるぜ?」

「・・・色々あんだよ」

 

呆れたように帽子の角度を直す魔理沙。思わず遠い眼になる俺は、曇り空を見上げる。

雨が降りそうだ。早めに全部回っておきたい。

 

「おーい霊夢うー!遊びに来たんだぜー!」

 

そんな事をしている内に、魔理沙は元気よく障子を開け叫ぶ。

中から出て来たのは眠そうな、それでいて悲しそうな霊夢。

 

・・・が、俺を見た瞬間に顔色を変え、裸足なのにも関わらず外へ出て来た。

 

「し、真・・・」

「やっほやっほ。あれだぞ?生きてたんだぞ?」

 

口をパクパクさせ、白い寝間着の裾を弄る霊夢。

髪を下ろしているのを新鮮に思い見ていると、突然ぼすんっと胸板を殴られる。

 

「・・・どれ・・だけっ、心配したと・・・!!」

 

魔理沙がニヤニヤと俺達を眺める中、流石にそのまま霊夢を放置するわけにも行かずそっと頭に手を置く。

柔らかい髪の感触が掌に伝わる。安心するような温もりを感じつつ、俺は取り敢えず口を開いた。

 

「あー、大丈夫。ちゃんと生きてるから。この先一か月は死なない様に頑張るから」

「そこ一か月なのかよ!?」

 

だって、トラブルに巻き込まれないとは思えない。

いつから俺は巻き込まれ体質になってしまったのだろうか。

 

魔理沙の突っ込みを適当に返しつつ、俺は次行くところを思い浮かべる。

 

 

☆★☆

 

何故か霊夢まで着いて来て、合計三人で俺達は次の目的地である香霖堂まで飛んでいた。

 

「ほい、着いたぜー」

 

相も変わらず箒の後ろに乗って居た俺は飛ぶように降り、控えめにドアを開ける。

カランカラン、とベルが鳴り、店番をしていた――――

 

霖之助さんは、俺を見るなりにっと笑った。

 

「やあ真君!君の葬式に行っといて何だけど、生きてるって実は思ってました!」

「どもです、霖之助さん・・・それなら皆に言っといてくらさい・・・」

 

エプロンを付け読んでいた本を閉じると、そっと人差し指で上を指した。

 

「暁は上に居る。流石に今日は無理だな、と思ってたけど、真君が来たからね。行ってやってくれ」

 

霊夢と魔理沙は、香霖堂の中を物色し始めている。

カウンターの奥に行き、俺は上へと繋がる階段を上り始めた。

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