東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結 作:ラギアz
真「・・・ねえ、最後俺ボコられ過ぎじゃない?」
ラ「しゃーない」
真「この野郎・・・というか、今回の早苗のえっと・・・ネタ、使われまくってるじゃん」
ラ「まあ、ちょっとしたコメディにするには良いかと思って。」
真「そうだな・・・この小説の読者様の十割が男性だもんな・・・」
ラ「女性・・・友達・・・ウッ頭が」
真「嘘…ダウンした・・・」
ラ「では・・・どうぞ・・・」ガクッ
真「それは言うのね!?」
「・・・」
「あ、あの妖夢サン?何かさっきから物凄く怖いのですが?」
「・・・別に何でもないです」
道中、早苗をおんぶしている妖夢は疲れ、では無くイライラした様子で顔を顰めていた。
どうしたんだ?肩でも痛めたのか。
取り敢えず俺は口を開き、
「肩でも凝ったの?重たいなら俺が変わるよ?」
と妖夢に問いかけた。
・・・しかし、何が失策だったのか。
一瞬で殺意が芽生えたのか、妖夢は早苗を地面に下した。
「ふ・・・ふふふっ・・・」
そして、妖しく笑うと。
・・・自らの愛刀、楼観剣をゆっくりと引き抜いた。
「別に・・・胸が大きくても剣振る時に邪魔なだけですしい!」
ブオン! と空気を薙ぐ音が耳元を掠め、俺は顔を引きつらせる。
両手でもった長刀を乱暴に、子供が木の枝を振るう様に振り始めていた。
「背中にずっと当たってるんですよ!」
「知らないよ!てか危ないから!ストップ、ストップ妖夢!」
「・・・ふー、ふー・・・まあ良いです、早苗さんを真さんに持たせるわけには行きません」
「お、おーけーおーけー」
刀を収め、荒く息を付く妖夢は少し落ち着いた。
もう一度長く息を吐き、早苗を小さな掛け声と共に持ち上げ。
・・・そして、妖夢自身も持ち上げられた。
「「え?」」
俺と妖夢、二人の声が重なり―――――
次の瞬間、妖夢は見えない何かに捕まったまま山の上空、一人の女性の元まで一直線に向かい、そこで止まる。
青いショートカットに、緋色の瞳。
赤と青を基調とした服、神社にある注連縄を身に纏う長身の女性が、そこに佇んでいた。
「よし、上手く捕まえられたね。・・・あたしは八坂神奈子。簡単に言えば神さ」
「・・・うん、凄い凄い。・・・で?妖夢さらってどういうつもり?」
勝手に自己紹介をしてきた相手に向かって、俺はぶっきら棒に返す。
妖夢を攫った時点で、こいつはもう敵。
桜ノ蕾に手を掛け、俺は神奈子の言葉を待つ。
「おお、怖いねえ。・・・そうだなあ、家の早苗を倒したからねえ。ちょっとお仕置きだよ」
「そんなのに、素直に応じるとでも?」
「逆らったらこの銀髪の少女を殺す」
ギリッ
奥歯を無意識の内に噛みしめていた俺は、拳を振るえさせながら、怒りを全力で押さえつけた。
紫の蝶が括りつけられた腕飾りが、薄く紫紺の煌めきを放ち始める。
「・・・ま、断れないよな。行くよ、これが神の怒りだ」
神奈子は声音を低くし、淡々と呟いた。
絶対的強者の雰囲気を持ち合わせ、断罪者の如く右手を天に掲げ、神奈子は断罪の一撃を振り下ろす。
「動くなよ―――――神祭[エクスパンデッド・オンバシラ]」
―――――刹那。
絶大な霊力で形成された大木が、まるで大砲の様に、俺に向けて放たれた。
瞬く間に迫る、究極最大の一撃必殺。
動こうにも動けない。
単調ながらも強力な、この一撃に。
・・・俺は、なすすべも無く吹き飛んだ。