東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

17 / 224
うん・・・夢幻魂歌シリアスになるな・・
裏設定を組み立てている内に遠い眼になったラギアでしたとさ


隔「私は?」
夢月「次の章で大事な役目ですよ」
隔「あんただれよ!?」


第二章第九話「本当に」

熱い。

 

体を引きずられたのか、背中がまるで焼かれているかの如く痛む。

 

腕や足、腹部には木や岩で擦ったのか擦り傷が無残にも残され。

 

服や髪には、鮮血がべったりと着いていた。

 

何も聞こえない。

 

何も見えない。

 

何も分からない。

 

真っ暗な虚空の中、指先を震えさせる事すら叶わない俺は――――

 

 

突如、心臓の鼓動が止まるのを感じ。

 

 

そして、異常な程に脈打つ己の心臓、集まる灼熱の力をその身に感じる。

 

マヒしていた体に痛みと感覚が戻り、鉄臭い臭いがツンと鼻を突きさす。

ドッドッドッドッドッドッド…

心臓はもっと、もっと速く鼓動を刻み始め、荒れ狂う力を解き放つまいと、必死に抵抗している様だった。

 

危ない、解放しては行けない力。

どこかで、妖夢が叫んでいる。

大方、俺の心配でもしているのだろうか。

神奈子は、妖夢を解放するのか?

 

ああ、分からない。

 

・・・だから、ちょっと解放してしまおう

 

 

稼働(ドライブ)

 

 

胸の奥で、ひっそりと俺は呟いた。

 

心臓から、いや。

 

世界から溢れ出した力の、ほんの一欠けらが俺の体へと回り始める。

熱い。

指の先がピクリと反応し始め、眼を閉じていても全てが俺の中に雪崩れ込んで。

 

―――――俺は、強く右拳を握りしめた―――――

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

眼を開け、立ち上がる。

あの攻撃によって俺は妖怪の山の中腹くらいまで飛ばされたらしく、神奈子や妖夢がかなり遠くに伺える。

 

パキン

 

俺の右手首から紫の蝶が象られた腕輪が崩れ落ち、稼働により満ちた紅蓮のオーラが辺りを淡く照らす。

・・・瞬間、俺の右頬から文字通りの”炎”が一瞬、噴き出した。

 

 

稼働、では無い。

全く別の力。

それを眺め、呆然とした俺は、遠くに居る神奈子へと叫んだ。

 

 

 

「―――――おい」

 

 

 

 

 

 

 

・・・刹那、八坂神奈子の霊力が急激に膨れ上がった。

驚いたのか、俺の稼働に警戒したのかは分からないが、

 

 

 

 

 

 

動かなかったぞ?(、、、、、、、、)

 

 

 

 

俺はそう呟き、軽く地面を蹴り飛ばし。

 

 

 

噴き出した霊力を絶大な炎に変換しながら、2kmの間合いを一瞬で零にし―――――

 

 

 

 

 

・・・神奈子へと己の拳をぶつけた。

 

 

 

骨を砕き、肌を焼く轟音と急激な酸素の消費による爆発音が辺りに轟き、風圧と衝撃波だけで山一体を瞬く間に更地に返す。

霊力による拘束が解けた妖夢、落ちて行く早苗。

無防備に晒された神奈子の体に目を向け、俺は叫んだ。

 

 

「妖夢!やるぞ!」

「!っはい!」

 

ギャリイイン!!! と、二人同時に愛刀を抜き放つ。

陽光を反射し煌めく白刃は濃密な殺気を纏い、使用者の霊力をこれでもかと言うほどに詰め込まれ。

 

「破壊!」

「生命!」

 

「「華開け!!」」

 

二人の合図と同時に、互いの使用者へと宙を飛んだ。

妖夢の楼観剣を空中でキャッチした俺は、ズシリと手にかかる頼もしい重みを感じつつ、楼観剣に秘められた桜色の霊力、”生命”を解き放った。

まるで、桜吹雪の中を通っているかの様に桜色の霊力が吹き荒れ、俺の”破壊”の霊力を受け不気味な輝きを増す。

妖夢の方も、俺の愛刀『桜ノ蕾』を以てして同じ現象が起きていた。

二つの異なる霊力を混ぜ合わせ、それらを複合した霊力を刃に乗せる。

 

放たれるは、一条の斬撃。

 

 

 

「双刃[乱滅壊斬]!!」

 

 

二人同時繰り出された斬撃は、宙に黒ずんだ桜の軌跡を描き、

 

 

 

 

ドザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァアンンンン!!!!!

 

 

 

神奈子を地面へと撃ち下し、妖怪の山に一筋の切れ目を刻んだ。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

地面へと降りたち、お互いの刀を返しあう。

刀交換からの、互いの霊力を使っての同時斬撃。

攻撃力抜群の破壊を使いながらも、生命を使う事で殺しはしない。

合体必殺・・・俺達が編み出した、一つの答えだ。

 

急に溢れ出した正体不明の絶大な力、霊力が炎に変わった現象。

 

 

右手を眺めていると、突然心臓が鼓動を止め、

 

 

『・・・ま・・・た・・・ちか・・・を・・・か・・から・・・よび・・・』

 

ぼんやりと、薄い幻聴を残し再び動き始めた。

突如俺を襲う疲労。一体どこに居たんだと言うぐらいの痛みに、俺は意識を暗闇に落とした。

 

 

 

・・・あれは、本当に幻聴だったのか―――――?

 

 

 




稼働・・・真君の能力で発動。でも、真君の能力じゃない

炎 ・・・純粋な真君の能力。まだまだ未発達
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。