東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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ラ「明日から戦闘だ」
真「頑張れ」
ラ「というか明日部活内から部屋の掃除やって書くぞ」
真「頑張れ」
ラ「・・・頑張る。では、どうぞ!」


第三章第十二話「二日」

夢月の長く短く、それでいて悲惨な話は終わった。

岩の上に腰かけている俺達。そよそよと吹く柔らかな風と小川の流れて行く音が妙に大きく聞こえ、夢月と俺の間に沈黙をもたらす。

余りの事に、俺は喋る事も動く事も出来なかった。

じっと地面を見つめたまま、まるで土の一粒一粒を数えて行くかのように視線を地面に走らせる。

 

「・・・以上が、私が闇鬼を殺す事に何故そんなに執着しているか、の答えです」

 

夢月が静かに呟き、重々しい沈黙を破った。

視線を上げれば目の前では夢月が鋭い目つきで俺を見据え、もう一度口を開くところだった。

 

 

「貴方は優しすぎる。優しさは弱さであり、弱者が己の隠れ蓑にする為だけに用いる感情です」

 

そう言い切った夢月は岩から立ち上がり、俺に背を向ける。

 

「感情は、要りません」

 

最後にもう一度言い残した夢月は、そのまま何も言わずに歩いていった。

茂みを掻き分け、新緑の中へと白い道着のまま姿を消していく。

 

「・・・優しさが、弱さ、か・・・」

『結構辛辣だったね。まああながち間違ってるとも言い難い。難しいもんだね」

「結局、闇鬼はどこなのかね?」

『さあね。夢月を尾行してれば分かるでしょ』

 

再び岩の上に力なく倒れた俺はそのまま陽炎と会話をし、大きくため息を吐いた。

何が出来るわけでも無い。寧ろ、何も出来ない。

二分と言うリミットがある俺にとって、戦いは出来ないものだ。

 

超えられない壁。ただの少年に生まれたが故の、普通だからこその欠点。

 

「・・・弱さ。」

 

もう一度、誰に言うでもなく俺は呟く。

暖かい気候、気持ちのいい風。

昨日から寝ていなかった俺はそのまま目を瞑り、今の事を全て水に流すかのように眠り始めた。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

何故、私は唯の男の子にあんな話をしてしまったのか。

朝ご飯前に控えていた用事が終わり、私は脱いでいた巫女服を着ていた。

晒しを胸に巻き、スカートを引き上げる。

胸ポケットに入っている丸薬の感触。そして、これをもうそろそろ使わなくなると言う感覚。

 

『もって、後二日』

 

短いだろうか?

 

―――――いや、十分だ。

 

今日あいつを殺して、明日あの少年に幻夢を返そう。

 

白衣を纏った若い女性はもう言い切った。

だから。私の×は絶対だ。

怖くは無い。

怒りも、諦めも無い。

 

私には、感情が無い。

 

本能の赴くままに、ただ私に害をなす奴を殺していく。

 

髪をサイドで結びつつ、あの日の事を鮮明に脳に刻み付ける。

 

―――この忌々しい記憶とも、世界とも遂におさらば出来る―――

 

沸き上がるのは、ただの無機質な言葉。

 

着替えが終わった私はカーテンを開け放ち、装備を整えるため自身の家へと向かう。




キィ…
白衣を纏った女性が体を傾けると同時に、座っている椅子から木の軋む音が病室に響く。左手に持ったカルテを机に放り投げた後、彼女は徐に立ち上がり病室を出て行った。

カルテの中身は―――

博麗夢月(はくれい むつき)

女 16歳

余命 二日
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