東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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ラ「今回は少しラブコメ・・・かな・・・」
真「自身持てよ!」
ラ「うん・・・では、どうぞ!」


第四章第十七話「ふふふ、このまま誰かが来るまで待って置こうか!」

『頂きまーす!』

 

シートの上、河原の上にそのまま座る者、川の中に入ったまま箸を持つ強者、木の上に居る者等そこには異様な風景が広がっていたが、霊夢の掛け声と共に皆で一斉に唱和する。

咲夜さんと妖夢はお肉を焼きつつ箸を口に運び、俺は暁と天久と一緒にご飯を食べていた。

 

「お、美味しい・・・美味しいよ真・・!」

「美味い・・・美味いぞ天久・・・!」

「・・・なに、してるの?」

 

空腹の腹に、どんどん食べ物を詰め込んでいく。

分厚い肉は炭火でじんわりと焼かれ噛むたびに肉汁が溢れ出し、醤油とみりんで付けた香ばしい香りが口いっぱいに広がる。

同時にかきこむ白飯はお米一粒一粒がとても甘く、それでいてもっちりとしている。

熱々のそれらを、冷えた麦茶と同時に食べるのは至福の一時だった。

 

暁も少しづつ、正座をしながらも目を輝かせご飯を食べている。

 

「・・・お肉、90kg持って来ても良かったかもね」

「それは流石に余ると思いますけどね・・・」

 

肉を網の上で引っ繰り返しつつ、咲夜さんと妖夢はお互いに笑みを交える。

河原の上に直接座っていた俺と天久は、一先ず最初に取って来たご飯を食べ終え、

 

「ねえ真。大食い対決でもしないかい?」

「おお、良いだろう。受けて立つぜ」

 

にやりと笑いあい、同時に立ち上がった。

何か暁の目線が冷たいが、それを頑張って気にしないでお茶碗と紙皿を持つ。

 

「妖夢ー!お肉90kgくらさい」

「お残しは許しませんよ?」

「すみません。少し切り分けて下さい」

「貴方をですか?」

「止めて下さい死んでしまいますっ!!」

 

☆★☆

 

「ちょっと、こんな楽しそうな事に私を呼ばないなんてひどいじゃない」

 

「でね魔理沙、最近何故か神社の境内に落書きされてるのだけれど」

「へ、へえー!ばば、馬鹿な事をする奴もいるもんだぜ!」

「全くよ。まさかあんな・・・卑猥な物を・・・」

「ちょっと待つんだぜ!?私はそんなものは書いてないんだぜ!」

「やっぱりあんたか。」

「あ」

 

霊夢や魔理沙、レミリアが食べている所に次元の隙間が現れる。

その中から笑顔で出て来た紫。しかし、誰にも相手をされない。

 

「・・・無視何て・・・うう、無視何て酷いじゃない・・・!!」

「ああ紫、君も来たのか」

 

スキマにもたれかかったまま、スキマごと移動する紫。

それに初めて話しかけたのは、紙皿を片手に持った霖之助だった。

 

「来るに決まってるじゃない!何よこんなラッキーハプニングが起きそうな雰囲気!最高じゃない!」

「紫、君も若くないんだ。そろそろ現実を見よう」

「ああん?」

「2300年は生きてるだろうが!」

「霖之助もでしょ!」

 

初代博麗の巫女、博麗幻夢が死んだときにはもう今の姿とさほど変わらなかった二人は無駄な言い争いをし、同時にため息を付く。

 

「私も、ご飯貰ってくる」

「ああ、美味しいぞ。・・・僕は向こうに居る。何かあったら来てね」

「はーい」

 

霖之助はそのまま木陰の方に歩いていき、紫はスキマを使い移動を始める。

すれ違う間際、紫は小さく呟く。

 

 

「・・・機会があったら、真に私の家へ来るように言っておいて」

「ああ、了解した」

 

 

自然とすれ違う。

歩くスピードを微塵も緩めないまま、長い付き合いの二人はお互いに言いたいことを理解した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「うっぷ・・・もう食えない・・・」

「僕もダメだ・・・もう駄目だ・・・・」

 

 

天久と一緒に、俺は河原の石畳へと倒れ込む。

お腹はパンパンに膨れ、もう食べ物を見ただけで拒絶反応が起きそうな程に俺達はなっていた。

未だに暁は小さく口を動かしているが、俺と天久はもうギブアップし、小石が背中に刺さる感覚を感じつつ空を見上げる。

これはまあ、良く晴れてくれたもんだ。

快晴、という奴だろうか。

青く青く、どこまでも広がる空にはそのキャンパスを邪魔するものは何も無く。

 

照り付ける日差しは、やんわりと肌を焼いていく。

 

「あかつきぃ・・・」

「どうしたの?」

「おやすみ」

「・・・おやすみ。じゃなくて、えっ!?寝るの!?」

 

目を閉じた俺は、少しだけ足を延ばす。

 

足首辺りまでが川に浸かり、心地よい冷たさが更に俺を眠くさせる。

暁の慌てる雰囲気を感じつつ、俺はゆっくりと呼吸をし始めた。

 

☆★☆

 

「はーーーーーいっ!!」

「ふごああっ!!」

 

元気な掛け声と共に、俺の腹部へと何かが叩き込まれた。

思わず悲鳴を上げ、誰がやったかを確認する為に俺は急いで目を開け、

 

「あのねえ、川遊びまでしにきて寝てるなんて何してるの?」

「・・・だってだって、眠かったんだもん!」

 

俺の腹の上に、濡れた肢体に水滴を滴らせ、水色の水着に少し濡れた白いパーカーを着ている隔が馬乗りしていた。

一泳ぎしてきたのか、いつも付けている妖夢とお揃いのカチューシャを外し、髪をそのまま背中へと下げている。

 

「ほら、真君の大好きな水着の可愛い子が沢山いますよー?」

「そうだな、俺の目の前にはどうも断崖絶壁しか見えないが、川には・・お、おいやめろ!脱がすな!やめろ!」

「はっ!長い間一緒に暮らしてる女の子一人押し倒せないようなヘタレに、私が負ける訳無いでしょうが!」

 

少し揶揄った瞬間、隔は俺の水着に手を掛け下に下げ始める。

それを止め、得意げに宣言する隔に向かって、俺は一言。

 

「バースト」

「あっちょ・・・きゃああああ!!」

 

バヂッ!と青白い力の塊が弾け、俺の全身に力が回ったと同時に俺は馬乗りしていた隔をそのまま起き上がる様にして押し倒した。

川に背中を付け、パーカーの前がはだけた隔へ、今度は俺が得意げに言い返す。

 

「押し倒してやったぞ」

「本当にやる!?」

 

白いパーカーが透けて肌に張り付き、健康的な白い肌が微妙に見える中。

俺は、ここで気づいてしまった。

 

「・・・・これさ、俺」

「変態だよね」

 

「「・・・・」」

 

「ああああああああああ!!」

「逃がさないわよ真!!」

 

暫しの沈黙の後、俺は叫びつつ隔から離れようとバーストを使ったまま飛び退る。

しかし隔は俺を手首を掴み、その場に押しとどめた。

 

「やめろって!!おいやめろって!不味いから、この状況不味いから!」

「ふふふ、このまま誰かが来るまで待って置こうか!どさくさに紛れて変なところ触んないでね!?」

「それはない」

「こ、の、や、ろおおおおおおおおおおおおおお!!!」

「だから脱がすなああああああああああああああ!!!」

 

 

がすがすとそこで手と足をぶつけ合っていると、突然。

 

「おーい、真ー!皆で・・・遊ぼうっ・・・・て・・・」

 

「「へ?」」

 

手を振りつつ、天久が駆け寄って来た。

どうやら俺と隔を呼びに来てくれたらしい。

その厚意に感謝しつつ、しかし俺と隔は同時に呟いた。

 

何故なら今の俺達の状態は、俺が隔を押し倒しているのである。

しかも隔にいたっては俺の水着に手を掛け、押し倒されているのにも関わらず何も反撃をしていないのだ。

 

「・・・その、ごめんなさいっ!二人で大人になったら戻ってきて!!!」

 

「違う、誤解なんだああああああああああああああああああ!!!」

 

固まった空気に耐え切れなくなった天久は変な誤解をしながら走り去り、俺と隔は急いでその後を追いかける。

 

その後、誤解を解くも妖夢と咲夜さんと暁に追いかけられたのはまた別の話だ・・・・。




次回は(多分)暁のターン!!
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