東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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ピンポンパンポーン!

この投稿を境に、ラギアが少しだけ不定期投稿になります。
理由はテスト。何故かって言うとテスト。
そう、テスト勉強であります。
『またまた、そんな事言って旧夢幻魂歌はずっと投稿してたじゃん』
と思っている貴方!
残念、今年は本気だ!

と言う事で夢幻魂歌を楽しみにして下さっている皆さま、ご迷惑をお掛けします。
今日も気になる展開で伸ばしてしまい、申し訳ございません(殴

必ず完結させます。では、どうぞ!


第四章第二十二話「すれ違い」

「―――――――――隔」

「し、真・・・」

 

恐る恐る手を上げたのは、パーカーのチャックを開けたままにしている幼馴染だった。

申し訳なさそうに、黒い瞳を伏せながら隔は立ち上がる。

 

「うし、じゃあ端っこ行くか」

「う、うん」

 

俺が歩き始めると、何時もより少し距離を取って隔は後を付いてくる。

どうしたのか不思議に思っていると、焚火から少し離れた場所に来てやっと、隔が自ら口を開いた。

 

「・・・チェンジはしなくていいの?」

「は?」

 

急に聞かれ、俺は思わずぶっきらぼうに返してしまう。

いつもより俺と距離を置いている隔は、パーカーの裾を指先で弄りながら言葉をつづけた。

 

「折角の、皆でやる肝試し。ペアが私なんかで良いの?」

「はい?」

 

本当に心配そうに、隔が呟く。

表情は長い黒髪に隠されて見えないが、その声はほんの少しだけ、弱弱しかった。

 

「さっき天久君と話してたじゃない。誰がペアが良いか、って」

「・・・聞いてました?」

「隣に居たんだよ?聞きたく無いとこまで、しっかり聞こえてた」

 

裾を、ギュッと強く握りしめる。

皆が焚火の近くでわいわいと盛り上がって居る中、俺と隔の間に流れる空気はやけに静かで。

 

「・・・早苗ちゃんとか、魔理沙とか。妖夢ちゃんとかの方が、私より良い事くらい、分かってるから」

 

隔はそんな風に、段々と震える声で言葉を紡いでいく。

心臓が締め付けられるような感覚を胸に感じつつ、俺は何も言えない、言う事が出来ない。

 

「私なんかより、幻想郷の皆と一緒に肝試ししてきた方が、楽しいよ?」

 

顔を上げた隔の表情は、笑っていた。

 

それはそれは寂しそうに、悲しそうに。

目元を紅くさせ、震える声で隔は最後まで言い切った。

嫌味では無く、本心から。

純粋な気持ちで言った隔は、俺の方を掴んでくるりと回す。

 

そして、何も言わないまま俺の背中をトン、と軽く押した。

 

一歩近づく皆の輪、一歩遠ざかる隔との距離。

 

さっき何気なく呟いた言葉が、どれだけ失態だったかと言う事を、俺は今更ながらに理解する。

 

後ろで、隔が走っていく音が聞こえた。

小石を踏み締め、遠ざかっていく音。

本来ならここで、追いかけるべきなのだろう。

 

でも、俺にそんな資格はあるのだろうか?

 

自問自答、答えるものは誰も―――――

 

 

『行け馬鹿野郎が!』

「っ!?」

『戻ってきたら何という有様!ふざけんなさっさと追いかけろ!』

「か、陽炎・・・」

『陽炎だよ!女の子悲しませておいて放置とか最低だよ!?バースト使ってでも追いかけろボケナス!』

 

 

居ない、そう思った時に、俺の頭の中で声が響く。

怒っている陽炎の顔が直ぐに想像できるほどの声音で、陽炎は強く言い放った。

 

それで、頭の中で切れかけていたエンジンの様な物が再度動き出す。

顔を上げ、俺は振り向いた。

 

そのまま裸足で、小石を踏み締めつつ、俺は其の場から駆け出した。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「・・・さて、真と隔が行ったわね」

「霊夢霊夢、予想外すぎる展開なんだが。あの二人がペアになったのは偶然だし、元々仲良かったよな?」

「色々あるんでしょう。・・・さて、ペア決めも終わった事だし、」

 

 

 

 

「ちょっと、特別肝試しコースでも作りに行かない?」

 

 

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