東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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ラ「すみません、ものっそい疲れてて今日文章が変です。いやまあいつも変なんですけど・・・疲労がたまりまくってます。すみません。では、どうぞ」


第五章第九話「紫」

風で、暁の髪が宙に浮きあがる。

紫紺の矢が、深く、深く彼女の額に突き刺さり―――――

 

 

派手な閃光を散らしつつ、爆発した。

 

 

 

暁の体から、紫色の光が放たれる。

それは、男や破壊を見せてくれた暁の呪力を、軽々と超えて行く。

絶大な力の奔流。解き放たれた暁の才能は、一度暁から離れ再び入っていく。

 

男はそれを静かに佇みながら見つめ、俺は少し離れたところで見ていた。

神秘的な光景。

深い紫の燐光が渦を巻く中、最後の力が入ると同時に光の粒子は消え去った。

 

 

地面に足を付け、暁は呆然と己の体を眺める。

 

「・・・今、お前の封印を解いた」

 

徐に、男が口を開く。

 

「今のお前なら、その力を正しい方向で使えるだろう。・・・来い、続きだ」

 

暁は、男をじっと見上げた。

その眼には、少しの迷い。

 

 

暫しの沈黙。その後、暁は大きく飛び退る。

 

 

桜ノ蕾を逆手に握り直し、黒き瞳を真っすぐに男へと見据え、暁は呟く。

 

「貴方が誰かは知らないけれど」

 

そして、笑う。

 

「ありがとう」

 

刹那。

 

暁の華奢な体躯から、紫紺の閃光が放たれた。

 

 

「纏・紫炎(しえん)

 

渦を巻く風。

そこに乗るは、紫の炎。

 

呪力と妖力、二つを鎖の様に組み合わせた力は最高の盾となり、最高の矛と成る。

 

逆手に構えた桜ノ蕾を軽く引き絞り、暁は刀を中心に炎の渦を巻き起こした。

 

男が構え、警戒する中で、暁は走り出し。

 

「纏・紫電」

 

バヂィッ!!! と強い力が弾けると同時に紫の閃光が瞬き、暁の体が一瞬にして消える。

明らかに今までとは異質の速さ。

 

男の背後に現れた暁は、体を全力で引き絞り―――――

 

 

急いでガードを固めた男の上から、炎の渦を纏った剣で切り裂いた!!

 

 

弾き飛ばされる包帯の男。雷を纏いながら、暁は更に膝を曲げ力を溜め始める。

 

 

これが、本当の暁。

俺が見て来れたのは、ほんの一部だったのだと。

そして俺は、やはり弱すぎるのだと。

 

縦横無尽に駆け巡る暁を見ると、そう思わずにはいられなかった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

決着は、直ぐに着いた。

 

 

あの後直ぐに包帯の男が降参し、やけに呆気なく終わったのだ。

そして俺達は今、包帯の男に着いて来いと言われ後を追っている。

 

何かあるのではないか、と警戒するべきなのだろうが、暁がススス…と着いていってしまったので仕方が無い。

一応桜ノ蕾の柄に手を当てつつ、俺は歩き続けた。

 

 

「着いたぞ」

 

 

森を抜けた所で、男が呟く。

そこには古い木造りの大きい屋敷が、まるで新築の様な綺麗さで立っていた。

 

暁が隣で息を飲む。

俺も余りの大きさに呆然としながら、戸を開け中に入っていく男を追いかける。

 

「・・・さて、暁」

 

中に入り、男は俺達に向き直った。

 

「少しだけ、向こうの方で遊んできてくれ・・・少し、この少年と話があるんだ」

「・・・わ、分かりました」

 

何故かがちがちに緊張している暁は俺達に背を向け、そのまま歩き始める。

どこか後ろを気にして居る様な素振りを見せる暁に向かって、男はもう一声かけた。

 

 

「・・・私は、君のお父さんじゃない。君のお父さんの、古くからの親友さ」

「・・・」

 

暁の動きが、一瞬止まる。

しかし、彼女はその声に答えなかった。

少し歩む速度が速くなり、俺と包帯の男はそれを見つめ。

 

 

「・・・行こうか」

「はい」

 

 

暫くして、俺達は歩き始めた。

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