東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結 作:ラギアz
短いです。
次々回辺りに戦闘、その次の回で真君の急激な成長をお見せする感じですかね。
稼働の謎も残っていますが、それは大分後に。
では、どうぞ。
「何か困った事があれば、遠慮なく来ると良い。私で良ければ力を貸そう」
有明が門の前でそう言い、巻きなおした包帯の位置を両手で直す。
あの後、有明は暁の事について色々話してくれた。
今、暁の腰に装備されている二振りの小太刀についても。
時雨と日登。有明と暁の母が使っていた小太刀は、時雨は妖力を、日登は呪力を強化してくれるという暁にぴったりの小太刀らしい。
無論切れ味も鋭く、鉄をも軽く切り裂くという。
刻印の消えた右腕を、長袖の上から俺は擦る。
そして有明に一度お辞儀をし、俺達は帰る為に明乃の所へと向かった。
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「ああ、帰るのかい。・・・博麗神社なら、私が送れるよ?」
「え、そうなんですか?」
「博麗神社は大事なところだからねえ。ちょちょい、よ呪力を掛けてあるのさ」
「じゃあ、お願いします」
俺が頷くと、明乃は指を一回パチンと鳴らす。
すると俺と暁の足元に紫の陣が広がり、それは紫紺に輝き始めた。
「それじゃあね。暁、結婚したり子供が出来たりしたら来るんだよ」
「う、うん」
「真もね」
「何で!?おばあちゃん何で!?」
やはり、明乃は愉快なおばあちゃんだ。
カッカッカ、と笑い明乃は手を振る。
光は一層強くなり、俺と暁も手を振り返した。
刹那、意識が深く落ちる様な感覚と共に世界が切り替わる。
一回の瞬き。
すると俺は、博麗神社の境内に立っていた。
隣を見れば暁も居る。俺はどうせだからと、神社の建物の中に霊夢、と呼びかけた。
しかし返事は無い。
暁と顔を見合わせ、俺はふと、思いついた事を口にする。
「・・・そういや、紅魔館に泊まるって言ってたよな。もしかしたらまだ居るかも」
「行ってみる?」
「うん。一応レミリア様にお礼しときたいし、隔にも謝らないとな」
「記憶、戻ったんだ」
「ああ。ばっちりでござる」
サムズアップし、俺は神社の境内から長い階段へと歩を進める。
ここから紅魔館までは地味に距離があるのだ。
「・・・久しぶりにやってみるか」
俺は懐から、お守りとして昔咲夜さんに貰った銀のナイフを取り出した。
そしてそれを核にし、俺は霊力を纏わせる。
破壊の霊力を用いて作られるのは、漆黒の烏。
前に俺が幻想郷に居た時愛用していた黒き烏は、生成されると同時に甲高く鳴いた。
「よしよし、ひっさびさだな、八咫烏」
全長3m程の巨鳥の嘴を撫で、俺は暁に乗る様に促す。
恐る恐る暁は八咫烏に乗り込み、俺も後に続いた。
そして、そのまま飛び立つ。
良く晴れた青い空の元、涼しい風を切り裂いて俺達は飛翔した。