東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

98 / 224
ラ「救いの無いシリアスは書かない・・・。さて、次の話で挽回だ!」
隔「今日出すの?」
ラ「出せたら!では、久々のグロ回どうぞ!」


第六章第十一話「天を遮る翼」

全ての攻撃は倒れる天久へと吸い込まれる。

 

何もかもを消し去る様な爆音。轟音が轟き、白い光が視界を塗りつぶす。

暴風が髪を激しく揺さぶる。砂埃さえも一瞬で晴らす風の奥、その衝撃の中心。

 

―――――御走天久は、折れた片翼を広げながら立っていた。

 

漆黒の鎧は所々崩れている。翅も折れている。

血が滲み、体全体が震えているのにも関わらず、奴は立っていた。

 

そこに感じるのは恐怖。狂気。

 

眼を見開き、驚愕に包まれつつも慌てて攻撃の準備をしようとする俺達の前で。

 

奴は、ボロボロの体のまま天に向かって大きく咆哮した。

 

 

 

「ウああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」

 

 

バヂバヂ!! と黒い閃光が奴の体から瞬く。

翅が、醜く再生していく。乱雑に、漆黒の鎧は塞がれる。

 

刹那。

 

 

 

白玉楼に、一筋の黒い旋風が吹いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何が起きた。

 

 

 

 

 

 

瞬きも許さない一瞬。俺はまるで時間を飛ばされたかのように、地面に強く叩きつけられていた。

稼働が解ける。翅は消え去る。桜ノ妖は手から抜け吹き飛び、左肩の骨はゴギュイッ! と嫌な音を立てて外れた。

 

赤黒い霊力が俺の体を包み込む。紅い霊力が、更に俺を守っていた。

 

耳が聞こえない。視界は砂埃に塞がれている。

額や膝から血を流しながら、俺は左肩を庇い立ち上がった。

 

 

 

ちかちかと切れ切れになる視界。そこに広がっているのは、地獄絵図。

 

「・・・そんな・・・」

 

立っているのは、俺と天久のみ。

 

レミリア様が、霊夢が、魔理沙が暁が隔が夢月が――――――全員、地面に崩れ落ちていた。

 

例外無く、皆から生気は感じられない。

無残な傷跡からは鮮血が噴き出る。地面に染みこみ、世界を紅く染めて行く。

 

『・・・真、速くフルバーストを使って!!』

 

認めたくない現実。必死に目を背けようとするのも束の間、陽炎の叫び声さえ俺は遠くに消えて行く程の衝撃を喰らっていた。

 

脇腹に、ごっそりと大きな風穴が空いている。

血なんて物じゃない。内臓が、腸が肉が骨がそこから見えていた。

 

無意識にそこへ手を当て、俺は顔を上げる。

 

天久の漆黒の鎧は、復活していた。片翼は、更に大きく、禍々しく忌々しく天を覆っていた。

 

灼熱の痛みが全身を蝕む。全てを認識するよりも早く、何よりも速く、天久は動く。

 

 

 

ただ一人立つ俺に向かって。

 

 

奴は、漆黒の翅を一振りした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。