紅美鈴には秘密がある   作:テッソルムリア

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レミリアの口調が安定しない今日この頃





「共同戦線」

side レミリア

 

 

今こいつは何と言った………?

紅美鈴として、だと?

何故だ。

 

 

最近はようやくメアリー・スカーレットとしての姿も認知されてきたところだ。

お母様も自然にその姿で過ごしていた。

別にメアリーの姿が嫌なわけではないだろう。

そもそも、メアリー・スカーレットとしての姿を広め始めたのは目の前の妖怪の賢者だ。

そんな感情的な理由ではないはず。

 

 

それならば門番の―――紅美鈴の姿でなければならない用事があるのか………

 

 

「………お母様は人里で何をしているの?」

「さぁ、ね。私は知らないから直接聞いてみたら?」

 

 

そう言う八雲紫に疑わしげな視線を向ける。

本当に知らないのかしら?

こいつ相手だと言葉を額面通りに受け取れないから困るわね。

 

 

「まぁそれはどうでも良いのよ。そこまで重要なことでも無いし」

「……何だと?」

 

 

そう考えているうちに続けられた八雲紫の言葉に、今度こそ口から言葉が漏れ出てしまった。

お母様が”紅美鈴”として行動していることがどうでも良い?

流石に何も言わないわけにはいかない。

その返答如何によっては………

密かに心の中で決意する。

が、しかし。

 

 

「貴女達………私が渡した本は見たでしょう?」

「………」

 

 

次いで掛けられた言葉にスッ…と目を細め、沈黙するしかない私たち。

もちろん本の中身は見た。しかし理解は出来なかった。

その情報こそ、私たちが問い詰めようとしていたもの。

故に。

そのまま目線で話の続きを促す。

 

 

「私の言葉を信じるかどうかは貴女次第だけれど、あの本は本物よ。私が偽造したわけでもなんでもないわ………それで何か聞きたいことは?」

「………何故私たちにあの本を?」

 

 

核心からは突かない。まずは此奴らの思惑から探っていきましょう。

 

 

「簡単なことよ。私の目的のためには、貴女たちに知っておいてもらった方が都合がいいから」

「………その目的は?」

「そうね―――何から話そうかしら」

「………」

「まず―――家系図に名前がなかったのは確認したわね?」

 

 

八雲紫の問いに首肯で返す。

意外とすぐに本筋へと入ってこられたわね。

八雲紫のことだからもっと焦らすと思ったのだけれど。

まぁこっちにとっては好都合ね。

 

 

何故、家系図にはフランの名がなかったのだろうか。

あの子は紛れもなく、私の妹であるはずなのに―――

 

 

「それは書き忘れだの単純な話ではないの」

―――そうであったならどれだけ良かったか

 

 

「信じられないだろうし、あまりにも話が飛躍しているように感じるかもしれないけど」

―――家系図を見た時から、私の常識は吹っ飛んでるわよ

 

 

「過去に起こった出来事が原因であり、それは未だに解決していない……むしろ危険な状態」

―――つまり?

 

 

「放っとくと幻想郷が崩壊するわ」

「………」

 

 

 

 

―――まぁ、何となく話の途中からは察していた。少々規模がデカすぎるが。

この面子が勢揃いしているのだ。

全くもって協力しあっている姿が想像出来ない此奴らが。

まさか紅魔館が吹き飛ぶ程度の話では無いだろうと思っていたが………

家系図に妹の名前が無いことが、どうやったら幻想郷の崩壊に繋がるのだろうか。

あの子がこの世界で暴れまわるとでも?

確かにあの子の能力は強力だけど………

あんなに優しい娘がそんな事をする事態こそ、想像出来ないわ。

―――でも、私が想像出来ないのと、実際何が起こるのかが一致するとは限らないのよね。

 

 

 

 

「事の詳細はこれから話すわ。それを理解してもらえたら、貴女にやって欲しいことがあるの」

「私にやって欲しいこと?」

 

 

 

 

何故かしら。まだ何も聞いていないのに嫌な予感しかしないわ。

具体的に言うと、パチェと小悪魔がイイ笑顔でこっち向いた時くらい。

 

そんな風に私が寒気を感じているうちに八雲紫は、そのニヤケ顔を隠そうともせずにこう告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レミリア・スカーレット。貴女には”異変”を起こしてもらうわ」

 

 

 

―――あぁ 本当に碌でもない――――――

 

 

 

 

 

 




そしてパッチェさんのこの空気具合である





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