活動報告(という名の生存報告)をした方がいいかなと考え始めました(今更)
―――幻想郷のどこか 八雲紫の住居―――
幻想郷のどこかに存在すると言われる八雲紫の屋敷。
今も尚、その正確な場所を知っているのは八雲家の住人だけである。
―――そして月明かりに照らされた屋敷、その縁側に一つの影が。
「どう?用事は済んだのかしら」
縁側に座り、前を見つめたままそう言い放ったのは妖怪の賢者、八雲紫。
その流れるような金髪が、月の光を反射して輝いている。
対して、じっと前を見つめるその面持ちからは、感情を察することが出来ない。
そのまましばし、沈黙が場を支配するが八雲紫は動かない。
やがて………
「―――ええ、もちろんです」
そう言いつつ現れる影が、また一つ。
艶やかな紅髪を腰ほどまで伸ばし、緑色の華人服のような衣装を見に付けている少女。
紅魔館門番、紅美鈴の姿がそこにあった。
彼女が現れても前を向いたまま目もくれない八雲紫を一瞥すると、スッと縁側に腰掛ける。
「………ここまで、長かったわね」
「そうでしょうか?思ったより短かった気もしますが」
珍しく何処と無く深刻そうな、しんみりとしているような雰囲気で話す八雲紫。
それとは対象的に、あっけらかんといった様子の紅美鈴。
そんな正反対の空気を纏い二人が座る縁側は、歪で、されど調和しているような不思議な空間であった。
「しかし、あまり時間は残されていないようですよ」
そう呟くように放たれた紅美鈴の言葉が、月夜の空に溶けていく。
やはり言葉の内容とは裏腹に、深刻さはない。
「………そう。でも随分仲間も集まったし、レミリアの協力も得られた。もう準備はほぼ整っているわ」
こちらが正反対なのも変わりなく。
自信なさげな八雲紫という珍しい姿を晒している。
「それじゃあ、そろそろ始めましょうか」
「………ねぇ本当にやるの?メアリー。貴女がそこまで―――」
八雲紫がそこまで言った瞬間、その口元にスッと人差し指が添えられた。
「紅美鈴です」
「………あくまでそのスタンスを貫くのね。いいわ美鈴。貴女がそうあるというのならば、私は最良の結果を引き寄せられるようにするだけ―――良いわね?」
「ええ、もちろんです」
「じゃあ早速動くことにしましょうか」
「はい。ちなみに次の機会はいつ頃だと皆さん言ってました?」
「早ければ明日。遅くとも一週間以内にはあるだろうと言っていたわね」
「分かりました。一週間程ならば、まだ保つでしょうね」
「そうね」
「それじゃあ動きがあったら、紫さんはお嬢様に異変開始の合図をお願いします」
「ええ、手筈通りに、ね」
そう八雲紫が言うと紅美鈴は立ち上がり、いつの間にか開いていたスキマへと入っていく。
振り返りはしない。
八雲紫も声をかけることはない。
そうして紅美鈴がスキマに消えていき、また静寂が訪れた。
「そうね。始めましょうか」
◆
―――数日後 人里―――
「―――それじゃあ今日はここまでね。お疲れ様」
「あ、お団子追加で~」
「私もー」
「………ちょっと」
「ん?」モグモグ
「何かしら」モグモグ
「二人共、何のためにこうして従者どうしで集まってるか覚えてるのかしら?」
若干目を吊り上げながらそう言ったのは、紅魔館のメイド長十六夜咲夜。
対する二人―――魂魄妖夢と東風谷早苗は少し思案するような顔をしてから答えた。
「主人の愚痴を話す?」
「いわゆる女子会ですよね」
「ち・が・う・わよ!あの最終戦争でも起こせそうな面子への対処法を話し合うためでしょう!」
「え~そうは言っても………」
「正直言って話し合えば話し合うほど、どうにも出来ないような気がしてきて………」
「最終戦争というより第三次大戦って気もしますが」
「確かにドンパチ始まりそうですよね~」
「………?何よそれ」
聞きなれない単語を聞いた十六夜咲夜が二人に聞き返す。
「あ、これは幽々子様が見ていたてれび?とやらでやっていまして………」
「私は神奈子様と」
のほほんとした様子で二人が答える。
そのとき
十六夜咲夜の額あたりでブチッと何かが切れる音がした。
「貴女達まで毒されてんじゃないわよォォォ!!!」
先ほどまでの女子会(仮)は何処へやら、にわかにすったもんだし始めた三人。
それを少し引いたところで見ている鈴仙は、一人冷静に思考していた。
だからこそ、最初に気付いた。
自分たちのすぐ横に立った人影に。
「あれ?貴女は………」
鈴仙がそう呟くと、大騒ぎしていた三人も気付いたようだ。
「寅丸、星さん?」