思ったより、このデスゲーム攻略は悪くない   作:形右

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今回は、圏内事件の前半です。

とはいえ、事件の本編に入るのは次話からなので……今回は、例のお昼寝シーンが主です。

それでは、どうぞ。


『圏内事件』

 

 

 

 

 それは――ビーストテイマーの二人との出会いから少し経った頃のことだった。

 

 

 

 

この浮遊城『アインクラッド』における最高の気象設定の日……それは起こった――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

ハチヤとキリトの二人はいい天気にかこつけてダンジョン攻略を休憩……平たく言えばサボっていた――そんな時だった。

 

 

「あ〜ハッチー何サボってるし!」

 

「キリト君も、何してるのよ!」

 

「まーそういうなって……こんないい天気の日に働くなんて馬鹿らしいだろう?」

 

寧ろ働いたら負けなまである。

 

「そーそー」

 

完全にやる気ゼロの二人に氷結の女王サマが近づき声をかけてくる。

 

「そう、随分といい身分のようね?」

 

その声を聞くなり二人はビクッ!? となり、その声の主の方へ視線を向ける。

 

「ゆ、ユキ…………」

 

「で、何か言い逃れをいうなら聞いてあげてもいいのだけれど?」

 

「えっと……と、とりあえず、お前らも寝転がってみたらどうだ? 分かると思うんだけ……ど……?」

 

「……それはあなたのとなりで寝ろということかしら?」

 

「へっ?い、いや、別にそういうことじゃ……」

 

するとそこへもう一人の少女が会話に乱入してくる。

 

「はいは〜い!じゃあ私がとなりになりますぅ」

 

「…………なんでここにいんの?」

 

割とマジで。

 

「え〜?別にいいじゃないですかぁ〜先輩にあいたかったんですよぉ」

 

「はいはい、あざといあざとい」

 

「ぶぅ〜先輩のいけずぅ〜」

 

「本当に何の用かしら、イロハさん?」

 

そう、この場に乱入してきたのはハチヤこと八幡や雪乃、結衣のリアルで通ってる高校の後輩『一色いろは』。ここでのプレイヤーネームは【イロハ】、これまた彼らの知り合いの八幡曰く《リア充グループ》こと、葉山隼人――この浮遊城では【ハヤト】率いるパーティのメンバーである。

 

「あ、イロハちゃん。やっはろ〜」

 

「あ、ユイ先輩やっはろ〜です!」

 

「つーか本当なんでここにいんだよ。葉y……ハヤトたちはどうしたんだよ」

 

「あ〜えっとですねぇ……」

 

イロハはココに来た理由をしゃべりだすが、端的に言えば――暇つぶし、だそうである。

 

「……このあざとすめ」

 

「先輩ひどいですよぉ」

 

「…………おい」

 

「はい?」

 

「なんで俺のとなりに来てるの?」

 

 イロハは ごちゃごちゃ言いつつもハチヤのとなりに移動していた。

 正直美少女に近くに来られるのは心臓に悪いというかなんというか…………とにかくむず痒い気がするわけで、離れてもらえるならありがたかなぁ〜くらいの気持ちで言った―――

 

 

―――決して、絶対に後ろにいる二人が正確にはユキとユイが怖いからとかでは断じてない。断じてない。断じて違うからね!? (必死)

 

「え?だって先輩が、俺のとなりに来いって……」

 

「誰がそんなこと言ったんだよ。どっかに仮想の先輩でもいんのかよ、仮想世界だけに」

 

「はぁ、全然うまくないですよ先輩。今のはイロハ的にポイント低いです」

 

「うっせ、つーか俺の妹の真似すんなよ。それを俺に言っていいのは小町だけだ」

 

「相変わらずシスコンですね、まぁ私の答えは『断ります』ですけどね♪」

 

すっげぇいい笑顔でそう言ってのけやがったこの小悪魔系後輩は……これ以上この場の空気をイマジンブレイクしてくれるな。この場の気温が最高の気象設定からマイナス273℃になってるから!まじでやめて‼︎

 

「そう…………そうくるわけね。ユイさんこのセクハラ谷君に調教を…………ってあら?」

 

ユキがそう言ってユイの方を見るとすでに姿はなく、ハチヤのもう片方のとなりを確保している友人の姿だけがあった。

 

「イロハちゃんずるいし!あたしだってハッチーのとなりが良い!」

 

「お、おいユイまで…………!?」

 

「むぅ〜」

 

マジでなぜこっち来るし!?

 

「…………」イソイソ

 

「アスナ?なんで君までこっちくるの?」

 

「え?嫌……だった?」

 

「い、いや全然! む、むしろ大歓迎です!!」

 

「よかった♪」←さりげなくキリトとユイハの間に割り込む

 

「」

 

もはや絶句するしかないユキさんでした。

 

 

 

 

 

そしてそして――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――しばらくした後のこと

 

 

「…………やべ、本格的に寝てたな……こりゃあ――」

 

いつのまにか寝てしまたのか完全にお昼寝タイムを満喫していたわけだが、起きようと体を起こしたハチヤは両サイドから何か引っ張られるような感触によって起き上がることができない。

 

「……? なんd――――ナニコレ?」

 

両サイドからユイハとイロハに抱きつかれていた。

 

(あぶねー!? これあれか? 起きるのがちょっと遅かったら抹殺エンドまっしぐらってやつですか!?)

 

 危機一髪(本人談)の所で起きたハチヤはとりあえずそっと二人の腕を離し、木の上にスルスルと登り…周りに人がいないかを確かめる。

 そして一応睡眠PKを警戒して未だに寝ている目の前の仲間たちをもう少し見守ることにした。

 そうして木から降り、そいつらの頭側に座るとぼーっとすることにした。

 

(にしてもこいつらスゲーよく寝てんな……)

 

 寝ているこいつらを端から順に眺めていると、なんとなく目の前にいるこいつらについて少々考えていた。

 まずはキリト。こいつとはこのゲームのβテストの時からの付き合いだが、こいつは俺にとって何か?と考えると、もう一つの形の『本物』で、こんな風に感じているなど昔の自分なら到底考えられないのだろうが……『弟分』と言った所である。

 まぁ確かに、第1層の攻略の時にも俺に付いて来るくらいだからだろうか?ほっとけないというか共に戦う相棒のような感覚だ。そして自分にもう一度、人を信じるきっかけをくれた一人でもある。

 

(まさか一番欲しくないと思ってた弟という存在がこんな形でできるとは……)

 

「zzz」

 

 頭を軽く撫でてやり、続いてそのキリトの腕を掴み安らかに寝ている少女に視線を向ける。

 アスナとは、出会ったのは本当に偶然だった。あの日、あのトールバーナでたまたま出会い、ここまで共に来た。ちょうど妹の小町と年齢が一緒だったためかついつい妹扱いしてしまうような存在、とでも言えばいいのだろうか?だが、彼女は戦闘においても俺は相当頼りにしている。しかし、頼もしすぎでは?などと感じる時もあるのだがね。

 

「……ま、良いんだけどさ」

 

そう呟き彼女の頭も撫でてやる。

 

 さてさて、この辺からが難しい所だ。

 イロハ…………初めて会った時からよく俺のことを振るやつ、という印象が強い。あとあざとい。

 こいつはなんというか、そのまんま後輩キャラ、で良い気がする。今でも仮想世界に来てまで葉山を追っている(とハチヤは思ってる)あたりこいつの根性はすごいと言えるのではないだろうか?

 まぁ、頼りにしてはくれているようだし精々これからも手助けしてやろう。先輩として……な?

 

「ま、精々頼りにしとけ。保証気かねぇけど」

 

こいつも撫でてやる。するとなんだか猫……いやむしろ狐だな。そんな感じに擦り寄ろうとでもしているのか顔を赤らめ擦り寄るような仕草をした。

 

(ったく、こいつは素どころか寝ててもあざといのかよ……)

 

「~~えへへ……///」

 

(可愛く反応するなよ、うっかり惚れちまうだろうが…)

 

そしてさらにその隣にいるユイハに視線を向ける。

 彼女は、一言で言うなら『癒し』とでも言うのだろうか?とにかくなんかほっとするような、とにかくそんなイメージが先行する。

彼女はそんな子だ。とにかく優しい、でも俺は優しい女の子は嫌いだった。勝手に期待してしまうから…………でも本当は違った。結局のところ俺は彼女の根気に負けた、と言えばいいのだろうか?

 突き放したつもりだったのにいつの間にかまたかかわっていた。そして、助けられたりもした。

 そして俺は初めて、優しい女の子という存在とはまた別のところにいる彼女を見ていた。

 

 そして…その気持ちの先には……もしかしたら、自分が気づききれないものがある気がした。

 

 そして最後に何故か頭上に陣取っていたユキに視線を向ける。

 彼女はハチヤ…八幡のあこがれだった。

 嘘も虚言も吐かずにただ美しくある。そんな彼女にあこがれていた。しかし、彼女に完璧でない部分はあった。

 しかし、それゆえに起こった問題の数々はユイ…結衣とユキこと雪乃とハチヤ、八幡の三人で乗り越えてきた。

 この変化に自分自身驚いている。昔の自分が見たらなんというだろうか?とりあえず…リア充爆発しろ!とは言う気がする。

 ともかくそんなこんなの色々を過ごしたことから、八幡が雪乃に抱く像は…彼女に言ったr罵倒されること請負だが、『相棒』といったところだろうか?頼りになるし支えたいようなそんな感じだ。結衣のように守りたいだけじゃない彼女は自分自身で輝ける存在なのだ。だから八幡はサポートに徹するのだ。

 

 大体こんなところだろうか。

 一通りの考察を終えたハチヤはもう一度寝転がり、眠らないように注意しながら静かに時を過ごすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、日も傾き気象設定が少しずつ夜型に変更され始めると、クシュン という可愛らしい音と共にユイが起きる。

 

「はれ……?」

 

「おはよ」

 

「あ、うんハッチーおはy……え?アレ、何してたんだっけ?」

 

「お昼寝してたよ~君たちは。注意しに来た割には随分と気持ちよさそーうに」

 

「……はっ!?そうだった!!も~起こしてくれてもいいじゃん!」

 

「いや、なんか忍びなくて」

 

「む~」

 

 そんなやり取りをしているとほかの連中も起き出したようだ。

 

「……?」

 

「ふぁああ〜」

 

「…ほぇ?」

 

「あ〜よく寝た〜」

 

 そうやって起き出してきた残りのメンバーに「おはようさん」と声をかけるとキリトは「おはよ」と返して来たのだが、アスナとユキは少し顔を赤くしながら俯いていた。逆にイロハは頬を膨らませながらあざとく「せんぱ〜い、起きてたならおこしてくださいよぉ…あ、そんなに私のネガを見てたかったんですか?」なんて返してくる。

 そんな、メンバーにそろそろ夕飯時だから飯でも食いに行こうと声を掛ける。

 最近料理スキルを上げているのだがまだ完璧とは良いがたいので仕方なく出来合いの店売りで済ませてしまうことが多い。

そんな訳で近くの街のレストランに入ることになった一同だが…………。

 

 

その時、唐突に響き渡る悲鳴。

 

その声に驚き、外に出る一同。

 

 

 

 

そこで見たのは…………。

 

 

時計塔にキリストの処刑のごとく、刺殺された…………鎧の騎士の姿だった――――

 

 

 

「な……何だ? あれは―――」

 

 

 

そう絞り出すのが精一杯で、頭はいまだに何が起こっているのかを――認識しかねていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





いかがだったでしょうか?

次回はいよいよ、シリアス突入……ですが、正直自信ありません……。

でも、八幡と棺桶の絡みはぜひ作りたいので、そのあたりをうまくかければ……。

では次回また会いましょう。
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