艦隊これくしょん ~春の雨・秋の雨~   作:七ツ盾=月桜

1 / 4
はい! 見切り発車です!!

もひとつの方をご覧の方。すみません!!

欲望をオサエラレナカッタ…


春雨かわいい!

(春雨出てませんが…?)

エ…?マァ…近い内に…汗


第一話 

「ここは…?」

ゆらゆらと光が揺蕩っている。

右を見ても左を見てもただただ光が踊っている。

「俺は…」

どうしてここに居るんだ?

「ここは…何処だ?」

直前の事を思い出そうとするが、靄が掛かった様にはっきりとしない。

「…ふぅ」

取り敢えず思考を放棄する。

再び見回すが、変化は無し。

ふと、視線を下に。

「?」

地面があるだろうと思っていたがそうではなく。

そこは深く昏い『黒』があるだけだった。

「え?」

俺、浮いてる?

慌てて上を見上げる。

そちらは光がきらきらと漂い、揺らめいていた。

「もしかして…」

水の中…か?

「え? なんで?」

てか、息っ! 息がっ!

「苦しくないじゃん…」

どうやら水中に居る様だが、特に呼吸が出来ないとかはなく苦しさも感じない。

不思議だが考えて答えが出る訳でもないのでこの際気にしないでおく。

とまぁ、いまいち緊迫感に欠けるが置いとくとして。

取り敢えずこのままじっとしてても仕方ないので動く事にする、が。

「…ぬ、む…?」

体が妙に重く、手足を動かすのも儘ならない。

上を見たり左右を見回したり、そういうことは苦も無く出来るのだが『体を動かす』となるとどうにも上手くいかない。

「どういうことだ?」

喋ることも特に問題ないのに?

「うーむ…」

困った。

仕方ないから暫くぼうっとすることにしよう。

妙に落ち着くし…。

………

「暇だ…」

小一時間経ったが変化は何も無し。

いい加減どうにかならんかと思っていた、その時。

「聞こ…ま…?」

何処かから声がした。

「ん?誰か居るのか?」

聞き返すも何処から聞こえたかはいまいち分からない。

「聞こえ…すか?」

「誰だ?」

先ほどより強い声。

「聞こえますか?」

ふいにはっきりとする声。

「誰だ?何処に居る?」

周囲を見渡すが、姿は見当たらない、と。

正面に影。

「聞こえますか?私の事、見えますか?」

おぼろげだった影がはっきりとした実体を持ち、声も届く。

「君は…?」

それは少女の姿をしており、こちらに向けて話しかけてくる。

「良かった。私の声、聞こえてますよね?姿も見えてますよね?」

「あぁ、聞こえてるし見えてる。俺に用かい?」

その少女は恐らく十代中頃の見た目で、かなりの容姿端麗だ。

髪は煌く銀の色。 瞳はルビーの様な深い赤色をしており服装は黒いセーラー服だ。

頭の右で髪を結い、左は編み込みにしている。

(なんか見覚えあるんだが…)

ふと思い至る。

(そうか、あの娘に似てるのか…)

思い出したのは俺がハマっていたブラウザゲーム。

かつての艦船の魂を宿した少女たちが正体不明の敵と戦い海を駆けていく、そんなやつ。

プレイヤーは提督となり、彼女たち=艦娘を指揮して、海域を開放していく。

目の前の少女はその艦娘に似ているんだ。

いつだかの夏のイベントの報酬で手に入る限定艦娘、春雨に。

そのイベントが終わった後も何度かイベントの際ドロップ艦娘として入手出来る機会があり、それで入手した提督諸氏も多かったみたいだ。

かくいう俺もついこの前にイベントにて迎え入れる事に成功し、ものは試しと秘書艦にしてみたのだが。

どんどん引き込まれてしまい、常に秘書艦にしておく位好きになってしまっていた。

目の前の少女はその春雨によく似ているんだ。

違うのは髪の色とサイドテールの向き。

他は本当にそっくりだ。

後は春雨はたれ目だがこちらはつり目な所が違いだろう。

(ん?でもなんでそんなそっくりな娘が目の前に?)

先も云ったが春雨、ひいては艦娘はゲームの存在だ。

少なくとも俺の居た世界には居ない、筈。

(なら彼女は…?)

と、そこまで思考をしたところで。

「えっと…よろしいですか?」

「お?おー…すまない、考え事してた」

どうやら盛大に思考の海に沈思していた様だ。

「で、えぇっと?なんだっけ?」

「あ、その…取り敢えず自己紹介してもよろしいですか?」

「あ、あぁ。どうぞ」

「では、改めまして。私は《春雨型広域戦術駆逐艦》三番艦・秋雨と申します。よろしくお願いいたします」

「えっと、ご丁寧にどうも。俺は…」

「あ、存じています。ルノ=シルト提督、ですよね?そして本当の名前は月盾秋雨様。私と同じ名前のお方」

俺を、知ってる?なんでだ?

「私は貴方を良く存じ上げています。誰よりも…。何故なら、私の艦長は…貴方でしたから…」

「俺が…艦長?そんな記憶は…」

「はい、ここにいらっしゃる貴方は違います。でも、貴方は私の艦長でした」

「どういう…?」

「すみません。細かい説明は今は出来ません。時間が足りないので…。ですので必要な事だけお伝えします。私の代わりに彼女を、姉さまを守ってあげてください…」

「姉さま?って?」

う?なんか…力が抜ける?

「私には出来なかった。姉さまを守れなかったんです…。だから、私の代わりに…」

そう言葉を告げ、こちらに近づいてくる。

「一体…なに、を…?」

そして俺を包み込むように抱き締めてくる。

(私の体を捧げます。だから、お願いします…)

(え?)

俺の体が、彼女へと流れていく。

(なんだ…?)

(大丈夫です。貴方なら私の体と適合します。私の体をお使い下さい)

(なんで…?)

徐々に俺が彼女に溶けていく。

(私はもう、ここから先には行けないんです…。だから、貴方に…)

もうほとんど彼女に溶けている。が、自分が無くなることはなく。

自分を保ったまま、俺は《秋雨になっていく》。

(安心してください。貴方が私になったら、《私》は消えます。そして…貴方が残る)

(君はどうなるんだ?俺が君になったら、君は?)

(…。私は、本当はもう居ないんです。《私》は貴方を投影機として存在する、《残滓》なんです。でも、それでも…あの娘を助けたいんです。だから…《後は、お願いします》…)

(秋雨!?どうして俺なんかに!?)

とうとう俺は《彼女》に完全に溶け込み、そして《彼女》の気配が急激に薄れていく。

(貴方は貴方だから…貴方なら、彼女を救える。だから、お願いします。そして…すみません…。貴方に何一つ返せず、今消え逝くことを…お赦し下さい…)

どんどん、どんどん彼女が薄くなり、やがて本当に居るのかすらあやふやになる。

(秋雨!?)

(…貴方が私の艦長で、幸せでした…どうかあの娘を…そして貴方の幸せを…願います…)

その言葉を最後に。

《秋雨》の気配が。

完全に、消えた。

「…!」

無意識に手を伸ばす。

すると、細く小さな手が伸びる。

自分の手ではなく。

然し今は自分の手が。

なんとなはしに両手を顔の前に。

「…」

なんの違和感もなく、動く。

試しに全身を徐々に動かしてみる。

やはり《違和感なく》動く。

「…はぁ…」

腕、足を見渡し、真下を見るとわずかに膨らんだ胸。肩を払うと髪に触れる。

…俺は…彼女に。

《艦娘・秋雨》になってしまった様だ。

 

 

 

 

「……」

暫く呆けてしまっていたが、いつまでもここに居ても仕方ないだろう。

彼女の言葉を思い返す。

断片的に過ぎるが、恐らく彼女は元々居た世界(この言い方が正しいかは置いといて)で大怪我、いや。轟沈したのだろう。

彼女の記憶が断片的に残っている。

はっきりとは見えず、ぼんやりとしているが間違いない。

その際、近くに居た艦も沈んでいる。

その艦影を思い浮かべると、強い悲哀の想いに押し流されそうになる。

多分、《秋雨》の居た世界の春雨なのだろう。

《彼女》は助けられなかったと言っていた。

そして、俺に(・・)春雨を助けて欲しいと言っていた。

ならば俺が今居る世界、もしくはこれから向かうのかは分からないが、そこに春雨が居るのだろう。

《彼女》が居た世界の《春雨》ではないが、《彼女》は《春雨》を助けて欲しい、と言っていた。

自身を差し出してまで。

なら。俺は。

《彼女》は。《秋雨》は、《春雨》を助ける。

なら。秋雨()は《春雨》を助ける。何があってもだ。

さぁ。進もう。この海を駆けて往こう。

もう二度と。大切な人を失わない為に…。

「《俺》は今この時から、《春雨型広域戦術駆逐艦・秋雨》だ!」

(……まずは口調を直そう…)

 

 

 




第一話!

読んで下ってありがとうございます!

正直受けると思ってませんw

好きなことを好きな様に書きたいから始めたっていう…w


もし批判の嵐なら処遇を考えます。

ご意見・ご感想は…や、優し目に…w

いや、あらすじに強気に書いといてなんですけどねw


書かなくてもいいですからね?ね?


あぁ…ドーナルコトヤラ…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。