艦隊これくしょん ~春の雨・秋の雨~   作:七ツ盾=月桜

4 / 4

颯乃依でっす!

……………
お・ま・た・せ・いたしゃぁしたぁぁぁぁぁ!!((((ヽ(;^^)/
なんとか、なんとか更新となりますぅぅぅぅっ……汗w


ま、まぁ…前書き長くても仕方ないので…w

取り敢えず…どぞw



第四話

 

 

 

「妖精さん、目的地まであとどれくらいかな?」

 

『あと七時間程かかりますー』

 

『羅針盤が荒ぶってるのー』

 

『最短距離は難しいかも?かも?』

 

「そっか…まぁ仕方ないか。…春雨!そちらの駆体の調子はどうかな?」

 

〈こちらは問題ありません!ですが…〉

 

「どうしたの?」

 

〈いえ…頂いたマニュアルを読んでいたんですが…なんか凄いことになってまして、はい…〉

 

ふむ…?どういうことだろ?

 

あ、この資料かな?

 

「………」

 

読んでみたけど…

 

「どこかおかしいところあった?」

 

〈え?…っと。その…このスペック、通常の駆逐艦の、というか通常の艦娘のスペックを完全に越えてるんです〉

 

「そうなの?」

 

〈はい…〉

 

「妖精さん?」

 

『そうなの?なの?』

 

『普通だよ?』

 

『ねー?』

 

んー…?

 

「ねぇ、春雨?"普通"の艦娘のスペックってどの程度なの?なにか資料ある?」

 

〈あ、はい。あります。今送りますね!〉

 

「ん。これか。ふむ…んー?」

 

えっと…あれ?

 

「これ…間違ってないよね?」

 

〈はい。各艦種の平均データと代表艦種の主だった数値です。それと代表的な艤装のデータです〉

 

んー…そう云えば、そうか。

 

艦娘というのは第二次世界大戦で産まれた艦の魂を受胎した存在。

 

当然駆体やその装備は元になった艦を踏襲している。

 

妖精さんの不思議技術で編纂はされてるだろうけど、そこまでの高性能さはないのだろう。

 

極端なことを云うと、恐らくスペック的には月盾秋雨()が居た世界の最新鋭兵器のが艦娘の艤装より高いのだろう。それを妖精さんが補正しているんじゃないかな?

 

この世界の技術レベルは分からないけど、同じ事が云えるとするなら…

 

秋雨()》の産まれた世界()の兵器は受け継いだ記憶によると、私が人間として生きていた世界よりも遥かに進んでいる。

 

正直魔法の様な技術も存在していて、私自身にも搭載されているのだ。

 

錬律機関がそれなんだよね。

 

これは大気中に遍在している《錬気》を抽出して圧縮、そこから錬気変換炉にて《錬素》に置換。純エネルギーの状態にて運用する。

 

これら一連の行程を行う機関が《錬律機関》だ。

 

これは私たち《春雨型広域戦術駆逐艦》の為に開発された最先端技術の塊。

 

勿論他にも搭載していた艦も居るはずだけど、この錬律機関はただ高性能と云うわけではない。

 

その最大の特徴は"空間に作用する"という点。

 

もっと云うなら"時空間の壁に作用する"というもの。

 

簡単に云うと周囲の空間を断絶してあらゆる接触を遮ったり、別の空間と空間を繋いだり、所謂異空間に何かを収納したり…とかそういうことが出来るんだよね。

 

そうやって生じさせた空間の膜が《アフェリエス(A)オプテイン(O)フィールド(F)》でそれを管理するのが《アームド・フォーム》、というわけ。

 

…っと、話が逸れた。

 

それは兎も角として、《秋雨()》の世界はとんでもないくらいに技術が進んでいた。

 

それを基準に考えてたみたい…そりゃぁ春雨が驚くのも当然だよね。

 

だって春雨の駆体の修復は私たち基準で行っていたんだから。

 

全然思い至らなかったな…。

 

良い感じに染まってるみたいだねぇ…私も。

 

「あー…っと。なんかごめんね?ちょっと行き違いがあったみたい…私たち基準で修理しちゃったみたいなんだよねぇ…まずいかな?」

 

〈あ、えっと…私にはわからないです…すみません…〉

 

「いやいや、謝らないで良いよ。私たちもわかってなかったのが良くなかったんだし」

 

〈いえ!助けて頂いて凄く嬉しいんです!秋雨さんは悪くないです!〉

 

なんか凄い勢いなんだけど…!

 

〈だから秋雨さんは悪くなんてないんです!だから…!〉

 

「ちょ、ストップ!わかったから!落ち着いて。ね?」

 

〈あ…はい…すみません…〉

 

「いいって。まぁ…ありがとね?」

 

〈…はい!〉

 

さて…まぁそれは置いとくとして。

 

「ねぇ、春雨?」

 

〈はい、なんでしょう?〉

 

「貴女の所属している…美桜坂鎮守府ってどんなとこ?」

 

〈美桜坂鎮守府ですか?綺麗なところですよ。小さな島に在るんですけど、一帯が桜の森で春には満開の桜吹雪が舞うんです!〉

 

「へー、そうなんだ!それは見てみたいなぁ…」

 

〈今はもう散ってしまいましたが、毎年お花見してるんです!その時の写真があるので後でお見せしますね!〉

 

「…ん。そうだね。後で…見せてもらおうかな」

 

〈…秋雨さん?どうしたんですか?〉

 

「ん?どして?」

 

〈いえ…少し声が暗くなった様な気がしまして…はい…〉

 

「…。そんなことないよ。大丈夫!」

 

〈そう…ですか?〉

 

「うん、大丈夫!その写真、ちゃんと見せてね?楽しみにしてるから!」

 

〈あ、はい!凄く綺麗ですから楽しみにしていて下さい!〉

 

「ん!…っと、そうだ。ねぇ、春雨」

 

〈何ですか?〉

 

「あの、さ。良かったら『秋雨』って呼び捨てで呼んでくれないかな?敬語も無しで」

 

〈え?でも…〉

 

「お願い。駄目…かな?」

 

〈………。はい、わかりま…わかった。それじゃぁ普通に話すね、秋雨!〉

 

「…ん。ありがと、春雨」

 

この先どうなるかなんて分からないし、私がどうなるかも分からない。

 

この《世界()》の状況もそうだし、もしかしたら研究材料にされないとも云い切れない。

 

下手したら解体されるか、閉じ込められるか。少なくとも好きには生きれないと思う。そもそも…。

 

不自然な艦娘(存在)である私が…そのままで居られるとは思えない。いつかはきっと、その不自然なものが調律される時が来る筈。

 

その時に私がどうなるか、なんてそれこそ分からないけど。

 

そのときまでは、せめて…。

 

春雨(この子)》と一緒に居る(在る)今だけは(・・・・)

 

幸せな気持ちで居たい。楽しくしてたい。

 

《大好きな》この子と、一緒に微笑(わら)って居たい…。

 

そう、強く思う。

 

 

 

 

……………

 

 

第十三艦隊出撃から暫く。

 

 

「こちら第十三艦隊、旗艦・熊野。鈴谷、聞こえますか?」

 

〈はいはーい、こちら提督執務室内臨時作戦室、指揮補佐艦・鈴谷。ちょっと電波悪いけどしっかり聞こえるよー〉

 

〈同じく指揮補佐艦・弥生。こちらも聞こえてます〉

 

〈こちら月瀬、しっかり聞こえている。電波感度はやはり乱れてるな。だがリトル・フォーク反応は問題なく感知している。陽乃瀬、そっちはどんな具合だ?〉

 

〈こちら特殊例外環境調査艦隊指令部、陽乃瀬(ひのせ)紅葉(もみじ)。特例海域の環境偏差、閉塞しつつあるわ。当該海域にレスポンス・ブラック(深海棲艦の反応)無し。リトル・フォーク反応は…二つ。片方は貴方んとこの春雨ね。ほぼ同一座標よ〉

 

リトル・フォーク(妖精)反応とは、艦娘に宿っているリトル・フォーク=妖精の反応を専用のレーダーにて感知、艦娘の位置座標や生体反応等様々な情報を取得できる鎮守府指揮官にとっては一種生命線とも云える情報である。

 

このレーダーは各種妨害の影響を殆ど受けることは無く、信頼性は高い。

 

「春雨ちゃんは無事なんですか!?」

 

「それは本当ですか!?」

 

〈落ち着け照月、大鳳。陽乃瀬、リトル・フォーク反応は二つ(・・)。間違いないか?〉

 

〈えぇ、間違いないわ。…でも…いえ、なんでもない〉

 

〈どうした?報告は正確に頼みたいんだが〉

 

〈…。そうね、ごめん…。リトル・フォーク反応、二つって云ったけどちょっとおかしい。それにライブラリが該当無し〉

 

〈ライブラリに該当無し…?ヒノヒノ、どゆこと?〉

 

〈…だからその呼び方はやめてっての…まぁいいや。どういうことってもね。そのままの意味だよ。該当無し。いつもの特戦域なら今まで居なかった艦娘()が顕れる事もあるからおかしくは無いんだけどね、ここは特戦域…《特殊戦場海域》じゃなくて《特殊例外海域》。大規模作戦(イベント)発令されて(始まって)ない。そもそもレスポンスからしておかしいの〉

 

「ですから…どういうことですの?リトル・フォーク反応はあるんですのよね?でしたら問題ないのではありませんの?」

 

〈もぅ…私も訳分かんないんだってば。確かに妖精の反応はあるの。でも今までのレスポンスとは何かが違うんだよ。普通こんな反応値は出ないのに…それにちょっとおかしいよ。なんであんなにあった深海棲艦(ブラック)の反応が一瞬で消えるのさ…!そんなのどんな艦娘でも出来ないよ!んもぅ…イレギュラーはデータの集積が全然出来ないから安全域を大分余裕見て監視してたのが悔やまれる…!特例海域は電波や光波、他諸々が乱れるから衛星も当てに出来ないし…大本営(運営)仕事してほしいなぁ…〉

 

〈おい陽乃瀬。ちょっと自重しろ…。大本営(運営)さん!あくまでもネタですよ!いつも楽しく遊ばせて頂いてます!春イベお疲れ様でしたー〉

 

〈てぇとくー?真面目にやらない?〉

 

〈司令官…弥生、怒るよ…?〉

 

「〈………ごほん…〉」

 

〈…えぇ、と。で?陽乃瀬。そのリトル・フォーク反応自体は間違いないんだな?〉

 

〈ん、それは間違いないよ。それとレスポンス・ブラックの一掃も間違いない〉

 

〈ふん…熊野。当該海域まで後どれくらいだ?〉

 

「そうですわね…後二時間程、ですわね」

 

〈金剛、照月、大鳳、翔鶴、瑞鶴。駆体他コンディションはどうだ?〉

 

「こちら金剛、問題ナッシングネー!」

 

「照月、ノン・プロブレムです!」

 

「大鳳、同じくノン・プロブレムです」

 

「翔鶴、ノン・プロブレム」

 

「瑞鶴、ノン・プロブレムよ!」

 

〈弥生、機材に問題なし。ノン・プロブレム…です〉

 

〈鈴谷、いかどーぶーん!〉

 

〈陽乃瀬、各探査艦及び各観測機の同期は継続中。ノン・プロブレム。それと当該海域の環境偏差、安定化へと推移しつつあるから状況に応じて接近してみる〉

 

〈了解。各自安全第一で。ミイラ取りがミイラになったら嗤えないからな?無理はしない、確実に無事帰還を念頭に出来るだけの事をしてくれ!〉

 

「「「「「「〈〈〈了解!〉〉」」」」」」

 

 

 

 

……………

 

 

「なるほどねぇ、優しいお姉さん達なんだね」

 

〈うん!優しくて、強くて…凄いんだよ!〉

 

「ふふっ。好きなんだね、お姉さん達のこと」

 

〈うん。だから、帰ったら安心させたいんだ。私は無事だよ…って!〉

 

「そうだね。…でも、良かった…助けられて…」

 

〈秋雨…うん。ありがとう、秋雨!ほんとに、ありがとう…。私、生きてるんだよね…!〉

 

「…ん!さぁ、しっかり送り届けないとね!」

 

〈うん!お願いするね、秋雨!〉

 

「任せてよ!」

 

…と、気合い入れたのは良いけど…どうも駆体(からだ)が重い…?

 

動きが鈍いと云うか…まさかこんなに早く…ってことはないよね…!?

 

〔妖精さん、何か解る?〕

 

『んー…やっぱり錬律機関の調子が悪いの…』

 

『おかしいの…錬気が無いの。錬素に出来ないの…』

 

『錬律機関、止まっちゃう?止まっちゃう?』

 

『このままじゃ動けなくなるかもなの』

 

〔…え?それって…大丈夫なの!?〕

 

『一応通常機関もあるの。ただ直ぐには動かせないの…調律しないと駄目なの…』

 

調律…。ん…なるほどね。何処かに停泊しないといけないし、その間は動けなくなるのか…。

 

しかも初めて動かすんだね。今はちょっと無理…かな?

 

〔ん。なんとか誤魔化しで運用してくれる?春雨を送り届けられれば…〕

 

『とにかく頑張るのー。なんとかするのー』

 

『するのー』

 

『ものども掛かれー、なのー』

 

〔ごめんね?私もなんとか頑張るから!〕

 

『任せてなのー!』

 

ふぅ…なんとか乗り越えないとね…!

 

…って、この反応…?

 

『秋雨さん!サークル・レスポンサーに感あり!』

 

『パターン・サンドリオン!なのー!』

 

『艦娘なのー!』

 

「艦娘?妖精さん!距離は?」

 

『今の速度で約40分なのー!』

 

『六人編成なのー!駆体展開状態なのー!』

 

『真っ直ぐこっちに向かってるのー!』

 

〈秋雨?どうしたの?〉

 

「あ、春雨。ん、どうやらこちらに艦娘の艦隊が向かってきてるみたいなんだ。…妖精さん、艦特定出来る?」

 

『任せてー』

 

『サークル・レスポンサー、感度上げー。ライブラリ照合ー』

 

『照合完了なのー』

 

春雨に軽く答えて誰が来てるのかを妖精さんに確認してもらう。

 

それが判れば春雨の所属している鎮守府の人かが分かるかもしれないし。

 

『接近中の艦娘は、最上型航空巡洋艦・熊野。金剛型戦艦・金剛。秋月型駆逐艦・照月。大鳳型装甲空母・大鳳。翔鶴型装甲空母・翔鶴及び瑞鶴。なのー』

 

「春雨?貴女の所属している鎮守府に熊野さん、金剛さん、照月さん、大鳳さん、翔鶴さんに瑞鶴さんって居る?」

 

〈熊野さんと照月さん…大鳳さんですか!?その編成は…!来て…くれたんですね…〉

 

「…ん。そっか。なら通信入れるね?」

 

〈…はい!〉

 

…これで、大丈夫…かな…?

 

 





大変お待たせいたしましたぁ…汗w

活動報告内にも書きましたが…w
なかなかまとまった時間が取れず、かつ色々と忙しない日々だったので更新…どころかログインすら儘ならなかった…orz

なんとか更新出来てホッと一息ですw

SAOの方をお待ちの方!もう少々(?)お待ちをー…汗w


さて、今話の内容は幾つかの解説を織り混ぜておりますw

主眼は秋雨を春雨が呼び捨て敬語無し!にすることと、それに基づき壁を取っ払うと言うものになってますw
次いで、提督・第十三艦隊(+α)サイドの状況を描写。

そして邂逅間際迄と相成りましたw

陽乃瀬さんは結構重要なキーキャラ…ってか特殊な立ち位置のキャラとなりますw

この世界では月と太陽は特別なので…w


正直文字数が自分基準を大分越え、流石に切ることにしました…。

続きは早k…出来るだけ頑張ります…w


んでわお読み頂きありがとうございます!

もし面白かったら幸いですw


(正直詰め込み感が強いので、今まで以上に駄文かもシレナイ…汗w

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。