主人公名前が出てないのはまだ決めかねているからです。
史実キャラでいくか、完全オリジナルでいくか。ネーミングセンスがないからなー
ある山奥、昔々に封印された祠があった。そこで厳重に保管されているのは一本の刀であった。
その刀は持った人間の正気を奪い狂気で侵し、血を求めて斬りまくる。その刀の恐ろしいところは、ただの一般人であっても達人並の腕になるということ、身体能力も上がるということ。そして刀を手にいれたものは例外なく一週間経たずにその命の灯火は消える。その間はひたすら人を斬りまくり何百~何千人と殺された。
持ち主が死ねばまた新たな人の下へと渡り同じことが繰り返される。
そんなことがあり、役人なども動き刀を処分しようとした。しかし刀はどうしても折ることが出来ず、曲がることすらなく、また錆びたり刃こぼれすらしなかった。流石に破壊は無理だと感じた人達はその刀は妖刀とし、祠を建て厳重に封印することとなった。周りには結界ののようなものを張り、普通の人では入れないように、特殊な人でも極めて入りにくいようにした。
それから何百年と表舞台にその刀が出てくることはなく、人々の記憶から完全に忘れ去られた。
その刀はもう二度と表舞台に出てくることはない。…はずだった。
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少女はいつも一人だった。周りの人たちに虐められていた訳ではない。自分と周りの人とでは何かが違うと感じていたから積極的に関わろうとしなかった。
最近になって税が厳しくなり、遠くの邑では食べるのが大変だと邑の人達が話してるのを聞いた。しかし少女が住んでいる邑は近くに山があり、他の邑に比べてはまだましだった。
ある日、少女は邑の大人に近寄るなと言われている山へ、何かに引寄せられるように入っていった。山へは朝入ったのに気付けば辺りは暗くなり夜になっていた。それでも少女は歩き続けた。そろそろ帰らないと、と思いながらも疲労の溜まって重くなった足を止めなかった。
そして辿り着いた。
聖なる空気と禍々しい空気が混ざったような空間へ。そこには少し大きな祠があり、何人も近づけさせないような物言わぬ圧力みたいなものがあった。
しかし少女はそんなもの関係ないと言わんばかりに、祠へ近付き開け放った。開けた祠には何かを包んでいる一目で高級とわかる布のようなものがあるだけ。そこからは禍々しい空気が放出された。聖の方が僅かに勝っていた空間はそれにより邪一色となった。
それでも少女は気にせずにそれに近付き布を捲れば一振りの刀が出てきた。そして刀へ近付き「ミツケタ」手に取り、少女は一瞬で体が黒いオーラのようなものに覆われた。
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「んぅ、あれ、ここは?確か山に入って歩いてたら祠を見つけて、その中に刀があってそれを手に取ったら…。うわっ、いつの間にか朝に、って、昼じゃん。そろそろ帰らないと流石になぁ」
なんか前より体が軽いような?まぁ邑へ帰るのが楽になるからいいけど。
それよりこの刀どうしようか?後このすごそうな布。服でも縫おうかね。
なかなかいい感じでできたかも?でもなんか不意に頭に浮かんできたけど私こんな服見たことないんだよねー
それよりこの布物凄く肌触りいいんだけど。こんないいものがただで手にはいるとは今日はついてるね~
つい興が乗って服作っちゃったけど、もう暗くなってきちゃったし帰らないとね。
この服案外動きやすいし、体には力がみなぎってる感じがするしで思ってより早く邑に着きそうだ。ついでに刀も持ってきちゃったけど大丈夫だよね?
もうちょっとで邑に着くってところで気付いたけど、なんか邑の方が明るいような?後なんか焦げ臭いような気もする。
邑が直視できるとこにやっと出てきたけど、やっぱり賊に襲われてるや。なんとなくそうじゃないかと思ってたんだよね~。なんでかよくなっていた視力では、邑の人が斬られて死んでるのや、女の人が犯されてるのがよく見える。
それを見て私の心臓が物凄くバクバクして、刀を持っている左手に力が入る。今までにこんな気持ちは一度しか味わったことがなかった。
両親が亡くなってからよくしてくれていた人たちの死体が、女の人が犯されてるのが、その光景を見て私は…なにも感じない。
正直不思議でたまらない。何故私はこんなにもなにも感じないのか。それでもわかることはある。私の心臓はかつてないほどにバクバクしている。こちらに関してはわかる。血の匂い。嗅覚も鋭くなっているのかよくわかる。血の匂いを嗅いでいると、とても興奮する。
そして無意識に握っていた刀を今度は意識的に握る。もしかしたら、私はおかしくなってしまったのかもしれない。
無性に、人を斬りたい。血が見たい。こんな欲求が溢れてくる。
気付けば私は邑へと、いや、賊へと向かって駆け出していた。
見張りだと思われるやつが私に気付いた時には既に目の前におり、刀を鞘から抜き、そして斬った。肉を骨ごと斬る感触を、そして血が吹き出る眺めを、血の匂いを。こんなにも素晴らしいことがあるのかと、物凄く興奮した。
気付けば周りは生き残りがおらず死体だけとなっていた。たぶん興奮状態の私がやったのだろう。邑の生き残りと賊を一緒に。不思議と邑の人を斬ったことに罪悪感などを感じない。感じるのはただ興奮のみ。
それにしても初めてだったのにも関わらず刀の扱いには違和感などは全く感じなかった。
もしかしたらこの刀のお陰なのかもしれない。刀を一度よく見てみる。柄から鞘まで全て漆黒で統一されている。刀身はそれらより更に黒く、光すら吸収し、全てを飲み込むのではないかと錯覚させて、人は見るだけで不安を煽るのではないかと思われる色をしている。
祠ではよく見てなかったけど改めて見ると、ただただキレイ。見惚れた。魅せられた。心を奪われた。この世にこんなにも美しいものがあるのかと。知らないうちに涙まで流れていた。この感覚は二度目だ。
どれだけそうしていたのかわからないけど、そろそろ動かないとね。火が付けられてたんだしそれを見てもしかしたら軍隊なんかが来るかもしれないし。
それを殺ってもいいけど後が怖い。それに自分の力もよくわかってないし。
ということで、とりあえず邑を物色して金と食べ物を持って邑を離れた。外から見れば完全に私が盗賊みたい。それはそれでありかもしれないけど。一先ずは世界を少しだけ見て回ろうかな~。せっかくだし。賊を殺るついでに。力の確認もね。
なんかとても楽しみだな~。邑にいた頃では感じることの全く無かったこの高揚感。良いね。
とりあえずは近くの大きな町にでも行きたいな。
その前にまずは水浴びかな。結構血を浴びちゃったし。
てかこの服、血を弾いてるんですけど。すごいな。汚れないとかめちゃめちゃ便利!この緋と黒が混ざったような色気に入ってたから嬉しい誤算だね。生地ももう一着分には足りなかったし。
一応洗ってみたけど水を一切吸わなかった。雨の日とか重くならないから旅人は是非に持っておきたい服だね。私の以外ないけど。たぶん。
私の体が恐ろしい。休憩もほとんどとらずに歩いたり走ったりしてるのに一向に疲れる気配が見えない。眠気もそんなにない。寝ようと思えば寝れるけど、我慢すればぜんぜん起きていられる。
今日で邑を出てから五日目だけどご飯の時以外ずっと歩いてる。ご飯は途中で殺った賊から拝借してい。ついでにお金も。なのでお金はそれなりに持っている。
それも今日までだけど。やっと町が見えた。ここは陳留の近くにある町。五日で着くってことはもしかしたら私のいた邑はそこまで田舎じゃなかったのかも知れない。
なんてことを思いながら、色々周りを見ながら歩いていると歌が聞こえてきた。聞いたことのある歌声だったので行ってみると、優しい雰囲気を持つ桃色の髪の女の子と、ちょっと気が強そうな雰囲気で空色の髪の女の子と、知的そうな雰囲気で藤色の髪の女の子が歌っていた。
初めて聞いたのは、近所の人に連れていってもらったここより小さな町でたまたま見掛けたとき。心が震えた。初めて心を奪われたのはこの三姉妹の歌でだった。他に聞いてる人はいなかった。ちょっと離れた所から見てたからわかる。なんでこんなに素晴らしい歌を聞かないのか心の底から不思議だった。
歌が終わってから拍手したのも私だけ。私は近付いていって感想を言った。凄かった、感動した、心を奪われた。一生懸命伝えたのを覚えている。私が伝えていると、最初は驚いた表情をしていた三人もその内に笑顔になっていた。正直見惚れた。ちょっと顔が熱かった。
三人は「ありがとう!」といいながら抱きついてきた。流石に誰も聞いてくれなくて心が折れそうだったと。そんなときに私が声を掛けてくれて救われたと。これからも頑張ろうと思えたと。私に言ってくれた。私もずっと応援すると、これからも頑張ってほしいと伝えた。それから少し話して別れた。これまで生きてきた中で一番興奮していたのは覚えてる。
歌を聞きながら昔のことを思い出していたら、いつの間にか終わっていた。昔は歌を聞いてる人なんて誰もいなかった。でも今はたくさんの人が聞いている。あれからたくさん頑張ったんだろうな~、と思いながらも昔のように心にくるものがないことにガッカリした。私がおかしくなってしまったのか、歌が変わってしまったのか。たぶん前者なんだろうと思う。邑の人が殺されても何も感じないのだから。
それでも昔のように感じることができないのは、やっぱり悲しい。
あの時に特別を教えてくれたので何かで恩を返したかったけど、人が多くて話し掛けることができなかったので諦めることにした。また次会えることがあったらそのときに。
お読みいただきありがとうございます!
おかしかったとこなど教えてもらえると助かります!
ちなみに作った服は浴衣っぽいものです。
浴衣の女剣士……いいですよねーー!!