二次創作紀行~とある魔術の禁書目録~   作:鮪瓜

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あれ? 私の出番は…………


第13話

学の神風特攻隊ばりの特攻は結果で言えば功を奏した。最初に自分の空気に持っていくことができた上に、佐天たちが無視や白を切ることができなくなったからだ。

 

(さて、ここからどうするか……)

 

学は今、ミュージックプレイヤーを握りしめた佐天と並んで座っている。佐天は先ほどから俯いており、何も喋らない。

 

(とりあえず、幻想御手(レベルアッパー)を使うのは駄目だって分かってる

か……まぁ、知り合いに風紀委員(ジャッジメント)が3人もいればそう思うか)

 

駄目だって分かっているけど、手放さない、いや手放せない。折角、能力を得るチャンスが回ってきたのだ、それをみすみす逃せない。

 

まだ幻想御手を使うだけで拘束される、なんてことないけれど、十分な罰はある。それは佐天も、佐天の友達もなんとなく分かっている筈だ。なのに使ってしまう。超能力というのはこの学園都市においてそこまで大きい存在なのだ。手に入れる為なら犯罪までやってしまうほどに。

 

「はぁ……」

 

たまらずため息を吐いてしまった。そして目の前で能力が手に入ったことを純粋に楽しむ佐天の友人を見る。

 

「なぁ、佐天。お前はどうしてそんなに能力が欲しいんだ?」

 

「学園都市にくれば誰でも欲しいと思いますよ」

 

学は誰でもということはないのだが、と口を挟もうとしたが、我慢した。

 

「そんなことは聞いてないよ。俺はお前が欲しがる理由を聞いてるんだ?」

 

「え?」

 

「まぁ、俺もさ、確かに学園都市に入ったとき、超能力に憧れたよ。親にも絶対に超能力者(レベル5)になってやる! て言ってたし、その頃は俺も同じだったな」

 

それで無能力者(レベル0)だったときは悲しかったね。と学は付け足した。

 

「でも、大能力者(レベル4)にはなったじゃないですか」

 

「それは俺がそれ以外の理由を見つけたからだよ」

 

「それ以外の理由?」

 

能力が欲しい人間に憧れ以外どんな理由があるというのか、佐天は疑問に思い、学に訊き返した。

 

「あぁ……えっとな、俺にはさ、超能力者の友達がいるんだ」

 

「御坂さん以外にですか?」

 

「ああ。そいつはさ、超能力者になったおかげ、いや所為って言った方がいいか。超能力者になった所為で色んな人に囲まれてさ、いつもあわふたしてたんだ。そんで、それで友達も多かったはずなのに、研究とかの所為で全然遊べなくていつも1人だったんだよ」

 

学園都市に8人だけの超能力者の第3位である物理変異(フィジカルチェンジ)こと、日々野水蓮。高校生になってから会えていない学はその顔を思い出して懐かしむ顔をした。

 

「その人が、どうかしたんですか?」

 

「あいつは、超能力者になったことをあまり嬉しく思っていなかったんだ」

 

「それは贅沢ですね」

 

「だろ? 俺も最初それに気づいたとき、少しムカッときたよ。でもそれは当たり前でもあったんだよ、悩まない人間なんていない、どんな天才だって苦悩するんだ。それがあいつも子供だったんだから当然だったんだ」

 

それを気づかせてくれたのはレンだったわけで、それはさりげなくであって学はそれを知らないという事実があるのだが、今あまり関係ないので割愛させてもらおう。

 

「俺はさ、それに気づいたとき、友達の癖にあいつのこと全然分かっていないんだなって思い知ったよ。そんで同時に知りたいとも思った」

 

「それが金田さんの超能力者になりたい理由ですか?」

 

「そうだよ。俺はあいつの気持ちを全部じゃなくてもいいから、一部でいいから知りたいんだ」

 

「好きなんですか、その人のこと?」

 

その一言で学の顔は見る見る内に真っ赤になっていき、汗が滝のように流れ始めた。

 

「な、なななな! そんなわけないだろ、お、俺は別に、あいつのこと好きじゃねぇーし」

 

(あはは……小学生みたいな反応だなぁ)

 

未だにあわふたしている学を見ながら佐天はそんなことを思う。高校生なのに中学生に小学生と思われるというややこしい文章になっている。

 

「ま、まぁ、俺の話は今いい。兎に角、お前ももう少し能力のこと真剣に考えてみろ。それを、幻想御手を使うのもある意味一手なんだと思ったなら、使うといいよ。俺は別に止めやしない」

 

「能力と、真剣に」

 

「ちゃんと能力が欲しい理由を見つけたら、どんな努力も苦じゃないさ。もし、あれならそのときは俺も協力してやる」

 

学はそれを言うと立ち上がり、手を振りその場から歩き出した。

 

学の言いたいことは佐天に伝わったかは、分からない。でもほんの少しくらい、考えるきっかけにはなったはずだ。

 

佐天はまた俯き、ミュージックプレイヤーを握りしめる。そしてイヤフォンを耳に付けるのだった。




神裂さんはスケジュールが合わなかったのです。仕方がないのです。
こういったシリアスな場面を書こうとすると支離滅裂になってしまう。難しいな、小説って。
感想、アドバイスなどお待ちにしております。
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