二次創作紀行~とある魔術の禁書目録~   作:鮪瓜

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レンのキャラが定まらない…………


第14話

学が黒歴史を更新し、少し説教がましいセリフを後輩にしてしまい後悔した日から少し経った日の夜、白神レンは禁書目録(インデックス)の様子を見るために小学生先生の月詠小萌の自宅に足を運んでいた。

 

空は夏だと言うのに真っ暗、どう考えても完全下校時間を確実に過ぎているというのにレンは堂々と街を歩いている。レン本人もそれに関しては疑問を抱いているのだが、まぁ、警備員(アンチスキル)に声をかけられないことはありがたいことだから気にしないでおくことにした。

 

そうして少し現実から目を背けながらも街を歩いていたレンには1つ疑問が浮き出ていた。

 

一体いつからか、どこからか、分からないが、誰とも何ともすれ違っていないのだ。

 

時間が時間だし、6割学生の学園都市ですれ違う人間が少ないのは当然なのだが、先ほども言った通り警備員も街を徘徊しているはずだ。さっき目を背けた現実に回り込まれてしまった。

 

(そういえば、前のエセ神父のときもあんなに炎が上がってたのに誰も何も言わなかったな)

 

3日前、禁書目録を狙い、赤毛のバーコード神父が現れたとき、その目撃者が一切いなく騒がれていない。しかもレンや上条、神父も結構騒いでいたはずなのに、寮内にいた生徒でさえ、何も言ってこなかった。

 

(と、いうことはまた来たのか、あいつ? まぁ、できれば話してみたかったし、別にいいんだが)

問題ごとに関しては両方の意見を聞いた上、自分で決断して味方をする方を決めるレンは今、上条の味方をしていることに少し考えるものがあった。だからできるなら相手側の事情も聴きたいのだが、如何せん会う方法がない。なのでここでの登場は喜ばしいものだった。

 

誰もいない夜の道、夏ということで少し怪談な気がしないでもないが、レンは特に怖がることなく進んでいく。それが科学の街――学園都市の住民だからなのか、そうでないのかは定かではない。

 

(まぁ、この科学も街でそうそう滅多なものには出会わないな…………)

 

しかし、その考えもすぐに否定された。

 

レンの目の前に白いシャツをおへそが見えるように括り、ジーパンの片足を太ももが見えるくらいに切った女性が刀を持って立っていたのだ。

 

妖怪奇抜女とでも名付けたらいいのか、レンはその女性を見ながら思った。だが、どうやらあっちはレンに気付いていないようで別の方向を見ていた。レンも釣られてそっちを見ると……

なんということでしょう。そこにはツンツン頭の友人が体はボロボロで、幻想殺し(イマジンブレイカー)がある右腕は血だらけで倒れているではありませんか。

 

(さっすが当麻。本当に不幸だな)

 

できれば写真を撮っておきたいところだけど、ここは真面目な場面っぽいので自重する。うん、レンは空気が読める人間である。

 

「まぁ、それはいいとして、お姉さんは誰ですか?」

 

「!?」

 

すごい驚いた。そして警戒心マックスで柄を持ってレンを睨んだ。

 

「あなたは……?」

 

「そこでぼろ雑巾のように倒れている不幸少年こと上条当麻の友人の白神レンです」

 

「……なるほど、あなたが魔女狩りの王(イノケンティウス)を退けたという方でしたか」

 

「イエス」

 

レンの考え通り、やはり彼女はあの神父のお仲間さんらしい。レンはもう一度彼女の服装を見る。わざわざへそを見せ、ジーパンの片足を切っている。やはり奇抜、あの神父もおかしな服装をしていたのを含めると魔術師というのは変わり者が多いらしい。まぁ、それはこの個性あふれる人間が多い学園都市が言えたことではないが。

 

閑話休題。

 

「そのイノなんたらさんのことは今、どうでもいいんだ。とりあえず柄から手を離してもらっていいか? この状態じゃあ、話にならん」

 

「あなたは、彼のご友人ですから、警戒して当然です」

 

どうやら上条をボロボロにしたことでレンが激怒し、自分を襲ってこないか警戒しているようだ。

「あんたと戦うのは理由次第だ。なんなら、もしそれで俺が納得したらとどめは俺が刺してもいい」

それもそれでどうかと思うのだが、白神レンという人間は平常時、他人より自分の信念を貫く人間なので仕方がないと言えば仕方がない。

 

しかし、そんなことを全く知らない彼女はそれを聞いてレンを薄情な人間だと思ったのか、少し怒気のオーラが現れた。

 

「まぁ、そう睨みなさんな、お姉さん。とりあえず今は感情でのお話は無しだ。そこで倒れている当麻さんに話したこと、それ以外のこと、禁書目録に関すること、あんたらの組織のこと、できるだけ話してくれるとありがたい」

 

「……わかりました」

 

まだ少し納得していない顔だったが女性はしぶしぶ話してくれた。

 

禁書目録が彼女たちの友達だったこと。

 

完全記憶能力で10万3000冊の魔道書を記憶した所為で1年分しか脳がもたないこと。

 

そのために1年周期で記憶を消す必要があること。

 

レンは彼女がその話をしている間は質問をせず、ただ黙って話を聞いていた。レンから聞いたのだ、ここで変な茶々は入れれまい。

 

「ふぅ~ん、一端の高校生が首をつっこむにはちょいと大きすぎる問題だな」

 

「ええ。ですから禁書目録を渡してください」

 

禁書目録を渡す――それに関して、レンは特に抵抗はない。上条が渡したくないから俺もそれに従うという言い訳も理由を聞いた今、使うことも、使う気もない。どうぞ、持っていったらどうですか? と言うこともレンはできる。

 

しかし、彼女の言ったことを踏まえて考えてみると気になる部分、解消しないといけない問題が浮上してくる。もし、それがレンの考える通りだった場合、レンの立ち位置も変わるのだから、それは言っておかないと、訊いておかないといけない。

 

「お姉さん、あんたはもしかしたら知らないかもしれないけど、人の頭ってそこまで単純じゃないんだよ」

 

「え?」

 

「脳ってのはさ、思い出を収納するとこ、知識を収納するとこ、日常生活の動作を収納するとこって分かれているんだ」

 

それにはエピソード記憶、意味記憶、手続き記憶という名前があるのだが、何も知らないであろう彼女にはそんな単語を使っても2度手間だ。

 

「その3つは、完全に収納の場所が違って思い出が入る場所に、知識が入るなんてことは決してないんだ。だから、10万3000冊の魔道書(知識)俺たちのこと(思い出)が押しつぶされるなんてことは無いんですよ。それに人間の脳っていうのはお姉さんが思っているよりずっと容量が多いんだ」

 

「!?」

 

実際、人の名前とはどちらに入るのか、気にしているレンなのだが、ここでそれを言って自分のペースを崩されたくないので黙っておく。

 

「それにもし俺がその組織のトップだったら、誰もが恐れるものを持っている人間に自由は与えない。裏切られても敵わないし、首輪でも付けておくよ」

 

必要悪の教会(ネセサリウス)が私たちに話していない情報があるということですか?」

 

「いや、こんなところに派遣されるお姉さんに話していないことなんて星の数ほどあると思うけど」

えらい人間は大体ふんぞり返って動かないのだから、わざわざ別の国まで来る人間の地位なんてたかが知れてる。彼女もそれは分かっているのだろう。

 

「たぶん禁書目録に付いている首輪は魔術だろう。なら、そこに転がっている当麻がいれば、どうにかなる可能性はある」

 

「そんな不確かな可能性を信じろと言うのですか?」

 

「可能性ってのは、どれも不確かなものだろう。確定しているものは可能性って言わないしな。それはそうと、俺は今すぐに決めろとは言っていない。上条が起きるまで禁書目録を連れて行かないっていう契約をしようと思っただけだ」

 

「そんな契約……「しないってなら、しないでいいよ。禁書目録はまた記憶を消されるだけだ」……」

 

「さっさと選んだらどうだ? 0か、1か。どっちにしても俺に損失はない。お前には一応メリットぽいものがある。さぁ、どっちだ?」

 

「わかった。上条当麻を連れて行け」

 

彼女はやっと肩の力を抜いた。そしてレンに背を向けて歩き出した。レンもさっさと上条を運ぼうと動き出して1つ、まだ聞いていないことを思い出した。

 

「お姉さん、最後に1つ」

 

「なんだ?」

 

少し不機嫌なのは見て分かる。だが、レンは特にそれを気にすることもなく彼女にもう1つ質問した。

 

「名前はなんていうんだ?」

 

「……神裂火織だ」

 

「そうか。俺は白神レンだ。神裂さん、ではまた会いましょう」

 

神裂はそれに返事することなく暗闇の中に消えて行った。レンはそんな彼女のことを素気ないと思いながら上条を背負い、神裂とは逆方向へ歩いて行った。




実はこの日の昼にレベルアッパーの方も解決していることに書き終わってから気づいたmaguro328です。
時系列が少しおかしくなりますが、次はそっちをやろうと思います。
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