二次創作紀行~とある魔術の禁書目録~   作:鮪瓜

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第3話

小学校も卒業してレンたちは中学生になった。のだが水蓮は超能力者だったおかげ(所為とも言えるが)で常盤台中学に通うことになり、1人だけ離れることになった。そうしてレンと学は2人、それに加えて上条が柵川中学に通っている。

夏休み、水蓮はどうやら忙しいらしくレンの部屋のは男3人が揃っていた。鬱陶しい蝉の鳴き声(学園都市に蝉はいるのだろうか?)が聞える中、3人で宿題をしている。

「お前ら早く終わらせろよ」

「分かってるけど・・・・・・」

「はぁ・・・・・・」

訂正しよう。レンは既に宿題を終わらしているので宿題をしているのは2人だ。そうして10分、20分経って2人は宿題を終わらし、いつに間にかレベルの話になった。ここにいるのは無能力者のみなので羨ましいのだろうか?

「上条はレベルを上げたいと思ったことあるか?」

「ないな。だいたい俺にはこれがあるんだ。万年無能力者だよ」

上条はそう言いながら自分の右手を眺めた。その理由、彼の右手に存在する力にある。それは通称"幻想殺し(イマジンブレイカー)"、この世のありとあらゆる幻想を打ち砕き破壊する力。幻想殺しは例え超能力者の力だとしても容易に打ち砕く。レンたちはそれを水蓮と上条の戦いで既に分かっていた。

「それは無能力者と言えるのか、上条?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

そんな会話をしながらも2人はレベルの話になってから黙り込んでいる学が気になって仕方なかった。

「どうした学?」

「・・・・・・なぁ、レン。水蓮って超能力者だよな」

「ああ」

「俺は無能力者だ」

「・・・・・・ああ」

何を言っているのか、今一分からない様子のレンだったが何かを感じ取り相づちをうった。

「レン、上条、俺が能力者になるの、手伝ってくれないか?」

「俺はいいが・・・・・・力になれるのか?」

上条はすぐに了承してそんなことを言っているがレンは真剣な顔で学をじっと見て黙っていた。

「・・・・・・・・・・・・学、なんで能力者になりたいんだ?」

「俺は水蓮に追いつきたいんだ」

そんな学の決意を聞いてレンは先ほどとは比べ物にならない位の真剣な顔になった。学はそんなレンに睨まれて一瞬怯んで、冷や汗を掻いた。

「なんで?」

「俺は、これまで3年近く水蓮と過ごしてきた。その間ずっと水蓮の周りを見てきたんだ、お前と一緒に」

レンは何も喋らない。

「水蓮の周りは何時も、羨望や妬み、どちらにしろ目上を見ているんだ。俺は、俺は!あいつの友達でいたい。だからせめて能力を持ちたいんだ」

「別にそれは無能力者でも出来るだろ、俺みたいに」

「それはお前がどこか普通じゃないからだろ。お前と違って、俺は本当の無能力者なんだ。何かやり遂げて、何か誇れることをしないと、俺はあいつを絶対に羨望の眼差しで見ることになる。それは嫌だ。だからその一歩として能力者になりたいんだ」

それは自己満足だ。別に水蓮は学に能力者になってほしい訳ではないし、それで満足するのは最初に言った通り学だけ、もしそれ以外を強いてあげるとするならば学園都市の上にいるお偉いさんだろう。だがレンはそれを口にしない。

「わかった。でも無能力者が手伝えることなんてあるのか?」

「あ、あ~~~」

いや、最初から気付けよ。レンはつっこみながらも超能力について考えた。

(改めて考えると超能力ってなんなんだ?)

レンは元々超能力に全くと言って良いほど興味や関心、憧れが無く、それについて考えたことが一切無かった。だが学の為に少し考える。

(超能力って確か脳が関係する筈だ。自分だけの現実(パーソナルリアリティ)だっけ?それが大事なんだよな・・・・・・)

「・・・・・・・・・・・・」

レンは無言で立ち上がり、部屋の奥に消えていった。

(ど、どうなるんだ、俺?)

(知らねえよ。お前が望んだんだろ?)

学は不安に体を震わせながらレンを待った。そうして数分、レンは大量の本を持って帰ってきた。そしてドンと大きな音をたたせながら机の上に置いた。

「「へ?」」

「今から徹底的にやるから。覚悟しておけよ」

そう言ったレンの顔は子供が新しい玩具を見つけた様な笑顔だった。

*

自分だけの現実、それは学園都市にいる学生たちが超能力を使うにあたって必要不可欠だと考えられているものだ。脳にあると考えられているのだが正確な場所が分からないらしい。

レンは自分だけの現実を手に入れて超能力を得るには超能力を持ちたいと真剣に思い、知識を大量に持った上で想像力(妄想力とも言うが)を豊かにさせたら、後は努力とか根性論でいけると思っている。

だからレンは今、学に超能力を目覚めさせる為に知識を注ぎ込むことにしたのだ。

その結果、学は机に突っ伏していた。これが漫画だと頭からは煙が出てきそうだと思えるほどオーバーヒートしている。レンはそんな学を眺めながら懐かしそうに別の本を読んでいた。ちなみに上条は既に帰っている。

「おい、まだ1冊目だぞ」

「くそ~、明らかに俺の許容範囲超えてるよ・・・・・・」

レンは学の弱音を聞いて大きなため息を1つした。

「はぁ・・・・・・学、俺はさ、統括理事会だっけ?あいつらは誰がどの位のレベルになるか、おおよそ分かってると思ってる」

「!?」

学は絶句した。それもそうだ、レンが言ったこと、それが本当なら学園都市の統括理事会などの上の人間は誰に力をいれたらいいか分かっており、才能が無い人間には必要最低限のカリキュラムだけであしらわれている言うことになる。

「つまり、俺が無能力者の才能無しだってことかも知れないってか?」

「まぁ、何かの機械で計ってるから絶対ではないんだが・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・でも・・・・・・」

学は絶望的な顔をしていた、だがレンはその真逆とも思える位穏やかで希望に満ち溢れた表情だった。

「学、なんでこの話したか分かるか?」

「・・・・・・・・・・・・分からん」

「お前は努力して能力者になったとしても、もしそれがコンピュータで決められたことだとしたら・・・・・・どうだ?」

「嫌だな」

だろ?とレンは言った。

「お前は水蓮と友達でいれるように能力者になりたいと言った。だったらお前はコンピュータのデータなんて超えるべき、いや越えなければいけないんじゃないか?」

「・・・・・・・・・・・・で、でも確かめようないじゃないか!?」

レンはそう言われることを予想していたらしく、優しい微笑みをして学に言い返した。

「だな。でもさっき言わなかったがお前の思考は自己満足だ。だったら誰かが認めればそれは達成されないか?」

「つまり、お前が?」

「ああ。俺はお前は無能力者で予測されてると思うし」

「な!?それじゃ低能力者(レベル1)になれたら俺は水蓮の友達ってか?」

学は少し怒っていた。それは自分の決意を自己満足と言われたからか予測が無能力者だと思われているからか、はたまたどっちともにか分からない。

レンは学の質問を鼻で笑って学を見た。その目は一般人が見たら怖気づいてしまう位怖かった。学ももちろん怖気づいた。

「誰が低能力者で許すって言った?最低でも大能力者(レベル4)にはなってもらうぞ」

「・・・・・・・・・・・・は、はい」

しゅんとなった学は再び参考書と格闘を始めた。

 

 

9月4日、常盤台中学がある学舎の園で水蓮は1人残暑を鬱陶しく思いながら歩いていた。

(はぁ、暑いな~。学園都市の技術で都市周辺にオゾン層とか作れないのかな?)

そんなことを思いながら何処か地中海を真似た街並みを歩く。そうして数分、学舎の園を出た。街並みはがらんと変わり現代もしくは未来的な風景になった。

(レン達に会えるように外の寮にしたけど、ちょっと遠いな・・・・・・)

口には出さないものの心の中で文句を言いながら更に歩いていく。すると目の前に一切の汚れがないとも言える完全な白髪で白と黒だけのシンプルな服を着ているという外見が変わっている少年がいた。それを見つけた瞬間、水蓮は元気になった。

「アっ君!」

「・・・・・・・・・・・・」

アっ君と呼ばれる変わった少年は聞こえていないかの様にスタスタと歩いていく。水蓮は少し急ぎ足で少年の前に出た。

「アっ君。音のベクトル反射するのやめてよ~」

「あァ?はァ・・・・・・・・・・・・ちィ」

少年はやっと気がついたらしく一度ため息を吐いた後、舌打ちをした。

「ひどっ!?ちょっとアっ君、やめてよ~」

「で、何のようだ?」

「友達に会ったら話しかける、当たり前でしょ?」

「知らねェよ、そンな常識」

「まぁいいや。あっちの公園でちょっと話そ?」

少年は面倒くさそうにしながらも水蓮について行った。

彼の名前は一方通行(アクセラレーター)超能力者(レベル5)の第1位であり学園都市にいる学生のトップに君臨する者である。

*

水蓮と一方通行は公園で飲み物を飲みながら楽しくお喋りをしていた。

「それでね、その時にね・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・はァ」

楽しくお喋りをしていた!していたったらしていたのだ!

「アっ君、聞いてる?」

「アっ君って言うのやめやがれ」

「嫌だね」

一方通行は舌打ちをしてそれ以上の拒否をやめた。

そうやって2人暑さも忘れて(水蓮だけかもしれんが)話していると不意に声をかけられた。

「よ、水蓮」

「あれ?レン!どうしたの?」

座っている水蓮の前にいたのは少し汗を掻きながらスポーツドリンクを飲むレンだった。

「俺もいるぞ」

そしてその後ろから学も走ってきた。

「どうしたの?」

「ん?ああ、トレーニングだよ。学の」

「へぇ、学が・・・・・・」

「なんだよ、文句あるか?それより、そ、そいつ、誰だよ?」

学は一方通行の目や姿に少し怯えながらも水蓮に訊いた。レンはそんな学を見てため息をついた。

「あ、紹介するね。私の友達、超能力者第1位の一方通行ことアっ君だよ」

「・・・・・・・・・・・・い、いいい1位ぃぃぃぃぃいいい!!?」

「へぇ、この人が・・・・・・」

2人のテンションの違い、高低差あり過ぎて耳キーンなるわ!・・・・・・おっと、ついついパクッてしまった。

「るっせェな・・・・・・」

「え、え!マジ!すっげ~、1位に会えるなんて!」

「えっと、一方通行、さん?はどんな能力を?」

「はっ、てめェらみていな低脳じゃ理解出来ねェよ」

学もレンも明らかに侮辱されたのだがそんなこと気にする感じは無く目を輝かせて説明を待っている。そんな2人の様子に見切れて水蓮はフンと鼻を鳴らした。

「アっ君はね、ベクトル操作が出来るんだよ。音も紫外線、どんな物でも操作出来るの。凄いでしょ~」

何故お前がそんなに誇らしげなんだ・・・・・・・・・・・・。その場にいる全員がそう思った。

「でも、ベクトル操作か・・・・・・」

理解に時間がかかっている学と違い、レンはすぐさま理解し、少しの沈黙の後、おもむろに草むらの方に歩いていきしゃがんで物色、立ち上がると共に一方通行に向けて軽く腕を振った。

「あァ?」

一方通行に放たれたのは手のひらに収まる程の大きさの石、それは一方通行の頭に向かって一直線に飛んでいく。そして一方通行の頭に当たるか当たらないかの瀬戸際で石は跳ね返った、いや精確には反射した。

それは先程レンが投げたスピードの3倍近いスピードでレンの顔を狙って飛ぶ。だが

パシッ

「へぇ、凄いな。倍返しにも出来るのか」

レンはそれを平然と取った。しかも横から。あたかも当たり前の様に。

「もぉ、レン。いきなり石を投げるなんて非常識だよ」

「すまん、試したくなったんだ」

「てめェ、喧嘩売ってンのか?」

一方通行は元から怖い目つきを更に恐ろしくしてレンを睨み付けた。だがレンは全く怯まず平然と笑っていた。

「そんな訳ないだろ。第1位様に喧嘩なんて、そんな恐れ多い」

「そんな笑顔で言っても説得力ないぞ、レン」

「・・・・・・ちィ、俺は帰るぞ」

「あ、うん。それじゃね、アっ君!」

水蓮は元気良く手を振った。一方通行はそれを見ようともせず歩いていった。だが一瞬、レンをチラリと見た気がした。

「すごいな、第1位様は」

「だよね、色々私達と違ってるよね」

「怖かった・・・・・・」

学は1人疲れきった顔をして椅子に座った。水蓮はそんな学を見て、自販機で飲み物を買ってホイッと投げた。

「あ~げる」

「お、サンキューな」

「どういたしまして」

そんな2人を微笑みながら見ていたレンは振り返り先程一方通行が去って行った方向を睨んだ。

(さっきの石、確実に殺すつもりできたな・・・・・・)

そして持っていた石を握り潰した。粉々になった石は風に飛ばされていく。

(一方通行は異常だ。人を殺すことに躊躇いがない。危険視するべきか)

レンは一方通行が去った方向をもう一度強く睨み、そう決意した。

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