時間は過ぎていきレンや学は中学3年生になった。水蓮は学校が違う所為か少し疎遠になってしまったがレンと学は変わらずレンの家で夕飯中だった。
「
「そうだよ、そう。俺ももう
風紀委員に入るのが次のステップなのだろうか、とレンは持っているお皿をテーブルに置いて考えたが、本人がそう思っているのでそうしておこうと考えた。
「でもあれって、なんだっけ・・・・・・まぁ、とりあえす入るのややこしくなかったか?」
「あぁ、なんか契約書やの試験やのがいっぱいある」
正確には9枚の契約書にサイン、13種類の適正試験、4ヶ月の研修をクリアしなければいけない。
「いけんのか?」
「あ、あぁ、きっと」
あ、こいつ俺に頼る気満々だな、とレンは一瞬で理解してうんざりしていたがどこか嬉しそうだった。
*
そんな話をした翌日、学は風紀委員になる為にどこかへ行ってしまったのでレンは上条と共に街を適当に歩いていた。街はクリスマスも近い所為かどこか浮足立っている。
「そういえばお前らと会ってからもう1年なんだな」
「だな、あっという間に中学生活も1年終わるよ」
吐く息は白く、レンはその息の中に過去の思い出を映した。するとふと思い出した。
(あの少女達はどうしてるだろうか・・・・・・)
そうあの時一緒にパーティした少女、絹旗と黒夜にレン達はあれきり一切会っていない。街中ですれ違うことすらなかった。
「あ~あ、出会いが欲しいな~」
「いや、お前はたっぷりあるだろ」
「いやいや、上条さんは女の子との出会いが微塵も無い、非モテ男子でございますよ~」
実際、上条はいつも路地裏で困っている女性を助けており、色んな女性から好意を抱かれている。だが如何せん本人が鈍感は所為で誰からの好意も気付けずにいる。
「はぁ・・・・・・・・・・・・」
レンは本気で言っている上条を見てため息を吐いた。まぁ、レンもレンでそこそこの人数に好意を抱かれているのだが。こっちも鈍感なので気付いていない。
しかも2人揃って不幸体質でお人好しなので・・・・・・・・・・・・
『遊ぼうぜぇ、姉ちゃん』
路地裏のそう言った場面に遭遇する。そして遭遇してしまったら助けに行ってしまうのだ。
*
野蛮な不良達を軽く懲らしめたレン達はその後助けた少女のお礼で喫茶店へ、軽くお茶をしていた。
「助けてくれてあんがとね」
「どういたしまして」
上条、レンの前に座っている少女はショートヘアーに白いふわふわの帽子、白いマフラー、白いモフモフのコート、兎に角白い少女だった。
「私は宇佐見ミリア、よろしくね」
「俺は上条当麻だ」
「白神レンだ」
ミリアの自己紹介につられて上条とレンも自己紹介で返した。上条に至っては手まで差し出している。そしてミリアも特に気にすることなく上条と握手した。
レンはそんな上条達を特に気にすることなくココアを軽く啜る。そして適当に会話しようと思い話題を探していた。
「宇佐見って「ミリアでいいよ」・・・・・・う「ミ・リ・ア」・・・・・・ミリアは
「へ?なんで?」
「いや、あんな雑魚に絡まれて何もしなかったし・・・・・・」
「そういえばそうだな。どうなんだ、ミリア?」
「ミリア言うな!上条!」
「ええ!?」
ミリアはテーブルを思い切りバンと叩いて上条を怒鳴った。その様子は明らかに先ほどとは別物だった。
「私をミリアと読んでいいのはマスターと白い人だけだ!」
白い人とは何なんだ、レンは怒っているミリアを見ながら考えた。
「レンは苗字に白がついてる上に雰囲気が白いからOKなのだ!上条貴様は駄目だ、何も白くない。だから絶対駄目だ!」
雰囲気が白いとは何なんだ、レンは叫んでいるミリアを見ながら考えた。ちなみに上条はずっとミリアに怒られて謝っていた。
「で、俺の質問は?」
白い人も雰囲気が白いも分からないと思ったレンは上条に助け舟を出しつつ、話の軌道を戻すことにした。
「あ、ごめんね。私は強能力者だよ。ちなみに能力は
「白夢?」
レンは聞いたことが無い能力に首を傾げた。ミリアはそれに慣れているのか気にする様子も無かった。
「そう、白夢。簡単に言うと人の視界を真っ白にする能力だよ」
「視界を真っ白・・・・・・・・・・・・結構恐ろしいな」
「えへへ・・・・・・使ってあげよう」
「うおっ?」
するとその瞬間、レンの視界は真っ白になった。だが上条は特に変わった様子は無かった。
「あれ?上条なってないの?おかしいな~」
それを訊いて上条は
「う~ん、目が痛い」
「あ、ごめん」
ミリアは幻想殺しの所為ですっかり忘れていたらしい。
「ミリア、お前の能力って見えなくするじゃなくて見せないようにするだろ?」
そのレンの質問にミリアは御名答と答えた。
白夢、それは視覚に関する脳からの目の神経をジャックし、多量の光を当てる様に視界を真っ白にする能力である。故に時間が経てば目はどんどん慣れていき、見える様になる。
だが慣れていくと言ってもずっと光を当てられているのでかなり目に来るのだ。
「これは、結構くるな・・・・・・」
「あはは・・・・・・ごめんね~」
レンはその後しばらく目を閉じてぐで~としていた。
*
レンが大丈夫だと言うと共に終わったお茶会、レンと上条はミリアと分かれて帰路についていた。
「しかし宇佐見、変わった奴だったな」
「あぁ、確かにな。でも能力者なんてみんなそうだろ」
「へ?水蓮とか全然普通だろ」
「いやいや、あいつは十分におかしいよ。偶に出るんだよ」
そう言っているレンの顔はどんどん蒼白になっていく。たぶん、何かやばいものを思い出しているのだろう。上条もそれを察して慌てて話題を変えることにした。
「あっと、えっと・・・・・・そういえば、学は?」
「ん?あいつは風紀委員になるって言ってどっかに行った」
「学が風紀委員!?・・・・・・・・・・・・あいつはどっちかと言うと風紀委員に迷惑をかける方だろ」
レンは少し思い返して肯定した。確かに学は小学校の頃からやんちゃで先生に結構怒られていた。
「まぁ、大丈夫だろ」
自室に戻ると試験の為に手伝ってほしいと学が泣いてすがってくるのだが、それはもう少し後の話。