二次創作紀行~とある魔術の禁書目録~   作:鮪瓜

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第5話

地球は止まることなく回り続けて気がつけばレン達も高校生になっていた。

レンと上条は無能力者(レベル0)だったので平凡な高校へ通い、特に変わりない人生を送っていた。

学はレン(主に勉強を)と上条(主に殴られ役)の協力の末、大能力者(レベル4)に、そして無事に風紀委員(ジャッジメント)になった。ちなみに高校は先生達の反対を押し切り、レン達と同じ高校である。

ただ水蓮だけは1人霧が丘女学院に行き、レン達ともほとんど顔を合わせなくなった。

そうして7月第一一七支部、学はたくさんの紙の束に頭を抱えていた。

「あぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・」

「うるさいですわよ、金田さん」

学を悩ませる紙の束の正体、それは始末書だった。実は学、先ほど見回り中にカツアゲ現場に遭遇、それを見事に解決したのだが、解決方法の所為で壁を破壊する等してしまった。それにより、同期の固法美偉にこれでもかと言うくらい怒られた。そうして今に至るのだ。

「くそ~固法の奴~」

「うるさいですわよ。まったく、なんでわたくしまで・・・・・・」

同じく第一一七支部にいるツインテールの少女、白井黒子も始末書を書いていた。

「お前も一緒に暴れたじゃねえか、当たり前だよ」

学の言うとおり、白井も学と共にカツアゲをしていた不良を懲らしめていた。それはもう、生き生きとした顔で。

その後も2人は言い争いをしては不毛だと思いため息を吐くを繰り返してゆっくりと始末書を書き終えた。

「ああ~終わった~」

「まったく何度やっても疲れますわ」

白井は腕をグルグルと回しす。何度やっても、と言うことは白井はかなりの問題児なのだろう。

「そんなことより白井、お前これからどうするんだ?」

「ん?わたくしはお姉様と愛を育みに・・・・・・グヘヘ・・・・・・」

涎を垂らしながら答える白井、一体何を想像しているのだろう。学は若干引いた。

「はぁ、それが無かったら白井は普通に可愛いのに・・・・・・」

「あら、そんなお世辞で口説かれるほど軽くはありませんわよ?」

「口説いてねえよ。しかしそれじゃしゃあねえか・・・・・・」

学は背もたれに体重を預けて携帯をいじりだした。

「何がですの?」

「いや、今日は先輩らしく、飯でも奢ってやるって初春の奴に言ったんだよ。白井も誘おうかと思ったんだが・・・・・・・・・・・・」

「あら、珍しい。どういう風の吹きまわしですの?」

「いや、今日は夕飯を外で食べるからどうせならと思ってな」

携帯をポケットにしまい、帰る身支度をした後、学はそそくさとドアノブに手をかける。そこで白井は少し考えて、学を止めた。

「同伴させていただきますわ。でもその代わりお姉様も呼んでよろしいでしょうか?」

「う、3人か、大丈夫かな・・・・・・・・・・・・」

「あら、甲斐性が無いと殿方はもてませんわよ?」

白井は意地悪そうな顔で学に言う。学はそれを見て一度ため息を吐いた後、しょうがないと言って了承した。

今日は外食してくる~

そんなメールが学から届いたレンは1人ゆっくりと街中を歩いていた。特に何するわけでもない。本当に暇なのだろう。

「さて、どうしたものか?」

この日は休日、レンは上条を呼ぶか悩んだが彼は今絶賛補習中、呼んでも来ないどころか電話にも出ないだろう。その次に思い浮かんだのが高校から知り合った土御門元春と青髪ピアスだが・・・・・・2人は悩むことなく却下、水蓮も一身上の都合で却下となった。

(・・・・・・・・・・・・あれ?俺って案外友達少ない?)

レン自身がそんな疑問を持ち出す。そのくらい暇、そしてどうせ暇なので電話帳で確認する。そこには一般からしたらきっと少ないと思われる人数しか記録されていなかった。

(てか、全員だめじゃねえか・・・・・・)

携帯をポケットにしまい、もう一度考える。もしかしたらこのままずっとぶらぶらして1日が終わりそうな勢いだ。

「ん~・・・・・・・・・・・・ん?」

気がついたらいつもの公園、そこには2人、風紀委員がいた。両方男子、たぶん見回りのだろう。片方は小さいショルダーバックを持っていた。

(見回りとはご苦労なこったな~)

レンはそう思い、公園を通り過ぎようとした。その瞬間

バァン!!

公園の中から爆発音が鳴り響いた。公園内からは阿鼻叫喚が響き渡る。レンはすぐに公園へときびかえした。

「うわぁぁああ!!」

そこには片手を失って気を失っている風紀委員とそれを見て腰を抜かし叫んでいる風紀委員、そして爆発で慌てている一般人がいた。

「まったく、食事どころじゃ無くなったな」

「そうですわね」

爆発が起きてから数十分、ファミレスに向かっていた学と白井は通報により事件現場へ駆り出されていた。食事を楽しみにしていた学だったが、腕章を付けたと共に真剣な顔つきになる。どうやら彼も成長した様だ。

「それで通報された方はどちらでしょうか?」

白井は周りを見渡してそう言う。周りには警備員(アンチスキル)が野次馬を鎮静させていたり、現場の調査をしていた。その中に1人警備員の様に武装していなく、かと言って風紀委員の腕章を付けていない少年がただ現場を眺めていた。

「あの方ですわね。行きましょう、金田さん」

「・・・・・・・・・・・・あ、あぁ」

学は何かバツの悪そうな返事をした。白井もそれに疑問を抱く。だが学がそんな雰囲気になるのもしょうがない。何故なら今から事情を訊きに行く通報者というのが知り合い、しかも小学校からの付き合い言わば幼馴染なのだから。

「えっと、あなたが通報された方、ですの?」

「ん?あ、はいそうです。って学じゃねえか」

「よう、レン」

「知り合いですの、金田さん?」

「ああ、親友だ、がお前がなんでここにいる?」

学は少し呆れ気味でレンに訊いた。それもまたしょうがないだろう。レン(と上条)は不幸体質、常に何か訳解ごとに巻き込まれる人間だ。なのでこれはある意味平常、学もそれを分かって一応訊いたのだ。

「俺が歩いてたらいきなり公園から爆発音が聞こえてな」

「成る程。爆発物、見たか?」

「う~ん、定かではないけど、風紀委員の手は子供用のショルダーバッグを握ってた、と思う」

「ショルダーバッグ?」

レンは手を広げて大きさを表す。白井と学はそれを聞いて渋い顔をした。

「どうした?」

「いや、この事件、虚空爆破(グラビトン)事件かと思ってな」

「虚空爆破事件?」

レンは首を傾げて学に訊いた。学は白井を見て「話していいか?」とアイコンタクトをする。白井はそれを「いいですわよ」と同じ様に返した。

「今日を入れて5件、これと同じ様な爆発で怪我人が出てんだよ。最初は火傷とかの軽傷で済んでたんだけど最近は・・・・・・入院が増えてきたんだよ」

「そうだな、今回は手丸ごとやられたしな」

「っ!」

白井は明らかに嫌な顔をした。それもそうだろう、いくら風紀委員と言っても中学生、そんな惨いことを快く思えるわけがない。

「おい、ツインテール。大丈夫か?」

「白井黒子ですわ。大丈夫ですわよ」

「そうか。まぁ、頑張ってくれよ、俺帰るから」

そう言ってレンは手を振って帰っていった。

「金田さんのご友人はあまりこういう事に関わらないのですね」

「まぁ、あいつは基本面倒くさがりだしな」

「黒子~!」

レンが去っていったのを見送った学は白井と現場に戻ろうとしたのだがそんな大声に足を止めた。

「ん?」

周りを見渡してその声がどこから聞こえたのかを探った学は渋い顔をする白井が目に入った。

「どうした白井?」

「いえ、ただこういう時は金田さんのご友人が羨ましいと思いまして」

「へ?・・・・・・・・・・・・あ、ああ・・・・・・・・・・・・」

「黒子、どうしたのこれ?」

「いえ、一般人のお姉様には関係ない話ですわ」

「ちょっ!何よ、それ?」

そのまま2人は言い争い(低級)を始めた。学は完全に蚊帳の外になってしまい、手持ち無沙汰になり、1人現場を見てまわることにした。ちなみに白井と話している少女、彼女は御坂美琴、能力は"超電磁砲(レールガン)"、平たく言えば電撃使い(エレクトロマスター)の頂点で学園都市に8人しかいない超能力者(レベル5)の第4位である。

そんな御坂と白井の関係は言わずもがな、原作(超電磁砲)を知らない人は読んでください。

(全く・・・・・・御坂の奴もどうしてこう、厄介事に首を突っ込みたがるよな・・・・・・)

ちなみに学は白井繋がりもあり御坂とはそれなりの間柄である(最初は白井に何度も「お姉様に手を出したらこれ(金属矢)、体内に空間移動(テレポート)しますわよ?」と言われていた)。

(しっかしこの事件、どうなってんだ?)

学はまた周りを見渡して思う。

虚空爆破事件、実際は既に量子変速(シンクトロン)というアルミを爆発させる能力で事件が起きていることは風紀委員の皆々様は分かっている。だがその能力の唯一の持ち主である釧路帷子は事件発生当時から昏睡状態で犯人を特定出来ず、難航しているのだ。

(推測されている能力該当者はゼロ、なら書庫(バンク)に載っていない非公式能力者が・・・・・・!?いや、そんな筈は・・・・・・)

「金田さぁ~~ん!」

色々考えていた学だったが離れた場所から名前を呼ばれて思考を一時中断、その方向を向く。そこには学に向かって走ってくる頭に花を咲かした少女がいた。

「お、初春」

「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・金田さん、遅れてすいません」

「いや、元々お前はデスクワークな訳だし来なくても・・・・・・」

今走ってきた少女、名前は初春飾利。低能力者(レベル1)定温保存(サーマルハンド)なのだが、それは置いておこう。彼女も学や白井と共に風紀委員である。彼女の特技は情報収集・処理能力である。それにおいてはきっと右に出る者はいないだろう。

「いえ、私も風紀委員なので、そんな訳には・・・・・・」

初春はかなり切れ切れで話す。どうやら息切れの様だ。さっき言った通り初春は秀でた才能があるのだが、ご覧の通りそれ以外は駄目とは言わないものの低いのだ。学はそんな初春を見て、言わんこっちゃないと思いながら、回復を待つことにした。

初春が回復したのだが初春が来るまでに大体調査は終了していた。それにより初春は残念がっていたが、学が夕飯を奢るということで何とか機嫌を直した。のはいいのだが・・・・・・・・・・・・。

「いや~ごめんね、奢って貰って」

と御坂。

「いいんですわよ、お姉様。金田さんですし」

と白井。

「せめて労いましょうよ、白井さん」

と初春。

「でも本当にいいですか?」

と佐天。ちなみに彼女のフルネームは佐天涙子、初春の友人で極々普通の無能力者だ。そして補足だが初春繋がりで学とも友人である。

「いいよ、もう・・・・・・・・・・・・」

学はゲッソリしていた。それもそうだろう。いくらファミレスと言っても4人分の食事を奢るのだからかなりの出費になる。大能力者だから結構な奨学金を貰っているのだがそれでもやはりきついものはきつのだろう。

「いいじゃなりませんか、こんなにも女の子に囲まれてハレームですわよ」

「お前な・・・・・・・・・・・・」

そう言いながらも学は自分の周りの人物に目をやる。そこには、かなり暴力的な気の強い超能力者、その超能力者に溺愛する変態大能力者、頭に謎の花を咲かしている腹黒低能力者、あまり接してないが比較的まともと思われる無能力者。

「佐天~、お前しかまともなのがいない~」

学はめそめそと泣きがなら佐天に言い寄った。佐天はそれを軽くあしらいながら歩いていく。ついでに白井はそれに便乗して御坂に抱き着こうとして電撃を受けた。

「でも本当に気前いいですね、金田さん。どうしたんですか?」

「ん?いや、最近流行ってる虚空爆破事件、俺の勘が面倒くさいって言ってるから景気付けに、な?」

「面倒くさい、ですか。確かにそうですわね」

風紀委員3人は未だ解決しない事件のことを思い出して一斉にため息を吐いた。

そうしてしばらく歩いた後、ファミレスに到着、5人はパッパと席についてメニューを広げて注文、学はドリンクバー全員分のドリンクを取りにいった。

「おぉ、金田さんああいう気配り出来るんですね」

「本当ですわね」

少女達はドリンクバーを取りにいった学の方を見ながらそんな話をする。どうやら学の好感度が極々少し上がったらしい。

「ほい、注文の品です」

学はテーブルにトレイを置いてジュースを配っていく。みんなそれぞれお礼を言って飲み始めた。

「しっかし、どうすっかな、虚空爆破事件・・・・・・」

「またその話ですか」

「そら今回はその為の食事会だぞ。別の奴も2人来たけど」

「へぇ、そうだったんだ」

ちなみに配置はテーブルを挟んで右に御坂、白井そして左に佐天、初春、学となっている。

「初春、やっぱり強能力者の量子変速は他にいないのか?」

「いませんね、少なくとも書庫には・・・・・・」

そうか、と言って学をジュースを飲む。

「量子変速じゃないって可能性は無いの?」

「それはほとんどありませんわ、お姉様。事件後や証言からほぼ確実です」

「そっか・・・・・・・・・・・・」

5人はしばらくそんな風に言っては否定して提案しては論破されての連続、それでも答えは出ず、完全に停滞だった。

そして学はついにテーブルに突っ伏した。

「あぁ~何なんだ~・・・・・・・・・・・・能力を生み出す能力でもあんのか?」

「あるわけないでしょ、そんなもの」

そんなこと学だって分かっている。もしそんなことが出来る輩がいたならば学園都市の生徒は誰もが欲しい能力を手にし、無能力者なんていなくなるだろう。そんなこと学は冗談で言った、言ったはずなのにどこか引っかかりがあった。

だから学は能力を生み出すのではなく、それに近い、類似した何かが無いか少し頭を回して思考を巡らす。

「・・・・・・・・・・・・なら、強度(レベル)を上げる能力、いや能力じゃなくてもそういう何か、ならどうだ?」

「それもあり得ないと思いますわよ」

白井にすぐさま否定された。

そして言ったのは白井だけだったが初春も御坂も同じ様に思っているだろう。だが佐天だけは違っていた。頭ごなしに否定しなかった。

「・・・・・・・・・・・・私聞いたことありますよ、強度をアップさせる物があるっていう都市伝説」

「佐天さん、またそういうのを・・・・・・・・・・・・」

中学風紀委員2人は呆れながらそう言った。そして残る高校風紀委員の学は役立つ役立たない、正しい正しくないの関係なくその情報を脳の隅にでも置いておくことにした。

どんなにくだらなくても小さくてもそれを決して無下にしてはいけない。それが学の信条だからだ。

学が頭を回している間も話は進んでいき、佐天は唐突にこう質問した。

「ちなみにそんな物が本当にあったなら皆さんどうします?」

もちろん全員(正確には学以外)そんな物が無いと分かっているのだがもしもはもしもの話、お茶(白井以外はジュースだが)の請け合いには持って来いだったので全員が真剣に考え始めた。

「私は使いませんわね」

「私も」

「私も、ですかね・・・・・・」

「えぇ、みんな夢無い~」

どうやら佐天以外能力というものをそれ程重要視していないらしい。

「金田さんはどうですの?」

「んん~~昔の俺ならすぐに使ってたと思うけど・・・・・・・・・・・・今はいいかな」

「なんですかそれ、大能力者になったからですか?」

佐天は今の学の発言が癇に触ったのか、学を少し睨みながら言った。

「いやいや、俺の目標はあくまでも超能力者だけど・・・・・・・・・・・・あれだよ、知ってるんだよ俺は」

「何をですの?」

「死ぬ気で努力すれば強度は上がるんだって」

学自身、レンによる地獄のフルコースを味わって死に物狂いで大能力者になった訳で、そんな物は必要無いと思っているのだろう。

「それに近道ってのは大抵後で痛い目あうもんだぜ?」

「はぁ・・・・・・・・・・・・」

佐天は少し曖昧に頷いた。

「あら、経験談ですの、それ?」

「いや、漫画では良くある話だろ?」

「まぁ、そうね」

一番漫画の知識に長けている御坂が答えた。そうなのかっていう顔もあるが学はあえてスルー。

5人はこの後も事件の話をしながら楽しい夕食を堪能したのだった。

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