「ただいま、はやて」
「おはようさん」
はやての家に住むことになってから1週間が過ぎた。
前世からだが、毎朝走るのを日課にしていた。以前は一人暮らしだったからよかったものの、今ははやてと暮らしている。そのせいで朝ご飯はいつもはやてにお世話になってしまっているのだ。その代わりに任されたのが掃除洗濯。学校ならともかく家の掃除なんてしたことがなかったから最初は手間取っていた。それでも最近になってようやくこなせるようになってきたところだ。
「「いただきます」」
二人がそろったところで食事を始める。
「相変わらずはやての飯はうまいな」
「そんなお世辞はええんよ。普通や普通」
「いやそんなことは無い。まったくはやてを嫁にもらう奴は幸せだな」
そう言うとはやては俯いて顔を赤くする。珍しい。と言うか初めてだったりする。
それにしても1週間たった。つまり今日が原作開始か。まぁ、何が起こるかさっぱりだから出たとこ任せなんだけどね。
「はやて、今日はどうするんだ?」
「ん? 今日は午後から図書館に行って本読もう思ってんけど、礼司も一緒行くか?」
そうだな、今日は魔法の特訓でもするか。
この魔法の特訓は適当に週3でやっていくつもりだったりする。あんまり無理してやめてしまったり体壊してもだめだしな。
「じゃあ、ちょっと公園にでも散歩行ってくるよ」
「そか、了解や」
「「ごちそうさまでした」」
「昼は僕が作るから、はやてはゆっくりしてていいよ」
「ほんまか!? 糺司は料理できるんか。今までやらんかったし、出来ひんと思とったわ」
こういうとハードルが上がるから絶対言わないが、前世では一人暮らしが長かったから料理は結構得意だ。
「まぁ、見とけって。そうだなじゃあ今日はオムライスにするか」
「大丈夫かいな。あれ見た目よりムズイんやで」
「オムライスは得意だから大丈夫だ。問題ない」
注意、フラグではありません。好きだったから一番最初に作り始めた料理だったりします。
「ふふっ、じゃあ、任せるわ」
◇◆◇
「ほえ~」
「なんだその間抜けたような声は」
昼食時、オムライスを作り終えてはやてに見せたらこうなった。なんか小動物みたいでかわいいな。
「だって、だって、私よりうまいやんか! 卵はふわとろやし、味付けも完璧や。そしてなにより、ケチャップライスは見事にパラパラ! これどうやったん? 普通べちゃっとならん?」
そうだろう、そううだろう。店で食べたやつを目指して試行錯誤を繰り返してできたのだからおいしくない訳がない。
「んと、ケチャップライスはだな、ライスをレンジで水分飛ばしてから、ケチャップは直接炒めて水分飛ばしてから作るんだ。そこまで手間はかかってないがいけるだろ?」
「ほえ~、勉強になるわ~。よし、今度やってみるで」
◇◆◇
昼食後は二人とも別行動だったので、糺司は先に家を出た。目的地は公園……ではなくてさらに進んだ山。もっと言ってしまえば糺司が初めてこの世界に来た時の場所である。特訓はいつもこの場所でしている。ここなら人が来ることは少ないだろうと考えてのことだった。
「さて、バイオネットセットアップだ」
『イエス、マイロード』
騎士甲冑(バリアジャケットだと思っていたが、バイオネット曰く古代ベルカ式らしいので騎士甲冑だそうだ)は最初と同じ白いシャツに黒いロングコート、指の無いレザーグローブ、そしてジーパンと言った町に居ても何らおかしいとは思われないだろう服装だった。ただ今違うのは手に持つ二丁の白いガンブレードだった。
「よし、今日はどうしようか?」
『そうですね。ここではやれることは限りがありますからね、弾丸の制御でもしましょうか』
「分かった」
まずは的を能力で生成して…… ちなみにこれは神様にもらった「想像の創造」の効果。言いずらいし「創造」でいいか。
『……マイロード、やりすぎでは?』
「え?」
まだ100個ぐらいだし、練習するならこれくらいは無いとダメじゃね?
『魔力量の関係もありますから、やりすぎの特訓は適切ではありません。緊急時に魔力がなくなっては元も子もありませんから』
「へいへい。気をつけます」
『……まぁ、出したものは仕方ないでしょう。では1発の弾丸ですべて打ち抜いてみて下さい』
それは流石に無理が……
まぁ、やってみましょうか。
『Normale Bullet Laden』
「お前、そういうとこだけ律儀にドイツ語なのな」
『古代ベルカ語です。お間違いなきように』
「じゃあ、いっちょやったりますか」
ガンブレイドのトリガーを引き一発の魔力の弾丸が射出される。その小さな弾丸を操るのは中々に精神をすり減らす。さらに何と言ってもその速度だ。目に追えないものを操るのだからそれはもう感覚でこなす、という域だろう。
前に飛ばした弾丸を時計回りに飛ばす。少々大回りになってしまい、内側のいくつかは落とし損ねたが、まぁ、8割がた落とせたので良しと……
『まだまだ甘いですね。24個も的が残ってます。せめてあと15は落としてもらわなければ実戦で使えませんよ』
「……あい」
良いじゃないか少しぐらい甘くても! なぜバイオネットは訓練はここまでに厳しいのか……
『ほら、もう一度です』
「あい……」
~数時間後~
『今日はこのくらいで勘弁してあげましょう』
どこの悪役のセリフだよ、とは思っても口が裂けても言えません。さらに厳しくなる恐れが……
んと、時間も4時過ぎだし、そろそろ……
『……助けて……』
来た!! 原作開始! 今日の夜はちょっと抜け出して身に行ってみよう。
◇◆◇
そしてその夜。案の定ジュエルシードが発動したようだ。バイオネットがそれを知らせてくれた。
「はやて、ちょっとコンビに行ってくるよ」
はやてに嘘を吐くのは忍びないが、楽しみで仕方がないんだしょうがないだろ!
「どうしたんこんな夜遅くに」
「今日の夕飯作ったときに気付いたんだが、醤油切らしてるっぽくてな。明日困るだろうと思って」
「そか。了解や。頼んだで。……ところでポテチ食いたくないか?」
「ハハ、ついでに買ってくるよ」
「おおきに」
外に出てバイオネットに案内してもらいつつジュエルシードのところへ向かう。
だがすでに先客がいたようだ
「大丈夫か!? なのは!」
「流夜君!?」
「む? なんだそれは?」
「フェレットさんだよ、ってそんな場合じゃないよ!」
この世界の主人公の高町なのは、それにフェレットと共にいる少年。僕は出ていくと厄介なことになりそうな予感がしたために近くに身をひそめていることにした。
「なんだ、他にも転生者はいるのか」
その少年は見るからに小学生離れをしたイケメンだった。非の打ちどころのないような顔は自分から転生者です、って言っているようなものだ。
その3人と対峙しているのは真っ黒な異形の化け物だった。スライムのような軟体の身体からは2つの目玉と口だけが見え、いかにもバケモノです、と言う声で威嚇を始めた
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■―――――!!!!!」
「ちっ、俺が止めてるからそっちも早くしてくれよ! エクスカリバー、セットアップ!!」
「君は魔導師なのか!?」
美形の少年(めんどいから以後少年A)は取り出した剣のようなストラップを掲げてそう叫ぶ。一瞬まばゆい光に包まれてその直後にそこにいたのは彼の英雄王の鎧を着た少年A。
「さあ、行くぜ!!」
「なんて魔力だ」
フェレットはその少年Aの魔力量を見て驚いたようだ。気になったのでバイオネットに聞いてみる。
「ちなみに、少年Aはどれくらい?」
『私が見たところSSSは軽いでしょう』
うは、何てチート。まぁ、人のことは言えないけど。
その少年Aはどこからともなく2本の剣を取り出す。叫びを一声入れた後に怪物に向かって直進していく。馬鹿だなーとは思うが口出しする気はない。怪物も少年Aに突進をする。両者交わる寸前で少年Aが反身でかわし、過ぎ去った怪物に剣を投げつける
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■―――――!!!!!」
怪物はさらに雄たけびを上げるが、その声は全然弱ってはいない。むしろ軽い傷を負って興奮状態にあるようにさえ見える。
「あの少年もやっぱり無理みたいだ……どうか、僕に力を貸してください」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ! どうしたらいいの!?」
「ありがとう……これを持ってこれから僕が言う言葉を繰り返すんだ」
ようやく返信のくだりに言ったようだ。ってまずい! 少年A!! 何勝手にピンチになってんの!? いつの間にかにあの突進を直撃したような怪我をしているじゃないか。ああ、もう! 仕方がない!
「バイオネット、セットアップ!!」
『イエス、マイロード』
即座に騎士甲冑を着て怪物に突進する。その場にいた全員が驚いたような声を上げるが気にしない。
『Normale Bullet Laden』
至近距離まで一気に詰めて装填した通常弾を撃つとともに切り裂く。黒い肉のようなものが回りに飛び散って何気にグロい。
「少女A! 早く」
「わ、私!?」
そこにいた変身が無事終わった様子のなのはに向けてそう言う。流石にいきなりなのはと呼んでも気味悪がられるだけなので自重。
「僕も封印は出来ないんだ。頼む」
「わ、わかった。やってみる」
そう言うとフェレットと話し始める。どうやるかを聞いているんだろう。
そんなことをしている間にも、先の黒い怪物が復活してきてしまう。もうちょっと頑張りますか。と、そこに割り込む黒い、いや、金色の影。
「誰か知らんが後は任せろ! うおおおお!!」
さっきはやられてたのによく言うよ、少年A。ともあれ、無駄な苦労はしたくないから良いけど。さて、少年Aはどういった転生者なのやら。僕の様にただ楽しみたい奴ならいいんだが、一番厄介なのはやっぱりニコポナデポ持ちのハーレム目指してるやつだよな。どの世界もあのウザさは変わらない。
「リリカルマジカル、ジュエルシード封印」
くだらないことを考えている間にこの件は終わったようだ。さっさと甲冑解除して帰るか。っと、コンビニで醤油とポテチ。
「あの! 待ってください」
不意に後ろから声を掛けられた。声を聴いただけで分かる、なのはだった。
「なに? 醤油とポテチ買わなきゃならないんだけど」
「しょう? ぽて?」
「ちょっと話を聞かせてくれませんか?」
なぜか混乱してるっぽいなのはの変わりにフェレットが話しかけてきた。でもなんだろ? なんか少年Aからにらまれてる気が…… 厄介な方だったか?
「手短に頼む、と言いたいとこだが、まず移動しようか」
そう直後にどこからともなく聞こえてくるサイレンの音。パトカーでも向かって来てるのかもしれない。
「ふぇ、あ、ご、ごめんなさーい」
そう言って走って逃げだすなのはの後を追って走り出す僕と少年A。……やっぱ睨んでるよね?
戦闘描写かけねぇ…… 凄い短いし……
アドバイス、感想お待ちしております!!