窓から射す強い日の光で私は目が覚めた。知らない天井、いやそれでは語弊がある。まだ見慣れない天井だった。
何してたんだっけ?
記憶を巻き戻す。ああ、そうか。私は糺司と戦って、負けたのか。それにしても彼は底が知れない。何せあの一戦で彼が使った魔法はただ3つ。通常弾と言う基本攻撃、防御魔法、後はファランクスシフトの模倣。ただそれだけなのだ。それに引き替えこちらはほとんどの手札を切った。それなのに彼はまだまだ手があるように思える。彼が全力で戦ったらどれほど強いのだろう。もしかしたら母さんでさえ……
そこまで考えて思考を打ち切ったのは使い魔のアルフだった。
「フェイト、目が覚めたのかい? 良かったよ、またファランクス使うから心配したんだよ」
「ごめんなさい。でも負けちゃったね」
「ああ、あの子は強いね。手伝ってほしいくらいだよ」
「それはダメだよ。これ以上迷惑はかけられない」
昨日一日で帰る予定だったのに昨晩もお世話になってしまったようだし。これ以上は…… ジュエルシード集めを手伝って、なんて言えない。これは私の問題だから。彼なら頼めば引き受けてくれる気がしないでもないけど。
「さ、アルフ。もう行こうか」
「え? あいつらに挨拶はしないのかい? また会うかもしれないししておかなくていいのかい?」
「いいよ。大丈夫。彼らを頼ってくることは無いから」
そう言って私は窓に足を掛ける。そのまま近くの電柱に飛び移って……
「どこに行くのかな、お嬢さん?」
しかしその前に声を掛けられた。声の主は上に。しかしその気配は今の今まで一切なく。それでもあたかもずいぶん前から観察しているようにそれは言った。仮面をかぶったそれは。
「あなたも闇の書、ですか?」
◇◆◇
物語の
違いはどこにある。
先に作られた方が原作。
後が二次創作?
先に考えられたものが原作。
それを真似たものが二次創作?
違うんじゃないかい?
そこにある現実が
法螺話が
彼らにしたらこれが現実で創作。
絵空事でも法螺話でもないのだ。
だからそれはその物語を歩む。
もう気づいているだろう?
この物語が。
君たちが原作と呼ぶものから。
乖離し始めていることに。
さて、ここで問うことにしよう。
それは、そこになんの介入があったからだろうか?
原作とは違う
否。
複数の
否。
原因はその大元。
“神”だろう?
何もない空間。
ちょうど中学生から、高校生ぐらいだろうか。
それくらいの少女とも少年とも取れる子供が座っている。
それは八星糺司を。
三島流夜を、送り出した神だった。
「アハハッ。いいねぇいいねぇ。物語が変わってるよ」
何もな空間にいる神が一人で笑う。
そこには以前のような面影は一切なく。
情も理性もないまるで子供の様な。
屈託のない笑顔を浮かべていた。
しかし一寸、顔をゆがめ、少し考え込む。
それは子供の様に。
楽しい
「でもね、もう少しひねり、面白みがほしいなぁ……」
遠くを見るような目をする神は次の瞬間に消えていた。
一言だけ言葉をその場に響かせて。
「もう一人殺して転生させようっ☆」
ここまでが序章。
物語は始まってすらいない。
原作を神によって崩され始めた。
彼らの物語の。
それが向かう
この時点で分かる者はいないだろう。
そう、元凶。
神でさえも。
ストックがここで無くなりましたので、ここから先は不定期になります。
では、また次回。
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