メイドと異世界へ
世界最強の母親を持つと子供も最強なのか……?
それとも、一周まわって弱くなるのか……?
正解は最強です。
僕ははいつものように家族と朝食をとっている最中。
「ねぇ、俺さもう十五歳やん?」
「そうね、もう十五年たつのね」
と母親。赤い髪に羊のような角を持つ幼魔界最強の姫君。 百人中百人振り向くこと間違いなしのレベルで綺麗と言うにふさわしい母親。
ソフィア=ユースティ
「ああ、もうそんなに立つのか」
と父親。黒い髪に目つき最悪のくせによく見るとイケメン……らしい。そしてネオスS級第一位の父親。
獅子堂 敬
「そうですね、輪廻様がお生まれてもうそんなに立つのですね」
メイドのメロウ。元々母さんの専属メイドだったらしいのだが父さんと母さんが結婚して、そのまま家の事をすべてまかせっきりにしている。種族はセイレーン。
「お―?輪廻が生まれてからそんなに経ったのかー」
と能天気そうに山盛りに盛られたごはんをバクバク食べている銀髪メイド服。母さんの専属メイド。今は家の(以下略。
「てことで、異世界で一人暮らししたいんだけど」
今まで暖かかったリビングがいきなり氷点下まで気温が下がる気がした。
「輪廻様あああああ!!!どうしたのですか!?何がご不満なのですかあああああ!?」
いきなり、うるさいぐらいに騒ぎながら俺のお腹あたりに抱きついてくる。
「なにか欲しいものがあればこのメロウめがなんでも手に入れて見せますからメロウをすてないでくださいませえええええ」
ほんとにうるさい。
「欲しいものがあるわけじゃないよ。ただ俺のやりたいことがこの世界じゃできないって事だから」
「やりたいこと?」
「そう。父さんと母さんは知らないと思うけど俺って割と戦闘狂なんだよね。しらなかった?僕の部屋にある漫画って全部バトルインフレやばいくらいの戦闘ものなんだよ?……つまり、僕は戦闘したい。血が滲むほど、命のやり取りをやりたい。それほどまでに僕は楽しみたい」
メロウは
「そんな事でしたらわたくしがいつでもお相手になりますからあああああ」
とわんわん泣きながらすがりついてくる。
「んー、メロウじゃだめだよ。【ザルツエイン】に耐えられないでしょ?」
「……本気で言ってるの?」
母さんが真面目な話をする声のトーンで僕の目を見る。
「平和になったこの世界じゃ僕みたいな危険な思考を持つのは危ないからね……それに面白い世界を見つけたんだ。神や魔王、ありとあらゆる神魔がいる世界、本当に僕が求めていた世界。そういえば、ドラゴンなんて居たね」
「んー、チコはもう輪廻とボール遊びできないのか……?」
チコが不安そうにしているのがわかる。
「月に一回はかえってくるよ。その時にボール遊びしよっか」
「おー。輪廻はやさしいな。さすが私のご主人様だ」
「ッツ!!メロウは!!!反対です!!何より危険すぎます!!」
メロウはさらに力を入れる。
「メロウ、僕がドラゴンや神なんかに負けると思ってるの?」
「それは……」
メロウはやっと僕から離れていく。
「ごめんね、意地悪な質問だったね……それで、僕は父さんに答たえてほしいんだけど?」
「……いいよ。行きたいんだろ?行ってこい」
「ありがとう。愛してるー」
「そんな棒読みで言われてもうれしくねーよ」
「それで、母さんはいいの?」
「んー私としては行かせたくないわね。だって大事な一人息子ですもの。危ない事させたくないもの」
そういって目を背ける。
「……条件があるわ」
「条件?」
「ソッ。月に一回じゃなくて土日には必ず帰ってきなさい。それが守れるならいいわよ」
「ありがとううううう!!母さん愛してるううううううう!!!」
母さんにだ思いっきり抱きつく。
「おい、俺の時と反応がちげぇじゃねーか」
父さんが異論を唱えているが無視だ。無視。
「よし、それじゃあすぐに出発するね!!!」
そういって部屋に戻って荷物をまとめる。財布に食糧学生証……キャリーバックがパツンパツンになるまで入れた。
「それじゃあいってくるね!」
僕は母さんから受け継いだ最強の大鎌【ザルツエイン】を出し空間を切り裂く。するとどこかの廃工場のようなところが見えた。
「ちょっと待ちなさい。やっぱり輪廻一人だと不安で夜も眠れなくなるかもしれないから、メロウもつれてって頂戴」
「えー……それだと一人暮らしの意味ないじゃん」
などと不満を口にする。
「つ・れ・て・い・く・わ・よ・ね・?」
母さんからものすごい量の魔力があふれ出す。
「わかったわかった。メロウもつれてくから!!ほら、いこ!」
僕ははやく行きたくてうずうずしていたのもあって半ばやけくそにメロウの手をひっぱって飛び出す。
「いってらっしゃい」
母さんが笑顔で手を振っているのがわかった。
「つーいた」
僕はメロウの手を左手で握ったまま歓喜に震えていた。
「あの……輪廻様……その……手が」
そういってメロウは恥ずかしそうに口元を隠す。
「メロウって自分からくっついてくるくせに相手からやられると弱いよね?」
「それは、輪廻様が大好きだからです!!あぁ、幼き頃は『メロウと結婚する』と言ってくださったときの事を昨日のように覚えております」
そういってどこか夢の世界へトリップしてしまった。
まあそんなメロウの事は置いといて……
「おい、何見てんだよ。気持ちわるいな。消し炭にするぞ?」
僕は木の後ろへ声を掛ける。
「……沈黙は肯定とみなしていいんだな?」
白昼夢を見ているメロウに当たらないようにザルツエインを出して軽く振るう。それだけで、ものすごい衝撃波が発生する。民家を吹き飛ばし、大爆発を起こす。
「ハッ!私は何を?!」
轟音で目が覚めたのか、目の前の惨状を見て
「はあ……」
ため息を一つ。
そして、上空から赤い髪をした蝙蝠の翼を広げた女の人が下りてくる。
「……あなたたち何者なの?」
魔力全開で話しかけてるのがわかる。
「お前のような下賤なやからに話す義務はない。とっとと失せろこうもりごときが。あまつさえ輪廻様に話しかけるなんて「メロウすこしだまって」」
メロウは家族以外には厳しいと言うか、見下してるに近い。僕の事を神様か何かに思ってるに違いない。
「ごめんね?メロウはこれで優しいんだよ?」
「そんな事よりこれを引き起こしたのはあなたたち?」
「んー客観的にみると僕たちがやったのかな?てか、君が僕たちをじろじろ見てるのが悪くない?僕、ちゃんと声かけたよね?んで君、無視したよね?てか、見てたんならその質問意味ないよね?」
僕はザルツエインを肩において女を見つめる。
「……まあいいわ。話があるからついてきてもらえる?後処理はこっちでやっておくから」
僕は一言言葉を漏らす。読んでいた漫画の主人公の決め台詞一度言ってみたかったこと。
「
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