今回が初めての作品ですので、至らぬ点も多々あると思いますが頑張っていきたいと思っています。
ご指摘等がありましたらどんどん言ってくださって大丈夫ですので、よろしくお願いいたします。
作品の題材は遊戯王GXとなっています。
キャラが違っていたり、話が原作と違うところも出てくるでしょうがご了承頂けたら幸いです。
楽しんで読んで下されば嬉しいです。
【自宅】
朝、目が覚めてカーテンを開けるとそこは知らない世界だった。
「えっ?どうなってんの?」
知らない世界ではあるけど、何処かで見たことがある景色。あれは確かTVで観たことがあるような…
「ああ…ここって遊戯王の世界か。」
何となく察してしまった。最近のラノベやアニメではよくある展開の転生ってやつだ。
でもあれはラノベやアニメのことであって、あんなことは実際に起こるわけがない。
そんなことがあったら酷く狼狽えるだろうなぁとか考えていたんだけど…
(どうも冷静になるなぁ…驚きを通り越しただけなのかもしれないけど。)
そんなことに考えを巡らせていると、一階から母親の声が聞こえてくる
母「隣斗(リント)早く起きなさいよ‼今日はアカデミアの入学試験でしょ。」
隣斗「分かってるよ。準備してるからもう少し待ってて‼」
変わらない母親の声に少しだけ安堵しながら、早くもこの信じ難い現状を受け入れ始める。
隣斗(まぁ、今まで通り何とかなるでしょ。それに遊戯王の世界ならデュエルが出来ればある程度は実際に何とかなるし。)
机に置いてある自分のデッキを確認する。カードも何か変わってるのかと思ったけど、そんなことはなくて、今まで使ってきたカードで安心する。
隣斗(ただ…この風景からしてGXの時代な気がするんだよなぁ…アカデミアとか母さん言ってたし。)
デッキは自分の世界の今の環境であったカードが入っている。シンクロにエクシーズ、果てはペンデュラムまで、まだこちらでは存在していないカードがある。
隣斗(これから試験みたいだし、今からデッキを作るのも時間が足りない。なるべくその辺りのカードを使わなくてもやれるデッキを使うしかないか。)
今日使うデッキを決め、服を着替えて一階に下りる。
母「結構遅かったわね?」
隣斗「まぁ、使うデッキにちょっと悩んでてね。でも大丈夫だよ。何とかなったから。」
母「試験当日だってのに神経の図太いこと。ほら早く食べて、試験会場までは連れていくから。」
隣斗「うん、ありがと母さん。」
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【試験会場】
朝ごはんを食べ終えて、母さんと一緒に車でアカデミアの試験会場まで向かう。車の外の景色を眺めていると、やはり自分が今までいた世界じゃないんだと改めて実感する。
街中ではあの海馬コーポレーションのCMが流れていたり、デュエルをしている人達がちらほらと確認することも出来た。
ボーッと外ばかり眺めていたら母が車を止める。いつの間にか試験会場に着いていたみたいだ。
母「ほら着いたわよ。忘れ物はない?」
隣斗「うん、大丈夫。じゃあ行ってくるね。」
母は優しく笑うと、俺が出た後に来た道を引き返して行った。母は前の世界と同じことが、俺をこんなに落ち着かせているのかもしれない。
少しだけ車が去った道を眺めていたけど、すぐにやめて試験会場へと入る。
そこには自分と同じようにアカデミアを受験する人が沢山いて、アニメで見たことある制服を着た人もそれなりの数いた。
隣斗(あれを着ることになるかもしれないなんて…何だか感慨深いなぁ。)
試験は午前は筆記で、午後に実技が行われる。受験するにあたっての案内にそう書いてあった。
この世界でのことを全然掴めていないから、そういった些細なことでも安心感を与えてくれる。
まだ少しばかり時間はあったけど、何かあっても困るので早めに筆記試験が行われる部屋まで向かう。
部屋に入るとまだ時間はあるけど、多くの人達が最終確認のためにルールブックを読んだり、インターネットを使っている人もいた。
案内には基本的なルールや効果についての問題が出るとあったので、そこまで筆記に関しては心配していない。
実技も…まぁ、この世界のカードプールだけじゃ元いた世界よりも弱いことは確かだと思うのでこれも心配はしていない。
自分の番号が置かれている席に座り、試験開始の時間までボーッとすることにした。やはり何処か落ち着かないのは確かなことだし。
開始5分前にもなると席は全て埋まって、試験官らしいスーツを着た人も入ってくる。
その人から問題用紙と回答用紙が配られ、時間になったので試験が開始される。
隣斗(まぁ、頑張りますか)
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【筆記試験会場】
試験官「そこまで、筆記用具を置いて下さい。答案用紙を回収します。」
試験官が答案用紙の回収を終えると、今からのことについての説明を始める。
試験官「今から昼休憩とします。現在の時刻が午前11時30分ですので、午後1時から実技試験となります。開始の少し前には実技試験の会場までいるようにして下さい。それでは健闘を祈っています。」
試験官が部屋から出ていくと一斉に周りが騒がしくなる。安堵の表情を浮かべている人、何処か不安な表情をしている人など様々だ。
自分については何も問題はなかった。案内にあった通り基本的なルールについてのことが多かったのでスラスラと解答することが出来た。
隣斗(元の世界じゃ…カードが違いますなんてこともあったからなぁ。)
「ねぇ、あなた」
筆記用具を片付けていると後ろから声をかけられたような気がしたけど、きっと気のせいだと思って無視していたら今度は肩を叩かれた。
これはさすがに自分だと分かったので後ろを振り向くと、そこにはアニメではよく見ていた彼女がそこにいた。
「あなた随分とスラスラと問題を解いてたみたいだけど…ああ、ごめんなさい自己紹介が先よね。私は天上院明日香よ。あなたは?」
隣斗「隣斗…川波隣斗(カワナミリント)だ。」
明日香「川波隣斗ね。それで川波君は…」
隣斗「隣斗でいいよ。天上院さん。」
明日香「そう?ならそう呼ばせてもらうわ。あなたも明日香で大丈夫よ。」
隣斗「…分かったよ。それで明日香どうかしたのかい?」
明日香「あなたが簡単に問題を解いていくものだから気になってね。確かに基本的なこともあったけど、試験なんだからそれなりに難しいところもあったわ。」
隣斗「そうかな?どれも簡単だったけど?そういう明日香だって、俺を気にする余裕くらいはあったんだよね。」
明日香「ふふ、そうね。でめ全部が簡単だったなんて私は言えないわ。それだけあなたが優秀ってことなのね。」
隣斗「優秀なんて、そんなことないよ。たまたま知ってたことが多かっただけだから。」
あの天上院明日香とこうして話すことになるなんて思ってもみなかった。GXの世界だとしてもそうそう関わることはないって考えていた。
明日香「そんなに謙遜しなくてもいいと思うけど、あなたは何だか不思議ね。」
隣斗「そんなことないよ。何処にでもいる普通のデュエル好きな男さ。」
隣斗(俺自身は普通だけど、体験してることは不思議だらけだけどね。)
明日香「そろそろ行くわね。お話ししてくれてありがとう。実技試験お互いに頑張りましょう。」
隣斗「こちらこそ。明日香も頑張ってね。」
明日香は席を立つと、二人の女の子がいるところに向かって行った。あの二人も見たことがあって、多分明日香と一緒にいたモモエとジュンコのはずだと思う。
隣斗(さて、俺も行きますかね。)
俺も席を立ち昼食を食べるために、この施設にある食堂に向かうことにした。
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【実技試験会場】
試験官「それではこれから実技試験を開始します。試験は勝ち負けは勿論ですが、状況判断やプレイングについても採点になりますので、負けたからといって悲観はしないで下さい。では、受験番号を呼ばれた人から試験官とデュエルを行います。」
説明が終わると次々とデュエルが始まっていく。呼ばれたらなので受験番号の順などはあんまり関係ないみたいだ。
それとこの世界の禁止制限だけど、やはり元の世界と違っていた。さすがにサンダーボルトとかエラッタ前の混沌帝龍とかは禁止だったけど、強欲な壷や天使の施しなんかは使えるみたいだった。
正直…自分のもっているカードプールでこれらのカードを使えるとなると軽くソリティアが入ってしまうが使えるものは使わせてもらう。
明日香「あら隣斗はまだ終わってないの?」
隣斗「うん、どうやらまだみたい。明日香は終わったの?」
明日香「ええ、さっき終わったわ。」
隣斗「明日香のことだから勝ったんだろうね。」
明日香「…そうだけど…なんで分かったのかしら?」
隣斗「筆記試験の感じからしてね。大丈夫だったんだろうと思っただけだよ。」
元いた世界の遊戯王GXじゃ明日香はオベリスクブルーにいたから、この世界でもきっとそうなんだろう。
明日香「何だか腑に落ちないけど…まぁ、いいわ。あなたの試験が始まったら見てもいいかしら?」
隣斗「ああ、いいよ。そんなに期待はしないでね。」
隣斗(接戦や見所があるって意味じゃなくて、すぐに終わるだろうってことに対してだけど。)
試験官「受験番号0627川波隣斗。デュエルを行います。デュエルスペースまで来て下さい。」
隣斗「おっ、呼ばれたみたいだ。じゃあ行ってくるね。」
明日香「ええ、頑張ってね。」
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【デュエルスペース】
試験官「それでは今からデュエルを行います。最初の説明にもあったように評価は総合的な部分も見るので、最後まで諦めないでデュエルして下さい。」
隣斗「はい、分かりました。よろしくお願いいたします。」
お互い様デュエルディスクを構えて、デッキからカードを5枚引く。この世界に来ての初めてのデュエル。あの画面の中でしか行われなかったことを体験しているこの状況を俺はやはり楽しいと思っている。
「「デュエル‼」」
隣斗LP4000
試験官LP4000
試験官「先行は私から。ドロー、スタンバイ、メインフェイズに入ります。手札から《ブラッド・ヴォルス》を攻撃表示で召喚、カードを2枚伏せてターンエンド。」
《ブラッド・ヴォルス》
星4/闇属性/獣戦士族/攻1900/守1200
デュエルディスクに置いた試験官のカードが目の前に姿を現す。今まで絵でしか見たことなかったものが、実際に目の前のいる。
こんな興奮は元の世界じゃ味わうことなんて絶対になかった。
隣斗(はは、楽しいなぁ)
隣斗「自分のターン。ドロー、スタンバイ、メインフェイズに入ります。この手札なら…」
試験だからなのか、それともやはりこの世界だからなのかLPは4000からだ。それではこの手札じゃワンキルなんて簡単だ。
隣斗「手札から《海皇の竜騎隊》と《海皇の狙撃兵》を墓地へ捨てて、《水精鱗―メガロアビス》を攻撃表示で特殊召喚します。」
《水精鱗―メガロアビス》
効果モンスター
星7/水属性/海竜族/攻2400/守1900
自分のメインフェイズ時、手札からこのカード以外の水属性モンスター2体を墓地へ捨てて発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚に成功した時、デッキから「アビス」と名のついた魔法・罠カード1枚を手札に加える事ができる。
また、このカード以外の自分フィールド上に表側攻撃表示で存在する
水属性モンスター1体をリリースする事で、このターンこのカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
メガロアビスがディスクに読み取られ姿を現す。これが俺のこの世界での初めての召喚。
メガロアビスを出すと試験会場が少しざわめく。あんなカードあったのかとか、見たことないとか色々聞こえてくる。
それもその筈だ。まだこのカードはこの時代にはなかったもの何だから。出来るだけシンクロやエクシーズに頼らないとなると、これが今作っているデッキでは一番だった。
試験官「そ、そのカードは…私も初めて見る。」
隣斗「じゃあ効果を説明します。このカードはメインフェイズに手札から水属性モンスター2体を墓地へ捨てて、手札から特殊召喚出来ます。さらにこの効果で特殊召喚に成功した時、デッキから《アビス》と名の付いた魔法か罠を1枚手札に加えれます。」
試験官「そうか、ではデッキからそれを手札に…」
隣斗「まだあります。メガロアビスを特殊召喚するためにコストにした《海皇の竜騎隊》と《海皇の狙撃兵》の効果も発動します。これらは水属性モンスターの効果のコストに使われたとき発動する効果があります。」
隣斗「竜騎隊はデッキから竜騎隊以外の海竜族モンスターを1枚手札に、狙撃兵は相手のセットされたカードを1枚破壊します。狙撃兵の対象は試験官から見て右のセットカードです。チェーンは1に竜騎隊、2に狙撃兵、3にメガロアビスです。」
試験官「何が起こって…いや、ここはしっかりせねば‼対象になったカードを発動。《奈落の落とし穴》相手が攻撃力1500以上のモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚した時、そのモンスターを破壊し、ゲームから除外する‼」
メガロアビスが下から空いた穴に引き摺り込まれていく。ここまでリアルに表現出来るなんて、ソリッドビジョンはここまですごかったのか。
隣斗「…なら、手札に《アビススケイル―ミズチ》と《海皇子ネプトアビス》を加えます。」
《海皇子ネプトアビス》
効果モンスター
星1/水属性/海竜族/攻 800/守 0
「海皇子 ネプトアビス」の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:デッキから「海皇子 ネプトアビス」以外の「海皇」モンスター1体を墓地へ送って発動できる。デッキから「海皇子 ネプトアビス」以外の「海皇」カード1枚を手札に加える。
②:このカードが水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた場合、「海皇子 ネプトアビス」以外の自分の墓地の「海皇」モンスター1体を対象として発動する。そのモンスターを特殊召喚する。
《アビススケイル―ミズチ》
装備魔法
「水精鱗」と名のついたモンスターにのみ装備可能。
装備モンスターの攻撃力は800ポイントアップする。
このカードがフィールド上に存在する限り、相手フィールド上で発動した魔法カードの効果を無効にする。その後、このカードを墓地へ送る。
隣斗「まだ俺は通常召喚をしてません。さっき手札に加えた《海皇子ネプトアビス》を召喚。」
隣斗「何もなければネプトアビスの効果発動。デッキからネプトアビス以外の海皇モンスターを墓地へ送り。ネプトアビス以外の海皇カードを手札に加えます。墓地へ送るのは《海皇の竜騎隊》で、加えるのも《海皇の竜騎隊》です。」
隣斗「さらにネプトアビスの効果のコストに使われた竜騎隊の効果で、メガロアビスを手札に加えます。」
試験官「い、一体何が…」
隣斗「手札から《強欲な壷》を発動。デッキからカードを2枚引きます。」
隣斗「もう一度、手札から竜騎隊と狙撃兵を墓地へ捨てて、メガロアビスを特殊召喚します。先程と同じ順でチェーンを組み。メガロアビスで手札に加えるのは《アビスフィアー》竜騎隊で加えるのは《氷霊神ムーラングレイス》です。狙撃兵の効果でもう1枚のセットカードも破壊します。」
《氷霊神ムーラングレイス》
効果モンスター
星8/水属性/海竜族/攻2800/守2200
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の水属性モンスターが5体の場合のみ特殊召喚できる。
このカードが特殊召喚に成功した時、相手の手札をランダムに2枚選んで捨てる。
「氷霊神ムーラングレイス」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。
このカードがフィールド上から離れた場合、次の自分のターンのバトルフェイズをスキップする。
《アビスフィアー》
永続罠
デッキから「水精鱗」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
また、このカードがフィールド上に存在する限り、 自分は魔法カードを発動できない。 このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。 このカードは発動後、次の相手のエンドフェイズ時に破壊される。
試験官「くっ、破壊されたのは《聖なるバリア―ミラーフォース》だ‼」
隣斗「今の自分の墓地には《海皇の竜騎隊》が3枚と《海皇の狙撃兵》が2枚あります。このモンスターは墓地の水属性モンスターが5体の場合のみ特殊召喚出来ます。現れろ《氷霊神ムーラングレイス》‼」
大きな氷の塊が出てくるとそれが砕けて中からムーラングレイスが現れる。ムーラングレイスがひとつ咆哮をあげると、試験官の手札が2枚凍りつく。
隣斗「ムーラングレイスの効果発動‼このモンスターの特殊召喚に成功した時、相手の手札を2枚墓地へ送る‼」
凍りついた手札2枚が粉々に砕け散る。ソリッドビジョンの描写の細かさに感動すら覚える。
だけどこれで試験官の手札は1枚で場にはブラッド・ヴォルスのみ。確かまだゴーズみたいなモンスターはいなかったと思うけど、念には念をだ。
隣斗「さらにメガロアビスの効果発動。自分の場の水属性モンスターをリリ…生け贄にして、このターン、メガロアビスは2回攻撃出来ます。ネプトアビスを生け贄にします。さらに生け贄にしたネプトアビスの効果発動。これも水属性モンスターの効果のコストにされた時、墓地からネプトアビス以外の海皇モンスターを1体特殊召喚します。蘇れ《海皇の竜騎隊》‼」
隣斗「さらにメガロアビスにミズチを装備して、これによりメガロアビスの攻撃力は800アップします。」
俺のフィールドには、メガロアビス、ムーラングレイス、竜騎隊の3体が並ぶ。ここまでくると壮観だ。
試験官「ここまでされるとは…ふむ、君は強いデュエリストに…いや、もうすでにそうなっているか」
隣斗「ありがとうございます。ではいきます!バトルフェイズ。ムーラングレイスでブラッド・ヴォルスに攻撃‼」
ムーラングレイスが全身から冷気を出して、ブラッド・ヴォルスがそれに包まれると一瞬にして凍りつき、砕ける。
試験官「…ブラッド・ヴォルス!」
試験官LP3100
隣斗「これで最後です。メガロアビスで試験官に直接攻撃‼」
試験官「くっ、ぐぁぁぁぁ……‼」
試験官LP 0
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【実技試験会場・観覧席】
実技を終えて観覧席に戻ってくると、皆一斉に俺の方を向いてくる。それは仕方ないことだとは思っているけど、やはり少しばかり面倒だ。
今まで見たことないカードに、試験官相手にほぼ何もさせなかったんだ。これで注目を集めるなというのが無理な話で。
だけど言い方は悪いが試験官をボコボコにしたのせいか、周りは遠巻きに俺を見るだけだ。
明日香「お疲れ様。試験のすぐ後で悪いんだけど、さっきのカードは何!?」
ただ一人明日香を除いてだけどね。
隣斗「デッキのことだよね。いいよ、ほら?」
デッキケースからデッキを取り出し、明日香に渡そうとするが、明日香はそれを受け取らない。
明日香「えっと…いいの中身見て、あなたが使ったカードの殆どが知らないのばかりだったから、ひょっとしたら凄いレアなものなんじゃ」
隣斗「いいよ。そこまでレアなわけじゃないし、それにまだ余ってるのもあるから」
明日香「な、ならいいんだけど…じゃあ」
おずおずと明日香はデッキを受けとると目を輝かせながら俺のデッキを見始める。
明日香「本当に全く見たことないカードばっかり…こんなカードあったのね。このチューナーって何かしら…あっ、でもこのカードも気になるわ…」
楽しそうにデッキを見ている明日香は子供みたいで、俺の知っている天上院明日香とは違った印象を受けた。
隣斗(いや、あれは結局アニメだったから、そういう風に作られていたんだろうな。)
隣斗「二人とも入学出来たら俺の持ってるカード見せるよ。」
明日香「えっ、本当に!?嘘じゃないわよね!?」
そうやって迫ってくる明日香を何とか抑えながら話を続ける。いや、迫ってくるのはいいんだけど、色々と当たりそうだからじちょうしてね。
隣斗「嘘じゃないよ。だから受かってること願っていようね。」
明日香「そうね…やった楽しみだわ♪」
明日香はデッキを僕に返すと、しばらく二人で雑談していた。てっきり色々聞いてくるんだと思っていたけど、それも入学出来ていた時の楽しみにしておくらしい。
最後のデュエルが終わると、試験官が俺達を集める。これでアカデミアの試験は終わりで、合格通知は後日自宅に届くそうだ。
合格していた人は、またその数日後に入学に関しての詳しい説明会があることも話し。それでこの長い試験は本当に終わった。
明日香「それじゃあ隣斗またね。約束忘れたりしたら承知しないわよ。」
隣斗「うん、分かってるよ。明日香も気を付けて帰ってね。」
明日香が見えなくなるまでそこで立っていると、携帯に着信が入る。母さんがどうやら迎えに来てくれるみたいだ。
隣斗「さて…頑張りますか。」
いきなりガラリと変わった日常だけど、これからの楽しみなことを考えると思わず笑みがこぼれる。
どうでしたでしょうか?
主要なカードのテキストは入れてますが、長くなりますし、もし邪魔だという意見があれば除けることも考えていきます。
楽しんでいただけならありがたいです。
ご指摘などありましたらどんどん待っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。