月人艦隊 〜Lunatic fleet〜 作:謎のピカチュウ
レ級、二人の幻想戦艦と出逢う 1
「ハァ...暇ダナァ」
とある島の海岸でポツリと声を発したのは、"戦艦レ級"
彼女は深海棲艦という、ざっくり言えば人類の敵...であるはずの存在。
なぜ、そのように表現したか。それはこのレ級には敵意がないからである。
最近は敵意のない深海棲艦も増えたらしいが、本来ならば敵である彼女らであるのに何故敵意がないのか。人間の文化が好きだとか、世界を見たいだとか、恨みを晴らせたとか、はたまた元々憎んでいないとか、
理由は様々であるようだ。
彼女もある理由で敵対することをやめた深海棲艦だ。
「いや、暇ってことは戦う必要がないってことじゃないですか」
彼女の隣に、不気味なクラゲのような帽子を被った深海棲艦"空母ヲ級"がレ級と同じく体育座りをしている。
帽子のようなものは、先ほど日が暮れる時にその辺にいた特に怨みもなにもなく漂っていたヌ級であり、本来のヲ級の帽子ではないが割愛。
彼女、ヲ級は元々人間であり、所謂転生者である。
「マァ、確カニナ?今日ハ海上散歩中ニ艦娘共ニモ絡マレナカッタシ。平和ッテイイナァ。サスガニ絡マレタラ手ハ出スケドナ」
この転生者ヲ級と知り合ってから、人間に興味が湧いたのである。
故に、自衛はするが艦娘を沈めたりはせず、追い返すだけにとどめている。
戦意を失った艦娘をわざわざ沈めたところで、他の深海棲艦と違い怨みを抱かないこのレ級にメリットもない。
うまくいけば人間との邂逅も、ヲ級曰く「ワンチャンありますよ」とのこと。
「シカシ、暇ナンダヨナ。ナンカ落チテナイカ探シニイクカナァ〜」
「あ〜いいですね、じゃあ今夜行きましょうよ!」
「今夜ッテナンダヨ...モウ夜ダゾ」
「気にしないでくださいよ〜」
また訳のわからん言い回しをしやがって、と呆れるレ級だったが、ヲ級と共に立ち上がり海岸に沿って歩いていくのであった。
しばらく歩いていると、装飾の施された箱が目に入った。
「ナンダコレ、開ケテ見ルカ」
「煙が出てきて年寄りになったりしませんかね?」
そう言ってニコニコ笑うヲ級にレ級は
「"ウラシマタロウ"トイウ奴ニ出テキタ箱カァ?マ、デモソレハ"御伽噺"ダロウ」
「私は御伽噺もびっくりな転生者ですよ!」
「タシカニ、ソレハソウダケドネェ、ソンナメッタナコトモナイトオモウケドナァ」
「でしょうね、開けましょうよ!」
「オイオイ...脅カシテオイテ...オ前トイウ奴ハ」
呆れながら箱を開けてみるとそこには一冊の本と筆が入っていた。
「ウン?本カ...?」
本を手に取るレ級、その横で筆を持ちながら首を傾げるヲ級
「うーん、なんというかこの筆どこかで見たことあるような...」
「ヌッ!ヌッ!」
「ファッ!?どうしました?ヌ級ちゃん、お腹でも空きましたか?」
「ヌッ!」
「アー、タシカニ腹減ッタナァ、一旦持ッテ帰ルトスルカ」
二人と一匹?は、島に作った小さな家に"戦利品"を持って帰るのでした。
とりあえずここまで
ワンダーランドウォーズに飽きたら書く