魔法世界興国物語~白き髪のアリア~   作:竜華零

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第3部最終話④「Royal wedding・深夜」

Side ナギ

 

正直な所、俺は良い父親じゃ無かったと思う。

良い父親がどんなのかって言われると困るが、少なくとも10年以上子供を放置してたような奴を良い父親とは言わねぇだろう。

色々と事情はあったわけだが、そんなコトが言い訳にもならねぇことはわかってる。

 

 

だが、あえて言うぜ。

俺は今、父親としての仕事をしてる・・・ってな・・・!

 

 

「良いか、義息(むすこ)よ」

「・・・その呼び方、気に入らないね」

「仕方ねぇだろ、お前がアリアと結婚しちまったんだから」

 

 

カポーン・・・ッ。

と、軽い音が反響するのは、ここが風呂場だからだ。

宰相府にある、王族専用のでけぇ風呂だ、一度に100人は入れそうな奴。

ここは元々、離宮だからな。

 

 

で、今は何をしているのかと言うと、アレだ。

風呂場で義理の息子(フェイト)に「この後のコト」を教えている所だ。

・・・我ながら、アホなこと言ってるぜ・・・。

 

 

「今さらお前にどうこう言わなくてもわかってると思うが、戦いってのは自分を鍛えるだけじゃダメだ。これから戦う相手のコトも知っておかなきゃなんねぇ」

「そうだね」

「相手の戦力も自分の力量もわからずに戦いに及ぶ奴は、大概死ぬ。まぁ、稀に俺やジャックみてぇな天才クールな英雄様が出現したりもするが・・・」

「上がって良いかな?」

「待てって」

 

 

そんな物凄くウザそうな顔すんなって、10年以上殺し合ってきた仲じゃねぇか。

大体、お前だって大概チートだかんな? 生まれた時から最強クラスなくせに。

 

 

「・・・それで、結局の所、キミは何が言いたいんだ?」

「だから、この後のコトだよ!」

 

 

澄ました顔してんじゃねぇっての、実はすげー楽しみにしてるって俺にはわかるぜ?

何しろ、今日まで繰り返し色々と吹き込んだからな、おかげで暦ちゃん達に目の敵にされちまって。

だが・・・。

 

 

「・・・残念なことに、今回の場合、お前もアリアも経験が浅すぎる」

「・・・はぁ」

「経験不足を補う時間も技術も無い、コレは結構キツいぜ・・・俺とアリカも、最初は大変だった。いや、コレはマジな話だぜ?」

 

 

何しろ、俺はアリカ以外の女と付き合ったコトねーし、アリカだって俺以外の男と付き合ったこと無かったからな。

俺らの仲間ん中じゃ、ジャックとガトウくらいしか相談できる相手がいなかった。

・・・アル? アイツは趣味に走るからアウト。

ジャックはそこんとこ案外、空気読んだりすんだよ。

相談できる相手がいた俺はまだしも、アリカなんて相談できる女が周りにいなかったからな・・・。

 

 

「・・・まぁ、とにかく、そう言う俺の経験から言わせてもらうとだ。経験不足なのは仕方がねぇ、こういう場合、男ができることはもう一つしかねぇ」

「・・・一応聞くけど、何だい?」

「それはな・・・」

 

 

ゴニョゴニョゴニョ・・・。

・・・俺の言葉に、フェイトは普通に頷いた。

へ・・・まぁ、わかりきってるコトだってコトか。

 

 

アリアを頼むぜ・・・。

・・・って、このタイミングで言うと変な意味に聞こえそうだけどよ。

だけどコレは、俺の本心だぜ?

娘の方は、まーコレで問題ねーよなー・・・。

 

 

 

 

 

Side 茶々丸

 

原則として、王族は自分の身体を自分では洗いません。

とは言えアリア先生は10歳までは庶民的な生活をされておりましたので、きちんとご自分で洗われます。

 

 

・・・しかし、そんなコトは関係ありません。

乾かした後に生きて来るような手法をいくつか試みつつアリアさんの長い髪を洗い終えた後は、身体を洗い始めます。

防水機能とハカセに感謝をしつつ、私はアリアさんのお世話を続けます。

 

 

「あ、あの、自分で洗えますから・・・」

「いえ、アリアさんはお疲れでしょうから。何もせずにじっとしていてください」

「で、でも・・・くすぐったくて」

「我慢してください」

 

 

お風呂用の椅子に座られたアリアさんの前に膝をつき、柔らかな綿のタオルにミルクの石鹸の泡をたっぷりとつけて、足先から隈なく、かつゆっくり丁寧に洗い上げて行きます。

下から上へ、末端から中心へ、円を描くように念入りに。

壊れ物を扱うかの如くアリアさんの手や足を持ち上げ、隅々まで。

擦ると撫でるの中間ぐらいの力加減なので、それがくすぐったく感じるのかと・・・。

 

 

アリアさんのほっそりとした、華奢でしなやかな身体を全体的に洗い終えた後は、適度な休息を入れつつ、薔薇の花弁を浮かべた広い湯船に浸かって頂きます。

 

 

「・・・身体の調子は、いかがですか?」

「え・・・その、大丈夫・・・ですけど」

「そうですか」

 

 

私の各種センサーでも、疲労はありますが概ね正常と映っております。

かすかに筋肉が固い気も致しますが、それは単純に緊張のためかと。

それも、入浴のためか徐々に和らいで来ておりますが・・・。

 

 

・・・さて、ある意味で最大の問題は、入浴後です。

具体的には入浴後、髪や体を良く拭き、乾かした後。

つまりは、お着替えの際に・・・。

 

 

「・・・あの・・・」

「なんでしょう、アリアさん」

「・・・コレ、着るんですか・・・?」

 

 

・・・私の名誉のために申し上げておきますが、別にいかがわしい物をご用意したわけではありません。

むしろ、普段から着用されているようなネグリジェと変わりの無い物をご用意させて頂きました。

何と言っても、アリアさんにはあまりに扇情的なお召し物は早いと思われますので。

フェイトさんも、そう言った物よりはいつものような物を好まれるでしょう。

新調したてであることは、間違いありませんが。

 

 

まぁ、つまり・・・。

アリアさんが、いつもよりも過敏になっていると言う話です。

 

 

「では、参りましょう」

「こ、この格好で行くんですか!?」

「・・・」

 

 

・・・繰り返しますが、私はいたって普通のネグリジェをご用意させて頂きました。

とは言え、過敏になるのも無理からぬことだと思います。

 

 

「大丈夫です、ここから寝室までの道には誰も通すなと申しつけてあります。誰にも見られることはありません」

 

 

なので私は、アリアさんを宥めるような声音で語りかけます。

いつまでも、脱衣室で立っているわけには参りませんし・・・。

根気良く、かつ緊張を解す意味も込めて、ゆっくりとした調子で会話を続けます。

 

 

とりとめも無いことであったり、あるいは意味のあることであったり。

そうして、時間をかけて・・・最後の角を曲がる所で、私だけが立ち止まります。

 

 

「では、ここからはお一人で・・・お休みなさいませ。明日は11時から国際観艦式がございますので、9時頃、参ります」

「え・・・」

 

 

途端に、アリアさんは不安そうな表情を浮かべられました。

私としても、最後までお供したいのですが・・・ですが、寝室の扉の前には、フェイトさんがお待ちのはずなのです。

私のような者がいては、お邪魔でしょう。

 

 

「・・・大丈夫です、アリアさん。何も心配されることはございません」

「・・・・・・本当に、そう思いますか?」

「はい、私が一度だって、アリアさんに嘘を吐いたことがございますか?」

「・・・茶々丸さん・・・!」

 

 

ぎゅっ、と、アリアさんが私に抱き付いて参りました。

朝は避けましたが、今は抱き止めるべきと判断致しました。

同じくらいの力でアリアさんの身体を抱き、軽く髪を撫でて差し上げます。

 

 

アリアさんとは、6年程のお付き合いになりますが・・・。

・・・今日と言う日は、その中でも忘れられない物になるような気が致します。

理由は、まだわかりません。

ですが何年経とうとも、私はこの時のことを、昨日のことのように思い出せるでしょう。

 

 

「朝も言いましたが・・・どうか、お幸せに」

「・・・」

「それだけで、私達は幸福になれるのですから・・・」

 

 

私の胸に顔を押し付けたまま、アリアさんが頷きます。

それから、2歩ほど離れて・・・私は少しだけ乱れたアリアさんの髪や服を直します。

それから、礼儀正しく一礼。

 

 

「それでは、お休みなさいませ」

「・・・お休みなさい」

 

 

顔を上げた際、アリアさんの髪の端が角の向こうに消えるのを確認致しました。

私は姿勢を正し、数秒間その場に留まって目を閉じた後・・・。

 

 

「・・・では、マスターのお世話をしに参りましょう」

 

 

次の仕事に、向かいました。

心配は・・・特にはしておりません。

 

 

 

 

 

Side アリア

 

し、心臓が、バクバクして・・・息が上手く、できません・・・。

茶々丸さんと別れて、寝室の前でフェイトと会った時は、心臓が止まるかと思いました。

こ、これからは毎日、一緒に寝るんですよね・・・ふ、夫婦ですから。

 

 

「・・・大丈夫?」

「は、はいっ、全然OKで・・・あ、でもOKってそういう意味じゃ無くてそのっ!」

「・・・そう」

 

 

無理! 一緒に寝るとか無理!

だってそんな、は、恥ずかしっ・・・天蓋付きのキングサイズベッドですから、端っこ同士で・・・いや、それ一緒に寝る意味無いですし!

だから一緒に寝るのが無理なんですって・・・お、落ち着け、落ち着いて(ビー・クール)、私!

 

 

そ、それに夫婦なのですから、一緒に寝るだけじゃ済まなく、て・・・!

し、深呼吸、まずはクールに深呼吸・・・!

 

 

「・・・入らないの?」

「は、ひゃいっ、失礼しましゅっ・・・あぅ・・・」

「・・・舌、大丈夫?」

「ひゃい・・・」

 

 

う、う~・・・何だかフェイトが普通で逆に冷静になってきました・・・。

フェイトは、緊張とかしないんですかね・・・?

 

 

「・・・あれ、開かないな」

「え・・・って、フェイト・・・その扉は引かないと」

「・・・そうだね」

 

 

引いて開ける寝室の扉を、フェイトは5秒ほど押していました。

私と目を合わせてくれませんけど、ひょっとして照れて・・・る?

可愛い、かも・・・。

私がクスッ、と笑うと、フェイトはどこか憮然とした様子で扉を開きました。

 

 

そして同時に、安心します。

良かった・・・フェイトもいつもと違う・・・。

 

 

「・・・どうぞ」

「はい、お邪魔します・・・って、変ですけどね」

「・・・そうだね」

 

 

フェイトが開けた扉を、ゆっくりとした歩調で潜って・・・寝室の中へ。

・・・気のせいでなければ、かすかに甘い香りが立ち込めているような気がします。

そして、きちんとベッドメイクされた天蓋付きのベッド・・・。

 

 

・・・を、見た瞬間、再び身体が硬直します。

軽く胸を押さえて、い、息が・・・。

あ、あのベッドで・・・。

 

 

「・・・座らないの?」

「は、はいっ、はいっ・・・!」

 

 

ギ、ギギ・・・と、油の切れたロボットのような動きで、右手と右足を同時に出して歩きます。

そして、ベッドの端に腰かけます。

・・・はっ!?

べ、別にベッドの端に座る必要性は・・・椅子でも良かったじゃないですかっ。

わ、私としたことが、私としたことがっ。

 

 

私が内心、そんな風にアワアワしていると、部屋の隅で何やらゴソゴソしていたフェイトが、ゆっくりと私に近付いて来て・・・わ、わわっ、わ・・・!?

ギシッ、と私のすぐ横に腰かけました。

ほんの数センチの距離に、フェイトがいます。

そう思うだけで、頭の中が酸欠にでもなったかのように、クラクラして・・・。

 

 

「アリア」

「・・・っ」

 

 

名前を呼ばれて、びくっ、と身体を震わせます。

つ、ついに・・・ついに、なのですか。

いえ、この5年間、いくらでもそう言う空気になったコトは、ありましたけど。

で、でもコレばっかりは、前世でも現世でも経験が無くって・・・どうしたら良いか。

う、上手くできるか、わかりませんけど・・・!

 

 

胸の前で手を擦り合わせつつ、一杯一杯な気持ちもできるだけ隠して。

だけど嫌では無いと伝えるために、目を閉じて。

フェイトの方を、向くと・・・!

 

 

―――――ヒタリ。

 

 

「ひゃわぁっ!?」

 

 

頬に当たった冷たい感触に、悲鳴を上げます。

な、何、何ですか・・・と、見てみると。

 

 

「どうぞ」

「へ? ・・・あ、はい・・・どうも」

 

 

赤い、かすかに苺の香りのする飲み物の入ったグラスを、フェイトから手渡されました。

え、えっと・・・?

 

 

 

 

 

Side フェイト

 

『エキュルラット・サンティユモン』。

端的に説明すれば、極度にアルコール度数の低い苺の果実酒。

まぁ、果実酒と言うよりジュースに近いんだけどね。

 

 

「・・・あ、美味しい・・・」

「・・・そう」

 

 

それは、良かった。

ほんの一口分だけ注いでおいたんだけど、アリアはそれを5分程かけて飲んだ。

やはり、身体が固かったからだろうけど・・・。

 

 

「あの・・・ごめんなさい・・・」

 

 

空のグラスを窓際のテーブルに置きに行くと、何故か謝られた。

・・・理由がわからない。

最近、こう言うのが多いな。

コトッ・・・と2つの空のグラスを置いて、アリアの方を見る。

 

 

ベッドの端に腰かけているアリアは、何故かいつもより小さく見えた。

白いレースをふんだんに使った、アンサンブルネグリジェ。

端々がレースで彩られたインナーはシルクで、薄めのワンピースにも見える。

上着は総レースで足元まで覆うタイプだけど、二の腕や胸元の肌の色が見える程に透けている。

 

 

「・・・私、気ばかりが急いて、その・・・」

「・・・ふ」

「わ、笑わないでください・・・っ」

 

 

怒ったようなアリアの声に、僕はふと口元を押さえた。

・・・笑った? どうやら僕は、笑ったらしい。

気が付かなかった。

 

 

「いや、すまない。ただ・・・少し、不思議に思ってね」

「不思議に・・・?」

 

 

小首を傾げる彼女の隣に、再び腰かける。

・・・少しは、固さが取れたかな。

 

 

「・・・京都で、最初にキミに会った時」

「・・・はい?」

「こんな関係になるとは、思ってなくてね」

「それは・・・私もですけど」

 

 

何だったかな、最初の会話らしい会話と言えば・・・。

 

 

『お会いしたかったですよ、フェイトさん。貴方を・・・・・・・・・殺しに来ました』

『奇遇だね・・・・・・僕もキミのことを殺してやりたいと、思っていたところだよ』

 

 

・・・うん、それから何がどうなって、結婚にまで至ったのだろうか。

僕は普通の人間では無いけれど、疑問に思わざるを得ないね。

アリアも似たような考えに至ったのか、クスクスと笑っていた。

 

 

「・・・その後、フェイトが私を見初めたんですよね」

「そうだったかな・・・逆では無くて?」

「違います、フェイトが強引だったんです」

 

 

そうだったかな・・・ええと。

記憶の片隅から、麻帆良での最初の邂逅時の会話の一部を引っ張り出してみる。

ええと・・・確か・・・。

 

 

『必ず貴方を、その組織だか何だかから引き剥がしてみせましょう』

『そう。なら僕も言おうか。必ずキミを、キミの家族から引き離す』

 

 

・・・似たような物だったような気がする。

やはり似たような考えに至ったのか、アリアがもうおかしくて仕方が無い、と言う風に笑っていた。

それから、少しだけ思い出話をした。

 

 

麻帆良の学園祭の話、魔法世界に渡る時の話、オスティアで再会した時の話・・・。

・・・そして今までのことを、少しだけ。

 

 

「ふふ、こうして聞いてみると、フェイトって意外と行き当たりばったりですよね」

「・・・キミに言われたくないな」

「酷いです・・・でも・・・」

 

 

とんっ・・・と、アリアが僕の肩に頭を預けてくる。

眠るように目を閉じて・・・いつしか繋いでいた手に、かすかに力が込められた。

 

 

「でも、そんな貴方が・・・・・・好きです」

 

 

最後の言葉は、とても小さな声だったけれど・・・確かに聞こえた。

それに僕は、言語化が難しい、そんな感情を覚えた。

だから、少しだけ身体を離して・・・片手で、彼女の頬に触れる。

色の異なる瞳が、潤んだように揺れる。

 

 

「僕も・・・愛してる」

 

 

そう答えると、アリアは幸せそうに、小さく微笑んだ。

明かりの消えた寝室で、それでも不思議な程に、記憶に残りそうな笑みだった。

どちらからともなく、ゆっくりと顔を近付けて・・・。

 

 

「・・・ん・・・」

 

 

軽く、触れるだけのキスをする。

数秒で唇を離すと、頬を染めたアリアと目が合う。

お互いに小さく笑って、再び唇を重ねる。

 

 

触れるだけの、軽い口付けを何度も繰り返す。

その間に頭を撫でて、髪を撫でて、背中を撫でて・・・。

最後には、アリアの小さな身体は、すっぽりと僕の腕の中に収まっている・・・。

アリアはまだ少し身体を固くしていたけど、拒絶はしなかった。

 

 

「・・・ん・・・んっ・・・」

 

 

少しずつ、キスの時間を長く、深くしていく。

唇だけでなく、額や瞼、頬にもキスを落としていく。

落ち着かせるように髪を撫でて・・・そして、唇を離す。

唇を重ねる度に、アリアの身体から固さが取れて行くのを感じる。

それを、5分ほど繰り返して・・・。

 

 

「・・・大丈夫?」

 

 

そっと、彼女の胸元・・・ネグリジェの上着の留め紐に手をかけた所で、声をかける。

アリアは、少しだけ不安そうな表情を浮かべたけれど・・・。

 

 

「・・・は、ぃ・・・」

 

 

拒絶は、しなかった。

 

 

「・・・ん、ふっ・・・!」

 

 

シュルッ・・・と留め紐を解き、これまでで一番、深く口付けた。

僕が舌先にかすかな苺の味を感じた時、堪え切れなくなったのか、アリアが身体から力を抜いて。

 

 

2人で、ベッドに倒れた。

 

 

 

 

 

Side アリカ

 

オロオロ、ソワソワと・・・あてがわれた寝室で、私はどうにも落ち着かんかった。

理由は、ただ一つ・・・アリアのことが、気になって・・・。

 

 

「おーい、明日も早いんだから、さっさと寝ようぜー?」

「わ、わかっておる、わかっておるがっ」

 

 

ダブルサイズのベッドの真ん中に寝転んでおるナギは、何故か落ち着いておった。

それが、少なからず私には不満でもあった。

こ、言葉にはできんが、何と言うかこう・・・。

 

 

「主は、心配では無いのか?」

「何がだよ」

「アリアのコトがじゃ!」

 

 

バフッ、とベッドに両手を叩きつけて訴えても、ナギは「あ~あ~、この嫁さんは」とでも言いたげな目を私に向けるばかりじゃった。

な、何じゃ、私は何かおかしなことを言ったか!?

 

 

私がナギと最初の夜を過ごした時のコトを思えば、心配してしかるべきじゃろうに!

いや、それでナギとどうこうにはならなんだが・・・アリアはどうなるか、わからんじゃろ!?

 

 

「だーいじょぶだって、何も心配することねーよ」

「な、何故、そう言えるのじゃ?」

「今日のフェイトを見てたろ? 何も心配することねーよ」

 

 

ふぇ、フェイトか・・・アリアの婿殿。

正直、最初に聞いた時は信じられんかったが、あのアーウェルンクスが・・・。

・・・まぁ、1番目や2番目とは感じの違うのは、確かにそうじゃが。

今日も、ひたすらにアリアと仲睦まじく・・・。

紳士的であったのは、認めるが、しかし。

 

 

「だ~も~・・・心配したってしゃーねーだろ? 見に行くわけにもいかねーし、まさか俺らが実践して見せるわけにもいかねーし、手取り足取り教えてやるわけにもいかねーだろ?」

「あ、当たり前じゃ、戯け!!」

「だったら、明日の朝にケアしてやるくらいしか、やることねーだろが。大体、こう言うのは誰かに教わるもんじゃなくて、当人同士でどうにかするもんだろー?」

 

 

そ、それは、そうなのじゃが。

わ、私もナギとは、いろいろと、の・・・。

 

 

「それにだ、ジャックとも話したんだけどよ・・・フェイトは大丈夫だって」

「・・・何がじゃ?」

「これは俺らの勘だけどよ・・・アイツは、当てるぜ? たぶんな」

 

 

相も変わらず、根拠も無く自信満々な奴じゃの。

と言うか、当てるとは何じゃ、意味がわからん・・・。

 

 

ああ、しかし・・・大丈夫かの、心配じゃ・・・。

下世話とはわかっておるが、気になって仕方が無い。

明日の朝、泣いておったらどうすれば・・・。

い、いや、ここは母である私が、しっかりせねば・・・!

 

 

 

 

 

Side エヴァンジェリン

 

「マスターがお世話になりました」

「いや、こちらこそ相手をし切れず・・・」

「いえいえ、そんな・・・」

 

 

深々と頭を下げるグリアソンに、茶々丸が頭を下げ返している。

う~・・・と唸ると、私を背負った茶々丸が頭を起こして、ゆっくりと歩き出す。

離れて行くバーのカウンターには、高そうなワインのボトルが50本ほど・・・。

・・・後で領収書を切ってもらおうか、支払いはカードで。

 

 

・・・バーの隅にいるのは、リュケスティスとテオドシウスか。

飲んでる最中は誰か判然としなかったが、少し落ち着いてみるとわかった。

他にも何人かチラホラ・・・。

 

 

「・・・茶々丸、アリアはどうしたぁ~・・・?」

「お休みになられました」

「そうかぁ~・・・っく、ちくしょ~・・・っく」

 

 

と言うことは今頃、アリアは若造(フェイト)に思う様・・・ちくしょ~・・・。

人目につかない道を選んで、茶々丸が私の寝室に向かう。

む~・・・もう少し振動を抑えてくれんか、ヤバそうだ・・・。

 

 

「大体なぁ~・・・アリアはあんな若造にはもったいないんだ・・・っく・・・」

「そうですね、マスター」

「さよも嫁に行ったし、アリアまで・・・っく・・・皆、私を置いて行く・・・」

「そうですね、マスター」

「さよもアリアも、いつかいなくなるのに・・・っく、もう少し私の、傍に・・・」

 

 

しゃくり上げながら、ブツブツと自分でも意味のわからないことを呟き続ける。

飲み過ぎたかな・・・どうにも、頭が回らん。

 

 

「っく・・・皆、不死になりたいって言ってくれないし・・・」

「言われても、断るでしょう?」

「当たり、っく・・・前だろうが、不死なんてなるもんじゃ無い・・・寂しいだけだ、っく」

 

 

寂しい。

寂しい、寂しい・・・皆、私を置いて行く。

行ってしまうんだ、私を置いて。

誰だって、いつかは・・・それが正しい姿だから。

時間を止められた私が、異常なのだから・・・。

 

 

いつか私も・・・。

私も、いつか・・・家族と一緒に、老いて死ねるんだろうか・・・。

 

 

「大丈夫です、マスター」

「・・・あん・・・?」

「私はガイノイドです。私がずっとマスターの傍におります、マスターが私のマスターでいてくださる限り、私が貴女の傍におります」

「・・・」

「姉さんも、田中さんも、晴明さんも・・・スクナさんも。100年後も200年後も、きっとマスターの傍におります。私達が、マスターを独りにはさせません」

「・・・茶々丸・・・」

「だからどうか・・・悲しまないで」

「・・・ふん」

 

 

やはり飲み過ぎたようだな、らしくも無いことを言ってしまった。

だけど・・・ふん、寂しいなどは言わん。

言わん、よ・・・。

 

 

・・・いつか私に、誰かが用意した終わり()が来るのなら。

その時は・・・。

 

 

その時は・・・きっと・・・。

 

 

 

 

 

Side アリア

 

端的に言えば、フェイトはとても優しかった、と、思います。

他の男の人に身を任せたことが無いので、比較はできませんが・・・。

とにかく、優しかった、と思います。

 

 

途中までは、何と言うか、慣れない感覚に戸惑いもしましたが。

でも、嫌だったりはしなかったので・・・。

・・・服を全部脱がされた時は、恥ずかしくて別の意味で逃げ出したくなりましたけど。

でも、何とか逃げ出したりはせずに済みましたし・・・。

それに、少しは、その・・・。

 

 

いっぱいキスをして、たくさん抱き締め合って・・・指を絡めて、手を繋いで。

愛していて、愛されていて、髪を撫で合って、甘い言葉を交わし合って。

とても、幸福で・・・愛おしくて。

そして、たぶん、お互いに何かを堪え切れなくなった時。

かすかに薫る甘い匂いと、滑らかなシーツの感触を背中に感じる中で・・・。

 

 

 

      フェイトと、繋がりました。

 

 

 

・・・そこからは、悲鳴を上げることしかできませんでした。

想像していたような、素敵なだけのコトでは無くて。

かすかな甘さと、そしてそれを上回る激しい痛みに、悲鳴を上げるしかできませんでした。

正直、それからのコトは良く覚えて無いです・・・。

 

 

ただ、やっぱりフェイトは優しかったと言うことと・・・。

その優しさに甘えて、途中でやめたくは無かったと言うことは、覚えています。

早く終わってと思ったことはあっても、嫌だともやめてとも、思いませんでしたから。

フェイトの背中に爪を立てて、悲鳴を上げて、泣いて・・・後はそればかりでした。

後は・・・触れ合った温もりと、熱の感触だけ。

 

 

 

髪を撫でられる度に、安らかになって。

 

指を絡めて、互いの手を強く握り合う度に、縋り付きたくなって。

 

抱き締め合う力を強める度に、心が奪われて。

 

唇を奪われてキスをする度に、夢中で応えて。

 

好きですと叫ぶ度に、どうしようも無くなって。

 

愛してると囁かれる度に、堪らなくなって。

 

肌が擦れ合う度に、幸せになって。

 

名前を呼ばずにはいられなくて、名前を呼んで欲しくて。

 

そして最後に、強く・・・本当に強く抱き締められて、深く繋がった時。

・・・身体から、力が抜けました。

 

 

 

「・・・頑張ったね、ありがとう」

「・・・」

 

 

終わった(らしい)時、フェイトが私の頭を撫でて、耳元で何かを囁いてくれましたが・・・。

正直な所、聞こえていませんでした。

ただ、優しい言葉をかけられたらしいことはわかったので、できれば笑顔を見せたかったのですが。

 

 

・・・もう、本当に疲れ果ててしまっていて。

私はそのまま、眠ってしまいました。

 

 

・・・フェイト・・・。

 

 

 

 

 

Side フェイト

 

・・・コトが済んだ後、ほとんどそのまま眠ってしまったアリアの寝顔を、僕は見つめている。

僕は疲労を感じないし、休み必要も無いからね。

だけど、どうしてか・・・今日は「眠りたい」と思える日だった。

 

 

そしてそれ以上に、隣で眠るアリアを見つめていたいと・・・そう、思えた。

すぅすぅ・・・と、可愛らしい寝息を立てて眠るアリアが、何故かこれまで以上に美しく見えたから。

 

 

お互いに何も身に着けていない、生まれたままの姿で、シーツにくるまっている。

僕の左腕を枕にするように、そして僕に抱きつくような形で眠るアリア。

彼女の額に指を伸ばして、汗で張り付いた前髪を、そっと外す。

疲れきっている、それでいてどこか満足気なアリアの顔を見ると、妙な気持ちになる。

 

 

 

・・・「痛い」と、「待って」。

 

 

 

それが、アリアが一番多く口にした言葉だった。

痛みを訴える度に中断しようとしたけれど、アリアは僕を待たせることはあっても、やめさせようとはしなかった。

 

 

だから、最後まで続けた。

以前のように、退くことで彼女を傷つけたくなかったから。

正しい判断だったのかは、わからない。

だけど、間違ってはいない・・・と、思う。

 

 

掌は今でも、さっきまで触れていた彼女の滑らかな肌触りを覚えているし。

唇は今でも、何度も重ねた唇の感触と熱さを覚えている。

そして僕の身体は、触れ合った肌の温もりを覚えている。

 

 

それでも、痛みを訴えて泣いて、悲鳴を上げる彼女を見るのは何故か辛くて。

僕はただ、唇と指先で彼女の涙を拭って、彼女の髪を撫でて、抱き締めて、手を繋いで、キスをして・・・。

愛してると囁くことしか、できなかった。

縋り付いて来る彼女が背中に爪を立てても、それに耐えるしかなかった。

他に、できることが無かったから。

 

 

「・・・ぅ・・・?」

 

 

何時間かした後、アリアが目を覚ました。

時計を見れば、いつも彼女が起きる時間で・・・生体時計と言う奴かな。

 

 

とは言え、流石に疲れが抜け切っていないのか・・・どこか、ぼうっとしている。

それでも気だるげに身体を起こそうとして、不意に身体を固くした。

もぞ・・・と、シーツの中で彼女がかすかに身体を丸めるのがわかった。

シーツよりも白い彼女の肌が、かすかに露になる。

 

 

「・・・いたぃ・・・」

「・・・ごめん」

 

 

身体の使い慣れていない部分を使ったためか、違和感があるらしかった。

左腕で彼女の頭を抱き寄せて、労るように額に口付け、右手で髪を撫でる。

アリアは目を細めて・・・再び、目を閉じた。

 

 

「・・・今、何時ですか・・・?」

「まだ6時だよ、あと3時間は寝ていられる」

「・・・そ、ぅ・・・」

 

 

そのまま、アリアは再び規則正しい寝息を立て始めた。

それから僕は、時間が来るまで・・・ずっと、アリアの頭を撫でていた。

 

 

・・・アリア・・・。

 

 

 

 

 

Side 茶々丸

 

マスターを起こした後、私はアリアさんを起こしに参ります。

マスターは二日酔いなどなさる方ではありませんので、そこは有難く思っております。

万が一なっても、頭を叩き割って再生すれば治るなどと恐ろしいことを申されておりましたが。

・・・アレは、冗談だったのでしょうか。

 

 

「田中さん」

「何デショウ」

 

 

ガション、ガションと田中Ⅱ世(セコーンド)を背後に従えて歩きつつ、私は弟である彼に注意します。

・・・それは、初夜を終えた新婚夫婦に言いたいかもしれませんが、けして言ってはならない台詞。

 

 

「間違っても、昨夜はお楽しみでしたね、などと申されてはいけません」

「何故デスカ」

「逆に聞きますが、問い返したと言うことは言いたかったのですか?」

 

 

・・・返答が返って来ませんでした。

まぁ、確かにお約束ではありますが・・・。

私共々、ハカセに看てもらった方が良いのかもしれません。

 

 

と、まぁ、そんな冗談を弟と交わしつつ(本気だったら問題です)、アリアさんの寝室へ。

・・・いえ、もはやアリアさんとフェイトさんの寝室、ですね。

お二人の寝室の前に、到着いたしました。

時刻は、午前8時55分27秒。

・・・いきなり、ノックするような野暮なことは致しません。

 

 

「・・・言い忘れておりましたが、田中さん」

「何デショウ」

「今から1時間ほどの映像を記録することを禁止します」

「何故デショウ」

「おそらくですが、アリアさんが記録してほしく無い場面が多々、出てくるかと思いますので」

 

 

などと会話を交わしつつ、室内をサーチ。

・・・生命反応、2。

寝室最奥、ベッドにおられます。

・・・ジャスミンのアロマは、功を奏したでしょうか。

いろいろとおありでしょうから、まずはお風呂に・・・。

 

 

「ちなみに、私は記録しますので」

 

 

扉の向こうで、おそらくはアリアさんと思われる人間が、起きそうになっているのがわかります。

軽く揺り動かして起こそうとしているのは、フェイトさんでしょうか。

・・・万が一の場合は、肉体的・精神的なケアを試みなければならないのですが・・・。

 

 

『・・・きゃああああああああっ!?』

 

 

・・・寝室から、甲高い声が聞こえました。

どうやら、アリアさんが目を覚まされたようです。

それは良いのですが・・・。

 

 

『ちょ、どうしてフェイトがここに・・・って、きゃああああああああっ、服っ、どうして私、服着て無い・・・って、フェイトも何で服・・・きゃあああああああああああああああっ!!』

 

 

・・・落ち着きましょう、アリアさん。

その方は、貴女の旦那さまですから・・・。

 

 

「何だ、どうした!?」

「女王陛下のお声がしたぞ!?」

「何だって!? 女王陛下が助けを求めている!?」

「すぐにお助けせねば!?」

 

 

・・・半径50m圏内には、誰もいなかったはずなのですが。

どこからともなく、ワラワラと兵が・・・ああ、親衛隊ですか。

寝室の近くなので、女性兵ばかりですが。

 

 

「むぅっ、しかし茶々丸様が入り口前におりますぞ!?」

「何と、茶々丸様にもどうにもできない事態!?」

「茶々丸様がやられた!?」

「敵は手錬れだと!?」

 

 

・・・やられてません。

と言うか、何でも無い事態を大事にするのはやめてください。

荷電粒子砲ブチ込みますよ?

 

 

 

 

 

Side アリア

 

魔法世界国際観艦式。

簡単に言えば、軍用艦艇での軍事パレードのような物です。

それも、魔法世界中の国家が参加する大規模な。

 

 

観閲を受ける艦艇が停泊している間を観閲艦艇が航行する停泊方式と観閲を受ける艦艇も一緒に航行する移動方式の2種がありますが、多国間で行う場合は停泊方式が一般的です。

艦艇を動かさない方が多国間での調整がしやすいからと言う理由と、移動方式は長い訓練を積んだ艦艇で無いと危険と言う理由があります。

 

 

「それではこれより、観閲を開始させて頂きます」

「よろしくお願い致します」

 

 

艦長の言葉に頷きを返し、観艦式が開始されます。

私達が乗り込んでいる観閲艦艇は、白銀の総旗艦『ブリュンヒルデ』では無く、「イヴィオン」統合艦隊第一艦隊所属の新鋭高速戦艦、『アマテル』です。

この新型の精霊炉を搭載した次世代艦艇に乗って、各国の艦艇を観閲します。

参加艦艇は、王国、帝国、アリアドネー、「イヴィオン」加盟国、その他小国を含む11ヵ国70隻。

 

 

『アマテル』に乗り込んでいるのはもちろん、私やフェイトだけではありません。

帝国のテオドラ陛下やアリアドネーのセラス総長などの各国の要人や、クルトおじ様などの王国要人もおります。

皆で甲板に立って、観閲を受ける艦艇を見つめています。

・・・まぁ、形式と言う物ですね。

とは言え、これはこれで立派な外交戦略になりますから。

 

 

観艦式自体は、2時間ほどでつつがなく終了しました。

この後、昼食込みの多国間会合を行うわけなのですが・・・。

 

 

「女王陛下――――――ッ!」

「アリア様――――――ッ!」

 

 

・・・空港からの移動の際、未だにお祭り騒ぎの民の皆さんに声をかけられたり。

前々から思ってましたけど、お祭り好きな国民性ですよね。

まぁ、楽しくて良いですけど。

 

 

「あはは・・・相変わらず、楽しい人達ですね」

「・・・そうだね」

「・・・まだ、怒ってます?」

「別に・・・」

 

 

同じ車両の中、隣に座るフェイトの返事は、どこかそっけないです。

・・・あー、やっぱり、今朝のアレが不味かったですかね。

変態とかえっちとか、いろいろ言っちゃいましたからねー・・・。

・・・でも、ちゃんと謝ったじゃないですかー。

 

 

「・・・体調は?」

「え・・・あ、はい・・・大丈夫、です」

「そう」

 

 

まぁ、まだ少し違和感があると言えば、あるのですけど。

痛いと言うよりは、ぎこちない感じの。

でも・・・。

 

 

「うふふ・・・」

「・・・何?」

「何でも無いです」

 

 

ちゃんと気遣ってくれる優しいフェイトが、好きです。

昨日は、いろいろと大変でしたけど・・・。

でも、これからもずっと一緒にいられると思うと、嬉しさの方が勝ってしまいます。

 

 

フェイトさんだけじゃなくて、皆も。

エヴァさん達、お母様達、王国の皆に・・・今は会えない人達も。

皆、一緒。

それがとても、嬉しい。

そしてこの嬉しさを、フェイトも感じてくれていれば、もっと嬉しいです。

 

 

「フェイト」

「・・・何?」

「私、幸せです」

「・・・そう。それは、良かったよ」

 

 

・・・幸せを感じられて、良かった。

幸せを掴めて、良かった・・・。

 

 

・・・姉様。

シンシア姉様・・・。

私、幸せです。

言葉にできないくらい、幸せです。

 

 

でも、できれば周りの人達にも、幸せでいてほしいなと思います。

だから・・・もう少し、頑張ろうと思います。

皆で、幸せすぎて困るって、言えるくらいに・・・。

 

 

だから、どうか見守っていてくださいね。

シンシア姉様――――――――。

 

 

 

 

アリアは、結構、がんばります。

 




今回初登場のアイテム・イベント案などは以下の通りです。
・国際観艦式:伸様提案。
・エキュルラット・サンティユモン:黒鷹様提案。
ありがとうございます!


アリア:
アリアです。
・・・長かったようで、短かったような。
そんな、旅でした。

皆様のご声援のおかげで、ここまで来れました。
皆様のご助力のおかげで、ここまで来ることができました。
皆様のおかげで・・・辿り着くことが、できました。

作者になり代わりまして、御礼申し上げます。

本当に・・・本当に、ありがとうございます。
あえて過去形は、使いません。

たくさんの感謝と、いっぱいのお礼の気持ちを。
本編・・・この世界の方々は、今後も続きますが。
物語としての私達は、本筋としては、ここまでです。
後は、続いて行くばかり。
繋がって行く・・・ばかりです。

それでは・・・言葉を重ねれば万に届きますが。
これで、お別れです。
皆様。

ありがとう・・・ございます!
それでは・・・また、お会いしましょう!

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