魔法世界興国物語~白き髪のアリア~   作:竜華零

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アフターストーリー第10話「オスティア犯科帳・後編」

新旧オスティアは、浮き島の上に都市を築くと言う魔法世界でも特異な地である。

「宮殿都市(フロートテンプル)」建設の進む旧オスティアや宰相府が佇立する新オスティアも、都市としての構造は同じである。

都市を抱えた壮大な群島は「千塔の都」と呼ばれ、毎年多くの観光客が訪れている。

しかしそれは、いわゆる「地上部」のみの話である。

 

 

新オスティアの内部、いわゆる「地下部」には各種倉庫、地下シェルター、軍用ドックなどが存在する。

そしてもう一つ、見逃せない物が存在する。

いわゆる、「脱出路」と言うべきものである。

 

 

「この脱出用の秘密港の存在を知るのは、ごく一部の限られた者だけだ」

 

 

夜半、その秘密の「脱出路」を抜けて小さな地下の港に姿を現したのは、イスメーネ伯エルメストと言う名の男と、ハンナと言う金髪の侍女の2人だった。

貴族と侍女、特に珍しい組み合わせでは無いが、場所は異質だった。

岩をくり抜いただけの港には3隻の旧式小型鯨が魔法的に封印処置が施されており、港の出口と思わしく空間の先には、白い雲海が広がっているのが見える。

 

 

「・・・1隻は故障しているようです、伯爵様」

「魔法が失われたために、封印処理に不具合が生じたのだろう」

 

 

初老と言うべき年齢に達しているエルメストは、髪と同じ色の白い口髭を指で撫でながら、故障した船を傷ましそうな視線で見つめた。

小柄ではあるが肥満体でも無い身体には、青い宮廷衣装のような服を纏っている。

この秘密の脱出路を作ったのは150年前の彼の先祖であり、先々代のオスティア王が崩御してからは彼しか知らない港である。

 

 

「よもや、私がそれを使うことになろうとは・・・」

 

 

魔法が失われて5年、いずれは他の2隻も失われるのであろう。

もっとも、その内の1隻は今、彼が使用するのであるが・・・。

元々、エルメストが新オスティアを訪問したのはアリア女王、アリカ先代女王に拝謁するためである。

それが今こうして、タイミング悪く粛清対象として追われることになっている。

 

 

「まぁ、良い。領地に戻れば何とでもなる、行くぞ、ハンナ」

「かしこまりました、伯爵様」

 

 

従順に頷く侍女を視界に収めつつ、エルメストは壊れていない小型鯨の1隻に向かう。

ここから新オスティア周辺の雲海に紛れて軍の監視網を抜け、領地まで戻る。

そして隣接するパルティア連邦内の大部族と共謀して捲土重来を図る。

それが、エルメストの考えで・・・。

 

 

「伯爵様!」

 

 

ハンナは鋭く叫ぶと、主君を引き倒して覆いかぶさった。

訓練された動きであり、事実、その行動は直後の惨事からエルメストを守った。

 

 

次の瞬間、エルメストが向かおうとした1隻の船が、巨大な炎の剣によって斬り裂かれてしまったのだ。

直後、爆発。

主君を庇った侍女の背中を覆う布地が焼け、白い肌に軽い火傷を刻む。

痛みに顔を顰めながらも、ハンナは背後を振り向いた。

燃える船体の中から、人間の気配を感じたからである。

 

 

「・・・お、お前は・・・」

「・・・一応、名乗るけれど」

 

 

狼狽したエルメストの声に答えたのは、対照的な冷たい声。

冷たいと言うより、無関心ともとれる。

所々飛び跳ねている白髪に、苛立ったような色を覗かせる無機質な瞳。

その肩腕には、炎の大剣。

 

 

「女王直属近衛騎士、4(クゥァルトゥム)・アーウェルンクス」

「女王直属・・・やはり、銀髪の小娘に知れていたのか! だが、何故ここがわかった!?」

「キミの頭が古いんだろうさ」

 

 

無関心に答えて、4(クゥァルトゥム)は炎の大剣を消した。

背後の小型鯨は、未だ燃えているが。

不意に、その炎が揺れた。

 

 

「―――――見つけたわよ」

 

 

そしてもう一人。

白髪の少年とは反対側、すなわちエルメストとハンナがこの港に入った、いわば入り口側に。

炎を体現したかのような少女が、そこにいた。

 

 

 

 

 

Side クルト

 

アリア様が即位されて、そして私が王国宰相となって5年。

総督期間も合わせれば、10年以上。

まぁ、普通・・・調べますよね、島内を隅々まで。

 

 

「まぁ、旧態依然とした貴族らしいと言えば、らしいですが」

 

 

嘲弄するように・・・そして事実として嘲弄しながら、私は呟きました。

内閣公安調査室は元々は、私が総督時代に独立派の若者を中心にして集めた、ウェスペルタティア人の地下組織です。

主に新オスティア内部構造を調査して・・・今ではその情報を基に、政治警察として機能しております。

 

 

なので女王アリカ以前に貴族が作った脱出路など、だいぶ前から知っています。

王族の脱出経路でもあるので、それなりの数がありましたがね。

・・・放っておいたら引っかかるバカもいるかと思っておりましたが、本当にかかる物ですね。

貴族も全てが愚鈍なわけではありませんし、イスメーネ伯爵も領地経営においてはそれなりの手腕を持っているのですが・・・密貿易を中央に隠し、かつ先々代のオスティア王以降の王位継承を認めていないと言う点を表だって表明しないと言う点でね。

 

 

『いつでも対象を捕縛できますが・・・』

 

 

地下部の秘密港を映し出しているスクリーンの脇に映った赤に近い金髪の謹厳な顔つきをした50代前半の男性が、報告と言うより要請に近い声音で告げました。

ラインハルト・シェア中佐、オスティア崩落以後は帝国で傭兵生活を送っておりましたが、先の独立紛争以来、自らの傭兵団ごと王国軍に帰参した士官です。

このような秘密作戦おいて、手腕を発揮するタイプの軍人です。

 

 

『エミリーをやった・・・金髪の女!』

 

 

そんな彼の率いる少数の部隊が持つ撮影機材に、ココロウァさんが映っています。

そして、4番目のアーウェルンクスも一緒に。

さっきまでは全ては私の掌の上ですよアハハハ・・・な状態だったのですが、イレギュラーですね。

どう処理しましょう。

 

 

まぁ、起きてしまったことは仕方がありません。

とりあえず、王国の黒幕としてはこれも予定通りの物として使・・・。

・・・ふむ。

 

 

『どうしますか、宰相閣下』

「そのまま待機してください」

『は、しかし・・・』

「ここは、陛下直属の近衛騎士(クゥァルトゥム)に任せるのです。部隊は一時待機」

『・・・了解しました』

 

 

・・・4番目のアーウェルンクスとココロウァさんの存在は、使えます。

特に、4番目のアーウェルンクスの性格はね。

使える物は何でも使いますよ、もったいありませんからね。

それにアレです、詠春には貸しをいくつ作っておいても損では無いでしょうから、くふふふ・・・。

 

 

 

 

 

Side ハンナ

 

私が伯爵様に拾われたのは、5年前のウェスペルタティア内乱の時です。

私だけでは無く、伯爵様は多くの戦災孤児を領地に引き取っています。

私にとっては、第二の父のような方です。

 

 

「ハンナ、私が残りの1隻で脱出するまで時間を稼ぎなさい」

「・・・はい」

 

 

だから、迷うことはありません。

だから、辛いこともありません。

侍女(メイド)服のエプロンの中に両手を入れ、そこから小さな箱を取り出して投げます。

・・・王宮侍女に支給される簡易版『檻箱(スピリトゥス・ディシピュラ)』。

 

 

王宮侍従隊は、親衛隊や近衛騎士団、王国傭兵隊に続く第四の王室護衛の任務を持つ部隊。

近衛騎士団や親衛隊の華やかさに隠れてほとんどの人間は見逃していますが、常に王室のお世話をする侍女こそ、武力が必要です。

だからこそ、王宮侍女にはある程度の武器が支給されます。

もっとも、要人のみが持てる限定版『檻箱(スピリトゥス・ディシピュラ)』と異なり、この魔法収納箱に入っているのはただの花火や閃光弾レベルの物でしかありませんが。

 

 

「む・・・」

 

 

クゥァルトゥム・アーウェルンクスの足下に落ちたそれが開き、閃光を放って彼を包み込みます。

その間に、伯爵様は無事な1隻に向かって駆けて行きます。

当然、私は行きません。

私はここで、伯爵様が逃げる時間を稼がなければなりませんから。

 

 

「な・・・」

 

 

もう一人の赤い髪の小娘も、当然、伯爵様を追うものと思っておりました。

だからこそ、もう一つの箱は伯爵様と小娘の間に向けて投げたのですが。

小娘は、迷うことなく。

 

 

「ハンナ・イスメルぅ―――――っ!!」

「・・・っ」

 

 

振り下ろされた拳を、紙一重で避けます。

ヂッ・・・と音を立てて私の頬を掠めた拳が、頬に火傷を刻みます。

かわしたはずなのに、火傷を負う。

拳に、炎を纏わせている・・・支援魔道機械(デバイス)も無しに!

 

 

パンッ・・・と、右手の甲で相手の拳を押さえ、左手で腕を掴み、振り回すようにして小娘の身体を投げる。

小娘はそこで生まれる遠心力を逆用して受け流し、投げられながら空中で身体を曲げて、足を私の身体に絡めた。

ジュッ・・・と音を立てて、今度は腹を焼かれる。

 

 

「・・・っ!」

 

 

漏れそうになる悲鳴を噛み殺しつつ、私は小娘から手を離した。

離れる身体、だけど小娘は私に追撃を加えてくる。

拳をかわし、蹴りを避ける。

だけどその度に、彼女の身体に纏わりついた炎が私の身体を焼いて行く。

炎を体現したかのような、赤い少女。

・・・服の両袖からナイフを4本取り出し、2本を投げた。

 

 

「・・・アンタが、エミリーを!」

 

 

あろうことか小娘は、ナイフを避けずに拳で叩き落とした。

両手の甲から、かすかに血が流れるのが見える。

両手を左右に開く格好になった小娘の懐に飛び込み、残りの2本のナイフで斬りかかる。

 

 

「・・・エミリー? 誰ですかそれは!」

「アンタがやった・・・白いオコジョ妖精よ!」

 

 

小娘の頬に切り傷をつくると、私の肩が焼ける。

小娘の衣服の脇腹部分に切り傷を作ると、私の太股が焼ける。

 

 

「私の家族を、よくも!」

 

 

小娘の赤い瞳が、私を射抜きます。

白いオコジョ妖精、工場で身体を開いてやったあのオコジョですか。

そんな物のために、伯爵様の邪魔をしに来たと言うのですか。

 

 

ふつふつと・・・怒りがこみ上げて来ました。

たかが動物一匹のために・・・ペットごときのために、邪魔しに来たのか!

 

 

「そんな余裕のある言葉、聞きたくもありません!」

 

 

ペットを家族と呼べる、恵まれた小娘。

純粋に・・・嫉妬しました。

 

 

 

 

 

Side アーニャ

 

この金髪の女は、官憲の監視網から逃れるために裏通りを使った。

そこは、貧民街(スラム)の人達のテリトリー。

身なりの良い男を連れていれば、なおさら目立つ。

後は・・・エミリーが相手に付けた痕跡を、追ってきただけよ!

 

 

「そんな余裕のある言葉、聞きたくもありません!」

「・・・余裕ですって!?」

 

 

余裕なんて無い。

私の家族を傷つけた相手を前にして・・・余裕なんて、あるわけが無いじゃない!

 

 

「貴女も、あの女王と同じ・・・自分だけが幸福になって、満足している。それを余裕と言わずして何と言うんですか!?」

「余裕・・・?」

「傍で見ていて、わかりました・・・あの女王は、忘れている!」

「何を!」

「見殺しにしたことをです!」

 

 

時間稼ぎだと、わかってる。

本当はしちゃいけないことだって、わかってる。

だけど今、何よりも優先すべきなのは・・・目の前のこの女を、全力でぶん殴ることよ!!

 

 

「5年前・・・旧公国の内乱の時! 女王は王都だけ守って西部の民を守らなかった! 見殺しにして・・・旧西部貴族の連合軍が民衆を引き潰すのを、黙って見ていた!」

 

 

それは、アリアへの弾劾の言葉。

アリア自身が聞いたなら、少しは何かの反応を返したのかもしれない。

ううん、きっと返した。

 

 

「旧西部貴族は粛清されて・・・罪を贖いました。旧公王ネギも、来年には処刑されます! でも、女王だけはのうのうと、幸福に生きている! 後悔もせず、思い出しもせずに!」

 

 

だけど。

私には、関係無い。

それが、どうした。

それが、エミリーを傷つける理由になったと思っているのなら。

大間違いよ・・・!

 

 

「私は許さない。生きている人間は忘れているかもしれませんが、私は忘れない。たとえあの女王がどれだけ多くの民を救おうと、私達を見殺しにした事実を忘れない! 女王や貴女のような、祝福されて生まれてきた、恵まれて生きてきた小娘とは、違うんです!」

 

 

恵まれている?

11年前、お母さんは石にされた。

アリアは、唯一の家族から見捨てられた。

 

 

石化した村の人達を、何時間もかけて一緒に磨いた日々。

私はそれを、覚えてる。

あの時のアリアの顔を、覚えてる。

・・・恵まれているなんて。

 

 

「そんな『余裕のある』言葉・・・聞きたくも無いわ!!」

 

 

叫んで、『アラストール』を使って炎を生みだす。

あの子(アリア)がくれた、親友(アリア)がくれた魔法具(おまもり)。

 

 

「「何も・・・知らないくせに!!」」

 

 

同時に、同じ言葉を放つ。

何も、知らないくせに。

そして。

知りたくも無いと伝え合う言葉を、同時に放つ。

知ってもらうことが、目的では無いから。

 

 

「アンタは私の家族(エミリー)を傷つけた・・・絶対に許さない!」

「ペットを家族と呼べる、恵まれた小娘が!」

 

 

飛び込んで、右足を跳ね上げるようにして蹴りを放つ。

ハンナは後ろに倒れ込むようにしてそれをかわすと、バク転の要領で両足を振り上げる。

・・・ブーツの先から、ナイフが飛び出してきた。

 

 

「・・・っ」

 

 

チッ・・・と首筋を何かが掠める感触。

身体を下げなければ、頸動脈が切れていた。

地面に足をつけたハンナが、肩で体当たり(ショルダータックル)を仕掛けてくる。

お腹に衝撃が走って、私の身体がさらに下がる。

衝撃に逆らわずに、そのまま倒れた。

 

 

そんな私の鼻先を、さらなるナイフが掠める。

見れば、ハンナの服の左腕の袖が破れて、服の下に隠していたらしいナイフ投げの装置(リストバンド)が見えていたわ。

仰向けに倒れた私に、ナイフを逆手に持ったハンナが襲いかかる。

 

 

「ふ、ぅ・・・っ!」

 

 

炎を纏った両手でハンナの手を掴んでナイフを止めると、ハンナが表情を歪めた。

その隙に、ハンナの腹に足の裏を叩き込んで、投げ飛ばす。

東洋で言う所の、巴投げ。

 

 

腹部と背中への衝撃が事の他大きかったのか、動きを鈍らせたハンナ。

追撃。

 

 

まず、右拳で顔を。

次いで、左拳で顔を。

さらに、右足で顔を。

鈍い音を立てて、ハンナが地面に転がる。

まだ、満足できない。

エミリーの痛みは、こんな物じゃ無かったはずよ。

そう思って、さらに・・・。

 

 

グニャリと、視界が歪んだ。

 

 

「・・・!?」

 

 

目眩と吐き気と頭痛と耳鳴り。

それらが同時に襲って来て、思わず地面に膝をついた。

な、何よ・・・これ。

 

 

「・・・やっと、効いてきましたか」

 

 

身体中に火傷を負ったハンナが、緩慢な動作で身体を起こすのが見える。

だけどそれを認識することすら、今の私にはできない。

急激に、意識が遠のいて・・・。

 

 

誰かに、支えられた気がした。

誰・・・?

 

 

 

 

 

Side 4(クゥァルトゥム)

 

・・・ふと視界を巡らせれば、1隻の小型鯨が出航するのが見える。

追おうと思えば終えるけれど、外には艦隊がいる。

別に、僕が追う必要も無い、そう思っただけだよ。

それだけだ。

 

 

「・・・ぁ、んた・・・?」

 

 

僕の腕の中で、勝手に暴走して勝手に死にかけている赤い髪の小娘(アーニャ)が力無く僕を見上げている。

今回の事の発端は、毒だった。

なら、相手の使う武器に毒が仕込まれている可能性があることも、想定しておくべきだと思うけどね。

 

 

「・・・伯爵様は、無事に脱出されたようですね」

 

 

随分と勝手なことを言っていた金髪の女が、急に冷静になった。

さっきまでのアレはこの女(アーニャ)向けの演技だったのか、それとも違うのか。

まぁ、どうでも良いけどね。

 

 

「投降します」

 

 

あっさりと両手を上げて、金髪の女がそんなことを言う。

 

 

「・・・どういうつもりかな」

「伯爵様が逃げられた以上、私が戦う必要は消えました。それに・・・」

「それに?」

「それに私は、女王暗殺の大逆の罪人です。大逆罪を犯した者は、王の目の前で処刑されるのが慣例」

 

 

そしてその場で、さっき喚いていたようなことを女王に向けて言い放つのかな。

それはまた・・・。

 

 

「くだらないね」

 

 

僕が呟くのと同時に、ゴッ、と炎が渦巻く。

当然、僕が生みだした物で・・・女(アーニャ)を抱いた僕を中心に、炎が吹き荒れる。

人目があるからね。

金髪の女も巻き込んで発生した炎の渦が、僕達の姿を外界から隠す。

 

 

次の瞬間、言葉にするのもバカらしい無様な悲鳴が上がった。

 

 

痛みと熱さと苦しさを訴えるそれは、目の前の金髪の女が発した物で。

上げていた両手が、炭になっていた。

プスプスと黒い煙を上げるそれを見ながら・・・金髪の女が泣き声を上げている。

無様だね。

 

 

「何を勘違いしたかは知らないけど、僕は別に女王がどうなろうと知ったことじゃないんだ」

 

 

大逆がどうとか、暗殺がどうとか・・・知ったことじゃない。

人間風情の揉め事に、全く興味は無いよ。

だから事後処理の面倒な投降よりも、処理のしやすい処刑を選ばせてもらおうか。

抵抗されたから殺した、と言うことにしておこう。

背後関係とか、興味無いしね。

 

 

僕の片手に嵌められた赤い3つの指輪が、煌めく。

同時に、任意の場所に炎が生まれる。

任意の場所に。

 

 

「・・・さて、帰ろうか」

 

 

毒が回って気絶した腕の中の女(アーニャ)を見下ろしながら、そう呟く。

・・・キミは。

キミはきっと、あんな無様を晒さないんだろうね。

 

 

いつか、キミを屈服させて・・・僕だけの所有物(モノ)にした時。

キミを・・・。

・・・楽しみだ。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

イスメーネ伯エルメストは新オスティア周辺の雲海を隠れ蓑に、無事に新オスティア駐留艦隊の哨戒網を抜けて脱出した。

少なくとも本人はそう思っていたし、事実として彼の駆る小型鯨に搭載された旧式のレーダーは、周辺に他の艦艇が存在しないことを告げていた。

後は自分の領地に戻り、交流の深いパルティア部族に救援を求めるだけである。

 

 

「ゲーデルめ・・・」

 

 

逃亡劇の高揚感から解放されてしまえば、後に残るのは苦々しい憎悪だけだった。

そもそも彼は、先代のアリカ女王の即位からして認めていなかった。

そもそも、イスメーネ伯爵家は2000年以上の歴史を誇る名家である。

ウェスペルタティア建国の時から王室に忠誠を誓い、初代のイスメーネ伯などはかの初代女王アマテルから直々にお言葉を賜ったこともある、由緒ある血筋なのだ。

 

 

それ故に、先々代のオスティア王がクーデターで当時のアリカ王女に弑逆された時、エルメストは本気で悔やんだ物である。

賢明なるオスティア王を弑逆したアリカ王女が王位を簒奪するや国は滅び、復活したと思えばアリア女王は貴族では無い低俗な輩を国政の中心に据え、あまつさえ長年王室に忠義を尽くしてきた貴族階級を締め上げ、虐待している。

特に女王アリアの代理人として権勢を極めているクルト・ゲーデルなどは、そもそも戦災孤児であり、どこの馬の骨とも知れぬ下賤の身に過ぎない。

王国史上ありうべからざる暴挙である、少なくともエルメストはそう思っている。

 

 

「王国貴族の真髄を見せてやる」

『くふふふ・・・』

 

 

不意に、船内の通信機から笑い声が聞こえた。

 

 

「な・・・誰だ!?」

『いや、失礼。稀に聞くバカ話だった物で・・・いや、さらに失礼』

「な、何だと!?」

 

 

ガクンッ、と船体が揺れる。

一人乗り用の小型鯨の周囲には、未だに艦影は無いと言うのに。

 

 

『パルティアとの密貿易で財を蓄え、戦災孤児を育成し私兵に仕立て上げ、アリカ様、アリア様への不満を溜め込む毎日・・・本当にご苦労様でした』

「貴様・・・ゲーデルか!?」

『由緒ある名家がまたひとつ消える・・・いや、寂しい物ですねぇ』

 

 

欠片も「由緒ある名家」などを信じていない口調で語るのは、クルト・ゲーデル。

音声だけの通信だが、エルメストには確信があった。

そして同時に、この時点での敗北を認めた。

元来、無能な男では無い。

自分が進退極まったことを、悟ったのである。

 

 

「ふ、ふふ・・・よかろう、負けを認めてやろうではないか。だが私は倒れても、パルティアに嫁いでいる私の娘がいずれは貴様らを滅ぼすぞ!」

『ほぅ、死人に滅ぼされる国家とは、寡聞にして初耳ですね』

「死人だと・・・?」

『先日、パルティア政府軍がある部族を殲滅したと聞きましたが・・・さて、どこの部族なのでしょうねぇ』

 

 

その時のエルメストの表情を、どう表現すべきであろうか。

憤怒、絶望、焦虜、諦観・・・それらが入り混じって、一つの顔を形成していた。

 

 

「ぬ・・・だが! ハンナは私を逃がした後、投降するはずだ、そうすれば・・・今、毒を持っているのは貴様なのだ、貴様こそが暗殺犯なのだと証言してくれよう!」

『くふふ・・・いえ、それが抵抗したそうですよ?』

「何だと!?」

『いや、本当に残念です』

 

 

そんなはずが無かった。

ハンナには女王を弾劾し、かつ自分は宰相の命令で動いたと処刑の際に主張すると言う最後の任務があったのである。

それを機に、各地で戦災孤児達を煽り、暴動を頻発させる・・・それが計画だった。

 

 

『まぁ、誰が西部とは反対側に位置する貴方の領地に孤児を運んだのかとか、そもそも旧貴族間の横の連帯の中心人物は誰かとか・・・聞きたいことは山ほどあるのですが・・・まぁ、貴方とは別の捕らえた貴族の口を割らせる方が楽そうですし・・・』

 

 

ガクン、と揺れたのは船か、それともエルメストの身体か。

 

 

「げえぇでるぅうううううううううっっ!!」

『さようなら、イスメーネ伯爵』

 

 

通信が途切れた次の瞬間、全ての計器類が停止した。

エルメストは知らないことだが・・・その船には、燃料が積まれていなかったのである。

 

 

「王国、万歳――――――!!」

 

 

エルメストの今際の言葉は、むしろ滑稽にすら響いた・・・。

 

 

  ◆  ◆  ◆

 

 

Side クルト

 

「・・・という次第でして」

 

 

5月4日の朝の閣議の際、私は過去2日間にわたって行われた国内の粛清について報告しました。

なるべく穏便かつコミカルに伝わるよう配慮したつもりでしたが。

 

 

「・・・おや?」

 

 

それがどうも、あまり伝わらなかった様子ですね。

と言うか、むしろ反感を買ってしまっているような気さえしますね。

何故でしょう、本気でわかりませんねぇ。

 

 

何故ならば私、特に不味いことはしておりませんし。

結果的には、王国の・・・女王陛下の利益を最大限確保したわけですし。

新聞には、国内の不正を一掃して見せたアリア様の統治手腕を褒め称える記事が載っておりますし。

まぁ、一方で拙速な手段だったと私を非難する記事もありますがね、バランスですよ。

憲法が成立してからでは、こうしたことはできませんでしたので・・・良いタイミングでした。

 

 

「・・・まぁ、今さらお前に対して物を言えなくなるような神経の細い奴はここにはいないがな、ゲーデル」

 

 

テーブルに頬杖をつきながら、吸血鬼が目を細めつつ発言しました。

 

 

「だが今回、少々やりすぎな面もあったんじゃないのか? 女王にしか命令権が無い親衛隊員の拘束とかな」

「もちろん、アリア様の勅命によって全ては行われました。もし私の行動に何か問題があると思うなら、女王陛下に直接、訴えかければ良いではありませんか」

 

 

親衛隊は、何でも女王陛下のために存在するとか。

ならば、女王陛下の安全を保証するために拘束されることを拒否することはできないはずです。

彼らは自己の満足のためでは無く女王陛下の満足のために全てを捧げることで、現在の地位を得ているのですから。

これは、王室に関係する全ての人間に対して言えることですがね。

しかしそれでも、女王の権威を傘に着ているように聞こえる私の発言に、また場の温度が下がりますが。

 

 

私の行動の全ては、アリア様とアリカ様のために。

あのお2人が死ねと言うのであればこのクルト、喜んで死にましょう。

自分の利益のために動いたことなどありませんし・・・だからこそ。

表だって私を罷免しろと言う者は少ないわけです。

別に宰相が愛される必要は無く・・・女王陛下と王室が愛されていれば良いのですから

と言うか、好かれようとしたことがありません。

有権者以外には。

 

 

「さて、国内の問題はそれとして・・・本日から行われるアリア様の帝国訪問ですが」

 

 

とはいえ、すでに終わった粛清問題だけが我々の仕事ではありません。

アリア様がヘラス帝国を公式に訪問し、結婚式に参列する間のことも考えねばなりません。

実際、やるべきことは多いのですよ。

粛清によって、王室の領地はさらに増えましたし。

アリア様の勢力が、また増してしまいました・・・いや、実に重畳。

 

 

吸血鬼は今回、アリア様に同行できませんし・・・いや、私だって行きたいのですから、そんな殺人的な視線を撃ち込んでこないでくれませんかね。

宮殿都市(フロートテンプル)や国内の大小の公共事業を統括せねばならないでしょうが。

アリア様がおられない間の公務はアリカ様が代行されますし、外務尚書テオドシウスがいない間は私が外務尚書代理を兼任します。

その他・・・今年の12月に行われる、我が国初の民主的な選挙について。

 

 

 

 

 

Side アーニャ

 

目が覚めた時、そこは知らない天井だった。

その後すぐに、そこがオスティア中央病院の個室で、自分が入院したんだってことを聞いた。

何でも、毒を抜くのにそれなりに時間がかかったとか、一時は本気で危なかったとか、王国軍に保護されていなければ処置が遅れて本気で危なかったとか・・・。

それから・・・。

 

 

「ちょ、おまっ、ふざけんのも大概にせぇやあぁ~~~~っ!?」

 

 

それから、千草さんに物凄く怒られた。

それは公的な物も私的な物もたくさんあったけど、要約すると心配させるなってことらしかった。

素直に、申し訳ないと思った。

 

 

特に、私がこんなになっちゃった(毒をもらって入院とか)から、千草さんが旧世界連合代表としてヘラス帝国に行かなくちゃならなくなったこととか。

私が倒れた場所が場所だったから、探しに来た小太郎君が途方に暮れてたとか。

あと、メルディアナにどう説明すれば良いのかとか・・・ことは高度に政治的な問題も孕んでるとか。

・・・うん、私、かなりヤバいことしちゃってたのね・・・今さらだけど。

 

 

「とにかく、安静にしときや! これ以上のゴタゴタは本当に勘弁やえ!!」

 

 

怒ってるんだか心配してるんだかわからない口調で、千草さんが出て行った。

これから空港に行かなくちゃいけないんだって。

・・・本当に、悪いことしちゃった。

しちゃったとか、そう言う軽いレベルじゃないけど。

後で、お母さんとかにも怒られるんだろうな・・・。

 

 

・・・クビかな、コレ。

ふぅ・・・と溜息を吐いて、病室の窓の外に視線を投げる。

ここは3階で、木と一緒に空が見える・・・。

 

 

「・・・エミリー、大丈夫かしら」

 

 

使い魔契約のリンクは切れていないから、大丈夫だとは思うけど。

だけど、とても細々とした物だから・・・凄く心配。

怪我、酷かった物ね・・・早く退院して、お見舞いに行かなくちゃ。

早く、良くなって・・・それで。

・・・今、外ってどう言うことになってるのかしら。

ここ、新聞とか置いてあるのかしらね。

 

 

―――――カタン・・・。

 

 

その時、不意に窓とは反対側―――つまりは、病室の扉側―――から控え目と言うには、やけにはっきりと聞こえる音が響いた。

とどのつまりは隠すつもりが無い、そんな音。

振り向いてみれば・・・。

 

 

「・・・何よ」

「別に・・・」

 

 

そこにいたのは、白い髪の男の子。

いつもいつでも、不機嫌そうな顔をした・・・男の子。

 

 

 

 

 

Side 暦

 

久しぶりに浴びた太陽の光に、私は目を細めた。

釈放されたのは昨日だけど、結局いろいろと事務処理とかでアレだったし。

まぁ、記録に残らないのは助かるけどさー。

 

 

「でもいきなり、フェイト様の随行で帝国まで行けってのはキツいわね」

「じゃあ、休む?」

「休むわけ無いでしょ!? 私はフェイト様の行く所ならどこでも行くわよ!?」

「・・・ストーカー?」

「違うわよ!?」

 

 

ちょっと会わない間に、環がとんでも無い誤解をしてた。

いや、実際、休暇あげるけどって普通にフェイト様に言われたけど!

でもそんなこと言われたら、意地でもついて行くのがお付きの侍女ってモンでしょ。

大体、急に休暇貰ったってやること無いし・・・。

それに、帝国にちゃんと行くのは初めてだし、少しは興味があるしね。

 

 

「まぁ、何にせよ特に酷いことはされなかったみたいですし、良かったですわね」

「う、うん・・・でもさ栞、どうして焔をはがい締めにしてるの?」

「ぎ、ぎぶ・・・ぎぶだってしお・・・!」

「うふふ、こうしないと焔ったら、アーニャさんの所に行くでしょう?」

 

 

いや・・・でも焔、顔が紫色なんだけど。

まさに、部族最後の生き残りになっちゃいそうなんだけど・・・。

・・・あれ?

 

 

「調は?」

「休暇を取って、故郷に戻りましたわ」

「故郷・・・パルティアに?」

「ええ」

 

 

・・・何で、急に?

お姉さんがいる栞以外は、パルティアに戻ることなんて無かったのに。

 

 

「・・・調の家族、見つかったって」

「え・・・でも、調の家族って、確か」

 

 

私や焔の部族とかは、他の部族との紛争で全滅してる。

調の部族は、殺されはしなかったけど・・・。

 

 

「角を取られて、奴隷にされてた」

「それが、最近のパルティアの政変でいくつかの部族が滅んで・・・そこで奴隷として捕らわれていたのが、保護されたらしいんですの」

「・・・そうだったんだ」

 

 

そう、なんだ。

でも・・・ううん、これは調の問題だから。

相談でもされない限りは、私達は何もできないし、何をしてもいけないと思う。

私達にとっては、部族の話はそう言う(デリケートな)物だから。

 

 

「・・・とにかく! 一人欠員だけど・・・フェイトガールズ、今度は帝国に行くわよ!」

「・・・その公称、いい加減にやめて貰えないでしょうか・・・」

「私達、もう良い年・・・」

「あ、アーニャにも、言われたぞ・・・っ」

 

 

・・・いや、だってこれが本当に公式名称なんだから、仕方が無いじゃない。

でも正直、そろそろ私も辛いかな~って思うんだけど・・・。

女王陛下、新しい名称とか、考えてくれないかな・・・。

 

 

 

 

 

Side アリア

 

・・・結果だけを述べてしまえば。

イスメーネ伯爵家を含む3つの貴族の家が共謀して私やお母様の暗殺を図った。

と、言うことで話が落ち着きました。

3つの家は取り潰しが確定、それぞれの領地には艦隊が派遣されて即日制圧。

 

 

もちろん、話がそれだけかと言うと、表ざたにはできないことがいくつもありますが。

例えば、隣国であるパルティア連邦の一部族が関係していたとか。

旧世界のメルディアナ特使が巻き込まれて(むしろ自分から首を突っ込んで)いたとか。

・・・どれもデリケートな問題なので、まだ公表できませんが。

 

 

「・・・アリアさん、そろそろ・・・」

「・・・はい」

 

 

茶々丸さんが耳元で囁き、私は時間が来たことを悟ります。

今の私の目の前には、多くのジャーナリズムの関係者が詰め掛けていて・・・ここは新オスティア国際空港の一室に設営された会見場なのです。

ヘラス帝国への出立に先立ち、会見を行っていたのです。

 

 

まぁ、話題は大体がクルトおじ様の粛清問題と、帝国での婚礼についての物ですが。

宰相府の方から言い含められているのかはわかりませんが、特にフェイトとのことは・・・。

世継ぎ・・・つまり、子供のこととか。

聞かれても、どうとも言えませんけどね。

 

 

「それでは、会見を終了させて頂きます!」

 

 

広報官の宣言で、会見は終了。

私は2言3言、お別れの言葉を述べて・・・フェイトと連れ立って、会見場を後にします。

後には茶々丸さんと田中Ⅱ世(セコーンド)を含む侍従団と護衛の近衛・親衛隊などが続きます。

まぁ、そうは言ってもそれほど大仰な団体を連れてはいけませんので。

 

 

私やフェイト、茶々丸さんなどが乗る戦艦『ブリュンヒルデ』を含めて、巡航艦2隻、駆逐艦8隻の11隻の艦艇で構成される護衛小艦隊が全てです。

艦艇は女王親衛艦隊所属の者に限りますが、レミーナ元帥は同行しません。

あんまり、帝国の方々を刺激するわけにもいきませんので。

何でも、帝国側は軍部関係でゴタついているとか・・・。

 

 

「・・・大丈夫?」

「はい」

 

 

どことなく心配そうなフェイトの声に、私は苦笑します。

そんなに心配しなくとも、ちゃんと仕事はできますよ。

多少、微熱が続いていても、多少、体調が優れなくても・・・。

仕事してれば、治りますので。

それに船の中では、特にすることもありませんし、休めますよ。

 

 

だから、あんなに連れてくることは無いのに。

そう思って後ろを見れば、私についてくる団体の中に白衣を着た人々がいることに気付きます。

総勢15名の、侍医団。

要するに、王室専用のお医者さんや看護士さん達です。

この場合、私のためだけに用意されたわけですけど・・・フェイト、お医者さんいらないですし。

大げさです、クルトおじ様。

 

 

「帝国の結婚式は、初めてですね。フェイトは?」

「王族の物は、僕も初めてだね」

「そうですか・・・」

 

 

まぁ、お仕事とは言え楽しみです。

帝国の、結婚式。

楽しみですね。

 

 

「ジャック・ラカンの結婚式か・・・」

 

 

・・・何故か、フェイトが遠い目をしてました。

 




新登場キャラ:
ラインハルト・シェア:伸様提供・オリキャラ。
ありがとうございます。

ウェスペルタティア王国宰相府広報部王室専門室・第10回広報

アーシェ:
はーい、アーシェです、この広報も10回目!
マンネリを避けるために、新たなコーナーを作ってみることにしました。
ずばり、読者投稿オリキャラを紹介しよう!・・・です!
この物語の弱点(長所でもありますが)の一つには、オリキャラが多くて把握が難しいと言うのがあると思うんです。
そこで、後書きで私が特別記事を設けて、紹介していこうと言うコーナーです。
と言うわけで・・・最初は、私についてです!


アーシェ・フォーメリア(フィー様提案)
年齢:現在、20代後半(まだ30じゃないよ! ここ重要!)
性別:女 種族:人間
身体特徴:
金髪碧眼で小柄な体格、十人並みの容姿。
魔法世界の標準的な女性だね、標準でも凄い人は凄いけど・・・。

性格:
よく言えば明るく、悪く言えば軽い。
映像を撮るのが趣味と言うか生きがい、だけど実は人物より風景が好きなの。
人も動物も、風景の一部さ。
休暇をとっては秘境巡り、たまに死にかけます。
魔法があった時代には、転移などの移動系が大得意だったよ。
今は女王陛下のはからいで、転移装置の優先使用権と移動用のデバイスを貸与されてます。

略歴:
オスティア生まれ。オスティア崩壊の時に親とはぐれ孤児になった。
その後、いろいろあって旧オストラ伯領に一時ご厄介に。
運良く教育支援を受けれて、アリアドネーに入学。
そこで映像と言う運命と出会ったわけ・・・懐かしいなぁ。
卒業後は新オスティアの駐留警備隊に就職して・・・今はウェスペルタティア王国宰相府広報部王室専門室副室長兼撮影班ブラボー4。
王家とか難しいことはアレだけど、オスティアの復興は本当に嬉しい。


・・・ふぅっ、後はプライベートな個人情報だから、勘弁ね!
こんな感じで、今後はオリキャラ設定をちょくちょく公開していこうと思います。
こうすることで、投稿キャラクターへの理解が深まってくれれば、もっと楽しくなる・・・と、良いな?


では、次回は・・・おわかり? ですよねー。
帝国ウェディング編、いきまーす!

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