魔法世界興国物語~白き髪のアリア~   作:竜華零

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今回、オリジナル要素が入ります。ご注意ください。
・・・今さらな気もしますが・・・。
では、どうぞ。



第7話「王家の儀式」

Side アリア

 

「王家の儀式?」

「さようです、アリア様」

 

 

何がそんなに嬉しいのかは知りませんが、クルトおじ様はニコニコとその「王家の儀式」とやらについて、私に説明を始めました。

 

 

ここは、新オスティア駐留警備艦隊総旗艦『ブリュンヒルデ』の中に用意された私の私室です。

執務室や会議室を使わないのは、クルトおじ様の話が王室限定の話であることもありますが・・・。

何よりも、エヴァさん達の存在があるのでは無いかと思います。

つまり、その、こう言う言い方は嫌いですが・・・この艦内における肩書きが、その・・・無いので。

私的空間であるこの部屋でなければ、話ができないのでしょう。

 

 

スクナさんやさよさんは新オスティアに先に行っていますし。

ウィル君はアレテさん達と一緒に、オストラに残っています。

 

 

「王家の儀式と言うのは、もちろん私にも具体的な内容はわかりかねますが・・・廃都オスティアの神殿内に赴き、その最奥にて祈りを捧げる・・・と、伝え聞いております」

「はん、半端な知識だな」

「神殿内に入れるのは王家の血を引く者のみなので、アリア様だけが奥に進めます。まぁ、昔から王に地位を約束するのは民か神と申しますので、神様でもいるのかもしれませんね」

 

 

・・・今、クルトおじ様は意図的にエヴァさんを無視しました。

エヴァさんがかなりの殺気を込めてクルトおじ様を見ていますが、おじ様は素知らぬ顔です。

 

 

「それはそれとして、薫り高き銘茶と名高いオスティアンティーなどいかがですか? アリア様」

「本日のお茶は、旧世界より持ち込んだフォートナム・アンド・メイソンのダージリンです」

「・・・あ、ありがとうございます、茶々丸さん」

 

 

茶々丸さんが部屋に備え付けられているティーセットに紅茶を入れて、私とエヴァさんの手元にカップを置いてくれました。

カップが無いのは、飲めない田中さんとチャチャゼロさん、晴明さん(睡眠中)、そしてクルトおじ様。

・・・こ、これは、茶々丸さんのカウンターなのでしょうか。

エヴァさんが何故か満足そうです。

 

 

こ、これは・・・自惚れでなければ、私の扱いを巡って対立していると考えて良いのでしょうか。

 

 

「でも・・・クルトおじ様、私は今一つ王女に向いていないと言うか、何と言うか・・・」

「いえいえ、そんなことはありませんよアリア様。アリア様は十分に王女としての役目を果たしておりますよ・・・国家の核、と言う役割をね」

「・・・それはお飾り、と言う意味ですか?」

「お飾りになるかは、アリア様の努力次第でしょう。無論このクルトを始め王国臣民全て、アリア様のために粉骨砕身、誠心誠意お仕えさせて頂きます」

 

 

ははは、と素敵な笑顔を浮かべて両手を広げるクルトおじ様。

その視線が、つい・・・と、私の隣に座るエヴァさんに向けられます。

 

 

「まぁ・・・アリア様のためにならない人材と言うのも、存在しますがね」

「・・・その点に関してだけは、同感してやる」

 

 

エヴァさんとクルトおじ様が、この部屋に来て初めて視線を交わし合いました。

しかしそれは、とても友好関係とは言えないような物でした。

・・・これ、もしかしなくても私が何とかしなければならないのでしょうか。

 

 

 

 

 

Side エヴァンジェリン

 

・・・不愉快だ。

いや、クルトとか言うこのイケ好かない変態眼鏡のことじゃない、無論奴も気に入らんが。

私が言っているのは、どいつもこいつも、アリアが国を建てるのを当然視していることだ。

 

 

一度でもアリアの意思を聞いたことがあるのか。

いやそれでなくとも、アリアが自分で国を建てると聞いたのか。

だと言うのに、この船に乗っている連中は揃いも揃ってアリアを「王女」として見る。

非常に、気に入らない。アリアは私のモノだと言うのに。

 

 

「ははは、お足元にお気を付けくださいアリア様。ささ、お手を・・・」

「何と言うか、霧の都って感じの場所ですね、ここ」

「・・・ははは、まぁ廃都と言う程でありますからね」

 

 

まぁ、自らの配慮をアリアに気付いて貰えないゲーデルを見るのは、なかなかに愉快だがな。

と言うか、奴が手を差し出すのと、アリアがタラップから軽くジャンプして降りるのと、同時だったぞ。

狙ってやっているとしたらアレだが、狙っていないとしたらさらに大物だな。

 

 

「流石はアリア先生ですね」

「そうだな」

 

 

茶々丸と軽く笑い合った後、私達は先導するゲーデルについて歩き始めた。

私達は今、新オスティアの下・・・かつての王都と言う場所にきている。

落下の影響で、大半の建造物は崩れてしまっているが、一部は今でも残っている。

魔力の込もった霧に包まれたここは、今では魔獣やら何やらが蠢くダンジョンと化している。

 

 

その一角に、ゲーデルが用意したと言うアリアの船が降り立っている。

しばらく歩くと、神殿とやらが見えてきた。

白い石造りの神殿で、荘厳ではあるが半ば崩れていて、まさに古代神殿な様相だった。

・・・こんな所で、儀式とか言うのをやるのか?

 

 

私がそう訝しんでいると、神殿の入り口に続く道を、ゲーデルが引き連れて来た兵士どもが左右に別れて固めた。

ちょうど、兵士で道を作るイメージだな。

さっきの船に乗り込んでいた連中だが、全員が女だ。

先頭の方、神殿に最も近い位置に、アリアを攫ったジョリィがいる。

あいつもいつか殺す。

 

 

「・・・さて、ここからはアリア様お一人で進まれることになっています」

「え・・・」

「ちょっと待て! こんな今にも崩れそうな神殿の中にアリアをやるのか!?」

「はは、何やら雑音がうるさいですが・・・これも国事行為の一つと思ってください」

 

 

こいつ、また私を無視したな・・・!

本能的に、右手の爪に魔力を込めた。その首、もいでやろうか小僧。

だが私がゲーデルの首をもぐ直前、アリアが咎めるような目をゲーデルに向けた。

 

 

「クルトおじ様、あまりエヴァさん達を軽く扱わないでください。正直、不愉快です」

 

 

いいぞ、アリア。もっと言ってやれ。

しかしゲーデルは動じた風も無く、わざとらしく眼鏡の位置を直しながら。

 

 

「どのような理由で?」

「エヴァさん達は、私の家族です」

「どのような政治的理由で?」

「え・・・」

 

 

アリアは前半は明快に答えた。

それは私の胸を温かくしたが・・・後半については、アリアは答えることができなかった。

 

 

 

 

 

Side クルト

 

ふぅ、やれやれ。

アリア様は庶民育ちでいらっしゃいますから、そのあたりの機微が分からなくとも仕方が無いですね。

 

 

「アリア様がこの吸血鬼達に親愛の情を抱くのは結構。しかし今や公的立場と言う物を気にして頂かなければならない立場ですので・・・」

「だから、何だと言うのですか」

「私の立場から言えば、無位無官の彼女達がどうしてこの場にいるのか、と言いたいわけです」

「人間の役職や位階などに興味は無いな」

 

 

この吸血鬼も・・・600年生きてる割に察しが悪いですね。

察しが悪いだけなら、まだ良いのですがねぇ。

 

 

「むしろ貴様らが、身勝手な理由でアリアの退路を塞いでいることが、私には気に入らないのだがな」

「ほぅ・・・身勝手ですか。なるほど、そう言う見方もできるでしょうねぇ。ただし我々のは・・・より多くの人のためになる身勝手さですし、最終的にはそれがアリア様のためになると思うのですが?」

「なら、聞かせて欲しい物だな。その理由とやらを」

「アリアドネーでアリア様を守れなかった貴女が自己反省すれば、おのずとわかることだと思いますがね」

「・・・っ」

 

 

まぁ、アリアドネーの場合は、メガロメセンブリアのちょっかいも絡んでいたようですが・・・。

アリア様にとって、ウェスペルタティア王国と言う組織の力を得ることはマイナスにはならない。

いえ、将来のことを考えれば大きなプラスになることでしょう。

何せ、アリア様に害意を持つ相手は、より大きな組織と勢力と、そして権力を持っているのですから。

 

 

お母君にして我が女王、アリカ・アナルキア・エンテオフュシア様に端を発することや、あるいは父親が蒔いた種から身を守るためにも・・・。

そしてこの後に訪れる危機のことを考えても・・・。

アリア様は、至尊の冠を戴くべきなのです。

 

 

「家族だと言うのならそれも結構。ただし、お家の中に限っての話にして頂きたいですね。そうでなければ周囲に誤解と疑念を与えます。それはアリア様のためになりません」

 

 

第一、その家族関係は周囲には理解されませんしね。

もし、公式の場でもアリア様の傍にいたいと言うのであれば・・・。

 

 

「アリア様に膝を屈し、忠誠を誓いでもしてからにして頂きたいですね」

「・・・!」

「クルトおじ様!!」

 

 

吸血鬼と私の剣呑な空気が爆発しかけた瞬間、アリア様が間に入ってきました。

吸血鬼を背に私を睨んでいますが、言葉が見つからないのか、何も言ってはきません。

・・・その聡明さが健在なら、まだ大丈夫ですかね。

私はにっこりと微笑むと、胸に手を当てて頭を下げ、もう片方の手で神殿の入り口を示して。

 

 

「さぁ、アリア様」

「・・・・・・わかりました」

「アリア!」

「大丈夫です、エヴァさん・・・行きます」

 

 

アリア様は気丈にそう言うと、唇を噛みつつも、神殿に向けて歩き出しました。

私は目を細めてその背中を見送りつつ・・・残った吸血鬼やその従者人形と見つめ合いました。

随分と怖い顔をされていますが・・・さて。

 

 

「貴女には、少し大人になって頂きましょうか。エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル?」

 

 

アリア様に、上位者は必要ありません。

ましてや、主人などはね。

そのあたりを、まずはご理解いただきたい物ですねぇ。

無理でしょうけど。

 

 

 

 

 

Side ネギ

 

気が付くと、周囲が廃墟になってた。

・・・とまで言うのは、流石に言い過ぎだとは思うけど。

でも、僕はラカンさんの修行場で「闇の魔法(マギア・エレベア)」の修行をしていたはずで・・・。

寝ころんだまま、僕はボンヤリと周りを見渡した。

 

 

ラカンさんの修行場は、元々湖に面した場所に構えられていて、周りを岩の壁で囲まれてる場所だった。

それが今は、砕かれた岩と、折れた木と・・・そもそも、湖の形すら変わってる。

まるで、何か、もの凄い力が暴れまわったかのような・・・。

 

 

「おー、気が付いたか?」

「・・・あ、ラカンさん!」

 

 

その時、ボロボロの道着を纏ったラカンさんが、全長10mはありそうな魚を担いでこっちに歩いて来ていた。

身体には傷一つ無いけど、何だか、燃えた跡とかが服の端々にある。

何か、あったのかな?

そう思いながら、僕は身体を起こそうとして・・・。

 

 

「・・・っ!?」

「あーあー、無理すんなってぼーず、大人しく寝てろよ」

 

 

か、身体が物凄く痛い・・・!?

な、何と言うか、ちょっとでも動けば罅割れて砕けてしまいそうなくらい痛い・・・!

 

 

「そのまま寝てな、取り押さえんのに苦労したぜ・・・」

「と、取り押さえる?」

「あ? 何か言ったか?」

「え、いや、ラカンさんが・・・あれ?」

 

 

担いでいた魚を適当な場所に置いて、ラカンさんが僕の傍に座った。

い、今、何か物騒な単語を聞いたような気がしたんだけど・・・。

ラカンさんは、すり鉢で何かの草みたいな物をすり潰しながら。

 

 

「右腕に魔力を集中させてみな」

 

 

と、言った。

僕は言われたとおりに、右腕に魔力を集中させた。

すると右腕だけでなく、胸のあたりにまで、禍々しく輝く紋様が浮かび上がった。

な、何・・・凄く変な感じがする。

 

 

「こ、これは・・・?」

「本当なら両腕に発現するはずな上に、そんなに浸食するはずも無いんだが・・・」

「な、何なんですか?」

「『闇の魔法(マギア・エレベア)』を会得した証・・・のはずだ」

「は、はずって・・・」

 

 

ラカンさんは、凄く微妙な顔をした。

 

 

「教えといてアレだが・・・ぼーず、それは二度と使うな」

「え、いや、その・・・使うなと言われても、一度も使って無いんですけど・・・」

「覚えてねーのか?」

「な、何をですか?」

「・・・覚えて無いなら良い。とにかく使うなよ。誰かを守りたくて強くなりてぇなら、使うな」

 

 

え、え・・・でも。

僕は右腕全体に浮かび上がる紋様を見ながら、釈然としない気持ちで一杯だった。

 

 

「で、でもラカンさん、本当に何があったんですか?」

「・・・」

「ら、ラカンさんってば」

「・・・」

「ラカンさん!」

「るせぇっ! 師匠命令だ!!」

「ぷげればっ!?」

 

 

どう言う訳か、殴られた。

ひ、酷いですラカンさん・・・。

 

 

でも、本当に何があったんだろう・・・。

 

 

 

 

 

Side アリア

 

そこは、不思議な場所でした。

入口に立って中を見た時、私の視界には、崩れかけた神殿があるばかりでした。

奥まではっきり見えて、それこそ5分もあれば終わる物と考えていました。

 

 

しかし一度中に入った瞬間、奇妙な感覚が場を支配しました。

この感覚を、私は感じたことがある気がします。いつだったか・・・。

この、まるでエア・ポケットの中にいるかのような感覚を感じたことが。

 

 

「・・・幻術、でも無いようですし・・・」

 

 

右眼の『複写眼(アルファ・スティグマ)』で見ても、変化は無い。

なのに、私の視界には崩れかけた神殿では無く・・・。

 

 

錆びた鉄のような、鈍色の扉が一つあるだけの部屋。

そこに、私はいました。

後ろを振り向くと、そこで出口は無く・・・壁があるのみ。

出入り口は無く、しかし目の前に奇妙な扉のみがある場所。

 

 

「・・・」

 

 

自然、警戒すべきとの判断をします。

私は懐から小箱を取り出すと、翼を模したイヤーカフス―――支援魔導機械(デバイス)―――を左の耳につけました。

そして両眼の魔眼を常時起動状態に置き、身体と神経を臨戦態勢に置きます。

 

 

そして、他に対処のしようも無いので・・・注意を払いつつ、扉を開きます。

すると・・・。

 

 

『来たね』

『また来たね』

 

 

かすかな声。

そして扉の向こうには、廊下と、そしてその先に扉が見えます。

その場でじっとしていたのですが・・・声も聞こえず、事態も変化しませんでした。

なので、注意しつつゆっくりと進み・・・また扉を開きます。

その向こうにも、やはり新たな扉が・・・。

 

 

この神殿は、どう言う構造になっているのでしょうね。

いえ、そもそも、私は神殿にいるのでしょうか・・・?

 

 

『また来たね』

『アマテルの子孫が来た』

 

 

扉を開ける度に、奥へ進む度に、奇妙な感覚が私を襲います。

声・・・頭に響く声が聞こえる度に、右眼をかすかな痛みが襲う。

一つ、扉をくぐるごとに・・・。

自分の中の、何かが震えるのを感じる。

身体が、熱い。

 

 

「は、ぁ・・・」

 

 

軽く胸を抑えて、息を吐きます。

熱のこもった吐息が、唇から洩れて・・・。

 

 

『アマテルの子孫だ』

『でも、どっちのアマテル?』

『アマテルの子孫が、またここに来た』

 

 

左手で、軽くこめかみを押さえます。

廊下の壁に背中を預け、元来た道を見ます。

後ろの扉は、すでに閉ざされていました。私は閉じていないのに。

身体が、崩れ落ちそうになる。その場で蹲りたくなる。

 

 

『半分だけだ』

『アマテルの血は半分だけだ』

『でも、魂も半分あるよ』

『アマテルの子孫が来た』

『あと1枚だよ』

『カムイの所まであと1枚だよ』

『頑張って、アマテルの娘』

『頑張って』

『頑張って』

『頑張って』

 

 

・・・カムイ? 半分?

意味がわかりません・・・と言うか、頭が熱に浮かされたようにぼうっとしていて・・・。

と言うか、この頭に響く声は何ですか・・・。

 

 

とにかく、このままここでじっとしているわけには・・・。

そう思い、震える膝を叱咤しつつ、私は壁から離れて、再び歩き始めます。

一歩進む度に、何かが身体に圧し掛かってくるかのような、圧力を感じます。

 

 

『アマテルの子孫、重そうだよ』

『重い?』

『重い?』

『それは、アマテルの子孫が抱える重みだよ』

『アマテルの子孫にしか抱えられない重みだよ』

『これから抱える物の重さだよ』

『民』

『国』

『そして世界』

 

 

・・・王の儀式と言うには、ベタ過ぎる展開ですね。

そんなことを思いながら、私は足を引きずるようにして、前へ。

民とか国とか世界とか・・・私一人で抱えるには、重すぎる物ばかりですね。

 

 

私には、それがどう言うことなのか、わからない。

庶民暮らしのこの身には、いきなり王女なんて言う役職はキツいです。

シンデレラは良く、お姫様になる気になりましたね・・・愛のなせる技ですか。

愛・・・民への愛。国への愛。世界への愛。

・・・わからない、けど。

 

 

わからないなりに、一度抱えたものを手放したくも無いと思う。

私は今まで、自分を好きになってくれた人だけを、好きになろうとしていたけれど・・・。

はたして、好きになって貰う努力をしていただろうか?

自分と波長の合わない人間と言うだけで、排除しようとしていなかっただろうか?

それは・・・。

 

 

「く、ぅ・・・」

 

 

それは、私が嫌う人達と同じことをしている、と言うことにならないだろうか?

私を排除しようとするメガロメセンブリアや、私を蔑んできた人達と。

私は、どこか歪んで、いないだろうか?

 

 

大きな、今までで一番大きな鈍色の扉に、手をかけます。

私の身長の3倍はありそうな大きな扉に、手をかけて・・・開きました。

すると、その向こうには。

 

 

小さな蛍が光の乱舞を踊る、神秘的な場所が広がっていました。

 

 

 

 

 

Side アリエフ

 

「・・・それで、手はずは整っておるだろうな」

「は、仰せの通りに・・・」

 

 

グレーティアの報告を聞きながら、私は首都より遠く離れた『夜の迷宮(ノクティス・ラビリントス)』の通路を歩いていた。

ここはかつて、アリカ女王や帝国のテオドラ皇女も監禁されたことがある牢獄だ。

まぁ、最近は冒険者(トレジャーハンター)共のダンジョンとしての名前の方が知られているが・・・。

 

 

同時に、その一部はまだ政治犯収容所としての機能を残しておるのだよ。

魔物も多いので、あわよくば・・・と言う人間が収容される。

 

 

「ただ、旧ウェスペルタティア西方諸侯の中で、アラゴカストロ侯爵家のみが、こちらの呼びかけに応じようとはしておりません。他の4家は、メガロメセンブリア・・・いえ、アリエフ様に恭順の意を示しております」

「アラゴカストロか・・・忌々しい」

 

 

あの家だけは、メガロメセンブリアの援助を断り続けておるからな、こちらへの弱みが無い。

まぁ、そうは言っても、ウェスペルタティア西方が独立すれば、周辺をこちらの傘下の4家に囲まれるのだ。そうなれば嫌でも私に頭を下げてくるだろう。

まさか、東の<銀髪の小娘>に媚を売るとも思えんしな・・・。

 

 

「・・・しかし、よろしいのですか? 4家の文官・武官には目立った人材がおりませんが」

 

 

グレーティアは、暗に独立後の人材の選定の必要性について仄めかしているのだろう。

この女とは、夜の寝室で交わす会話よりも公式の場で交わす会話の方が楽しく思える。

これは、他の女には無い楽しみだ。

 

 

「武官の選定についてはお前に任せる。だが文官については私に考えがある・・・」

「・・・と、申しますと?」

「まぁ、見ておれ」

 

 

私は喉の奥で笑い声を上げると、一つの独房の前で止まった。

私達につき従っていた兵士の一人が、その扉を開ける。

重厚な造りの扉をくぐり、私はそこで獄に繋がれている人間を見た。

 

 

「久しぶり・・・と言うべきですかな、メルディアナ校長殿」

「・・・こんな場所で、そのような肩書きでお呼びになるか」

「旧世界に辞令が届けられないのでな、まだ貴方は校長のままです」

 

 

それが慰めになるかは、微妙な所だがな。

私の目の前には、鎖に繋がれた老人・・・メルディアナで私の命令に逆らった愚かな老人がいる。

彼は頬の痩せこけた顔で私を見た。ただ、目は光を失ってはいなかったが・・・。

 

 

「それで・・・元老院議員殿は、このような場所に何の用か」

「何、用と言う程でも無い。実は貴方に良い話を持って来たのだ」

「・・・」

 

 

メルディアナ校長は、私を鋭い瞳で私を見ているが、その目もすぐに曇ることになるだろう。

あの村人達が私の掌中にある限りな・・・あるいは、卒業生や魔法世界で休暇を過ごしているメルディアナの生徒を使っても良いが・・・。

 

 

「貴方に、ネギ・スプリングフィールド君が興すウェスペルタティア大公国の宰相になって貰いたいのだ」

 

 

無論、拒否権は無い。

 

 

 

 

 

Side トサカ

 

「はぁ!?」

 

 

思わず俺はビラとチン―――拳闘団の俺の弟分―――を、睨みつけた。

2人はそれでビビって身をすくめやがるが、それを気にしていられねぇ。

2人が俺に持ってきた話は、それだけ不快な内容だったからだ。

 

 

「ナギとエリザの2人が、オスティアの本戦行きを決めただとぉ!?」

「へ、へいっ!」

「な、何か、ポイントが貯まったって話っス」

「んなバカな話があるかぁ!」

 

 

オスティアの本戦へ行くには、試合に勝った時に貰えるポイントを一定量まで貯めなきゃいけねぇんだ。

それは、それこそ20も30も勝たなきゃ貯まらねぇはずで・・・。

 

 

「ドルネゴスの旦那が推薦したって話ですぜ!」

「そ、それに書類上も問題ないことになってるっス!」

「な・・・!」

 

 

どう言うことだ、そりゃあ!?

あいつらは、まだ10勝くらいしかしてねぇはずじゃなぇか。

それが、何でこんなことになるんだよ。

・・・そう言や、あのドルネゴスの旦那が、あの2人にはやたらに・・・。

 

 

「ちっ・・・ナギの野郎はどこにいる!?」

「さ、さぁ・・・」

「ここんとこ、見て無いっス」

「ちっ・・・どけ!」

「「あ、兄貴!?」」

 

 

ビラとチンを押しのけて、俺は部屋を出る。

あの野郎、どう言うことか話を聞いて・・・!

 

 

「どこへ行くのですか?」

 

 

そこには、黒髪赤目の女・・・エリザがいた。

相変わらず、何を考えてるかわからねぇ女だ・・・。

 

 

「てめぇ・・・いったい何をしやがった?」

「質問の意味がわかりません」

「ふざけんじゃねぇ!! どうやって本戦に潜り込みやがった!?」

「貴方が知る必要はありません。ただ従いなさい」

「ああ!?」

 

 

俺が一番嫌いな言い回しをしやがった、この女。

ただ、従えだと!?

俺はもう、奴隷じゃねぇんだよ!

 

 

「このっ・・・!」

 

 

胸倉を掴もうとした俺の腕を、逆にエリザが掴んだ。

手首を掴まれて・・・エリザの全身の刺青みてぇな紋様が輝く。

ギリギリギリ・・・と、手首の骨が軋む音が頭に響く。

 

 

「従え」

「な・・・ぐ、お・・・!」

「従えないなら・・・お前も敵だ、お父様の」

「あ、兄貴!?」

「兄貴をはな・・・」

「来るんじゃねぇ!!」

 

 

ビラとチンに、俺はそう叫んだ。こいつ、ヤバい・・・!

お、お父様だと・・・?

エリザの赤い瞳が、嫌な光を浮かべやがった。

手の痛みと、その目に、俺は・・・。

 

 

「やめなさい!!」

 

 

その時、女の声がした。

その女は金髪で、しかも奴隷の・・・。

ネカネ・スプリングフィールドとか言う。ナギの野郎の姉ちゃん。

 

 

「その手を離しなさい・・・エリザさん、さぁ」

「私に命令するな、お父様でもないくせに」

 

 

ギリ・・・と、エリザの手にさらに力がこもった。

どうも、苛立ってるみた・・・!?

ガクリ、とその場に膝をついた。

上を見ると、エリザの冷ややかな視線とぶつかった。くそ・・・!

 

 

何だ、この女・・・!

 

 

「・・・お願い、エリザさん。トサカさんを離してあげて」

「お願いなら聞きましょう、貴女はお父様の大切なネギの大事な人ですから」

 

 

やけにあっさりと、エリザは俺の手を放した。

だが俺は、手首を押さえて、動くこともできなかった・・・。

 

 

「だ、大丈夫ですか・・・?」

「・・・るせぇ! 触るんじゃねぇ・・・!」

 

 

それでも、近くに寄って来たネカネの手を払いのけたのは、意地だ。

こんな女の世話になってたまるか・・・!

俺は自分で立ちあがると、まだ俺を冷ややかに見ているエリザを睨んでから、医務室に向かって歩き出した。

ビラとチンが、俺の後についてくる。

 

 

・・・畜生が・・・!

 

 

 

 

 

Side アリア

 

そこには、小さな蛍が光の乱舞を踊る、神秘的な場所が広がっていました。

鈍色の扉の向こう側にしては、美しい場所です。

神殿の中にいるはずなのに、そこは外で・・・一面の白い砂と、夜空。

夜の砂漠のような、場所でした。

 

 

頭の中に響いていた声も止み・・・身体も、軽くなっていました。

私はしばし、目の前の神秘的な光景に見惚れていました・・・。

 

 

「・・・と言うか、ここはどこですか・・・」

 

 

それでも現実的な思考と言うのはできる物で、私は途方に暮れていました。

身体の調子が戻ったことも、私の思考力を回復させる一因になりました。

 

 

その時、サラサラ・・・と、砂の崩れる音がしました。

音のした方を仰ぎ見ると、私の側にある小高い砂山の上に、大きな影が。

月をバックに立つそれは、大きな灰銀色の狼でした。

砂山の上から、私を見下ろしています・・・。

 

 

すると砂山の陰や、他にも至る所から小さな―――と言っても、普通サイズの―――狼が、姿を現しました。

数十匹はいるであろう狼達は、私を中心に円を描くように、遠巻きに私を見ています。

・・・あれ、コレって結構ヤバい状況ですかね?

でも、不思議と脅威は感じないんですよね。

 

 

周囲の狼さん達を一通り見渡した後、私は視線を戻し・・・。

 

 

「ひぁっ・・・!」

 

 

いつの間にか砂山を降り、私の目の前に屹立していた灰銀色の巨狼がいて、驚きの声を上げてしまいました。

片手で口を押さえ、誰に見られているわけでも無いのに恥ずかしくなったり・・・。

 

 

ずいっ・・・と、灰銀色の巨狼が、私の顔に自分の顔を近付けて来ました。

思わず、一歩下がりそうになりますが・・・うん?

私がそれに気付いて、両手を差し出すと、巨狼が口に咥えていたらしいそれは、確かな重みを私に与えてくれました。

 

 

それは、柄も、束も、刃も同じ色でできた、黄金色の剣でした。

 

 

淡い色合いのその剣は、どこかで見たような気もしますが。

と言うか、私はこれに似た剣を・・・。

 

 

「えと、あの・・・コレ・・・」

 

 

私が剣について尋ねようとした時、巨狼が身を屈めて、私を見上げてきました。

え、と・・・戸惑っていると、私のドレスの裾を咥えて引っ張ったり。

・・・か、可愛い・・・。

 

 

「・・・の、乗っても良い、のでしょうか?」

 

 

そう聞いてみると、静かに頷く巨狼・・・名前は。

 

 

「カムイ・・・?」

 

 

頷き。肯定の意思を示す巨狼。

どうやらこの灰銀色の巨狼は、カムイと言う名前のようです。

私は剣を両手で慎重に抱えつつ、幾分か苦労しながら、カムイさんの背中に座りました。

いわゆる、女の子座りです。跨るなんて、はしたないですもの。

 

 

「わっ・・・」

 

 

カムイさんが立ち上がると、意外な高さに驚きます。

剣を膝に乗せて片手で支えつつ、もう片方の手でカムイさんの背中に手をついてバランスを取ります。

その時・・・。

 

 

「アリア!?」

「へ?」

 

 

そこは、神殿の外でした。

え、え・・・ちょっと、展開についていけませんよ・・・?

慌てて後ろを振り向くと、そこには神殿の入口があって。

な、何・・・?

 

 

「アリア・・・って、何だそのデカい狼は!?」

「え、え、え・・・」

 

 

私の方に駆け寄ってきたエヴァさんが、カムイさんを見て驚いたような声を上げます。

カムイさんと・・・そして剣は、私と共に神殿の外に出たようですが。

 

 

「アリア、お前・・・どうしてたんだ、2日も中にいたんだぞ!?」

「ふ、2日?」

「いやはや、どこぞの吸血鬼を抑えるのに苦労しましたよ」

 

 

その後ろから、クルトおじ様がやってきました。

おじ様はまず私を見てにっこりと微笑み、次いでカムイさんを見て意外そうな顔をなさり、最後に私の膝に置かれている黄金色の剣を見て驚いたような顔をしました。

 

 

「これは驚きましたね。オスティア崩壊の際に行方知れずになっていたのですが・・・」

「この剣が・・・何か?」

「それは、アリカ様の・・・そしてウェスペルタティアの王家に伝わる宝剣でございます」

「・・・母様の」

 

 

私は、改めて膝の上の剣を見ました。

私には少々、大きな剣ですが・・・。

脳裏に、金色の髪を靡かせ、この剣を振るう誰かの姿が浮かびました。

 

 

「さぁ、アリア様。兵達に・・・3日後にはウェスペルタティアの忠実な兵となる者達に姿を見せて差し上げてください」

「・・・3日後・・・」

 

 

私はもしかしたら、少し怯えたような顔を浮かべたのかもしれません。

エヴァさんと、その後ろに立つ茶々丸さんが、心配そうな顔を見せていたからです。

声をかけようとした時、カムイさんが歩き出しました。

 

 

まるで道を知っているかのように・・・2日前(と言うことですが)から変わらない、神殿から『ブリュンヒルデ』まで続く、兵士達で作られた道をゆっくりと歩きます。

 

 

「ウェスペルタティア近衛騎士団、アリア王女殿下に――――捧げ!」

「「「ウェスペルタティア王国と、アリア王女殿下に栄光あれ!!」」」

「我らの姫様に!」

「「「永遠なる忠誠と、不屈なる献身を!!」」」

 

 

ジョリィさんの声に、全ての女性兵士が唱和します。

彼女達は儀礼用の物らしき剣を顔の前に持っています・・・私に、捧げていると言うことでしょうか。

ならば、この場にいるのは旧ウェスペルタティアの民で・・・。

 

 

トンッ、と、カムイさんが一歩だけ歩調を変えて、私に何かを伝えようとしてきました。

歩きながら首だけで振り向き、私を見つめてきます。

覚悟を決めろと、そう言うことですか?

もう、私は・・・後戻り不可能地点(ポイント・オブ・ノー・リターン)を過ぎていると・・・?

 

 

「ウェスペルタティア王国万歳!」

「「「アリア王女殿下万歳!!」」」

 

 

・・・良いでしょう。ならば王位についてあげましょう。

だけどそれは、誰の為でも無い。

私と、私が大切に思う全ての者のために・・・ひとつの手段として、王位につくのです。

世界を救うとか、国を救うとか、全てを救うとか、そんなことは・・・。

 

 

私は、母様も使ったと言う黄金色の剣を握り、空に向けて掲げました。

そして緩やかに、それを横に振ります。

重い・・・とても重い、その剣を。

 

 

「アリア・アナスタシア・エンテオフュシアが命じます・・・貴女達は、私を守りなさい」

 

 

ささやかな、しかし良く通る声で、私は言いました。

周囲の兵達が、緊張したように私を見ます。

私はそれにかすかな笑みを浮かべて、応えます。

 

 

「・・・そして私が、貴女達を守ります」

 

 

周囲の兵達は私の言葉に、顔の前に掲げていた剣を片手に持ち、空高くに掲げました。

そして声を大にして、唱和するのです。

 

 

「「「仰せのままに(イエス・ユア・)、王女殿下(ハイネス)!!」」」

 

 

兵士達の唱和の中を、私は歩く。

きっとここから、私の戦いが始まる。

一人では無いけれど、もしかしたら独りかもしれない戦いが。

 

 

 

 

愚かで小さなアリアを、見守ってくださいますか?

シンシア姉様―――――――。

 

 

 

 

 

Side エミリー

 

母を訪ねて三千里、と言う童話が、旧世界にはあるらしい。

私も、タイトルを聞いたことがあるだけで、内容は良く知らないですけど。

 

 

「どんな内容だとしても、私ほど苦労はしてないでしょうね」

 

 

などと嘯きながら、私は岩場から岩場へと、コソコソと移動しています。

何故こんなにコソコソと移動しているのか言うと、ここが廃都オスティアと言う、強力な魔物がウジャウジャいる場所だからです。

さっきも、頭の上を黒い竜みたいなのが通り過ぎていきました。

 

 

流石に・・・と言うか、私なんかが一人、もとい一匹でこんな所に来るのは、自殺行為だとは思いますけど・・・。

 

 

「待っていてくださいね、アーニャさん」

 

 

私のご主人様(パートナー)の魔力反応が、どうもこの廃都周辺にあるらしいことは、何度も確認しました。

オコジョだけに魔力量が少ないから、特定するのに今日までかかってしまったけど・・・。

今日こそ、アーニャさんを見つけてみせます!

 

 

アルベールを首都の牢獄に送り届けた後、私はアーニャさん探索のための大冒険を2カ月近く続けているのですから!

アルベールの件が決着した以上、後はアーニャさんの使い魔(パートナー)としての責務だけが、この身を縛ることができるのですから。

 

 

「・・・そこで、何をしているの?」

「うみゃっ!? わ、私は食べても美味しくないですよ! お腹のお肉以外は!」

 

 

突然誰かの声が響いて、私はその場に丸まりました。

自然色的に、隠れられるのではないかと・・・。

 

 

「・・・キミは、確か・・・」

「・・・?」

 

 

私の頭上から降ってきた声は、どこかで聞いた覚えがある声でした。

恐る恐る、上を見てみると・・・そこには、いつかの白い髪の男の人が。

 

 

「確か・・・エミリー君、だったかな」

「えっと・・・フェイトさん?」

 

 

そこにいるのは、確かに学園祭で出会った、フェイトと言う名前の男の人でした。

でも私が名前を呼んだ時、無表情の中に、不機嫌さが見えたような・・・。

 

 

「その呼び方は、できればやめて欲しいな」

「えーと、何故です・・・?」

「・・・僕を『フェイトさん』と呼ぶのは、一人で良い」

「・・・?」

 

 

よ、よくわかりませんが・・・。

では、僭越ながらフェイト・・・君? 様? 殿? ・・・良いや、呼び捨てで。

 

 

「そ、それであのぅ・・・何故ここに?」

「・・・アレを見にね」

 

 

彼が指差した先―――と言っても、数キロ先で、オコジョ魔法『千里眼』で私は見ました―――に、白い大きな船がありました。

さらに、それに乗り込もうとしている人間がたくさん。

その中に、何人か見覚えのある顔が・・・。

 

 

「あれ・・・アリアさん!」

 

 

何か周りの人達を従えていると言うか、崇められていると言うか。

いずれにしても私の記憶の中の姿とは、少し違うけど・・・。

とにかく、あそこにいるのはアーニャさんの親友でもあるアリアさん。

私が言うのもおかしいですが、こんな場所で何を?

 

 

「・・・アリア」

 

 

ぽつり、と落ちてきたその声に、私はビビッと直感が閃きました。

表現が若干変ですが、女・・・もとい、メスの勘です。

 

 

この人は、もしかして・・・。

・・・あれ、でも・・・学園祭の時、アーニャさん・・・?

・・・・・・?

 

 

・・・私、所詮オコジョですから。

 




茶々丸:
茶々丸です。ようこそいらっしゃいました(ペコリ)。
今回は、どうやら謎めいた展開になっているようですね。
私のレーダーでも、あの神殿は何もおかしな点はありませんでしたが・・・。
はて、アリア先生はどこでカムイさんを拾って来たのでしょうか。
それに、あの剣を持ってから、また雰囲気が変わったような・・・。

今回新登場のお方です。
カムイ:灰銀色の狼さんで、元ネタは「ザ・サード」。提案は伸様です。
ありがとうございます。

なお、今回のお話でアリア先生が得た剣のイメージは・・・原作26巻でアリア先生のお母様が持っているあの剣です。
興味がおありの方は、お調べくださいませ。


茶々丸:
さて、次回は「9月28日」のお話になります。
一種の準備段階、小休止、気持ちと状況の整理・・・。
そのようなお話になる予定です。
それでは、またお会いしましょう(ペコリ)。

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