僕のヒーローアカデミア〜罪を背負うヒーロー〜 作:ミスターキシドー
人は生まれながらにして平等じゃない
僕は自分の生まれでそれを確信した
事の始まりは中国 軽慶市、発光する赤子が生まれたというニュースだった
以降各地で「超常」は発見され、原因も判然としないまま時は流れる
いつしか「超常」は「日常」に・・・
「架空」は「現実」に
世界人口の約8割がなんらかの特異体質である超人社会となった現在、混乱渦巻く世の中で
かつて誰もが一度は空想し憧れた一つの職業が脚光を浴びていた
世にヒーローという新たな職業が誕生したのだった
『今朝のニュース見た?田等院駅で暴れたヴィランを今日デビューしたヒーローが捕まえたって!」
『へー?デビューしてすぐに活躍なんてすごいじゃん』
『だよね!今後注目していかないとね』
教室の中は朝のニュースの話で持ちきりだった
今の世の中はヒーローと呼ばれる職業が憧れ的になっている
クラスの人間の8割はヒーロー科に進学を希望するほどだ
「おはようございますわ、今朝もデビューしたてのヒーローの話題で持ちきりですわね」
そう言って僕に話しかけてきたのは小学校からの幼馴染である「八百万 百」だ
彼女は俺の前の席に座るとぼくの方に向き話を続ける
「確か、マウントレディでしたか?巨大化の個性のようでしたけど使い道は限られそうですわね」
「そうだね、でもシンプルだからこそ強みのある能力だと思うよ」
そう言うと「確かにそうですわね」と言って少し考え込む百
僕は「七罪 廻(なつみ めぐる)」俗にいう転生者というやつだった
と言っても前世の記憶なんてほとんど覚えておらず、前世で学んだであろう事などは覚えているが
自分が前世があったという事以外は思い出と呼ばれるものがなかったのだ
だから言ってしまえばただ単に頭のいい子供と言っても変わらなかった
僕自身も転生したという自覚は全然ないのだが、まぁ特には気にしていなかった
しかしこの世界は前世の世界とは違っていた、いわば「漫画の世界」のようだった
この世界は「個性」と呼ばれるそれぞれの人間につき一つの能力を持って生まれる事が当たり前の世界
そしてかくいう僕も「個性」を持っている
「七つの大罪(セブンスギルティ)」
それが僕の「個性」だ
自分で言うのもアレだけど、とても強力な能力だ
まぁ、目の前にいる百も同じように強力な能力持ちだけどね
そんな事を考えていると百は考え終わったのか改めて僕に向かい話しかける
「そういえば、進路の紙はもう提出しました?」
「あぁ、あれね、出したよ」
「そうですか、やはり雄英ですか?」
「まあね、百でしょ?」
「えぇ、もちろんですわ目指すは主席入学ですわ!」
そう言って拳を握ってフンっと力を入れる百
彼女の個性は「創造」生き物以外のものを生み出す事ができる個性だ
彼女は能力も強力だけど突飛つするべきは彼女自身の身体能力だ
個性にあぐらをかくのではなく自身の能力も高める努力を怠らない
それが彼女だ・・・まぁ少し天然な所もあるけどね
「でも、廻も受けるとなるとなかなか難しいですわね・・・」
「そう?能力の試験はまぁ、わからないでもないけどどれ以外の試験なら百の方がかなりレベル高いと思うけど?」
「確かに学業などは私の方が上ですけど、雄英のそれもヒーロー科は特に実施試験の方が重要視されますから・・・場合によってはそこで差が出る事もありますからね」
「あー・・・そんなものかな?まぁ百なら十分に狙えるはずだし、お互いに頑張ろうよ」
「そうですわね、そうですわ!よし!頑張りましょう!」
そう言ってにっこり笑いかけてくる
彼女は前向きなくらいが丁度いい、昔からそう思う
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2月26日
雄英高校の実技試験日当日
僕と百は一緒に試験会場である雄英高校の門の前にいる
「うーん流石にちょっと緊張するね」
「そうですわね、でもやるべき事をやるしかありませんわね」
「そうだね」
そう言って僕と百で試験会場に向かった
『今日は俺のライヴにようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!!!』
そう言ってみみをこっちに向けるのはボイスヒーロー「プレゼント・マイク」だ
返しを期待しているのか少し耳をこっちに向けた状態で固まるプレゼント・マイクだったが誰一人返しがない
『こいつぁシヴィーーーー!!!受験生のリスナー!実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!!アーユーレディ!?』
「yearーーー!!」と自分で答えたプレゼント・マイクだったがやっぱり誰も返してはくれなかった
まぁ、こんな緊張した空気の中でそんな返しができるような状態じゃなかったのだから仕方ない
そしてプレゼント・マイクが試験の内容を話し始める
簡単に話をまとめるとポイントが割り振られている仮想敵を倒して、ポイントを多く稼ぐ
こんな感じだった、まぁ目の前の敵をかたっぱしから倒せばいい感じだね
そしてそれぞれ割り振られた会場に向かった
百とは別の会場になってしまったがとにかくは頑張るとしよう
そして試験が開始した
僕は移動して敵を探すと仮想敵の集団を見つけた
そして仮想敵は僕を見つけるとこっちに向かってきた
『敵、補足!ぶっ殺す!』
ずいぶん物騒なことを言うなこのロボットは
そう思いながら僕は押し寄せてくる敵を『その場で受け止めた』
「ふー、まぁ先ずは・・・」
受け止めた手は黒い外壁に覆われていて、そしてその黒い外壁がだんだんと体を覆う
そして身体中が黒い外壁に覆われると僕は受け止めた左手の反対の右手で目の前の敵を殴り壊す
CRASH!!
目の前の敵はまたたく前に崩れ去った
これは僕の個性『七つの大罪』の能力の一つ『強欲』の能力だ
『七つの大罪』の能力は『嫉妬』『強欲』『憤怒』『色欲』『暴食』『傲慢』『怠惰』のそれぞれにカテゴライズされた能力を使うことができる個性だ、『嫉妬』は変身、『憤怒』は身体強化、『色欲』は相手の意識誘導、『暴食』は吸収、『傲慢』は影の操作、『怠惰』は加速、そして『強欲』は炭素操作これが僕の個性『七つの大罪』の能力だ
僕は炭素コーティングした体で目の目の敵を倒していく
そもそも炭素とは分子の配列次第で硬さを自由自在にできる元素だ
そして僕の体を覆うのはダイヤモンドをはるかに凌ぐ硬さを誇る炭素物質だ
その強度はおよそダイヤモンドの十倍、さらに衝撃にも強い
その結果目の前のロボットたちもゴミ屑のように散っていく
少しして能力を解き周りを見渡していると大きな音が聞こえてきた
すると、奥の方に建物を壊しながら大型のロボットが現れる
あれがゼロポイントの障害物仮想敵のようだ
倒せないってほどではないが・・・そう思っているとその大型の仮想敵の近くに倒れて怪我をしている女の子がいた
サイドテールの少し男勝りな雰囲気があるがかなりの美少女だ
しかし、あそこにいるとこのままだとまずいことになる
そう思い僕は『怠惰』の能力を発動して加速をする
そして怪我をしている女の子をすくい上げてそのまま大型仮想敵の後ろに回りこむ
「え?え?」
何が起きたのかわからないと言った顔をしている彼女
しかし今はそんな場合ではなく・・・
仮想敵がこちらに気づき回転して俺の方に向かってくる
俺はすかさず『強欲』を発動し目の前の大型仮想敵に殴りかかる
すると、大型敵は紙くずをクシャッと潰すように倒れた
「・・・・・・」
ポカーンとした表情の女の子がいた
そして彼女は少しして意識を取り戻す
「あ、あの・・・ありがとう」
そうお礼を言う女の子
そしてちょうど終わりのようで終わりを告げる声が聞こえてきた
『終 了〜!!』
プレゼントマイクの声が響き渡る
僕は彼女に近づいていき個性を解き手を差し出す
「立てる?」
「あ、うん・・・なんとか」
そう言って手を掴み立ち上がるだがすぐに怪我の痛みで顔をしかめる
「つぅ・・・!」
「無理はしない方が良いよ、ほら肩を貸すから」
そう言って僕は彼女の肩を抱き歩けるようにする
「・・・何から何まで迷惑をかけてごめん」
「いいよ、こういうときに手を差し出すのがヒーロでしょ?」
そう言って笑いかけると彼女も一瞬キョトンとした顔をしてその後すぐに「あぁ、そうだね」と笑った
そして彼女を本部まで運び治療を受けてもらえるようにした
僕はその場から去ろうとすると呼び止められた
「あ、名前を教えてくれないか?また今度あったときにお礼もしたいし・・・」
「お礼?別に気にしなくていいのに、まぁいいや僕は七罪 廻だよ」
「私は拳藤 一佳今度絶対にこのお礼はするから」
そう言って笑いかけてくるその笑顔はなんともさっぱりとした気持ちのいい笑顔だった
そして今度こそ彼女と別れを告げて僕はその日の試験を終えた
そして試験会場からの帰りで百と合流して今日の出来を話し合った
「どうだった?」
「自分にできるベストは尽くしましたわ、最低でも合格は大丈夫だと思えるくらいには」
そう言ってフンすと気張る百
「そっか、僕もまぁ平気だったかな?最後の大型敵がポイント入んないのはもったいないと思うけどね」
「あれを倒したんですか?」
「うん、以外ともろかったよ」
「むむ、私も時間をかければ倒せなくはないですが・・・限られた時間でしかもゼロポイントの敵を相手にするとなるとまた違ってきますわね」
「百の個性なら大砲や超電磁砲なんかを作ればいいからね、まぁ相性もあると思うよ?実際今回は敵の撃破を目的とした試験だったしどっちかっていうと攻撃的な個性の方が受かりやすい傾向だったからね」
例えばオールマイとのようなシンプルな身体強化や爆破を起こす個性や火炎、雷なんかの攻撃的個性の方が実際に有利だった
逆にサポート系の個性や特殊系の個性は難しいはず、例を言うなら治療能力や洗脳系、18禁ヒーローの個性の『眠り香』のような能力などは今回はかなり不利なはずだ
「そうですわね、今回は私たちと相性のいい個性でしたからよかったですわ」
「そうそう」
その後は各自の家に帰り今日の試験の疲れを取る
それに今日は個性も使ったしそれの代償も払わないといけない
僕の個性『七つの大罪』は能力で言えばかなり強力な個性だが其れ相応の代償も存在する
簡単に言うならそれぞれの『罪』に応じた代償が存在する
今日使ったのは「強欲」と「怠惰」の二つだ
「強欲」の代償は「血」を消費することだ
これは使った量で変化するが今回ほどの量なら大体100mlほどで済む
それでも連続して使えば俺自身が貧血で倒れてしまうので強欲はあまり連続して使えないのだ
次に「怠惰」の代償は「睡眠欲」だ
怠惰は使用すると自身の睡眠欲を増大させる、今回なら軽く昼寝すればいいが大量に使うとその場で意識を失ってしまうほどの睡眠欲に襲われてしまうのだ、なのでこれもあまり連続して使えない
他の罪にもそれぞれ使用するごとに何かしらのリスクが発生するがこの中で連続使用し続けても平気なのは二つしかない
と言っても片方はある意味で使用し続けることはできないが・・・
兎にも角にもこの二つの代償のせいで体は疲れを訴えている
僕はベットに寝っ転がるとそのまま意識を暗転させた
そして数日後
雄英高校からの通知が届いた
包みの中にはオールマイトが合格を通知してくれた
百の方も同じのようで、あとあと連絡をくれた
こうして僕は雄英高校の一年生として学校に通うことになったのだった