デスゲームでの子供事情   作:クグイ

1 / 3
初めまして、クグイと申します。定期ではないですが、頑張って書いていこうと思います。感想、意見など、よろしくお願いします。


少年の決意

「……スイッチ!」

そう叫びながらバックステップで後ろに下がる。その後もともと後ろに好機を伺っていた相棒が前に出て、剣に光るエフェクトを纏わせながら、片手用曲刀下位スキル『リーパー』を敵モンスター、フレイジーボアに直撃させる。

瞬間青い猪は悲鳴をあげながらHPゲージが崩壊し、光の粒子となっていなくなった。

 

目の前には倒した証の経験値などが書かれたウィンドウが出現し、少しの達成感が自分に湧き上がったことを感じながら、赤いバンダナをつけた相棒の方を見やる。

 

「よっしゃー!やっと倒したー!」

 

随分と喜んでいるようである。まぁ俺もβテスト時に初めて倒した時はコイツほどではないが感動したもんだ。

【ソードアート・オンライン】未だ発展途上でありながら最高技術のVRシステムが搭載された仮想世界型RPG。

数多のゲーマー達が待ち望んでいたゲームを、俺ことクグイは元ベータテスターとして参加している。今現在始まりの町から少し出た[旅人たちの草道]で只今絶賛パーティ組んでレベリング中である。

 

何?βテスターなんだから元データあるんじゃねーのだって?なんとこのゲーム、βテスト時のアカウント、つまりアバターだけはそのままでも引き継ぎ可能なわけだが、散々苦労して集めたマッピングデータやスキルが元の0になり果てるという悲しいオンラインゲームだったりしたのである。

それを知った瞬間だけは地獄に落とされた感満載であったものの、今では新たなスキルが導入されたから公平にというコンセプトらしく、それを聞いたらまぁシャーないわなと納得。まぁとりあえず元のデータぐらいまで頑張りますかと意気込んで草道に出ようとした瞬間、2人のプレイヤーに声をかけられたのだ。

1人はさっき雑魚モンスターを倒した赤いバンダナの武士を想定されただろうアバターのクラインという青年と、

 

「ま、今のはフレイジーボアっていう雑魚モンスターだけどな。とりあえず初討伐おめでとう」

 

ただいまクラインの喜びをへし折った黒髪の好青年、キリトである。引き止められた理由はイマイチよくわからなかったがまぁ1人でやるよりかはいいかと納得し、2人と同行してレベリングというわけである。

それでも俺は今日1人でやるつもりで晩飯どきまではやり続ける予定だったため、このままパーティを続けるかどうか2人に思案する。

 

「2人とも、今日はどこまでやるつもりなんだ?俺は7時くらいまでやる予定だが」

 

この問いに対してまず最初にキリトが答える

 

「俺もそのくらいで一旦やめるかな。晩飯どきだし。まぁ食い終わったらある程度やる予定だけどな。

 

次に復習だろうかまたもや『リーパー』を発動させながらクラインが

 

「ふっ!……俺は一度5時に落ちる予定だ。予約したピザがやってくる予定なんでな」

流石だな、とクラインに言うキリトにあたぼうよとおどけてみせるクライン。

こいつらはいい相棒になりそうだなぁと思いながら周りを見渡す。近くにはいないものの少し遠くを見るとフレイジーボアが数体いるのを確認する。ニヤリと笑いながら2人に

 

「んじゃ、5時前ぐらいまで誰が一番狩れるかどうか勝負しようぜ。レベリングを兼ねて」

 

おっそれいいなとキリトが答えクラインが負けねえぞ〜と笑っているトーンで返事をする。

さて、誰が勝つかねぇと思案しながら近くにフレイジーボアがリポップ。すぐさま狩ろうと片手用曲刀スキル『リーパー』を走りながら放つ。

これはβテスト時に気付いたことだが、ソードスキルにある程度プレイヤーが手助け……、勢いや動きに緩急をつけるなどが可能でうまくいけばダメージ値に補正がかかるのである。足音で俺の存在を察知したらしいが遅い。構えを取ろうとする猪の胴体を縦切りして分断させる。

 

そのまま光の粒子となって消えたのち、レベルアップの音とウインドウが出現、とりあえず俊敏にプラスしておく。曲刀使いなんだから筋力あげなくていいのかと言われたらそうなのだが、まだどの武器をメインにするか決めておらず、βテスト時に使わなかった曲刀を現在お試しということで使っている。なら筋力あげるよりかは安定している俊敏をとりあえずあげ、後々ゆったりと筋力を上げる策を考えたわけだ。まぁいずれ全ての武器を使いたなぁという願望は残ってはいるが。

 

 

 

 

 

4時40分になるとキリトがストップをかける。

 

「んじゃ俺から言うぜー、俺は120匹、まぁ3時間だからこんなもんかねぇ』

 

「俺は130匹だったぜ。とりあえず暫定一位か。クラインは?」

 

「くっそー!俺は85匹だ!最下位かよー。次はまけねえからな!」

俺、キリト、クラインの順で発表していく。

いやいや可笑しくね?なんでキリトさん一位なんすかやだー。あんた俺と違って今は筋力よりじゃん。なんで俺より反応速えんだよ……。

ていうかクラインは悔しがるどころか誇るべきだぞビギナーにしては。最初剣の振るコツとか何にも分からないで三時間でそこまでとか相当な才能感じるなぁ。俺はβで慣れたからっていうとこもあるからなんだろうが。

 

ちなみに今の俺たちのレベルはキリトと俺が4で、クラインが今は3であともう少しで4そというところである。いやーさすがMMOゲーム。レベル上げがキツイのなんの。まぁそこらへんは醍醐味として扱うべきなんだろうが。

 

ともかく、今は45分。流石にクラインも気づいているのか、とりあえずアイテム整理をしているようである。キリトも同様のようなので、おとなしく俺もアイテム整理をする。ポーション5個、フレイジーボアの毛皮、ツノともに30個ずつ。思ったより取れていたのでまあまあ嬉しい誤算だ。

その他強化用と売却用に分け終わると、同時に2人も終わったようである。これであったも何かの縁かもしれないので、今まであまりしたことがなかったフレンド登録を2人と交わす。

 

え?ぼっちなのかだって?学校では決して多い方ではないが、少なからずいるのでぼっちではありません。リア充からみたらエセぼっちみたいなもんだろう。

 

まぁ学校よりかは近所の子たちと遊ぶことの方が多い。学校から帰ってきたらベッドの中に子供2人入ってた時はかなり焦った。だって俺の家ちゃんと鍵閉まってた筈なんだぜ?俺の家のセキュリティぇ……。そんなことを思い出しながら時刻は55分。クラインは最後にまた会おうな!と俺たちに話しかけながらウインドウをタッチしていく。またなと返そうと口を開けたところでクラインは焦った表情を浮かび上がらせる。

 

「……どうした?」

 

「それが……ログアウトボタンがねぇ、どこにもねえんだよ……。」

それを聞いた瞬間キリトに顔を向ける。流石といったところか、そんなバカなと口に出しながらも右手を振ってウインドウを出現させていた。こいつも元ベータテスターだということを聞いていたので確認さえ取れれば安心なのだが……。

 

数秒たった後、キリトは静かに首を振る。横に。

マジかよ……、どいうことなんだと思考しながら、自分も一応確認する。やはりログアウトボタンがないのはまちがっている。

 

おかしいだろバグだとなんだとしてもこんなミス後々のVRゲームに支障をきたすぞ。それはキリトも同様に考えていたようで、クラインと意見を交換し合っていた。後に5時を知らずであろう始まりの街の大鐘楼が鳴り響く。その後、光が俺たち3人を包んで、始まりの街の大広間に移されていた。

 

「強制転移……だと?」

 

そう呟いたのは誰なのかはわからなかったが、今現状ログアウトボタンがないプレイヤーは俺ら以外も同様らしい。周りを見渡すと少しパニック状態に陥っている。

「どういうことなんだよ?」

クラインが己の疑問を口に出した後、空中に血のようなエフェクトが浮かび上がり、それが人の形を成していく。

 

「ようこそ、私の世界へ。」

 

赤い人の形をしたエネミーから何度もニュースなどで聞いた声があがる。今現在この世界にログインした人々なら聞いたことはないであろう声を。茅場晶彦、その人である。

 

その後、信じられないような言葉を茅場は綴る。このゲームはデスゲームと化したということ。この世界から出るためには全百層を踏破し、クリアするしかないということ。現在百数人が死に追いやられたこと。

これだけ聞けば嫌でもわかる。夢ならいいがこれは夢なんかではないことも分かりきっている。俺たちは手を出してはいけないゲームに手を出してしまったのだということを。

「では諸君に、ささやかな贈り物だ。アイテム欄を見てみたまえ」

 

少し周りから罵声が落ち着いたところで、新たな声が発せられた。アイテム欄?

右手を振ってアイテム欄を表示、中には先ほど手に入れた毛皮などの他に見知らぬアイテムが存在していた。

「手鏡……?うぉ!?」

手鏡をなんの迷いもなくタッチするとまたもや光が俺を、いやタッチした全てのプレイヤーたちが包んでいく。

 

光が止んだあと、今一度形作られた手鏡を覗くと……なんということでしょう。今まで凛々しくかっこよかったアバターがなんと、だだのフツメンになったではありませんか。これでオフ会いっても安心だね!という謎の現実逃避から戻ったのは、クラインが話しかけて来たことであった。

「お前……クグイか?てことはお前がキリトか!?」

 

「そうだが、お前クラインってことはこいつがキリトか……なんというか……女顔だな」

 

残念現実逃避まだ続いてました!というかこいつ本当に男なのかよ……?まぁそんなことはおいておいて、キリトはなぜこうなったのかの推理を俺たちに詳しく話す。つまりアバターだと現実味を帯びないため、あえて現実の姿に変えたらしいということである。方法はナーブギアをつけるときに体をあちこち触ったアレで判断したらしい。すげえな最近の技術。

 

それでは幸運を祈ると言って茅場は消えていった。なんともふざけた話である。俺じゃなかったらパニクっちゃうね!やばいこんなこと愚痴るってことは思ったよりパニクってるらしい。

 

とりあえず少し周りを見渡してみる。キリトは少し考えているのだろう、頭を伏せて塾考している。見た目は……だいたい14.5歳ぐらいだろうか。クラインは20過ぎあたりだろうアバターより野武士面な顔が見える。こちらは塾考しているというよりかはこの先どうしようか確認しているらしい。

運よきゃだだのオープニングだもんなこれ。その可能性ほぼないだろうが。とにかくこの先を考えると次の街に行くのが正しいんだろうが……どうするか。そのまま周りを確認していくと泣き声が辺りをこだます。それも随分若いであろう声で……だ。その方角を見ると、少し冷静でいた周りの大人たちが泣いている子供に対して慰めようと試みていた。子供……か……。

 

「クグイ、クライン。2人ともちょっと来てくれ」

 

不意にキリトが俺たちに話しかける。とりあえず頷いて裏路地の方に3人で向かう。ある程度したあと、キリトがある質問をしてきた。

 

「2人ともどうする?俺はひとまず次の村、ホルンカ村に向かう。」

これは暗に、一緒に来てくれと言っているのだろうか。そんな気持ちを感じさせた。少し考える……。するとクラインが

 

「すまねえ、俺はついていけねぇ。言ってなかったが、俺は元々一緒にやろうって言った奴らがいる。そいつらを置いていけねぇ……」

 

「そうか……クグイは……どうする?」

 

俺は今18である。今この場で年下だろうキリトを現在最前線ホルンカに1人で行かすのは気が引ける。……が、どうするかはもうクラインが言った言葉でだいたい決定付けられた。ったく、人見知りなのに大丈夫かなぁ俺。

 

「すまん。俺はとりあえずクラインの指導に就くことにする。それ以外にもやることがあるしな。だが、もしこれが本物だとしたら、俺は二週間後にはそちらに向かう。そこからまた大変だろうがお前の方に向かうよ。」

 

これが今考えられた最も最高のプランだと思う。時間などはともかく、クライン達のある程度の指導は必須だろう。生きていくだけなら話は別だが、こいつはきっといずれ最前線に向かう奴だ。指導者がいればある程度スピードを速められる。だからそれまでは

 

「それまでは……絶対に死ぬんじゃねえぞキリト。少しの間だが共に戦った仲だ。死なれたら目覚めが悪い。それと、最前線で知った情報を定期的に送ってくれると助かる。情報あるないじゃ圧倒的に差異があるからな……」

 

分かったと頷くキリト。クラインと皮肉を言いながらも話し合った姿を見るとなんと辛い責務を送ってしまったのか、今の俺の無力さに泣けてくる。それじゃぁと拳を合わせて去っていった少年を見て、視界から離れた瞬間にクラインが話しかける。

 

「クグイ、ありがてぇが良かったのか。俺たちのために時間使うよりかは、あいつと一緒に攻略したほうがいいだろうが……」

 

「確かにそうかもしれんが……言っただろう?俺にもやりたいことがあると」

 

やりたいこと?と聞いてくるクライン。まぁ俺もさっきの見てなかったらどうなってたかわからんために胸を張って言えるか分からんが……。

 

「やりたいことというのは二つある。まず一つ目は最初に言ったクラインとその仲間達の補佐だ。これは単純な善意もあるんだがもう二つ理由がある」

 

「理由?それはなんだ?一つはおそらくキリトのためだろうが……もう一つは?」

 

!驚いた。この青年は相当気が使える大人らしい。確かに一つはキリトに変な罪悪感を与えないためだ。

思春期真っ只中の少年というものは何かと自己嫌悪に走りやすい。それに少し話すと分かるものだが、あいつはちと正義感というか、罪悪感を作りやすい。その点俺も似たようなものだから推測出来た訳であるが……。

 

「確かにキリトのためというのは正解だ。もう一つの理由はクラインにも手伝って欲しいことでもあるんだがな……。クライン、今このゲームに参加している中で俺より、いやキリトより年下の子供が何人ぐらいいるか分かるか?」

 

「年下ってお前……、このゲームは13歳以上推奨のゲームだぞ……って言ってもそんなの関係ないか。だがある程度値段の張るゲームだから……いっても30ぐらいか?」

 

「おそらくもうちょい多いだろうな。大人が買ったのを単純に貸し与えることだってあるだろうから。まぁだいたい50人ちょいぐらいかな。ここまで言えばだいたい察しつくだろうがあえて言おう。俺はこの子供達を保護したい」

 

「保護ってお前、その人数を全員保護するっていうのか?俺の知り合いもわかってくれるだろうが、さすがに全員は保護しきれねえぞ。」

 

だろうな……。ただまぁ心当たりはある。そこまで子供達が、静かについてきてくれるかという少しの賭けもあるが……。しかし、そういう存在がいると知った以上やらないという選択肢は論外だ。

 

「少しばかりの心当たりはある。ちょっとした賭けもあるがな。お前達の仲間は何人ぐらいだ?」




いかがだったでしょうか?つまらなかった方申し訳ございません。
ちなみに子供達を保護したいと思った時のシーン急だと思った方は2話目で出ますので何卒お待ちください。あと誤字が多いかもなので知らせてくれるとありがたいですwそれでは機会があったらまた今度、よろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。