「私たちがクラインと他のゲームで知り合ったメンバーだ。俺はカエサル、まぁ適当に覚えてくれ。他はあと4人だな。順に説明していこう。」
その後、クラインと共になんとか知り合いらしい人たちと合流することができた。カエサル、赤いバンダナに少しのヒゲときたか。それでいて話し方はダンディ。こういうかっこいい大人もMMOやるんだなとびっくりしながら話を聞いていく。
「俺はライドウ、今のところは槍をメインに使おうと考えてる。こんなクソゲーになっちまったが、宜しく頼むぜ」
少し若い男性が自己紹介してくれた、青い髪に鎧姿か。この人は少しとっつきやすい人なのかもな。俺に合わせたのか少し軽い感じにしてくれたし。
「次は俺かな?この世界ではタンクを考えてる。名前はスノウだ。まぁ楽しくやっていこう」
少し言ってはなんだが小太……ふくよかな方が話しかけてきた。この人ムードメーカーなのかなぁと少し考えながら挨拶する。
「次は俺だな。名前はヤマト。シーフをこのメンバーの中ではやるつもりだな。今後とも宜しく。」
次に握手しながらツンツン頭の青年を見る。このメンバーの中では最年少かな。俺を覗いてだけど。
「僕はサミー。今は正直何をメインにするかは決めてないんだ。それでも役に立てるよう努力するよ。」
1番背が高い人がまさかの僕呼びという思わぬ衝撃が走った瞬間である。話し方からいい人そうなのは伝わってくるけど。
とまあなんとかクラインメンバーと行動を共にすることが可能になった現在。とりあえず先の話を行うかが問題だが……いけるか?いきなり部外者が話しかけるとなると、ましてや内容が内容だ。さてどうするかと考えていると、まだ自分の自己紹介をしていないことに気付いた。
俺ってばなんてお茶目さん☆……やべえ俺がやると気持ち悪いな。今度から絶対やらない。
「すまん、言い忘れていた。俺はクグイ。俺もサミーと同じでまだ主武器を決めていない。βでは主に片手剣を主軸、その他もろもろを活用していた。宜しくお願いする」
少し固くなってしまった。まぁ最初噛まないよりかはマシかな。と言うかおそらくこの人たち全員年上だけど敬語使わなくて大丈夫かな。クラインは使わなくていいって言ってくれたから甘えたけど。まぁそれはともかくとして、どう考えを伝えるかが問題か。
「なるほど、あんたβテスターか。でもなんでまだこんなとこにいるんだ?」
カエサルがふいに問いかけてきた。まぁごもっともな疑問だわな。
「こいつはさっきも言った通り俺にコーチしてくれていたんだ。今この状況になった時に必要なのは確実に情報と実力。それを俺たちに教えてくれるということなんだ。みんな、仲良くしてやってくれ。」
ほう……と、周りが少しざわめつき始めた。それもいい方向で。
だがこれだけで済んでんのはいささか大丈夫なのかね。こういう状況で信じすぎなのではないのだろうか。
こういう状況の漫画などでは俺みたいな存在は悪役になるのがセオリーだし、疑ってかかってもおかしくないだろう。いやまぁ現実はそうではないってことなんだろうか。げんに俺悪役になるほど意識ないし度胸もないしね!
「なるほど……それはいい提案だ。こちらとしてはとてもありがたいことなんだが、いささかあんたにメリットが存在しない提案ではないのかね?」
「おいカエサル!お前いきなりひどいんじゃないか?」
クラインがカエサルを止めにかかる……がそれをカエサルがなを続ける。
「いや、君を敵として判断しているわけじゃない。いいやつなのはクラインが連れてきた時点でもう判断しているんだ。
だがまぁいいやつだからって、はいそうですかと完璧に信じられるほど人間できちゃいないんだ。ましてやデスゲーム内だ。そうだろう?」
確かに、いや完璧なまでにカエサルが正しい。これに関しては俺も確実にカエサルと同じことをする確信がある。いや、もっと酷いことをするかもしれない。
それにしてもクライン信頼されているなぁ。やはりこいつと出会って、頼ったのもこいつで良かった……。
「それは今から説明するよ。」
そこから先ほどまでの会話、とりあえずキリトとの別れまでを説明する。なぜかサミーが泣き始めるというわけ分からん状況に陥った以外は特に問題なく話は続いた。こいつ感受性高いな……。俺もそこまで言えない方らしいんだけどさ。そういう映画だとすぐ泣いちゃうんだよね。おっと、いけないいけない。
「なるほど、そういうことだったのか。だが、キリトという少年以外に何か理由があったんじゃないのかね?」
あっちなみにやっぱり敬語に直すわ。違和感半端なくて。まぁそこまで慣れてないからそこらへんは許してもらわなきゃだけど。
「流石ですね。その前に一つ、この世界に今現在、何人の子供達、つまり1人だけではうまく生活できないであろう子供達がいると思いますか?」
「ふむ……。そうだな。40は行くだろうか。」
周りも同意見らしい。
「ええ、前後誤差はあるでしょうが、私も概ねそう考えています。そこで私は、できる限りの子供達を保護したいと考えています。
周りが次に驚愕の声を上げる。それはこの考えにか、それともそこにたどり着いた思考にか。いや、今はそこに気を振っている時間はない。
ネタも一旦やめだ。これに関しては1人ではほぼ不可能と言っても過言じゃないんだ。説得させるために全力で頭を使う。
「ふむ……。では次に、なぜそこにたどり着いたのか。いや、動悸を聞こう。」
「ん?いや、カエサル。別に子供達を保護することは別に問題ないんじゃないか?」
「何を言っているんだ?逆に聞くが、俺たちに子供達を保護するほどの資金力もないし、何より寝どこはどうするつもりなんだ。ここはデスゲーム。ゲームの中なんだ。現実ならある程度融通は聞くが、ここでは俺たちは子供達同様赤子と変わらん」
うっ、と俺の考えに賛成的だったらしいスノウが声を詰まらせる。流石にそこらへんは俺だって考えたさ。
「まずは動悸ですね……。といっても、あまり人に言いたくないことですから、むやみに話したりしないでくださいよ?」
そこらへんは問題ないとみんなも答えてくれる。さて……、いきなりですが話しますかね。
「俺は……、いじめられてたんです。それも盛大に」
カエサルは黙って話を聞いていく。
「初めは簡単なものだったんです。筆箱盗まれてゴミ箱にいつの間にか入ってたり、上履きが濡らされたり隠されたりといったもので。そこからヒートアップしていって挙句の果てには暴力やらカツアゲとかが行われて、それはもう災難でした」
あくまで被虐的に、少し懐かしさを覚えながら昔のことを話す。もはや他人事のように話すことができる俺は一体どういうふうに見られるのか。
「その時親は……どうだったんだ?」
「親はもう死んでました。それも含まれていたんでしょうね虐められたのは。俺を育ててくれたのは祖父母でした。歳もそれなりにいってたので、子供ながらあまり心配させたくなくて黙ってましたよ。今思うと気づいてたのかもしれないですけど」
「ただまぁ隠された辺りまでならなんとかなってたんです。それでも暴力などからだんだん耐えられなくなって、どんどん衰弱していきました。そこで、ある人が助けてくれたんです。俺の友達に手を出すなって。」
あっちなみにこれが証拠ですと、左手首についたリスカの跡を見せる。そう、自殺するほどまで追い込まれていたのだ。結局死ねなかったし死ななくて良かったけど。周りは沈黙を続ける。
「とてもかっこ良かったんです。それのおかげで中3の時にいじめは無くなりました。なので恩返ししようとして何して欲しいかその人に尋ねたんです。するとなんて言ったと思います?
『恩返ししたいなら、同じような境遇の人たちを救ってやってくれ。』って言ったんです。」
「だから俺は、ちょっと境遇は違いますが、絶望に陥れられたあの時と何ら変わらない子供達を救いたいと、保護したいと思ったんです。」
まぁ、近所の子供達を思い出したってのもあるんですがねっと、照れ隠しざまに言葉を終わらせる。
「なるほどな……。すまない、嫌なことを思い出させて。」
「いえ、信頼してくれるためにはら安いトラウマですよ。」
「そんなことはない!しかし、君の言い分はわかった。動悸も分かったしな。全面的に、協力しよう」
良かった、信頼してくれたらしい。細かい信頼は流石にまだなのはわかってはいるが。またもやサミーが泣きだしているのを他の3人が苦笑しながら参加の意思を伝えてくれる。
「なっ!言っただろう?分かってくれるって!」
クラインが俺の肩に手を置きながら笑ってくる。理由はカエサルたちに伝える前に話していたんだが、あえて辛気臭い雰囲気を作らないようにしてくれるのは本当にありがたい。
「だがこれでは人員が増えただけで、肝心の寝床や資金はクリアされていない、何か見当はあるのか?」
と、スノウが先ほど言われたことを疑問に持ったらしい。まぁ、その点に関してはもう手はうった。もうそろそろ着くはずなんだが……
「ヤぁ、オレッチを呼び出すタァ、くー坊も偉くなったもんだ」
ふいに、β時代から何も変わらない、むかつく話し方が健在の声が、俺の背中の方から聞こえてきた。
やっぱり少し昔の話早くにやりすぎですかね?少し考えながらやっていくことにします。あとこの小説書くのに2時間以内ぐらいでだいたい一話が書き終わるんですがこれ早いのかどうなのか分かんないので意見くださいお願いします!