チート過ぎて意味がわからなくなったワンピ   作:サボリ魔ー

10 / 18
一番最初のお仲間ですね。
過去なんてものは捏造に限る。


10,百獣のカイドウ

10,百獣のカイドウ

 

「はっ! ……面白え!」

 

後に、『この世における最強の生物』と呼び声高い百獣のカイドウは、歓喜という狂気の渦中にあった。

28年後のカイドウが自分の死に場所を探しているのは、敵に張り合いが全くなかったから。

そう、カイドウは一般に戦闘狂、バトルジャンキーと呼ばれる類のものであった。

 

殺してほしい、致命傷が欲しい、部位欠損を。

これは彼が自傷する思考ではない。

戦闘とはこういうものだ。

一撃で人があっけなく死に、もらった攻撃のいかんでは全てが致命傷になり得る。部位欠損なんて死闘では当たり前。

そんな風に考えるカイドウであったが、何故彼がそう考えていたのか。

 

それは単純に強過ぎたから。

当時は覇気や悪魔の実はまだ手にしておらず、武器や武術も使ってはいなかったのに、勝ち続けた。

何故か?

ーーー肉体の強度が尋常ではなかったからだ。

 

幼い頃から何気なく振った手で風が吹き、踏み抜いた地面が足の分だけ凹んでいる。

冗談や笑い話のような光景であった。

 

カイドウは自身の能力を特に何のことはない普通のものだと思っていた。……周囲の反応とは別に。

しかし、事件は起こる。

森の主と呼ばれていた500キロ近い超大型熊を一人で討伐して、血まみれになりながら熊の首を村に持ち帰ったのだ。

そこからは想像がつくと思う。

怪物、化け物と後ろ指を指す町人。

それに巻き添えを食う両親は耐えきれなくなって、カイドウを家から追い出す。

 

しかし、勘違いがあった。

カイドウはそんなことはどうでもよかった。いや、それを予期していた、が正しいだろう。

いつでも言い含められてきた、全力を出すな。

熊には流石に出していいだろうと思い、本気で戦った爽快感と開放感。

……やめられるわけがなかろう。

カイドウは、今までと同じように無邪気な笑みを浮かべて町人に接することで薄気味悪さを演出し、海に追い出すように調整していた。

カイドウは狡猾だった。

こと本能が関わった事案に関しては、天啓とも言えるような勘と閃きを元に自身の思うように他人の意識を操作した。

つまり、追い出されることはカイドウの計画通りだったのだ。

 

それからは海に出て戦いの日々に身を投じた。

戦闘本能が閃きや勘をくれるが、難敵、歯が立たない相手もいる。

そんな相手には鍛錬して、物理で殴る、と脳筋な方法で全ての敵を打倒してきた。

その過程で武装色に覚醒し、自覚せぬうちに見聞色を使い、弱い相手と強い相手を選別する恫喝は覇王色であった。

天才肌。

 

そんなカイドウも戦い尽くしたという意識が大きかった。

これ以上強い奴もいないとも思っていた。

今の時代に、ロジャー、白ひげ、金獅子、海軍の英雄、仏のセンゴク、黒腕、コング、三大将、王下七武海。

それにカイドウはまだ新世界にも入っておらず、まだまだ新世界には強者がごまんといた。

しかしだ。カイドウの見解は間違っていなかった。

こと一対一のサシなら最強はカイドウであった。

いや、海賊をやめてはいるが元懸賞金額最高のゴリ・ラリゴならこの男に6:4で勝つことができるだろう。

しかし、この時代に彼はいない。

 

グランド・ラインという前半で気づいてしまった彼はどうしようもない絶望感しか無かった。

動く気力も起きず、冬島で寝転がってたら凍死できるかな? はるか昔にオーズとかいう奴も凍死したし。

そんな思考ばかりが占有する頭に響いた一本の報告。

カイドウに仲間はいない。

そのオーラと愚直に真正面から戦う姿に惚れ、付き従ってきた連中だ。故に、配下。

そんな配下からの報告。自身は強い海賊を狙っていたから、配下の一人一人の強さもなかなかであった。

そんな奴らからの今までと毛色の違う報告。

怪物です、と。

 

これがカイドウと規格外なんてものではない最強の男の出会いであった。

 

カイドウは大したことがないだろうと思いながらも足を進めていた。

どうして俺の足は動いてるんだ?

そう考えた時には遅かった。

 

「っ‼︎‼︎」

 

自身が受けた報告の場所までまだ2キロもある。

だというのに、感じるのは圧倒的な力。

まさか、こちらに気づいてこっちに来ているのか?

カイドウの思考は最高に加速していた。

何故なら、今まであった誰よりも強く、自身がどうあがいても勝てない強者であったから。

 

しかし、それが逃げる理由にならなければ、それは自分の望みだ。

ここで逃げるくらいなら、強者の戦闘の中で死んだほうがマシだ。

こうして、冒頭に戻るわけだ。

 

カイドウは駆け抜けた。

降り積もった雪を吹き飛ばし、凍結した地面にはった薄氷は粉々に粉砕され、地面ごと陥没していた。

肉体の強度は今なお上昇の兆しを見せている。

この男の限界というのは見えない。

 

カイドウは走りながら感じるのは、増えていくG。

2キロ先でも相当な負荷であったのに、今現在一キロも離れているのに感じるGは200G

カイドウの体重は1トンである。異常な筋肉にその威容に寄って体重はとんでもないものだが、200Gというのは単純に今カイドウの体重は200トンという計算になる。

それに耐えるカイドウも凄まじいが、それ以上にそれを発生させる男の強さはカイドウでさえも想像に至らない。

カイドウの勘が伝えるのはこれが悪魔の実の能力ではなく、覇王色という自身も持つ覇気の能力であること。

自身にも効果を及ぼす、いや重力に干渉する覇気とは、正しく怪物なのだろう。

 

カイドウは重くなる足を動かして進む。

徐々に一歩を踏み出すのに1秒、2秒とかかっていくが、なんとかたどり着くことができたその場所にいたのは、和服に金髪という、勘が合ってないとどうでもいいことなのに告げるくらいに違和感のある男だった。

男は寝転がっている、配下の中でもかなり強いジャックに腰を下ろして座っていた。

男がおもむろに立ち上がり振り返って目があったとき、カイドウは心臓を掴まれたような気がした。

 

ああ、こいつにゃあ勝てねえわ、と。

男はカイドウに教えるように言う。

 

「カイドウだな?

……予想以上に弱いな。

先ず、武術がない。別に型にはまれと言ってるわけではないが、お前は見たところ天才肌のようだから、相手の技術を盗むくらいできたんじゃないのか?

次に、覇気の練度が微妙だな。いや、攻撃面は最高峰の練度と言ってもいいが、防御面が拙すぎる。

最後に、勘に頼りすぎだな。勘は大切だが、お前の勘以上の見聞色の使い手が現れたら、即終了だ。

まあ、俺が今後全部矯正した上で魔改造してやるから、今は悪くても問題ない」

 

怖気が走った。

カイドウはわからなかった、この感情を。

今すぐに踵を返して、この場から逃げ去りたい。

何か、自分の知らないところでとても重要なことが決まった気がする。

勘が告げている、ゲームオーバー。

 

勘の囁きを聞いた直後に、男から発せられる覇気が倍以上に膨れ上がり、さすがのカイドウも後は目をつむり、倒れるしかなかった。

しかし、最後まで咬みつこうと倒れる直前まで耳をすませた。

それは百獣のカイドウの始まりだった。

 

「うん、百獣だし獅子王の戦斧(レグルス・ネメア)はこいつにやろう。それに鬼っぽかったし鬼系の悪魔の実を食わせてやろう。

こいつらの修行で時間潰しだな。

はじめに感謝の正拳突き1万回だな。もちろん、俺に感謝で」

 

いや、感謝したくねえ。

カイドウはこの時初めて、拒絶することと逃れられないことを知った。

 

ーーーーーーーーー

 

「やっちまった……!」

 

はい、子供にやばい悪魔の実を渡してしまったシンジです。

聞いたか? ザ・ファンタジーな悪魔の実の名前。

カチカチの実 モデル“アダマンタイト”。

 

俺の地域ってどこだ、馬鹿野郎。

黒いアダマンタイトなんて聞いたことがねえよ。

ですがね、形質を変化させて黒くしましたよ。

 

つまり、この悪魔の実を食べると、ゼファーの嫁さんにも語ったように真っ黒な金属に体を変質させられるようになる。

 

いや、アダマンタイトの能力のあかんところは、タルタロスの門の周囲の列柱に使われてるやら、ウラノスを去勢させたやら、プロメテウスを鎮めたやらの伝承から、鎮静の能力があるんだよ。

それに加えて、サタンの盾が「十重のアダマント」とか言ってることから、防御力はダイヤモンドの十倍以上だと。

アダマントは広く硬い鉱物の意味であるから、実は硬質や物質も変えることが可能みたい。

でも、黒さは呪いのようなものとしてくっつけてるから、色は変わらない。

まあ、変化が見えないってことは相手が判断できないってメリットもあるわけだが。

 

雨の死ぬ気の炎と同じ能力があると考えてもらっていい。

死ぬ気の炎ほど使いやすいわけではないけどね。

鎮静の前ではロギアは無効、さらに武装色もかなり練度が高くないと無効化。

さらに、空気中に鉱物中に存在する有害物質を放つことも可能だったりして、遠距離もいける、

ほうら、やばいだろ?

 

「おい、ボス。何考えてんだ?」

 

「ああ、カイドウ。一万回終わったか?」

 

「ああ、それより組手だ」

 

「馬鹿、感謝の正拳突きに3時間もかかるようじゃダメだ。

一時間でできるようになったら、考えてやってもいい」

 

「ちっ。……わかったぜ、やってくる」

 

もう、カイドウちゃんたら、可愛い。

俺とじゃれ合いたいなんて。

 

俺はゼファー親子を救った後に、渡してしまったヤヴァイ悪魔の実に後悔しながら、八つ当たりである島に滞在中だった男たちを蹴散らして、船長を呼べと言ったら来たのが、まさかのカイドウだった。

 

恐ろしく強いのは分かったが、向上心が見えなくて停滞していた。

素質は海賊王になれるくらいにあると言ってもいい。

しかし、見聞色で見たところ、戦闘にしか興味のない変態さんでした。

キャラ確立するところでいいけど、俺としては牙をむいてかかってくるのが可愛いくらいだ。

 

その後は、寝転がっていた全員に修行をさせ始めた。

カイドウは悪魔の実を無理矢理口に突っ込んで気付けし、そこからはイトイトも併用しながら、感謝の正拳突き1万回をさせている。

 

それから二年が経った。

上位の連中にはとっておきの悪魔の実をやるというと、結構なやる気が出たみたいで、実際にジャックっていうやつとカイドウに食べさせた悪魔の実はこの世界に認識されている悪魔の実の中でも最強と言ってもいい。

 

ジャックには、ゾウゾウの実 モデル“マンモス”を。

カイドウには、オニオニの実 モデル“酒呑童子”を。

 

マンモスはゾウより数倍強い感じだ。

 

酒呑童子はいい噂がないかもしれないが、身体能力の超強化。感覚の鋭敏化。勘、本能の強化。神仏の敵対者であることから、直接干渉の悪魔の実の無効。弱点が酒で、飲むと悪魔の実が発動しなくなる代わりに、酔拳を使えるようになり身体能力が10倍。

こんなものだ。

 

マンモス弱くね? いや、そうでもない。……多分。

まあ、いいじゃないか。原作でもいい印象じゃないし。

でも、俺に対しては従順な犬みたいだ。

像なのに。

 

「ボス! シャーロット・リンリンって女の海賊団を発見しましたぜ!」

 

「そうか。ありがとう、ジャック」

 

「いえ、感謝されることはしてねえっす!」

 

「ああ、だが褒美はやろう」

 

「え、まじっすか!」

 

「ああ、完現術(フルブリング)というもので、名前ははっきりは出ていないんだが、まあ仮に『巨人の右腕(ブラソ・デレチャ・デ・ヒガンテ)』と『巨人の左腕(ブラソ・イスキエルダ・デル・ディアブロ)』と言おうか。

これはチャドというやつが使っていたものでな。

消えたら、すぐ分かるんだ」

 

俺はそう言って、ジャックの肌に触れて能力の譲渡をする。

ジャックは俺が馬鹿にしているのに気づかないのか、はしゃぎながら、礼を言って出て行った。

……あれは自慢するな。

 

俺は支度するものはないが、カイドウに一言声をかけるために一人で正拳突きを続けているカイドウに近づく。

 

「カイドウ」

 

「……。」

 

「カイドウ!」

 

「……。」

 

「カイドオオ‼︎」

 

「あ、ああ。

……ボスか。どうしたんだ?」

 

「俺はお前らの新しい仲間を引っ張ってくるから、それまで鍛錬は忘れずにしろよ」

 

「わかったぜ」

 

カイドウはそう言うとすぐに拳を握りしめ直して、虚空を殴り始める。

それを見て俺は新しい仲間をとっ捕まえて来るために、歩き出す。




傘下がある海賊団を吸収。
カイドウは結構引っ張られるキャラです。
基本的な行動は原作のような感じが柔らかくなって+α。
αはいつもの嫌がらせ。

そんで、中の時間が2年とぶ不思議。
気にしないでください。
こんぐらいしないと、原作に入るのに本当に2年くらい掛かります。

ジャックは、自慢が大好きな従順な子。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。