26話完成です。
ハンティング第3弾は種火ももらえてとっても美味しいですね。
調子に乗ってスキル強化したら、QPが枯渇したでござる。
アラーシュさんに聖杯4つ使って、スキルMAXにしたのが致命的だったのか?
皆さん、資金運用は計画的に行いましょう。
皆さん、こんばんわ。
厄介事の匂いしかしない謎の街、冬木を探索中の姫島美朱です。
取り敢えず、キャスターことクー兄二号の先導で魔力溜まりがあるっていう山に向かってるんだけど、ゴーストタウンを歩くのはいい気がしない。
不思議世界に関わって長いと言っても私だって年頃の女の子、不気味な場所を歩けば不安の一つも感じるのである。
まあ、慎兄やヴァーリ君が一緒だから、レッドドラゴン程度が出てきても身の安全は保障されてるけどね。
二人がソロでリアルドラゴンスレイヤーするの見たことあるし。
パンチ一発で竜の顎が外れたり角が折れたりしたときは、思わず飲んでたチェリオ吹いたからなぁ。
このメンツで命の危険を感じるのは、それこそマザーレギオンとかデストロイアでも出てこない限り無理だと思う。
そんな風に安心している、私の戦闘力はサイバイマン。
この前、慎兄に氣の大きさが同じって言われたときはショックでふて寝してしまった。
ちなみにうちの長男の戦闘力は、この
いやぁ、本当に慎兄に氣弾の才能が無くてよかったわ。
誤射で地球が惑星ベジータみたいになったら、シャレじゃすまないところである。
どうでもいい事をつらつらと考えながら歩いていた私は、腰に下げた妖刀の柄ヒモの先に目をやった。
そこには少し前にマシュちゃんからもらった
クー兄二号が襲われていたシャドウマンを倒したときも同じものが出てきてたけど、もしかして今回の件と何か関係があるのかな。
こっちで拾った分は、慎兄が握りこんでコリコリ擦り合わせてたところを没収しておいたけど。
まったく、自分の握力がどれだけあると思ってるんだか。
そんなこんなで街中を進むことしばし。
市街地を抜けて河川敷に差し掛かったところで、こちらの耳に鋼同士がぶつかる甲高い音が飛び込んできた。
川縁の方に目を向けてみると、誰かが争っているのが見える。
一人は鎌のような獲物を振るう妙齢の女性。
女性にしては高身長で、黒のボンテージのような衣装から見える肌は蝋人形を思わせるほどに白く、黒のフード越しにたなびく紫の髪も酷くくすんでいる。
一方、女性が振るう鎌の猛攻を盾を
マシュ・キリエライト。
『無限の闘争』で私が刃を交えた、シールダーと呼ばれる盾を主体に闘う少女だ。
この世界に彼女がいるという事は、私達がここに来たのはあの時にもらった石が原因なのかな。
「ありゃあランサーだ」
「ランサー?」
「今回の聖杯戦争で呼ばれたサーヴァントの一騎だ。あの様や土手に並んだ石化した人間を見る限り、奴も反転してるのは間違いないようだな」
キャスターの言葉と同時に、私はアスファルトを蹴った。
よく分からないが、敵という事だろう。
なら、こちらがやる事は一つだ。
風を切る音と共に宙を駆けながら、私は両手に集束した雷光をランサーと呼ばれた女性に向けて放つ。
こちらの手を離れて苦無の形となった紫電は、戦闘領域を封鎖するように張り巡らされた鎖の群の間を擦り抜けて、ランサーの顔面と喉元へ向けて加速する。
しかし敵も反転したとはいえ英霊の一人。
自身の身体に食らいつく寸前、その手の鎌を一閃させてプラズマブレードを打ち砕いた。
「何者ッ!?」
怒りに満ちたランサーの声と共に、周囲から闇色の鎖がこちらに向けて殺到する。
でも、その速度はこちらを捕らえるには到底足りない。
私は襲い掛かる鎖の群を空中での足場にすることで切り抜け、腰から妖刀を引き抜いてランサーに斬りかかる。
脳天を狙った一撃はランサーが間合いを取った為に空を切り、私はマシュちゃんのすぐ傍に、ランサーは結界のように張り巡らされた鎖の上に降り立つ。
「あの……貴女はいったい?」
「うーん……迷子の忍者かな」
自分でもどう言っていいのか分からないので、なんともマヌケな名乗りになってしまった。
慎兄曰く、『無限の闘争』の闘士はオリジナルとは別物らしい。(将軍様を見る限り、全部がそうではないみたいだけど)
マシュちゃんが憶えてくれていたら話が早いのだが、世の中そう上手くはいかないのだ。
「先輩、先輩! ニンジャです! 東洋の神秘ですよ!!」
「わっ!? マシュ、ちょっと落ち着いて!」
本物の忍者が珍しかったのか、テンション高くマシュちゃんは隣のオレンジの髪の女の子に話しかけた。
戦闘中にこんなリアクションが来るとは思ってなかったのか、先輩さんはタジタジになってマシュちゃんを宥めている。
……私の名乗りの所為でご迷惑をかけします。
「人間……いえ、混ざり物のようですね。多少の異能を引き継いでいるようですが、この程度で私に挑むとは無謀もいいところですね……!!」
空気が緩んだ隙を逃さない様に、此方の様子を見ていたランサーがその場で鎌を一振りすると、周囲を囲っている鎖が寄り集まって巨大な杭となって四方からこちらに殺到する。
だが、それは私達を囲う様に降り注いだ落雷によってすべて打ち砕かれた。
「美朱、いきなり飛び出すのはやめなさい。心配するじゃないか」
焼け焦げた鎖を踏み砕いて降り立ったのはパパだ。
マシュちゃん達の視線はパパの背中にある黒い翼に釘付けになっている。
「慎兄達は?」
「キャスター君と共に石化された人達の解呪を試している。あの子は大抵の呪いは、力技で何とかできるらしいからな」
神器の結界やら転生悪魔やらを解除できるんだからその認識は間違いじゃないんだけど、肉弾戦だけじゃなくて呪術でもチートってどうなんだろうか。
そりゃ便利って言えば便利だけど、これの所為でいらない苦労を背負ってるから、私としてはプラマイゼロって感じなのだ。
「しかし、随分と懐かしい顔を見たものだ。人間霊ならともかく、堕ちたる女神が相手ではお前の手には余るだろう。───ここは私に任せなさい」
そう言って、パパは私達を庇う様に一歩前に出る。
「あの人が誰か知ってるの?」
「ああ、堕天する前に見た事がある。ゴルゴン三姉妹の末妹、メドゥーサだ」
「メドゥーサって、髪の毛が蛇で石化の魔眼を持つってアレ? でもそんな風には見えないけど」
「彼女は地中海地方の土着の女神であり、オリュンポスの一柱であるアテナから呪いを受けるまでは、ポセイドンに求愛されるほどの美貌を持っていたのだよ。まあ、己の首を刈り落としたハルペーを武器にしている理由までは解らないがね」
「妖魔、いえ堕天使ですか。かつての私を知ってるとは随分と古いモノのようですが、女性の秘密を一方的に暴くのは感心しませんね」
「これは失礼した。私の名はバラキエル、しがない堕天使の一人だよ」
「バラキエル。その名は『神の雷光』を示し、第一エノク書において人間の女性と交わることを誓い、ヘルモン山に集まった200人の天使たちの頭の1人とされている者ですね。
「パパェ……」
ランサーの言葉に私の視線は自然と冷たいモノになる。
アザゼルのおっちゃんで知ってたけど、パパまで堕天した理由が人間の女の人とニャンニャンする為だったなんて……。
年頃の娘には結構キツイ事実だよ、コレ。
「……美朱。泣きたくなるから、その視線は止めてくれないかな?」
背中越しに聞こえたちょっぴり鼻声になったパパの言葉に、私は見方を元に戻す。
今から闘うのに、身内がテンションを下げるのは流石に拙い。
「成る程。混ざり物と思っていましたが、堕天使との混血とは。ならばその娘は石にせずに、生きたまま血を啜る事にしましょう」
「術式で制限された身でありながら、随分と大言を吐く。愛しい娘を狙うと言うのであれば、こちらも必勝の構えで行かねばならんな」
そう言ってパパが亜空間から取り出したのは、鋭く尖った金属片だ。
一点の曇りもなく磨き上げられ街灯の光で七色に光り輝くそれは、パパの放った雷光を柄にして一本の槍に姿を変える。
あれって槍の穂先だったのか。
「舐められたものですね。槍兵のクラスである私に、槍で挑むとは」
「そちらを愚弄する気はない。言っただろう、必勝の構えで行くと」
鎖の上で鎌を突き付けるランサーに、パパはスタンスを広げて右手で槍を構える。
同時にランサーの表情が険しいモノへと変わる。
パパから感じた重圧はアザゼルのおっちゃんを超える物だったからだ。
「『雷槍』のバラキエル、参る」
瞬間、舞い上げられた土と残骸になった鎖が宙を舞った。
高速の踏み込みから放たれたパパの刺突が、ランサーの足場ごと結界を形成していた鎖の群を吹き飛ばしたのだ。
寸でのところで飛び退いたランサーであったが、それで難を逃れた訳ではない。
瞬く間に間合いを詰めたパパの猛攻によって、防戦一方の状況に陥っているのだ。
相手の正中線を狙って放たれたパパの三段突き、寸でのところでそれを防いだランサーが力任せに鎌を横薙ぎに振るう。
しかし、その一撃はパパを捉えることは無い。
己が首を刈らんとする刃を身を沈めて躱すと同時に槍の間合いからさらに深く踏み込んだパパは、槍を反転させて下から上へと石突きを跳ね上げる。
「愚かな! この間合いでは大ぶりの一撃など──────ッ!?」
ランサーの嘲りは肉を打つ鈍い音によって中断された。
堕ちたる女神の整った顎を跳ね上げた槍は、先程とは打って変わって短槍と同じ程度までその長さが縮んでいる。
……そっか、あの槍は穂先以外はパパの雷光で出来ているんだった。
2、3歩たたらを踏んだ足に力を込めて、間合いを取ろうとするランサー。
「ぎゃうっ……!?」
しかし飛び退くよりも速く、槍の穂先から放たれた雷光がその身体を捉える。
感電のショックで動きが止まったところに放たれる、心臓狙いの必殺の突き。
咄嗟に防ごうとランサーは鎌を持ち上げるが、疾走する穂先はまるで鎌の柄を避けるかのように、稲妻の軌跡を描いてランサーの腹部へと潜り込んだ。
「う……あ……っ!? そんな……障害物を……避けるように……槍が形を変え──────ッ!?」
血と共にランサーの口から零れたか細い言葉は、傷口から上がった甲高いスパーク音によって掻き消された。
「我が一撃を阻むもの無し」
吹き飛ばされ、全身から煙を上げるランサーを見下ろしながら、パパは稲妻の形に変形した槍を消して穂先をポケットに収める。
「サーヴァント、か。一側面とはいえ英霊を顕現させると聞いて警戒していたが、この程度ならば問題はあるまい」
いつの間に手に入れていたのか、胸ポケットから取り出した煙草を咥えて雷撃で火を点けるパパ。
『敵の生死も確かめないで
ていうか、パパってこんなに強かったんだ。
「坊主、お前の親父さんずいぶんとやるじゃねえか」
「実は俺も驚いてる」
「強い、というよりは巧いだな。今の戦いも詰め将棋を見るような感じだった」
各々感想を言いながら、慎兄とヴァーリ君、キャスターが土手からこちらに降りてくる。
思えば、私達ってパパが闘っているところ、見た事なかったんだよね。
この前もカテレアの眷属をネタ技で吹き飛ばしただけだし。
「こちらは片付いた。そっちの方はどうだ?」
「こっちも問題なく終わったよ。少々厄介な呪詛だったけど、アメン・ラー様にかかってた奴に比べれば楽勝だった」
右手をプラプラと振るう慎兄を横目に、私はパパの元に足を運ぶ。
「パパって槍も使うんだね。私、雷撃だけだと思ってた」
「本来の私の得物はこれだよ。お前達が生まれてからはほとんど戦場に立っていないからあまり知られていないが、大戦までは『雷槍』の異名で呼ばれていたからな」
「あれ? 『雷光』じゃないの?」
「『雷光』は大戦から時間が過ぎる間に、聖書の記述によって『雷槍』が変化したものだ。グリゴリの古い連中は未だに『雷槍』と呼んでいるよ」
私の頭を撫でながら、はにかむ様にパパが笑う。
「けど、マジで強かったな。あれならアザゼルのおっちゃんより強いんじゃないか?」
「うむ、一対一なら私はアザゼルより実力は上だぞ」
「ホントに!?」
「ああ。アザゼルが総督になったのは、総合的に組織を纏める力に優れているからだ。こと戦闘力ならば、堕天使では私が最も高い」
驚く私達に、ドヤ顔で胸を張るパパ。
顔は似てないのに、その雰囲気は『無限の闘争』で試合に勝った慎兄そっくりである。
「あの……」
戸惑いがちに掛けられた声に振り向くと、マシュちゃんと先輩さんが立っていた
「えっと、大丈夫だった?」
笑顔で言葉を返すと、強張っていた二人の表情が少し解れる。
「助けて下さってありがとうございます。私はマシュ・キリエライト、こちらは先輩で私のマスターである藤丸立香さんです。あなた方はいったい……?」
「ええ、と……」
「済まないが、土手の上に連れを残しているから移動しても構わないかな? そちらもお連れさんがいるようだし、詳しい話はそこで」
先ほどもそうだったが、何て説明しようかと頭を捻っていると慎兄が代わりに答えてくれた。
此方の提案を受けて、二人が連れて来た高価そうな服を着た白髪の女性を見て、私は思わず眉根を寄せた。
「ねえ、慎兄」
「ああ」
私と同じことに気付いたのだろう、慎兄も真剣な表情のまま女性に視線を向けている。
あの人、死人だ。
魔力と瘴気が溢れるこの街の影響なのか、霊体が疑似的な肉体を形成している所為で現世に干渉しているみたいだけど、肉体と霊魂をつなぐ
おそらく、本人には死んだ自覚が無いのだろう。
交通事故なんかで偶にいるのだ、死んだ事が分からないまま地縛霊や浮遊霊になるケースが。
「慎兄、この事をむこうに伝えるの?」
「いや、もう少し様子を見よう。同行者が護符を持ってるのか、それとも疑似的な肉体の作用かは分からないけど、彼女はこの街の穢れや瘴気の影響が少ない。その原因が分からないまま、死んだ事を自覚させるのは危険だ」
「うん。その所為で加護が消えたら、悪霊一直線だもんね」
「そういう事だ。伝えるなら浄化した場所、そして成仏させる準備ができてからだな」
小声での打ち合わせを終えた私達一行は土手の上へと移動した。
ちなみにランサーは致命傷ではなかったらしく、まだ生きている。
もっとも、弱っているところに慎兄に至近距離から氣当たりを浴びせられて、完全に気絶してるが。
そこには石像だった人たちの姿は無く、待っていたのは朱姉と玉藻さんだけだった。
「あれ、石化した人たちを助けたんじゃなかったの?」
私の問いかけに朱姉は苦笑いを浮かべ、玉藻さんが不機嫌そうに頬を膨らませる。
「そうなんだけど、助けた人たちは錯乱してたみたいでね。意識を取り戻すと同時に、悲鳴を上げて散り散りに逃げちゃったの」
「まったく恩知らずな人達ですよ。あんな最高ランクの魔眼の呪詛を解いてやったのに、お礼の一つも言わないんですから」
「石にされるなんて、普通じゃ絶対あり得ない経験だもんな。そりゃあテンパりもするさ」
慎兄は特に気にする様子もなく、屋根付きの休憩スペースのベンチに腰掛ける。
中央に置かれた木製の机の周りに置かれたベンチはかなりスペースがあり、私達はマシュちゃん達と向かい合う形で机を囲むことになった。
「それで、貴方達は何者なのかしら?」
先程の幽霊の人が口火を切る。
しかしこちらが勝手にした事と言っても、助けられて礼の一つもないとは。
『所長! 我々はランサーから助けてもらった訳なんですから、お礼くらいは言うべきですよ!』
マシュちゃんの隣、誰もいない場所から声がしたと思ったら光の柱が立ち昇り、そこに男性のシルエットが映し出された。
年の頃は二十代後半かな?
緑の作業服に白衣を羽織った細身の男性で、優しそうな顔と緩いウェーブの掛かった燈色の髪を後頭部で結んでいるのが特徴だ。
『突然のところ失礼。僕はロマニ・アーキマン。人理継続保障機関カルデアの医療スタッフで、彼等三人のバックアップを担当している者です』
「ロマニ・アーキマンッ!! 得体の知れない連中の前で余計な事を言わないでちょうだい!!」
自己紹介をするロマニさんにむかって、ヒステリックに怒鳴る所長さん?
彼女の態度は無礼と言えば無礼なんだけど、なんか見るからに余裕が無さすぎて、怒る気にもならない。
「マシュちゃん、マシュちゃん」
「はい?」
所長さんがロマニさんに噛みついている隙に、私は向かいに座っているマシュちゃんに声を掛ける。
「所長さんってすごく余裕が無いように見えるけど、大丈夫なの?」
「すみません、色々と想定外の事が重なってまして。いつもは冷静な方なんですが……」
「助けてもらったのにお礼の一つも言わないで、本当にごめんなさい」
「いや、気にしないでくれ。この街の有様じゃ、敵か味方かもわからない奴を警戒するなって方が無理だろうから」
苦笑いを浮かべながら顔の前でパタパタと手を振る慎兄。
他のみんなも同じような顔をしているから、本気で不快に感じている人はいないだろう。
「そう言えば、自己紹介がまだだったな。俺は姫島慎。そこの忍者が妹の美朱で、こっちが姉の朱乃。白のスーツを着てるのが親父のバラキエル。あとは従業員のヴァーリと玉藻だ」
「ご丁寧にどうも。私は藤丸立香。横にいるのが後輩のマシュ・キリエライト。あとドクターに突っかかってるのが上司のオルガマリー・アニムスフィアです」
あー、なんかバタバタしてて、こっちが自己紹介してなかったわ。
「あの、サーヴァントを連れているみたいけど、皆は聖杯戦争に参加している魔術師なの?」
少しは警戒を解いてくれたのか、言葉を崩して立花さんがこちらに問いを投げてくる。
「ここにいるメンツで魔術師は……朱乃姉だけかな?」
「魔術師だっけ? どっちかっていうと魔導士だよね」
「何を言ってるの、二人共。私は巫女でしょ」
「いやいや。朱姉、神職資格持ってないじゃん」
「巫女(バイト)だな」
「え? 巫女さんなの?」
奇異の目でこちらを見る立花さん。
その視線を受けて、改めてみんなの今の恰好を確認してみる。
慎兄(チンピラ空手家)
私(コスプレ忍者)
朱姉(季節外れのプリズムサマードレス)
パパ(どう見てもヤの付く自由業。もしくはマフィア)
ヴァーリ君(怪しいバイカー。髪型がモヒカンだったら世紀末ザコ)
玉藻さん(ピンクな和装美人)
……ダメだ、どう見ても不審者集団にしか見えない。
ぐぬぬ、所長さんの塩対応が正しく思えて来たぞぅ。
「この見た目だと信じてもらえないかもしれないけど、私とお兄ちゃんが日本神道の神官。お姉ちゃんは学生で、ヴァーリ君と玉藻さんが従業員。パパは現在求職中」
「……なんだか大変だね」
なぜか立花さんから同情の眼差しが……。
もしかして、父親がリストラ食らった貧乏一家みたいに見られてるのかな?
ウチはちゃんと長男が稼いでるし、貯金もいっぱいあるからね!
「えっと、本当に聖杯戦争のマスターではないのですか?」
「うん。その聖杯戦争っていうの、キャスターに聞いて初めて知ったし」
「では、キャスターを連れているのは?」
「敵集団に襲われてるところを助けたら、向こうから付いてきたんだ」
事もなげに出した慎兄の答えに、唖然となる二人。
英霊とはいえ、人間の延長でしかないのだ。
多対一なら不利になるだろうし、ピンチに陥る事もあるだろう。
それを助けたくらいで、そんなに驚く事だろうか。
「あー、あれだ。魔術師の常識じゃあ、人間は英霊に逆立ちしても勝てないって事になってるんだよ。だから、お前さん達が俺を助けたって言ってもピンとこないのさ」
こちら側が首を捻っているのを見かねたキャスターが、補足説明を入れてくれる。
「そうなの? でもさっきのランサーなら、慎兄やヴァーリ君だと片手で倒せると思うけど」
「お前等は真っ当な人間じゃねーだろうが」
失礼な。
横のリアル化け物二匹はともかく、私や朱姉は清く正しい女子高生だ。
「お前等三人はそこのおっさんの血を引いてるし、そこのライダー姿の坊主は別の混血。女狐にいたっては神の分霊じゃねーか」
ふむ、そう言われると返す言葉が無い。
子供の頃から人間の方が少なかったから、その辺はまったく気にならなかった。
『そうだ、ミスター』
「私の事かな?」
なんとか所長の追及をかわしたロマニさんが、パパに声を掛ける。
『はい。貴方は本当に聖書に記された堕天使、バラキエルなのですか?』
「その通りだが、厳密に言えばそうではない」
『? それはどういう事でしょう』
「私はこの世界のバラキエルではなく近しい別の世界、いわゆる平行世界の存在だという事だ」
パパの答えにロマニさんと所長が息を飲んだ。
『それは、本当なのでしょうか』
「事実だ。キャスター君から聞いた情報では、この世界は神仏に見捨てられ、日に日に神秘が薄れていると言うではないか。そんな世界で堕天使である私が人界に生きて子を作るなど、矛盾していると思わないかね?」
『確かに……。では、何故この世界に?』
「自らの意思で
「平行世界移動……。第二魔法の領域じゃない」
頭を抱えてブツブツと呟く所長さんを他所に、話を進めるロマニさんとパパ。
あ、なんか一緒に魔力だまりに行くことになったみたい。
「マシュちゃん。所長さんを通さずに話が決まったけど、もしかしてお飾りなの?」
「い、いえ。そんなことは……」
私の質問に目を逸らして言葉を濁すマシュちゃん。
あれ、地雷踏んだ?
◇
パパとDr.ロマン(ロマニさんの事だ)の話し合いで、マシュちゃんを初めとする『カルデア』の人達と同行することになりました。(頭を抱えている内に決まった所為か、事後報告を受けた所長さんは怒っていた)
それに伴って、私達はDr.ロマンとモナリザそっくりな美人さんであるダヴィンチちゃんから、極力解り易くカルデアについての説明を受けたんだ。
それによると、『カルデア』は魔術と科学の双方のアプローチを行いながら人類の未来を観測する機関だったんだけど、ある日突然、延々と続いていく筈の人類の未来が2016年で途絶えてしまったらしい。
全力で調査によって原因がこの『2004年の冬木市』にある事を突き止めた彼らは、『レイシフト』と呼ばれる方法で原因究明と人理修復の為に精鋭を送り込もうとした。
ところが、その矢先にレイシフトの重要施設で爆弾テロが起こって、実働班の殆どが死傷。
さらには事故によって、素人同然のマスターである立香さんとマシュちゃん、そして総責任者であった所長さんだけが現場に転移してしまったらしい。(多分この時に所長さんは死んだのだろう)
冬木市内にバラバラに転移したものの、運よく誰も命を落とすことなく合流することが出来た三人。
デミ・サーヴァントであるマシュちゃんを頼りに何とか行軍していたんだけど、そこに先ほどのランサーが襲来。
劣勢に立たされたところで私達と出会ったんだって。
この説明の後で私達が元の世界に帰る方法を聞いたところ、人理修復が
「それで、さっき手に入れた金平糖石で俺達に英霊を召喚しろって?」
『コンペイトウイシって……聖晶石だよ、セイショウセキ。君達の実力を疑う訳じゃないけど、戦力は多いに越したことは無いからね』
手の中で虹色に光る聖晶石を見ながら首を傾げる私に、Dr.ロマンは苦笑いで訂正を掛けてくる。
「けど、それって適性がいるんじゃないの? 私も慎兄も魔術師じゃないよ」
『その通り。本来なら適性の有る立香ちゃんに頼むところなんだけど、現在の彼女はマシュ一人で精一杯な状況だ。これ以上は素人である彼女にとって負担になってしまう』
Dr.ロマンの言葉に、立香さんとマシュちゃんは申し訳なさそうに頭を下げる。
『そこで白羽が立ったのが君達だ。バラキエル氏の子供である君達なら、もしかしたら適性があるかもしれないからね』
「ダメ元でやってみろって事か」
『そういう事』
ダヴィンチちゃんは軽く言うが、慎兄は乗り気では無いようだ。
「もし成功してサーヴァントが出てきたら、管理は誰になるんだ? このヤマを解決したら俺達は元の世界に帰るから、その時に連れてけって言われても困るんだけど」
「あー、それがあるか。玉藻さんやクー兄の時、手続きとかすんごい面倒だったからねぇ」
あの時は本当にひどかった。
姫島のお爺様に玉藻さんといろはさんの戸籍をなんとかしてもらったり、クー兄関連でダーナ神族と身柄の交渉したりと、学校に行く暇もなく駆けずり回ったものだ。
今の慎兄は無限の一柱としてフリーな立場にいるから、ある程度融通は利くだろうけど、それでも厄介事には変わりない。
『通常は召喚者がマスターになるから、呼び出された英霊は君達に従う事になる。もっとも、英霊を維持する魔力はカルデアが担っているから、その特異点の修復が終わればマスター権限は立香ちゃんに譲渡してもらうけどね』
「つまり、今回だけのピンチヒッターってワケか」
『その通りだ。協力してくれる代償として、我々も全力で君達の帰還についてバックアップをさせてもらうよ』
「どうする、慎兄?」
「まあ、向こうが責任を持ってくれるならやってもいいだろ。戦力がいて困ることは無いし、敵は反転した英雄だからな。もしかしたら『キノコ狩りの男』とか『ロトの勇者』とか、『クリプトン星から来た宇宙人』なんかが出てくるかもしれないだろ」
「『無限の闘争』じゃないんだから、そんなの出てくるわけないじゃん」
っていうか、『キノコ狩りの男』ってなにさ。
それと、最後の人が出てきてたら、地球在住の英霊じゃあ絶対に勝てないからね。
トンデモなくズレた英雄像を上げながら、慎兄がマシュちゃんが地面に置いた盾に聖晶石を落とす。
ぶっつけ本番なこの試みを受けるにあたっての条件で、慎兄が一番手をすることになっているのだ。
すると盾の上を跳ねた石は溶けるように無くなり、代わりに光で描かれた立体魔法陣が浮かび上がる。
『召喚陣が起動した。さあ、詠唱を始めるんだ』
Dr.ロマンが慎兄に呪文を促すけど、当の本人は顔を引き攣らせるだけで口を開こうとしない。
もしかして、呪文忘れた?
「つ……つ……えーと、なんだっけ?」
『えぇ!? さっき見せたばっかりじゃないか!』
あちゃー、やっぱり。
「あんなクソ長い厨二文章、一発で憶えられるか!?」
『色んな方面に怒られるから厨二とか言うのやめて!? というか召喚は始まってるのにどうすんの、これ!?』
パニクるドクターの声に、一層輝きを増す召喚陣。
こんなんで失敗したら、格好が悪すぎるよ!
「ああもう……!? 出て来いやぁ!!」
慎兄がヤケクソ気味に叫ぶと同時に召喚陣から目も眩むほどの光が溢れ、それが収まった後には巫女装束を着た朱乃姉にそっくりな女の人が……て、あれ?
「慎、美朱、それに朱乃まで……。 どういう事かしら。私、慎の守護霊になってたはずなのに」
困惑の表情で、確かめるように自身の身体に触れる女性。
「マジかよ……」
呼び出した慎兄は、呆然としたまま言葉を零す。
きっと私も同じような顔をしているのだろう。
だって、忘れるわけがない。
あの顔、あの姿……。
私達を庇って亡くなった時のままなんだから。
「朱璃……なのか……?」
まるで夢遊病者のように頼りない足取りで、女性に近づいていくパパ。
「あなた……」
縋るような表情を浮かべるパパに女性、いやママは私達の思い出の中と同じ笑顔で笑いかける。
「朱璃ぃぃぃぃぃぃっ!!」
感極まって走り出すパパと、手を広げてそれを待つママ。
これは感動の
「こぉの……ダメ亭主っ!!」
「ぶべらっっ!?」
ママが放った顎をすくい上げるような拳に、パパがもんどり打って倒れた。
「おおっ! スマッシュだ!! シフトウエイトまで完璧じゃねえか!!」
慎兄、驚くところはそこじゃない。
いきなりの急展開に一同が動けない中、何故か女座りで頬を押さえるパパにママは指を突きつける。
……ママを見上げるパパの顔が真っ赤だったり、興奮で息が荒かったり、ましてやヨダレを垂らしそうでR指定な表情だったなんて事はない。
……ないったらない!!
「私が亡くなった後、子供達を手放したのはどういう了見だったんですか!!」
「そ……それは、朱乃に拒絶されたから。あの時の朱乃は精神的に不安定だったし、嫌悪の対象である私がいたら、悪影響が出ると思って……」
「だからといって、十にもならない子供達を育児放棄する人がいますか!? あの時、精神的に不安定だったのは、朱乃だけではありません! 慎や美朱もそうだったに決まってるでしょう!!」
「う……むぅ」
「その所為で、美朱は目上の人への甘え癖が付いたし、慎はあり得ないくらい強さに執着するようになってしまった! あなたはこの子がどんな修業をしてるか知ってるんですかっ!?」
自分が死んだ後の私達の事を知っているのだろう、怒り心頭でパパを責め立てるママ。
というか、明らかに聞き捨てならないセリフがあったぞ。
「ねえ、ママ」
「なにかしら、美朱」
まるで阿修羅マンのように、怒りの表情から笑顔に変わったママに軽く圧倒されてしまう。
しかし、ここでの撤退は許可できない。
ちゃんと訊くべき事は訊かないと。
「慎兄の守護霊やってたって言ってたけど、もしかして『無限の闘争』での修業も見てたの?」
「ええ。あの子が化け物とか神とか、神以上のナニカと闘って死にまくったのも、しっかり見てたわ」
「数々の親不孝! すんませんっしたぁぁっ!!」
ママの衝撃発言に、全力で地面に額を叩きつける慎兄。
知らなかったとは言え、親に自分の死に様を見せつけまくったワケだからねぇ。
そりゃあ、土下座の一つもしたくなるわ。
あと、地面に頭突きした勢いで土手の一角が崩れたのは、無視の方向で。
うん、私? 私も何回かは死んでるけど、慎兄の守護霊やってたらしいから私の死に様は見てないでしょ。
だったら、ノーカンノーカン。
「ねえ、美朱」
ウチの男衆の謝罪大会を見ていると、えらく微妙な表情をした朱姉が声を掛けてきた。
「どしたの?」
「私、母様を見た時は泣くほど嬉しかったの。でも、これって再会を喜べる雰囲気じゃないわよね」
「ママが落ち着くまで待つしかないんじゃない。カルデアの人達も、完全に置いてけぼりだし」
横目であんぐりと口を開けている所長達を見ながら、私は軽く溜息をついた。
あれから静観する事10分ほど。
ようやくママの気も済んだので、事情を聞く事に相成った。
さて、やはりと言うか何と言うか、ママは英霊ではなかった。
困った時のタマえモンこと玉藻さんの鑑定結果では、今のママは精霊になっているらしい。
言うまでもないが、人霊が精霊になるなんて普通は無理。
それは朱雀の加護を受けた姫島の人間でも変わりは無い。
では、何故ママがそうなったかと言えば、原因は慎兄である。
話はママが命を落とした10年前に
姫島の刺客に致命傷を負わされたママは、最後の力を振り絞って瀕死の慎兄を助けようとした。
それは姫島宗家に伝わる秘術で、自身の魂魄を生命力に変換して対象に吹き込むというものだった。
しかし、己が窮地を力業でねじ伏せるのに定評がある慎兄。
その理不尽さは幼い時から健在で、幽体離脱したママが術を発動させる前に、
この状況に困ったのはママだ。
息子が助かったのはいいが、自身は術の為に慎兄の身体の中に入って霊的パスも繋げてしまっている。
親子であり産んで五年しか経ってないためか、パスが予想以上に強固に繋がってしまい、慎兄の中から出れなくなったそうだ。
仕方が無いので、当時の守護霊(三代前の姫島家当主だったらしい)に事情を説明し、その役目を交代してもらったんだそうな。
こうして慎兄と一心同体になったママだが、予想外の事態は止まる事を知らない。
着々と人間を辞め、人外すら超えていく慎兄と、それに伴って増加するパスを通して流れ込む氣。
さらには駒落としの法を使用するようになった為、その余波で守護霊であるママの魂魄も浄化・研鑽されるようになった。
そしてダメ押しは、オーフィス戦とヴァーリ君との喧嘩で、莫大な量の氣を消費した事である。
当時世界最強だった龍神やそれを超える相手と闘った際の氣だ。
いくら親子で親和性があると言っても、そんな氣の奔流を浴びては人間霊では一溜まりもない。
普通なら飽和状態で霊基が崩壊して魂魄が消滅するところなのだが、それを阻んだのも慎兄の特性『無限の進化』だった。
駒王会議の折りに見せたヴァーリ君の超進化よろしく、流れ込む氣はママを人霊から精霊へと進化させてしまったのだ。
次に『どうして今回の召喚で出てきたのか』だが、玉藻さんの推測では『慎兄の進化のスピードについていけないと本能的に悟った為に、召喚式を利用して現世に逃げてきたのでは』とのこと。
召喚されたママは、めでたくと言うか無事にと言うか、慎兄とのパスは切れているらしい。
それだと慎兄に守護霊がいないことになるのだが、ここまで強くなればもう必要ないらしい。
突発的に発生した姫島家家族会議も終わりを迎え、ママに甘える朱姉にホッコリしていた私は、召喚陣の隅に人影を見つけた。
地面に片膝を付いて微動だにしないその影は、体の線が出るようなぴっちりとした緑の装束に身を包んだ、右目下の泣き黒子が印象的なイケメンだった。
足元にある朱の長槍と黄色の短槍は、彼の得物なのだろう。
「えっと、そこのお兄さん。もしかして、あなたも呼び出された人ですか?」
「はい。ですが、そちらの御婦人がマスターと知己のようなので、話が済むまで控えてました」
なんと、ママと一緒に出てきてから、ずっとスタンバっていたらしい。
「あの、ご免なさい。ずっとほったらかしにしちゃって」
「いえ、お気になさらずに。ご母堂との再会であるならば、他者が水を差すのは無粋というものです。ところで、貴女は私を見て平気なのでしょうか?」
突然の問いかけに、私は思わず目を目を
「えと、別になんともありませんけど……」
「そうですか。……よかった」
あからさまにホッとするお兄さんに首を
「こちらから呼び出しておいて申し訳ない。自分が今回の召喚術の責任者です」
「頭を上げていただきたい。という事は貴方が私の主なのですね」
「あー、術式上はそうなるみたいですね」
「そうですか。ならば───」
珍しく自信なさげな表情で返した慎兄の答えを受けて、お兄さんは居住まいを正した。
「フィオナ騎士団が一番槍、ディルムッド・オディナ、推参致しました。これより貴方に仕えるサーヴァントとなります」
騎士の礼なのだろう、跪いて頭を下げるディルムッドさん。
対する慎兄は『またケルトか……』と天を仰いでいた。
あ、この人ってクー兄と同じケルト系の英雄なんだ。
『ディルムッド・オディナ。フィニアンサイクルで語られるフィン・マックールの臣下で、フィオナ騎士団最強の騎士だね。伝承では二剣二槍を巧みに操る戦士と言われているけど、今回は槍兵として召喚されているから武器は槍だけなのかな』
『彼は優秀な戦士だけど、女性は注意した方が良いだろうね。彼は愛の黒子と言われる魅了効果を持つ泣き黒子があったはずだ』
ドクターとダヴィンチちゃんの説明を聞いて、ようやく先ほどのディルムッドさんの質問に合点がいった。
なるほど、彼は私が魅了に掛かってないかを心配したのか。
「呪いの類だったら、解呪の氣を込めた絆創膏でも貼っとくか。こっちの面子って女性率多いし。藤丸嬢とかヤバいだろ」
『そんな事できるのかい?』
「これでも現役の神職なんで。解呪やお祓いはお手の物だよ」
『バラキエル氏の息子なのに日本の神官とはねぇ』
「色々あってね。オディナ卿もそれでいいかな?」
「この黒子の効果を打ち消せるのであれば、是非。それと私の事は呼び捨てで結構です」
「了解。そんじゃ祓え給い、清め給えっと」
どこからかボクサーなんかが貼る白い絆創膏を取り出すと、祝詞を唱えてディルムッドさんの泣き黒子の上に貼り付ける慎兄。
あんな手抜きの祓詞なのに効果があるんだから、チートって言われても仕方ないと思う。
「おや、
「玉藻か。お袋はどうだった?」
「魂魄もしっかり精霊の物に変化していましたし、霊基のほうも綻びは見受けられませんでした。おおむね、問題はないかと」
玉藻さんの答えに私達はホッと胸を撫で下ろした。
いくら慎兄の非常識パワーでも悪影響があるんじゃないかと心配していたが、大丈夫だったらしい。
「サンキューな、玉藻」
「いえいえ。ところで、先程の召喚は上手くいきましたか?」
「俺も初めてなんで何とも言えんが、多分大丈夫だと思う。ディルムッドはどうだ。なにか変なところは無いか?」
「はい。魔力とは少し違うようですが、十全な戦働きが出来るほどの供給は行われています」
『あー、あんな適当な方法でイケるんだ……』
『召喚とパスは正常か。では、令呪のほうはどうかな?』
「たしか、三回使える絶対命令権だったっけ。身体に浮き出るって聞いたけど、それらしきものは無いみたいだ」
ダヴィンチちゃんの言葉に慎兄が身体を確認していると、玉藻さんが呪符を片手に慎兄に近づいていく。
「ご主人様、ちょっと失礼しますね」
玉藻さんは淡く光る符を手に、慎兄の正中線を触れるギリギリの近さでなぞっていく。
「今回の召喚、ご主人様が魔術師ではない所為で、正規の物とは違っているみたいですね。魔術回路に繋がるはずのパスも氣脈に行ってますし、供給されているのも氣のようです。令呪が無いのもその影響だと思いますよ」
「うん? 英霊の存在維持に必要なエネルギーはカルデアが負担するって話だったんだが、俺の方から持っていってるの?」
「そのようです。そも、ご主人様には魔力を生み出す機関がございませんので、それを補填する為にこうなったのでしょう」
「それって、なんか問題あるか?」
「英霊召喚は専門外ですから正確なところは解りませんが、機能的には問題ないかと。言ってみれば、美朱さんと青ランサーさんのような形ですね。他にあるとしたら、ご主人様の負担の度合いでしょうか」
「なら問題ないな」
『いやいや、大ありだよ! 君個人で現界のエネルギーを担ってたら、マスター権限の譲渡ができないかも知れないし、何より令呪はサーヴァントの反乱を抑える安全機構としての役割もあるんだよ!!』
「そうよ! 裏切られでもしたらどうするつもりよ!」
軽い調子で流そうとする慎兄に詰め寄るドクターと所長。
というか、やっと再起動したんだね、所長さん。
「いや、そういう事を本人の前で言っちゃあダメだろ」
ごもっとも。
ディルムッドさんも心外なのだろう、不満そうな顔をしている。
聞いた話では、これから立香さんを中心にして多くの英霊と契約しなきゃならないはずなのに、こんな調子で大丈夫だろうか。
「あのなぁ。人付き合いっていうのは、相手を信じようとしなけりゃ始まんないんだぞ。最初から疑ってかかってたら、良好な人間関係なんてできるワケないだろ」
「うるさいわね! 私にはレフがいるからいいのよ!!」
『僕にはマギ☆マリがいるから……』
『天才とは凡人には理解されない孤高な存在なんだよ』
慎兄の言葉に思うところがあるのか、目を逸らしながら聞いてもない事を口走るカルデア首脳陣。
あんたら、みんなコミュ障じゃないか。
ホントに大丈夫なの、カルデア?
この後も所長達の追求が続いたが、慎兄が『万が一裏切ったなら、俺がシバキ倒す』と、玄武剛弾で付近の廃ビル一つを吹き飛ばして見せた事で収まった。
あとコミュ障なのは首脳陣だけらしく、立香さんはリアル友達100人なリア充らしいです。
さて、英霊召喚2発目は朱姉である。
ひとしきりママに甘えたのが功を奏したのか、泣き腫らした目は赤いものの当人はやる気に溢れている。
『慎君の召喚はイレギュラーが山の様にあったから個人的には中止したいけど、状況を考えれば背に腹はかえられない。朱乃さん、すまないがよろしく頼む』
「わかりましたわ」
明らかに疲労が見てとれるドクターに、朱姉は微笑みを返す。
はい、パパは不機嫌な顔しない。
この程度の事でムッとしてたら、これから暮らしていけないよ。
先ほどと同じようにマシュちゃんの楯に聖晶石を落とすと、立体魔方陣が回りだす。
「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
朱姉の口から紡がれる呪文を受けて、魔法陣を巡る霊気は勢いを増していく。
『そう、これ! これこそが正しい英霊召喚だよ! 「出てきてチョー!!」で呼び出すとか、あり得ないから!!』
「言ってねえだろ、んな事」
まともな召喚風景に大喜びするドクター。
……ストレス溜まってるなぁ。
「
詠唱は半ばを迎え、循環する霊気が逆巻くエーテルの風を呼ぶ。
これは凄い。
ホントに大魔術の儀式って感じだ。
「うーむ、俺の時はこんなエフェクト出なかったんだけどなぁ」
「そりゃあ呪文忘れたうえに、出てこいやぁ!! じゃあねぇ」
「あんなん一発で憶えるとか無理だって。なんで朱乃姉スラスラ言えてんだよ」
「朱姉って魔導士タイプだったし、ああいう呪文唱えるのに慣れてるんだよ。多分」
というか、大祓の祝詞をソラで言えるのに、なんでこの呪文を憶えられないのさ。
あれの方は読みは難しいし、無茶苦茶長いじゃん。
「――――告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
吹き上がるエーテルの中に三つの輪が浮かび、その光は黄金に変わる。
「マシュ、これって凄い英霊が来る感じなのかな?」
「はい、先輩。これなら力の有る英霊が来てくれるかもしれませんよ」
期待に表情を輝かせる立香さんとマシュちゃん。
ふむ、なんだかこっちも楽しみになって来たぞ。
「誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
朱姉が最後の一節を言い放つと魔法陣は一層強い光を放ち、立ち昇る金色の柱の中心に剣を構えた騎士の意匠が刻まれたカードが現れる。
そして、カードが光を放った後、そこにいたのは金の髪を黒いリボンで後ろで結い上げ、白と銀の甲冑に黄金の剣を携えた少女剣士だった。
「はじめまして、マスター。まだ半人前の剣士なので、セイバー・リリィとお呼びください。これから、末永くよろしくお願いします」
朱姉の前に歩み出て、セイバー・リリィ名乗った少女騎士は笑顔でペコリと頭を下げる。
「私は姫島朱乃です。こちらこそ、よろしくお願いしますね」
「はい!」
笑顔で朱姉が差し出した手を嬉しそうに握るリリィちゃん。
「あれってご先祖ちゃんだよな。けど、それにしては覇気が足りないみたいだけど……」
「あれは騎士王か? だが、以前見た時より幼く見えるが……」
リリィちゃんを見ながら首を捻る慎兄主従。
どうやら彼女に心当たりがあるらしい。
「慎兄。あの子の事、知ってるの?」
「なんか雰囲気が違うからいまいち自信は無いんだけど、多分『無限の闘争』にいるご先祖ちゃん。ほら、ヴァーリのツレにアーサーいたろ? あいつの平行世界の祖先だったと思う。たしか……名前はアルトリア・ペンドラゴンって言ったっけか」
しきりに首を捻りながら慎兄が言葉を絞り出していると、朱姉を引き連れてリリィちゃんがこちらに歩いてきた。
「あの! マスターの弟さんは未来の私の事を知っているのでしょうか?」
「俺の知り合いにアーサー王の子孫がいてな、そいつに稽古をつけてた縁でチョコチョコっとな」
「私の子孫まで! 一度会ってみたいです!!」
もの凄くうれしそうな顔をするリリィちゃんに、慎兄は気拙そうに目を逸らした。
あ、そうか……。
子孫のアーサーさんって、王様っていうより剣の道に命をかける人だもんね。
あと、ルフェイちゃんからウザがられるくらいのシスコンだし。
「ふん、どうやら召喚とやらは終わったようだな」
声に振り返ると、さっき倒したランサーを引きずるヴァーリ君を先頭に、パパとママがこちらに歩いてきていた。
その姿を見たリリィちゃんは、怯えた表情で朱姉の後ろへ隠れてしまう。
「どうしたの、リリィ?」
「すみません、マスター。彼の姿を見た途端、すごく怖くなってしまって……」
「ああ、そうか。アーサー王はブリテンの赤い竜、ドライグの加護を受けてるから、そのライバルでサクソン人の象徴だった白い竜、アルビオンとは相性が悪いんだな」
「主よ、あの少年は白い竜の加護を受けているのですか?」
「いや、白竜の魂を宿した神器を持ってるんだ。前に覇龍を極めたから、あいつ=アルビオンみたいになってるんじゃないか?」
『なんだって! じゃあ彼は白い竜の化身ってことなのかい!?』
「ま、似た様なもんだな」
驚くドクターに適当な言葉ではぐらかす慎兄。
本当はそれに魔王ルシファーの子孫で、人間と悪魔の混血って事まで付いてくるし。
こう考えると、ヴァーリ君も設定てんこ盛りだよね。
「なら、この娘はヴァーリ君に近づけない方がいいわね」
「そうだな。頼むわ、朱乃姉」
そう言うと、慎兄はヴァーリ君達の方に歩いていく。
見ていると、気絶したランサーに何かをするみたいだ。
ふむ、おもしろそうだから見に行ってみるか。
「朱姉。私も行ってくるからリリィちゃん達の事、お願いね」
「ええ、気を付けてね」
マシュちゃん達とコミュニケーションを取っているリリィちゃんの様子を確認してから、慎兄達のところに行ってみる。
すると、慎兄はベンチの上にランサーを寝かせてその額に手を当てていた。
「慎兄、なにしてんの?」
「ああ。神救いの法の練度上昇の一環で、ランサーの汚染を解こうと思ってな」
……またとんでもない事を言いだしたぞ。
「おいおい、本当にそんな事できんのか? 聖杯を元にした呪いだぞ。人間一人にどうこうできるほど、ヤワなもんじゃねーだろ」
「問題ない。神様を墜とす呪いに比べれば軽いもんだ」
言いながらランサーに氣を送り込む慎兄。
「ヴァーリ君。術が始まったから、邪魔が入らない様に警戒しよう」
「いいだろう」
慎兄の紡ぐ大祓の祝詞を聞きながら周りを警戒する事しばし。
術が終わったと声を掛けられたので振り返ってみると、難しい顔をした慎兄がベンチを見下ろしている。
「美朱よ、俺は知らない内にセト神の暗示のスタンド能力に目覚めていたらしい」
いきなりの物言いに首を傾げながらベンチに目を向けてみると、妙齢な美女であったランサーが十歳くらいの女の子になっていた。
「いつの間にアレッシーから能力を奪ったのか、詳しく聞こうじゃないか」
「絶望ォォォだねッ!」
「おいやめろ」
荒木先生風な濃い顔になった慎兄にツッコミを入れておく。
というか、声はアニメ版かい。
「しかしどうなってんだ、こりゃあ。坊主、お前さん若返りの秘術でも身に着けてたのか?」
「怪我を治して浄化しただけだっつうの。しかし、こんな事になるとは、この俺の目をもってしても見抜けなんだわ!!」
「そんな世紀末的な劇画調で言っても誤魔化されないからね。どうするのさ、これ」
ランサーが起きたらブチキレられそうなんだけど。
というか、あの胸部装甲が大平原になるとか、私だったら絶対に許さん。
「『無限の闘争』が使えれば、プロシュート兄貴と闘って『ザ・グレイトフル・デッド』の能力を修得するんだがなぁ」
「それが使えるんだったら、とっとと帰ってるよね」
「まあな。という訳で、目覚めたらお袋にやった『
「……どんな土下座なの、それ」
アホなやり取りを行っていると、小さく呻いてランサーが目を覚ました。
「聖杯からの呪詛を感じない。それにこの身体は……」
やはり幼くなった身体に違和感があるのだろう、全身を確かめるように触れながらランサーは困惑の声を上げる。
「そちらに掛かった呪いを解こうと思ったら、そうなってしまいました。本当に申し訳ありません」
地面に両膝を付き居住まいを正した慎兄は、もの凄く丁寧な所作で深々と頭を下げる。
多分、これが『ゴッド土下座』なんだろう。
奇をてらってアクロバッティングな動きをするかと思ったら、王道を行く正統派の土下座だった。
……うん、土下座をする前に謎の技名が掛かれたリールが回っていたことや、何処からともなく片言で『オネガイシマース』って声がしたのは無視しよう。
「顔を上げてください。敗北した私の命を留めただけでなく、この身を蝕む呪いを解いてくれたのです。感謝はしても謝罪される
「ですが、身体が……」
「問題ありません。むしろ、この身体になったのは喜ばしい。本当にありがとうございます」
困惑する慎兄に、ペコリと頭を下げるランサー。
どうやら彼女は幼い身体がお好きらしい。
日々己が身体の貧困さに悩む私には、理解できない感覚だ。
イラナイノナラ、ソノチチヲヨコセ……!!
「……どうやら呪いが解けた事で、聖杯からのバックアップも途切れたようですね。私を使役していたマスターも亡くなっていますし……どうでしょう。恩返しという意味も込めて、貴方のサーヴァントとして契約してくれませんか?」
「俺の?」
「はい」
「けど、俺は魔術師じゃないし魔力もないぞ」
「大丈夫。その溢れる生命力を頂ければ、サーヴァントとしての働きは可能です」
突然の申し出に腕を組んで思案する慎兄。
ディルムッドさんは慎兄の決定に任せるつもりなのか、背後に控えて口を開こうとしない。
「慎。こんな小さな女の子が言ってるんだから、手を貸してあげたら?」
「朱璃の言う通りだ。解呪の訓練の為とはいえ、彼女を生け捕りにしたいと言ったのはお前だろう。助けた以上は責任を持ちなさい」
「パパ、どういう事?」
「お前が飛び出した時に頼まれたんだよ。聖書の神によって堕とされた神の救助依頼が来そうだから、解呪の訓練の為に彼女を生け捕りにしてくれと」
「なるほど、そうだったんだ」
パパの説明に頷く私。
え、モルモットにした事を責めないのかって?
するわけないじゃん。
こっちは正義の味方でもボラインティアでもないんだから、助ける以上は利を求めるのは当然だし。
それに、アメン・ラー様を復活させた事で神様達に目を付けられてる慎兄が、術の精度を高めるために臨床件数を増やしたいって思うのは当たり前だもん。
万が一失敗したら、場合に寄っては依頼した神話勢力が敵に回るんだ。
そりゃあ、チャンスがあったらやろうとするよ。
「聞いた通り、俺が君を助けたのは自分の利の為だ。それでも契約を求めるのか?」
「構いません。無償で助けられるより、こっちの方が信用できます。それに、勝算はあったのでしょう?」
私達の話を聞いてもブレないランサーの視線に、ため息交じりに肯定の返事を返す慎兄。
「そこまで言うなら、こっちもケジメも付けなきゃならんか。わかった、どうすればいい?」
「あなたの血液をください」
「よし、ならば俺が手伝ってやろう! ジェノサイド・カッター!!」
突如話に割り込んできて、慎兄を蹴り飛ばすヴァーリ君。
あ、慎兄の胸の古傷が開いた。
「これだけ血があれば問題無かろう! さあ、思う存分使うがいい!!」
あまりのトンでも展開に唖然としたままのランサー。
その間に受け身を取った慎兄がゆっくりと立ち上がる。
「おい、馬鹿。なんのつもりだ?」
「暇だったから、話の流れに乗って喧嘩を売ってみた」
「ははは。───死ぬがよい」
慎兄のコロス笑みから始まる大喧嘩。
覇龍も界王拳も使ってないからお互い本気じゃないんだろうけど、それでも余波で川沿いにあった町並みが更地になりました。
ここがゴーストタウンになってるから良かったものの、人が住んでたら二人は完全にテロリストである。
この程度は私達には慣れたものだったけど、その様子を目の当たりにした新規メンバーとカルデア職員の動揺は凄かった。
所長は『こんなのあり得ないわぁぁぁぁ!? レフ! 助けて、レフぅぅぅぅぅっ!!』て叫びながら錯乱するし、立香さんとマシュちゃんは呆然と口を開けていた。
リリィちゃんは禁手化したヴァーリ君に怯えて頭を抱え、ランサーも腰を抜かしてペタリと座りこんでしまった。
例外はキャスターとディルムッドさんで、二人共目を輝かせながら観戦してました。
余談だけど、ランサーとの契約は無事に結べました。
本人は首から吸いたかったそうですが、喧嘩から帰って来た慎兄は全身が土やらぶっ壊した建物の粉塵やらでドロドロだったため、泣く泣く諦めたそうです。
まったく、こんな調子で私達は帰れるのかな……。
ここまで読んで下さって、ありがとうございます。
さて、今回は親父ことバラキエルにスポットライトが当たりました。
雷槍に堕天使最強と独自設定モリモリですが、強い親父は好きなのでパパを強化です。
これからも駒王神社勢ナンバー3として頑張ってくれるでしょう。
さて、今回の用語集です。
〉マザーレギオン(出典 ガメラ2 レギオン襲来)
マザーレギオンとは1996年に東宝洋画系にて公開された怪獣映画『ガメラ2 レギオン襲来』に登場する怪獣である。
別名「宇宙大群獣」。
隕石と共に飛来した非常に攻撃的な宇宙生物で、昆虫類もしくは甲殻類に似た巨大な「マザーレギオン」と小さくて大量にいる「ソルジャーレギオン」。
そして、高さ100メートルに及ぶ「草体」と名付けられた「レギオンプラント」が共生して生きている。
爪のような大槌腕で相手を貫いたり、また腹部にあるエッグチャンバーからソルジャーレギオンを大量に生み出して攻撃する。
防御面も硬い甲羅や、あらゆる攻撃を電磁波によるバリアで無効化する干渉波クローを体の側面に持つ。
目の上に位置する尖った口からは、顎が横に開く事でマイクロ波を収束させてビームを撃つこともできる。
〉デストロイア(出典 ゴジラVSデストロイア)
ゴジラシリーズの第22作であり、平成VSシリーズの完結編『ゴジラVSデストロイア』に登場する怪獣。
初代ゴジラを葬った兵器「オキシジェン・デストロイヤー」によって誕生した。
別名「完全生命体」
元々は25億年前、地球上に酸素が殆ど無かった頃の先カンブリア時代に生きていたとされる三葉虫に似た甲殻類の一種。
古代の地層で眠っていたが、1954年にゴジラに対して使用されたオキシジェン・デストロイヤーが無酸素状態を作った為に現代に復活。
酸素を含む現代の大気に適応するため異常進化して怪獣「デストロイア」となる。
ヘドラのように微小体(クロール体)・幼体・集合体・飛行体・完全体へとどんどん見た目や大きさが変化する。
完全体になった際の武器は頭部の角や先端が鋏状の尻尾。
口から吐く「オキシジェン・デストロイヤー・レイ」
角からはミクロオキシゲンを放出して敵を切り刻む「ヴァリアブル・スライサー」を用いる。
また、尻尾を獲物の身体に絡めて体内のエネルギーを吸収することもできる。
〉キノコ狩りの男(出典 東映版スパイダーマン)
日本で東映が1978~79年にわたって製作・放送した特撮ヒーロー作品『スパイダーマン』の主人公。
マーヴルコミックを代表するヒーローであるスパイダーマンを原作としている。
舞台が日本に変更されているため、当然その正体も山城拓也という日本人バイクレーサー。
彼は宇宙考古学の権威であった父を、モンスター教授率いる「ケツ鉄十字団」によって殺され、自身も瀕死の重傷を負ってしまう。
しかしモンスター教授によって400年間幽閉されていた「スパイダー星人」ガリアによって救われた拓也は、スパイダーエキスを注入された事により蜘蛛の能力を与えられて蘇った。
そして父とガリアの復讐を果たすべくスパイダーマンとして戦う事を決意する。
『キノコ狩りの男』というのは、作中で使われた名乗り口上一つ。
〉クリプトン星から来た宇宙人(出典 スーパーマン)
アメリカのDCコミックスの看板にて、世界最初のスーパーヒーローであるスーパーマンの事。
彼の本名はカル・エルで、地球人ではなくクリプトン星から来た宇宙人。
もっとも、クリプトン星からの来訪者は彼だけではなく、他にも100万人ほどいる模様。
ハルクと互角以上の力を誇り、速さはフラッシュと互角以上。
非常に鋭敏な感覚に回転の速い頭脳と、総合能力ではアメコミでは文句なしのトップである。
飛行能力も当然のように有しており、肺に圧縮空気を蓄えることで宇宙飛行も出来る。
また、目からは熱線「ヒートビジョン」を放ち、肺の中で空気を超圧縮することで口からは極低温の液体窒素のブレス「スーパーブレス」を吐ける。
作中でも、とんでもないことを色々とやらかしており、有名なものだけでも地球を逆回転させて時間を戻したり、地球意志に向かって 「いい加減にしないと割るぞ」と脅したり、と枚挙に暇がない。
〉アレッシー(出典 ジョジョの奇妙な冒険)
『ジョジョの奇妙な冒険』第三部に登場する敵キャラ。
格闘ゲームにも登場。
エジプト九栄神の一つ、嵐と暴力の神「セト神」の暗示を持つDIOの刺客。
子供をイジめるのが大好きなサディストで、しかし大人*1に対しては弱いという、例えるならずるがしこいイジメっ子がそのまま大人になったような性格をしている。
所持しているスタンドは、大きな目を持つ地面に落ちる人影のような姿をしており、スタンドの像に触れたものを若返らせる能力を持つ。
劇中では、若返らせたポルナレフを銃や斧で徐々に追い詰めつつさらに若返らせるが、
2歳児相当まで若返ってしまっていたポルナレフの策にまんまとはまり、顔を切り刻まれて逃走した所を承太郎に遭遇。
機転をきかせ承太郎も7歳児相当の子供にする事には成功するも、子供の頃からやる時はやる性格だった承太郎に殴られて気絶してスタンドが解除。
元に戻った二人のオラオラで、遥か彼方までフッとばされて再起不能となった。
〉この●●の目をもってしても見抜けなんだわ!!(出典 北斗の拳)
北斗の拳の登場キャラクター『海のリハク』が発した台詞の一節。
南斗最後の将を守護する五車星の一人であり卓越した軍師なのだが、対ラオウ戦では助けに来たケンシロウの力量がラオウを上回っている事を見抜けなかった。
そのため爆破トラップを起動させてしまい、ケンシロウを一時失明させた上に護るべき将(ユリア)をラオウに奪われるという失態を犯してしまう。
この事によりファンの間で軍師としては二流であると評され、セリフもネタとして扱われてしまった。
〉プロシュート兄貴(出典 ジョジョの奇妙な冒険)
ジョジョの奇妙な冒険の第五部『黄金の風』の登場人物でスタンド使い。
リゾット・ネエロ率いる暗殺チームの一員。
ヴェネツィアへと向かうブチャラティチームをフィレンツェ行き超特急にて襲撃。
弟分のペッシと共に激戦を繰り広げた。
人呼んで兄貴。
作劇的には途中に登場する敵の一人という位置取りだが、その数多くの名言、壮絶な最期。
ペッシとの会話から覗かせる面倒見のよい一面などから、高い人気を持つキャラクターである。
スタンド名は『ザ・グレイトフル・デッド』
生物を急激に老化させ(この老化自体ではなかなか死なないが、非常に脆くなり些細な衝撃で死ぬようになる)、老化に応じて肉体、精神力、記憶力なども衰えさせることができる。
精神力から生み出されるスタンドも本体が衰えれば同様に衰えてパワー・スピードが落ちてしまう。
〉ゴッド土下座(出典 GOD HAND)
PS2のアクションゲーム『GOD HAND』にて主人公のジーンが使うゴッドリールという必殺技の一つ。
その名の通り、その場で敵に向かって土下座で手加減を頼むという一見ネタ技だが、難易度が非常に高いこのゲーム(ノーマルで『Devil May Cry』の最凶難易度『Dante Must Die』と同等)では、ゲームのスコアで上がった難易度が最低にまで下がるので、地味に重要だったりする。
今回はここまでにさせていただきます。
また次回にお会いしましょう。