MUGENと共に   作:アキ山

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 皆さん、お待たせしました。
 33話の完成です。
 
 ハーメルンの広告に惹かれて『リネージュⅡ』を開始。
 うん、マジで面白い。
 リネと小説に時間を割いてたから、FGOの水着イベント全然素材集めてないや。
 



33話

「こちらで魔王様がお待ちです」

 秘書官に促されて重厚な木製の扉を潜ると、白の大理石で造られた巨大なホールが目に飛び込んできた。

 純白の壁面には金で細やかな細工が施され、窓はステンドガラス。

 置かれている彫刻や家具はどれも超一級品ときた。

 なんつうか、物凄く落ち着かない。

「ようこそ、アザゼル総督。そして、姫島慎よ」

 中央に置かれた黒曜石の円卓で席を立ち、歓迎の意を示すアジュカさん。

 横にいるファルビウムさんは、机に頬杖をついたまま、半分閉じた目をこちらに向けている。

「急な話ですまんな、アジュカ。今回はお前さん達に色々と聞きたい事があるんだ」

 口ではすまんと言っておきながら、まったく悪びれる様子を見せないアザゼルのおっちゃん。

 対するアジュカさんも、その程度の事は予測しているのか、浮かべた笑みはまったく崩れていない。

 勧められた席に腰を下ろすと、例の鏡を相手の様子が分かるような位置に置く。

 軽く氣を通して鏡を起動させてから背もたれに身体を預けると、自然にため息が漏れた。

 会議のほうに集中しないといけないのだが、今朝にあった事の所為でいまいち気が乗らない。

 

 この会議から数時間前、俺は後顧の憂いを断つ為にグレモリー本邸を訪れていた。

 小父さんたちに日本への亡命を持ちかけたものの、返ってきた答えはやっぱりNo。

 なんとか説得したいところだったが、むこうの覚悟が決まった目を見ては何もいえない。

 逆にサーゼクス兄達の事を頼むと念押しされてしまい、重い足取りで本邸を出ようとしていると、アーシア先輩に出会った。

 思えば、会うのは駒王会議以来だったので軽く挨拶しようとしたところ、先輩は感極まったように涙を流し、俺の前に(ひざまず)いて祈り始めたのだ。

 予想の斜め上すぎる行動に慌てて立たせようとしたが、先輩は『貴方様が私ごときに触れるなど(おそ)れ多いっ!!』などと言って、激しく抵抗する始末。

 彼女の目がトランス状態のように光が無いのを見た俺は、耳元近くから強めに声を掛けた。

 何度かの呼びかけで、ビクリと身体を震わせたアーシア先輩は、光を取り戻した目で不思議そうにこちらを見上げていた。

 とりあえず落ち着いた様なので事情を聞いたところ、どうも彼女は『主』からお告げを聞く夢を見たらしい。

 お告げの内容自体は覚えていなかったらしいだが、その姿はしっかりと目に焼き付けたそうな。

 で、何でそれが今回の事に関係するかと言えば、その『主』とやらの姿は髪の色などは違えど、俺そっくりだったらしい。

 『だから、慎君の姿を見た時に勘違いをしちゃったんです』

 と、アーシア先輩は恥ずかしげに笑ったが、俺はまったく笑えなかった。

 朱音(あかね)璃凰(りお)の件は『禍の団』の手によるものだった。

 という事は、あの研究所で培われたデータが天界の手に渡っていてもおかしくは無い。

 オーフィスとグレートレッドは、聖書の神話で邪悪なる物として扱われる龍だから、複製体を生み出してもそういった使い道はありえない。

 しかし、俺ならばどうか。

 堕天使の混血とはいえ、人に近しい『無限』を神を迎える依り代とする。

 ・・・・・・鍛えていない俺のクローンが使い物になるかは分からないが、発想だけなら十分にあり得る話だ。

 この件があってすぐ、同行していた親父には家に帰ってもらった。

 あってほしくない事だが、アーシア先輩の夢が妄想じゃないとしたら双子がヤバい。

 試作か予備かは分からないが、あの子達が神の素体として生み出されたのならば、どこからか手が伸びる可能性が高いのだ。

 聞けば、天界にあるシステムと呼ばれるモノと曹操が持つ『黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)』には、神の意思が込められているという。

 アザゼルのおっちゃん曰く、これが残留思念ではなく魂の中枢を司る霊核だった場合、器となり得る身体を用意すれば復活の目があるそうだ。

 ここまでの時点で天照様に速報を入れようとしたが、これはアザゼルのおっちゃんに止められた。

 悪魔の条約破りが表面化しつつある現状で、天界が聖書の神の復活を目論んでいるなんて話が流れれば、それが噂だとしても三勢力は殲滅対象になる。

 堕天使の日本への帰属化の算段もあるし天界とは浅からぬ付き合いがあるので、もう少し証拠が出揃うまで待ってほしいと頼まれたのだ。

 前提として俺のクローン事案があったとしても、現状において天界が聖書の神復活を画策している証拠は、アーシア先輩の証言だけだ。

 証拠として扱うにしては、これではあまりに弱い。

 今回の会合をミカエル天使長が欠席したのを踏まえても、荒事に発展するには不足だろう。

 とはいえ、俺達で情報を止めるというのも悪手に過ぎる。

 という訳で、この件は『不確定情報』という前提を加えて、天照様に報告するという形で落ち着いた。

 この件を受けた天照様は、『事態を重く受けとめて、事実ならば早急に証拠を掴む』と言っていた。

 アザゼルのおっちゃんは、大事に発展しそうな雰囲気に苦虫を噛み潰していたが、この判断は間違っていないはずだ。

 仮にこの件を俺達で止めていた場合、後で露見すれば堕天使の日本帰属なんて認められるわけがなく、諸共に叩き潰されるのは目に見えている。

 けど、アザゼルのおっちゃんの様子を見てると、俺がすっげー冷たい人間に思えるんだよなぁ。

 まあ、家族と知り合いが無事なら、後はどうでもいいやって思ってるあたり、そう間違った評価じゃないんだろうけどさ。

 

「おい、慎。おい」

 こちらに呼びかける声と肩に掛かる緩い振動に、思考の海に沈んでいた意識が浮上する。

「大丈夫か? 心ここに在らずって感じだったが」

 見れば、隣に座っていたアザゼルのおっちゃんが、呆れと心配が入り混じった顔をこちらに向けている。

 どうやら、思っていた以上に考えに没頭していたらしい。

「悪い。さっきのことについて考えてた」

「頼むぜ。あの件が気にかかるのは分かるが、今はこっちに集中してくれ」

「ごめん」

 ため息をつくアザゼルのおっちゃんに頭を下げて、俺は再び現ベルゼブブ・アスモデウスの両魔王に向かい合う。

「ふむ、何か心配事かな? 体調が優れないようなら、日を改めるが?」

「えー、メンドクサイなぁ。どうせこっちの意向を確認するだけなんでしょ。だったら今日やったほうが、手間が無くていいじゃん」

 アジュカさんはともかく、やる気ナッシングのファルビウムさんは辛辣(しんらつ)である。

 まあ、アポを取っておいてボーッとしていたこっちが悪い。

 ここは素直に謝っておこう。

「失礼しました」

 俺が頭を下げると、アジュカさんは鷹揚(おうよう)に頷いた。

 顔を伏せ、黒光りする円卓の淵に視線を向けながら、建物内と周辺に馬鹿でかい氣や妙な気配を探しているが、反応は無い。

 どうやら、ルイという男はこの周辺には居ないらしい。

 もし捕まえる事ができたら、瞬間移動で奇襲を掛けてやろうと思っていたのだが……。

「問題がないなら続けよう。さて、まずは我々が駒王会議において、サーゼクス達の決めた約束を反故にした理由だったな」

「約束、ですか?」

「約束だよ、あんなものは。サーゼクス・グレモリーと君との間で結ばれた個人的な、ね」

「悪魔側が駒王会議で結んだのは三勢力の同盟だけだよ。何故なら、条約というものは国家間で結ぶものだもの。君がどれだけ力を持っていても、国家が個人と条約を結ぶなんてありえないのさ」

「故に、悪魔の駒や転生悪魔についての事案は、こちらに護る理由は無い。そうしたいのであれば、三勢力の同盟の条件として提示すればよかったのだ。そうすれば、サーゼクス達が持ち帰った後にこちらも検討はしただろう」

 二人して(まく)くし立てる魔王達の弁に、俺は密かに納得していた。

 なるほど、たしかに相手の言うとおりである。

 個人と国家の交渉で条約など締結しない、道理としてはあっている。

 まあ、道理としてあってる『だけ』なんだが。

「おいおい、状況を知らない奴がふざけた事を抜かすなよ。あの時はこいつがあの条件を飲ませなきゃ、即戦争だったんだ。それを後になっていちゃもん付けられたって、こっちも納得がいかんぜ」

「いちゃもんとは心外だな。我々としては、検討の機会も無くこんな不利な条件を飲まされるのは、不当だと言っているだけだ」

「アザゼル。君なら下僕悪魔の価値が分かるんじゃないの? 労働力や戦力、レーティングゲームに代表されるエンターテイメントの資源。今の冥界は、下僕悪魔の力無しでは成り立たなくなってる。それを手放すなんて、できるわけないじゃん」

「下僕悪魔、ですか。両陛下は転生悪魔を随分と下に見ているようですね」

「そんな事は無い。下層とはいえ、彼等も悪魔社会に取って無くてはならない存在だ。差別や蔑視など持った事は無いよ」

「ナチュラルに見下してるじゃねーか。あのな、その転生悪魔って言う現代の奴隷制度が、国際社会で目の仇にされてるんだよ」

 アジュカさんの『下層』宣言にツッコミを入れるおっちゃん。

 現代の奴隷制度とは言いえて妙である。

 しかし、今度はその発言にファルビウムさんが噛み付いてくる。

「奴隷制度とはずいぶんだね。彼等は望んで悪魔になったんだ。新参者である以上、多少の不利益は甘んじるべきだと思うけど?」

「リサーチ不足ですね。転生悪魔の中には主によって拉致、もしくは瀕死にされた後に無理やり悪魔に変じられた者も多く居ます。アスモデウス陛下、貴方の主張を通すなら、そういった行為を取り締まる必要があるのでは?」

「それくらいは把握してるよ。でも、そんなのは下僕の中でもほんの一部でしょ。駒が渡される貴族には、ある程度の自治が認められてるんだ。それなのに、一々行政府が取り締まるなんてできるわけない」

「そうやって見て見ぬフリをしてきた結果が、今の状況なんです。アスモデウス陛下、貴方の言葉は悪魔が他神話の人間を拉致するのを、認めるようなものなのですよ?」

「だからなんだい。そんなのは大昔からやってる事だ。今更言われたって、どうしようも無いでしょ」

 そう言って大欠伸をするファルビウムさん。

 ・・・・・・あかんわ、この人。

 転生悪魔や悪魔の駒が、悪感情を買っているのを分かった上で開き直ってる。

「……多神勢力が悪魔の駒に、どのような感情を向けているかは把握している。それでもなお、我々には下僕悪魔を手放すことは出来ん」

「わかってんのか、お前等。そりゃ世界相手に喧嘩売るのと同じ意味なんだぞ?」

「もちろんだ。だが、我々にも血を流してでも護らねばならん物がある。そして、その為に戦争という手段を取る事、即ち交戦権は国家に認められた権利の一つだ。それが個人の思惑にねじ伏せられるなど、あってはならない」

 おっと、そりゃ俺に対する皮肉か?

「なら、三勢力の同盟は終わりだな。俺達も天界も、お前等に付き合って沈むわけにはいかねえ」

「貴殿がそう言うなら、やむを得んな」

「・・・・・・即決かよ。サーゼクスの時には散々検討する時間を取れって言っといて、自分はガン無視か?」

「検討なら何度も行ったし、貴族院の承認も得ているよ。私はサーゼクス達のような理想主義者ではないからね、昨日まで敵だった者に背中を預ける事はできないのだよ」

「君もそうだよ、慎。セラフォルーは君の事を『無限』の傘なんて言ってたけど、そんな信用が無いモノに自分の未来を預けるのはナンセンスだね」

「信用ならない、ですか。今までこっちは三勢力に気を使ってたんですけどね」

「使っていたのはグレモリーを初めとする知り合いに、でしょ?」

 立て続けに出る否定的な言葉にため息交じりで言葉を吐くと、ファルビウムさんからキツい言葉が返ってくる。

「君は悪魔社会全体のことなんて考えてないじゃないか。だから、悪魔の駒や下僕悪魔の使用停止なんて口に出来る。『無限』の力による保護だって、グレモリー家が居なくなったら終わりなんでしょ? そんな不安定な抑止力なんて無いほうがマシさ」

 いつに無く苛立った口調でこちらを責めてくるファルビウムさん。

 彼の性格からいって、この怒りは悪魔社会を思ってのモノじゃなくて、自分の仕事が増えたからなんだろうな。

「たしかに、そちらの言う通りです。ですが、それはおかしな事でしょうか? そも、悪魔社会の守護や今後の展望を思慮するのは、あなた方の仕事でしょう。魔王でも大王でもない私が行う事じゃない」

「だったら口出しなんてしないでほしいね。部外者に引っ掻き回されたら、余計に厄介な事になるんだから」

「そうはいかない。恩人や幼馴染が戦争に巻き込まれそうになってるです、必要なら手も足も出しますよ。だいたい、あなた方がサーゼクス氏達が外交の矢面に立っていた時に、後ろで我関せずとやっていたからこうなったんでしょう? 後で文句言うのなら、会議に参加していればよかったのではないですか?」

「やだよ。そんな面倒な場所に顔を出すわけないじゃないか。なんの為にセラフォルーに任せたと思ってるのさ」

 こちらの反論に露骨に顔を歪めるファルビウムさん。

 全く悪びれないで言い放ったぞ、このおっさん。

 どう考えても給料泥棒だろ、これ。

 つーか、女性のセラフォルー姉さんにあんなキツいポジ押し付けといて、恥ずかしくないのか?

「まあ、サーゼクス氏達に押し付けた『約束』に文句があるのはいいでしょう。所詮(しょせん)は素人が苦し紛れで考えた程度のものですから。ですが、当時の代表が誰であれ、あなた方は条件を飲んだんです。それを反故(ほご)にするのなら、それなりの代償は払ってもらう事になりますよ」

「それは覚悟の上だ。先ほども言ったように、私達は自身の権利を護る為なら戦いも(いと)わない」

 権利、ねぇ。

 他者を無理やり改造して奴隷にする権利なんて、誰が持ってるってんだか。

「今回の件、約束を破れば私も多神勢力側に付くのは聞いていますよね?」

「ああ。だが、我々は噂ほど君を脅威とは思っていない」

「いくら強くなったとはいえ、雷撃も飛ばせない君がオーフィスに勝ったというのは盛りすぎでしょ。白龍皇との戦いも捏造臭いし、その気になれば、僕達のどちらかで押さえられるんじゃないの?」

 なるほど、なるほど。

 聞いてはいたが、俺は冥界ではえらく舐められているようだ。

 サーゼクス兄達の手前、言いたい事は言いながらも最低限の礼は尽くしてきたつもりだけど、これはさすがにムカついた。

 今後の事もあるし、ここらで一発『キャン』と言わしとくか。 

「それはまた随分な評価ですね。では、仮にこの場で私が襲い掛かったとしても、討ち取られる事は無いという事ですね?」

 にこやかな笑顔のまま軽く殺気を放つと、室内の空気が凍りついた。

 見れば、薄い笑みを浮かべていたアジュカさんの表情は強張り、ダレた態度を崩さなかったファルビウムさんは、怠惰な雰囲気を放り出して後方に距離をとっている。

「失礼、場を悪くしてしまったようです。それにしても両陛下、私は軽く怒気を放っただけですよ? そこまで過剰に反応する必要は無いと思うのですが」

 こちらの言葉には答えずに、向こうは臨戦態勢を取る両名。

 ファルビウムさん・・・・・・もう呼び捨てでいいや。

 ファルビウムは結界の重ね張りで防御を固めてるし、アジュカの方は妙な気配を纏い始めている。

 多分、あれがむこうの超越者としての力、『覇軍の方程式(カンカラー・フォーミュラ)』だろう。

 感じる力は『無限の闘争』で換算すればB上位、何らかの特殊性を加味してもA中位が妥当か。

 ふむ、ちょうどいい機会だ、例の技を試してみるか。

 むこうに気づかれないように調息した俺は、アジュカの身体の中心、いわゆる魂魄に向けて意識を集中する。

 放った意識の糸はゆっくりと彼の体の中に入り、経絡を経由してその中枢へと進んでいく。

 駒落しに近い感覚を感じながら奥に進んでいくと、意識の糸はついに彼の根幹というべき物を捉えた。

 自分の物を操作していたからこそ分かる。

 これがアジュカ・ベルゼブブという存在の『因果』だ。

 さすがにここまでは防御策が講じられてはないようで、無防備な因果の掌握は拍子抜けするほど上手くいった。

 なるほど、因果を掌握するとはこういうことか。

 身体を司る部分を少し(いじ)るだけで、脳梗塞だろうが心臓麻痺だろうが簡単に引き起こせる。

 しかも因果律操作を習得していなければ、相手はまったく気づかないときた。

 うん、これはヤバいわ。

 これに慣れたら、修行なんかしなくなっちまうぞ。

 さて、初めて他者の因果に触れた感想はここまでにして、そろそろ行動を起こそう。

 今回俺が手を加えるのは、むこうご自慢の『覇軍の方程式』である。

 現在展開している効果を打ち消すってのも悪くないのだが、この能力の効果を思えば、今後の戦いで使われるのはよろしくない。

 やはり、ここは永久封印だな。

 こちらが因果にかかった意識を操作すると、アジュカの纏っていた雰囲気が綺麗に消失する。

「なっ!? 『覇軍の方程式』が・・・・・・!?」

「どうしたんだい、アジュカ」

「わからん、急に『覇軍の方程式』が発動しなくなった! どういうことなんだ、これは!?」

 さっきまでのすまし顔はどこへやら。

 顔いっぱいに冷や汗をかきながら魔力を放出し続けるアジュカを横目に、俺は奴に絡んだ意識の糸を離す。

 ・・・・・・掌握から発動まで1分少々か。

 たしかに効果は凄いんだが、ここまで時間がかかっては使い物にならないな。

 しかも、今の俺ではBランク以上の相手だと因果は握れないみたいだし。

 ・・・・・・あれからお代わり十回ほど将軍様に殺されたのに、この体たらく。

 これではキン肉マンの因果を握るのも無理そうだ。

 ミキサー大帝よろしく、火事場のクソ力を封印できれば有利に立てると思ったのに、残念。

「貴様、いったいなにをした!?」

 能力を封じられた焦りから紳士の仮面が剥げたアジュカは、こちらに向けて声を荒げる。

「なに、とは? 私はここに座ったまま指一本動かしてませんよ。そもそも、私の力は陛下達と互角なのでしょう? ならば、力を封じるなど出来るはずがありますまい」

 いけしゃあしゃあと答えてやれば、アジュカの顔が様々な感情がない交ぜになった凄いモノになる。 

「・・・・・・宣戦布告も無しにこんな真似をするなんて、随分と卑劣なじゃないか」

「これはまた随分な物言いで。ですが、仮にも国家元首たるものが、証拠も無しに他人を非難するというのはいかがなものでしょう?」

 余裕を崩さないこちらの態度に押し黙るファルビウム。

 当然証拠など無いのだから、こうなるのは当然だ。

「仮に私が何かをしたとしても、貴方の言葉はお門違いですよ、アスモデウス陛下。『国家と個人間に条約は結べない』と言ったのは、他ならぬ陛下なのですから」

 笑顔と柔らかい態度を崩さずに恫喝(どうかつ)するという、我ながら器用な真似をしていると、魔王の後ろにある通用口の扉が勢いよく開いた。

 開け放たれた扉の奥から部屋に飛び込んできた一団は、素早く魔王両名の前に陣取って油断無くこちらを警戒する。

「ありゃあ、ディハウザー・ベリアルと眷属達じゃねーか! 奴等、レーティングゲームのトップランカーを護衛に付けてたってのか!」

 どっかで見たことがあると思ったら、今をときめくトップアスリート様らしい。

「ディハウザー! 奴を討て!!」 

「はっ!」

 アジュカの指示で初めて、臨戦態勢を取り始めるディハウザーとその眷属達。

 はっきり言って、話にならないくらいに遅い。

 こっちがその気なら、十回は魔王の首が取れている。

 こういった場合はアジュカの指示など待たずに、行動を開始するのが正解だ。

 レーティングゲームの王者とはいえ、この辺の臨機応変さが無いところがスポーツマンなんだろう。

「ポーン総員はナイトと共に奴の足止め! ビショップ両名は後方援護! ルークとクイーンは、私と共に陛下たちの守護に付け!!」

「「「「「了解!」」」」」

 ディハウザーの指示で眷属各員はキビキビと動き始めた。

 兵士たちは隊列を組んで最前列に立ち、その後ろには騎士らしき全身鎧が控える。

 ルークと思われる巨漢は円卓を立てて盾代わりにし、女王と思われる女は魔王二人をディハウザーの後ろへと誘導している。

 よく仕込まれているのはいいのだが、テーブル立てる時は声くらい掛けろ。

 危うく、例の鏡を割るところだったじゃないか。

「おい、慎……!」

「おっちゃんは下がってろ」

 焦りを含んだ声で呼びかけてくるおっちゃんを後ろに下げると、むこうの兵士八名がこちらに突撃してくる。

 銘々に得物を抜き、派手な(とき)の声を上げてはいるが、あれはフェイク。

 本命は───

 兵士達に向けていた視線を奴等の頭上に向けると、一呼吸置いて騎士二名が後方から飛び出してくるのを捉えた。

 そう、兵士をブラインドにした騎士での奇襲だ。

 動きにムラがないし、騎士が飛び出すタイミングも悪くない。

 この戦法を考案してから、何度も訓練もしたのだろう。

 だが、まだまだ甘い。

 敵の察知を視力だけに頼っている者になら通用するだろうが、他心通(たしんつう)に長けた者に取ってはバレバレだ。

「曲者、覚悟ッ!」

「魔王様への不敬、その首で(あがな)え!!」 

 裂ぱくの気合と共に、頭上から振り下ろされる剣と槍。

 高位魔法と同等の魔力が込められた切っ先は、風を巻いて俺の両肩に食らい付いた。

「やったか!?」

 一見すれば致命の一撃に見える体勢に、歓声をあげるディハウザー。

 見事なまでのフラグ構築である。

 こうまでベタな反応をされては、期待に応えるしかあるまい。

「やれやれ、暴力はいけないなぁ」

 平然としたこちらの声に、悪魔側の歓声がピタリと止んだ。

 見れば、ディハウザーや眷属達はもちろん、魔王達までもが驚愕の表情を浮かべている。

 というか、騎士二名。

 お前等は打ち込んだ感触で、ダメージがあるかどうかぐらい分かるだろうに。 

 賢明な読者諸兄は分かっていると思うが、この程度の攻撃では俺の肉体はおろか、着ているスーツの糸一本すら傷つけることは出来ない。

 俺の硬氣功は肉体はもちろんの事、毛髪や着ている服の繊維に至るまで、鋼の柔軟さを兼ね備えたダイヤモンド並の硬度に引き上げる事が可能なのだ。 

 さて、事情はどうあれ、手を出してきたのは向こうであり、こちらが殺されかけたのは間違いない。

 会談の参加者としては、身を護る為に最大限の努力をしなくてはなるまい。

 得物を両肩に押し付けている騎士達をよそに、俺は前方に向けて少しキツめに殺氣を放った。

 次の瞬間、眷属悪魔達が次々と白目を剥いて倒れ、ディハウザーと魔王達もヘナヘナとその場に尻餅をついた。

「おい、なにをやったんだ?」

「別に。少し脅かしてやっただけだよ」

 適当に答えを返しながら、俺は武器を当てられた場所の埃を払う。

 ア●ヤマ製とはいえ、朱乃姉と美朱が買ってくれた一張羅なのだ。

 必要なパフォーマンスとはいえ、気を揉むのは仕方が無いだろう。

 ちなみに、今俺がやったのは氣当たりという古流の技法だ。

 相手に向かって瞬間的に強烈な氣を放つ事で、相手を竦ませたり、気絶させたり、もしくは錯乱させたりと、精神的に様々な不調を誘発させることが出来る。

 これに暗示を織り交ぜれば極めて簡単に相手を洗脳することも可能で、ゲーメストコミック版の『龍虎の拳』では、Mr.ビッグがこの技法を使って無敵の軍隊を作ろうとしている描写があった。

 まあ、洗脳や暗示はヤバいから使わないけどね。 

「行こう、おっちゃん。ここでの用はすんだ」

「いいのか?」

「問題ないだろ。先に手を出してきたのはむこうだし。俺の発言が切っ掛けだったとしても、しっかり『仮に』って付けてるからな」

 『ですよね?』と手の中の鏡に氣を送ると鏡面に波紋が広がり、次に映っていたのは天照様の顔だった。

『ええ、しかとこの目と耳で確認しました。もちろん、ベルゼブブ・アスモデウス両魔王からの条約破棄の件も。ですので、我等日本神話は只今を持って悪魔政府に宣戦を布告します』

 鏡面が揺らぎ、次に現れたのは腕を組んだダグザ様だ。

『我々ダーナ神族も同様だ。公式発表を遅らせることで開戦の準備を進めるつもりだったのだろうが、そんな小細工が通用すると思ったか?』

『無論、我等オリュンポスも参戦させてもらう。停戦や和平は期待するな。舌の根が乾かぬ内から、約定を覆す輩と交渉なぞ行う気は無いからな』

『アスガルドも参加させてもらうぞ。契約の重要性を理解できぬ悪魔なぞ、害獣でしかないからの』

『無論、我等エジプト神話もだ。薄汚い魔に墜とされた借り、存分に返してやろうぞ!』

 ハーデス様に続き、オーディン様やアメン様が映ると、他の多神勢力達も次々に宣戦を布告していく。

 ……OK、アザゼルのおっちゃん。

 その猜疑(さいぎ)に満ち満ちた目を止めるんだ。

 誤解が無い様に言っておくが、別に意図してこうなったわけじゃないよ?

 さっきから鏡がペカペカ光ってウザかったから、氣を通したらこうなったんだ。

 本音を言えば、やるかもとは思ってたけど、本当にやらかすとは。

 実況だけだとか言ってたのに、酷いっすよ天照様。

「あ~。もう後には引けなくなっちゃったし、諦めて行こうぜ」

「……ああ、畜生め」

 俺に(うなが)されて、アザゼルのおっちゃんも腰を上げる。

 入り口を警護していた憲兵は殺気に当てられたせいで、股間を濡らしながら気絶していた。

 ……彼等にトラウマが残らないように祈るとしよう。 

 アザゼルのおっちゃんの後ろについて会議室を出る寸前、俺は二人の魔王様にむけて笑顔でこう言い放った。

「それじゃあ、次は鉄火場で。吐いた唾を飲まないよう、せいぜい気張ってください」

 地に膝をつき、俯いた顔を上げようとしない魔王達を尻目に、俺は会議場を後にした。

 

 

 

 

「なに考えてんだよ、お前。今ので完全に(とど)めじゃねーか!」

「俺のせいかよ!? 宣戦布告ブッパしたのは天照様達だろうが!」

「そもそも、悪魔との会談になんで主神連中とホットライン結んだ鏡なんて持ってきてんだよ!? おかげでフォローのしようがねぇだろうが!!」

「仕方ないだろ。今回の会談の実況動画取るのが、サーゼクス兄達を日本に保護する条件だったんだから。だいたい、あいつ等の会話のどこをフォローするつもりなんだ」

「……今は思いつかねえけど、家に帰って考えたら何か出るだろ」

「全然ダメじゃねーか。むこうもやる気満々なんだから、フォローなんて入れようないっつーの」

「まったく、例のルイって奴のことも何も分からなかったし、天界は天界で妙な動きしてやがる。どうすんだよ、これ・・・・・・」

「日本に帰属すんだろ。もう(さい)は投げられたんだ、肚括(はらくく)れよ」

 魔王府から出た大通りを、俺とおっちゃんはブラブラと歩いていた。

 瞬間移動で帰ってもよかったのだが、なんとなく街外れまで歩きたくなったのだ。

 まあ、建物を出たあたりから、おっちゃんがグチグチ言い始めたのは誤算だったが。

 そんな会話を垂れ流しながら、ファストフードやらファミレスやら人間の店のパクリが立ち並ぶ通りを歩いていると、前方でこちらを待ち受ける金髪の女がいるのが見えた。

 ワインレッドのドレスに包まれた、背丈の割りにボリュームがある胸の前で腕を組み、ドヤ顔でこちらを見つめる謎の少女。

 年の頃は俺と同じか、一つ上程度。

 ・・・・・・どっかで見たような顔なんだが、どうも思い出せない。

「待っていたよ、アザゼル総督。そして人中の『無限』殿」

 近くに来た途端、女は堂々と俺達の事を口にした。

 俺は兎も角、アザゼルのおっちゃんは冥界では有名人だ。

 こんな人通りが多いメインストリートで名を呼ばれた所為で、あっという間に人だかりが出来てしまった。

 まあ、遠巻きに見ているだけで、芸能人みたいにサインとか強請ってくる輩がいないのは救いか。

「すみません、どこかでお会いしたでしょうか?」

「すまねえな、お嬢ちゃん。どっかで在ったかもしれねえが、思い出せねえや」

「ああ、気にする必要は無いよ。貴方達とは面識はないし。ただ、名前を知っている程度さ」

 なんとも気取った態度で、こちらの言葉を受ける女。

 その一挙一動に周囲の目が奪われている。

 それは隣にいるおっちゃんも同じだ。

 そういえば、芝居がかった仕草の一つ一つに妙な波動を感じる。

 か細くて殆ど感じられないけど、これって神氣か?

「おや、辺りもずいぶんと騒がしくなってしまったね。これも私の所為なんだけど、衆愚とは群れるもの。気にする事はないさ」

 尊大に頷く少女に、傍付きのオリエンタルな衣装を身に纏った女が耳打ちをすると、彼女の雰囲気が一変した。

 先ほどまでの芝居がかった挙動は鳴りを潜め、表情も楽天的な笑顔から張り詰めたそれに変わる。

「……すまない。状況が代わってしまった。何も言わずに私に付いて来てくれないか」

 突然の無茶振りである。

 とはいえ、目の前で少女が涙目になっては、無下に断ると言うのも(はばか)られるものである。

「何も聞かされずに付いて来いと言われても……。恐らくやんごとなき方で()らせられるのでしょうが、話しても良いと思われる事だけで構いませんので、事情をお話願いませんでしょうか?」 

「……そうだね。私の両親にタチの悪い呪いが掛けられてしまってね。君に解呪を頼みたいんだ」

「私でなければ、ならないのでしょうか?」

「うん、君でなければ解くことができないんだ。なにせ、相手は『(しゅ)』の呪いだからね」

 皮肉を込めて少女は仇の名を吐き捨てる。

 なるほど、『主』ね。

 ならば、俺が行かねばならんだろう。

「わかりました、同行しましょう」

「いや、待て待て」

 即座に決断すると、アザゼルのおっちゃんに肩を掴まれた。

「どう見ても怪しいだろ、あの嬢ちゃん。それがなんで『行く』って結論になるんだよ」

「いや、仕事だからな。それも10億円のビックビジネス」

「10億ぅッ!? なんだそりゃあ!!」

「ああ、姉母様の提示した額だね。大丈夫、そのくらいならポーンと払うよ」

 おっちゃんの絶叫がむこうに聞こえていたらしく、少女は、こちらを振り向かないままに言葉が返してくる。

 つうか、ちょっと待て。

 このお嬢さん、今、なんて言った?

「あ、現地には姉母様もいらっしゃるから、挨拶だけはしておいてくれよ」

 Oh……

「おい、あいつの言ってる姉母って誰だ?」 

「ウリガット神話のアナト様ですが、なにか?」

「よし、俺帰るわ」

 その名前を聞いた瞬間に、クルゥリと回れ右をするおっちゃん。

 そんな薄情な男の肩を、今度は俺の手ががっちり掴む。

「ほほほ……ッ! 逃がしませんことよ」

「離せ! 離してくれ……ッ!! あんな世界一おっかねえ女のところになんか行けるか!? あいつが居るだけで、ハーレムの後宮もグラウンド・ゼロに化けるんだぞ!?」

「そこまで分かってるなら、なおさら来い!! 俺一人をあんなブラッド・バス製造機に放り込む気かよっ!?」

「言うの忘れてたけど、姉母様は君達が来るのを前提に宴の準備とかもしているからね」

 その言葉を聴いた瞬間、俺達の表情は死んだ。

 超物騒な上にヤンデレを拗らせているという、絶対に敵に回してはいけない女神様の一柱からのお誘い、か。

 ……Shit(な、なんてこった)!?

 『yes』か『はい』しか答えがないじゃないか。 

「おっちゃん」

「なんだ、慎」

「逝こうか」

「・・・・・・そうだな」

 精肉場に送られる豚のような気分で少女に付いて行く俺達。

 路地裏に入って転移ゲートを開く少女を見て、俺はある事を思い出した。

「そういえば、まだ貴女の名前を聞いてませんでした。良ければ教えてくれますか?」

「ああ! そういえば、そうだったね」

 ゲートを開き終えた少女は、こちらの言葉にポンと手を打った。

「では、改めて我が名を名乗ろう」

 そう宣言して、少女は自身の髪を大きく払った。

 真紅のドレスに棚引く金糸のような髪が随分と栄える。

「我が名はディアナ・アスタルテ! かつてはディオドラ・アスタロトと呼ばれていた存在さ」

 格好良く名乗りを終えて、どうだっ! とばかりに胸を張る少女。

 しかし、俺たちには感想を返す余裕が無い。

 え? これがディオドラ?

 あの『アスタロト家のう●こ』とか、『稀代(きだい)の大うつけ』とか呼ばれた穀潰しの?

 マジで?

 あいつって悪魔貴族のくせにAVに出演した、伝説のバカだよ?

 それが発覚した時は、アスタロト家が阿鼻叫喚の地獄に化けたって話しだし。

「え、ちょっとまって。貴女、あのディオドラなのか? というか、なんで女になってんの?」

「『あの』っていうのが何を指すのかがとっても気になるが、今は追求しないでおこう。『無限』殿、君の問いの答えは『Yes』だ。もっと言えば、これが私の本来の姿であり、男性体のディオドラは仮の姿ということになるね」

「おい! 聖女を堕としまくったっていう、穢れたバベルの塔はどうなったんだ!?」

「この身体になる時に無くなってしまったよ。あれば私の子猫ちゃん達を可愛がることができたんだが、惜しい事をした」

 『セイント・バスター、カムバーック!』などと叫ぶ少女のあんまりな姿に、ストンと納得がいった。

 『あぁ、あれは噂通りのディオドラだ』と。

 女が本来の姿だとかほざいといて、『ピーーー』を欲しがる奴なんて、そうはいないだろうし。

「さて、私の最大の秘密が明かされたところで、姉母様のところに行こう。……あの人を待たせすぎると歓迎の宴が、鮮血たっぷりの謝肉祭になってしまう」

 何を思い出したのか、少し上向きになったテンションを急下降させながらゲートを潜るディアナ嬢。

 それについて行くと、眼前に広がっていたのは古代の神殿だった。

 漆喰が塗られた白い壁に、金や翡翠で造られた数々の装飾品。

 巨石を削って作られた勇壮な神像達が列を成し、中央の祭壇には山羊の角を生やした美女が無人の玉座の脇に座っている。

「久しいな、『無限』の男よ」

「お久しぶりでございます、アナト様」

 跪いて礼を示すと、アナト様は口元に笑みを浮かべる。

「そなたは善き男よな。神をも超える力を持ちながら、神を敬い礼を尽くす。あの方の慧眼に見落としがあったとすれば、そなたをグレモリーに取られたことかもしれん」

「勿体無いお言葉です」

 過分な評価に頭を垂れると、その視線はアザゼルのおっちゃんを捕らえる。

「それに比べて、そこな『カラス』は変わらずに(うつ)けなことよ。妾を前にして膝の一つも折らぬとは。齢20にも満たぬ者が礼節に通じておるのに、数千年生きた貴様は何を学んだのだ?」

「うっせーや。俺はこいつみたいな神官職じゃねーんだよ。テメエが頭を下げる相手くらい、テメエで選ぶわ」

「ふん、女の乳に迷って天使長の座を捨てた男は言うことが違うわ。ところで、そこな少年に借りた聖娼の代金は返したのか?」

「か・・・・・・返したわいっ!?」

 いいえ、返してもらってません。

 いい加減にしないと利子を十一にするぞ、エロ親父が。

「まあよい。『カラス』の戯言(ざれごと)に付き合っていても、時間の無駄でしかないからな。顔を上げよ、姫島慎」

「はっ」 

「本来なら夕餉(ゆうげ)を楽しみながら悪魔を討つ算段を付けるつもりであったが、状況が変わった。そなたには、何時ぞやの約束を果たしてもらいたい」 

「ディアナ様より(うかが)っております。神救いの法が必要な方がいらっしゃるのですね?」

「うむ。本来であれば、彼奴の遺した呪詛になど屈する方ではないのだが、半月ほど前から急にその力が増してな」

「わかりました。まずは患者のところに行きましょう」

「ついて来るがいい。『カラス』、貴様は適当に酒でも飲んでおれ」

 衛兵に連行されるおっちゃんの怒声を背に、踵を返したアナト様に続いて俺は祭壇の奥に備え付けられた部屋へ入った。

 そこには右半身が蝿となった男性と、下半身が蛇、左半身が男となった女性がうめき声を上げていた。

「これは……」

「父上……母上……」

 あまりの光景に絶句する俺と、涙をたたえて口元を押さえるディアナ。

 って、ちょっと待て。

 アナト様を『姉母』なんて言ってたから何となく察しは付くけど、マジなのか?

 そんな俺達を他所に、アナト様は目に涙を浮かべながら、男の人の形を保っているほうの手を握り締める。

「あなた……」

「彼が…来たのだな……?」

 虫の羽音が混じったようなしゃがれた声に、アナト様は小さく頷く。

 この状態で意識があってしゃべれるとは、とんでもない生命力と意思だ。

「姫島! この方を、我が夫を救ってくれ!」

 焦りと不安を顔に張り付かせたアナト様が噛み付かんばかりに訴えてくるが、それを止めたのは手を握っていた男性だ。

「……よい。私は、まだ持つ。それよりも……アスタルテを……あ奴を先に救ってくれ」

「しかしっ!?」

 とっさに反論しようとしたアナト様は、男性の残された瞳が放つ眼力に言葉を飲み込む。

 さて、これは近年稀に見る修羅場のようだ。

 アナト様が夫と呼び、呪詛に蝕まれた女性がアスタルテとくれば、この男性はバアル神であることは間違いないだろう。

 顔を見たことがないので、ゼクラム・バアルであるかどうかは、判断が付かないが。 

 氣を精査したところ、バアル様の言葉通り、アスタルテ様より彼のほうが余力はある。

 しかし、神救いの法に掛かる時間を計算に入れれば、彼が助かる可能性は殆ど無い。

 さて、選択肢は二つだ。

 どちらかを見捨てて確実に一柱を救うか、もしくは双方命を落とす危険を覚悟の上で、同時に施術を行うか。

 駒落としの二名同時施術は何度か体験したが、神救いは初めてだ。

 片方のみならば、確実に施術を成功させられる

 しかし同時使用となると、アメン様を救った時から上達したことを考慮に入れても、成功する可能性は60%程度だろう。

 ……いや、玉藻の支援があれば、もう少し上がるか。

 あの宝具が有ると無しじゃあ、負担が全然違うし。

 となれば、アナト様に状況を説明して玉藻を迎えに───

「その必要はありません、ご主人様。貴方様が必要とされますならば、この玉藻、宇宙の彼方でもはせ参じましょう」

 突然背後からかかった声に振り向いてみると、そこには藍色の十二単という完全武装の玉藻がいた。

「……なんでいんの?」

「ご主人様の私を求める声が聞こえましたから、パスを伝ってちょちょいと転移をば」

 いや、お前ね。

 他者の神殿に無断で乗り込んでくるとか、結構失礼なことアルヨ?

「その辺は緊急事態ということで。アナトさんも、旦那様も第二婦人も救ってみせますから大目に見るヨロシ」

「よく分からんが、救ってくれるなら大目に見よう」

 アナト様の許可も降りた事で、俺達は早急に準備を進めていく。

 施術の前に、先ほどの選択をアナト様に提示したところ、迷うことなく二人を救うことを選択した。

 正直、マンツーマンで対処できれば一番なんだが、この『神救いの法』を使用できるのは世界で俺だけなのだ。

 というわけで、玉藻以外の援軍は無し。

 今回も唯一の使い手として気張るしかない。    

 玉藻が宝具によって結界を展開するのと同時に、患者両名の額に手を当てて氣脈にアクセスする。

 20倍の界王拳を維持したまま両者の中を進んでいた俺は、思わず舌打ちを漏らした。

 バアル様とアスタルテ様のキャパシティに差がありすぎるのだ。

 アスタルテ様のスペックを1と仮定したなら、バアル様は4以上。

 つまり、氣を均等に送り込んでいたのでは、確実に術式は失敗する。

 そうではなくバアル様に八割、アスタルテ様に二割という風に振り分けねばならないのだ。

 大きく呼気を放って、俺は送り込む氣を調整する。

 出力差でバアル様側に当てた右腕が(きし)みをあげるが、無言で痛みをねじ伏せる。

 そうやって氣脈を辿っていると、アメン様の時と同じく中枢部分にたどり着くことが出来た。

 彼等の黒く染まった魂を縛る鎖は三本。

 アシュタルテ様には蛇と男の意匠が施されたもの、バアル様に絡みつくのは他とは比べ物にならないほどに太い蝿の意匠がほどこされたそれだ。

 手順どおりに魂へのアクセスを試みたところ、案の定迎撃機能が発動。

 アメン様の時は鎖が直接気脈を攻撃してきたのだが、今回はなんと鎖の先端が変形し、鋼の天使となって襲い掛かってきたのだ。

 これまでなら、為すすべも無く気脈を攻撃されて術式失敗となっていただろうが、今の俺は一味違う。

 こちらが思念を送ると、奴等と同じように気脈の先端が俺の姿へと変わる。

 これも因果律操作のちょっとした応用である。

 条件は同じに戻したわけだが、鋼鉄天使はアスタルテ様側には3、バアル様の方は9体存在している。

 対する俺は、各身体に一人だけだ。

 バッチリ多勢に無勢だが、この程度のハンデ、乗り越える技ならいくらでもある。

 俺の分身たちは、双方とも両腕を組んで仁王立ちになる。

 一見、隙だらけに見えるこの体勢。

 これこそが今回の技の構えなのだ。

 漆黒に染め上げられた全身鎧姿の天使たちが、剣や槍を手にこちらへ襲い掛かる。

 奴等に言葉は無い。

 あるのは兜の奥で煌々と輝く紅い光のみ。

 お互いが邪魔にならないように間を開けながら突進してくる天使たちが、こちらの間合いに入ってきた瞬間、俺は不動のままに練り上げた力を解き放った両腕から炸裂させる。

「グレートホーンッッ!!」

『『『『『『!!?』』』』』』

 両掌から放たれた衝撃波によって、鎧の残骸を撒き散らしながら天高く吹っ飛ばされる天使たち。

 中枢の天井スレスレから、全員揃って車田落ちで床に叩きつけられると、奴等は煙の様にその姿を消した。

 うむ、さすがはアルデバランの必殺奥義。

 前面広範囲をカバーできるし威力も上々。

 応用すれば居合い拳も習得できるという、なんともおいしい技だ。

 さて、邪魔者も片付いた事だし、ここからが術式の本番である。

 氣脈を元の形に戻して二柱の魂にアクセスすると、脳裏に流れてきたのは多くの人間の呪詛の声だった。

 アメン様の時は鎖に接触したら流れてきたんだが、今回は趣向が異なるらしい。

 というか、奴等は下品だな。

 『蝿の王』から始まり『糞山の王』に『娼婦』『淫魔』等々と、二人を呪う声はシモの話題ばかりである。

 信者がこんな奴等ばっかりだったら、そりゃあ当時の中東から追い出されもするわ。

 突然だが、ここで『神救いの法』のコツを一つ教えよう。

 こういった呪詛の声は構ってやると付け上がるので、基本シカトである。

 呪詛と聞いて怖いイメージを浮かべるかと思うが、術式の最中は全身が高密度の氣を纏った状態になるので、奴等は直接的には何も出来ない。

 今の様に、呪詛の声を送ってくるのが精精なのだ。

 という訳で、万が一この術を使うことがあったなら、この手の声はBGM程度に考えておこう。

 ……と、簡易講座を行っているうちに術式も佳境に入ってきた。

 魂の浄化も終わり、今は肉体の再構成の真っ最中だ。

 真人モードを立ち上げた上に、界王拳はオーバーブーストの三十倍。

 氣の出力差によって右手の経絡が何回かクラッシュしかかった所為で、『聖母の微笑み』もフル稼働状態だ。

 ……玉藻がいなかったら失敗してたな、これ。

 そんなこんなで久々の大苦戦だったのだが、それも漸く終わりを迎える。

 平行作業していたわりに早く終わったアスタルテ様から氣脈を離した俺は、最後の仕上げという事でバアル様の額と心臓の上に手を当てて、思い切り氣を送り込んだ。

 すると、半人半蟲だった身体は人間体に戻り、苦しげに(うめ)いていた呼吸も穏やかなものに戻っていた。

「ああ・・・・・・もう一度、貴方様の凛々しい姿を見ることが出来るなんて・・・・・・」

 感極まって眠っているバアル様に抱きつくアナト様。

 確かに凛々しいと言えば凛々しいのだが、なんでこんな『メタルギアソリッド』の『ビッグボス』そっくりなんだ、この方。

 アスタルテ様は普通に愛らしい女性って感じなのに、どうしてこうなった?

「アナト様、喜ばしいのは分かりますが、そんなに強く抱きしめてはいけません」

「なぜじゃ! 夫婦の再会を邪魔する気か!?」

「バアル様もアスタルテ様も、術によって肉体を再構成したばかりなのです。身体が安定する前に強い衝撃や無理な活動をすれば、どのような悪影響が出るか分かりません」

「む、そうか」

 『不機嫌です』と表情に出しながら、名残惜しげにバアル様から離れるアナト様。

「それで、バアル様とアスタルテは何時になったら本調子を取り戻すのだ?」

「個人差がありますので一概には言えませんが、今までの症例では2週間前後は掛かるかと───」

「それでは遅すぎる」 

 こちらの声に異を唱えたのは、アナト様ではなかった。

 見れば、眠っていたはずのバアル様が厳しい顔でこちらに視線を向けている。

 というか、だろうなと思ってたけど声までスネークなのね。

「あなた!」

「アナトよ、今まで苦労を掛けた。だが、ようやく私も高き館へと戻る時が来たようだ」

 感極まって涙するアナト様を、優しく撫でるバアル様。

『ご主人様、ここは空気を読みましょう』

 後ろで控えていた玉藻から釘を刺された。

 失礼な、俺はいつでも空気が読める日本人である。

 さて、ある程度アナト様も落ち着いたようなので、先ほどの発言の真意をバアル様に聞いてみた。

「それだが、悪魔どもは近々行動を起こすはずだ」

「行動、ですか? 今の悪魔に攻勢に出る力は残っていないと思いますが」

「それだ。多神勢力の殆どが現在の悪魔を死に体と捉えている、今のそなたの様にな。だからこそ奴は動く。多くの者達の心の隙を突いて、こちらの急所を狙い打つ為に」

「……奴とは?」

「明けの明星、初代ルシファーだ」

 苦虫を噛んだような顔で吐き捨てるバアル様とは裏腹に、それに驚きは無かった。

 頭に浮かんだ言葉は『やはり』だ。

 散々否定はしていたが、心のどこかにいるという確信があったからだ。

 そして、悪魔側の強気な態度もこれで得心が行った。

 魔王のトップとして三勢力全盛期に君臨していたルシファーが戻ってきたのだ。

 衰退し、多神勢力から追い詰められていた奴等にしてみれば、まさに救世主に見えたのだろう。

 悪魔が救世主とは皮肉が効いているが。

 という事は、奴等が詳細をひた隠しにしている魔王ルイが、そのルシファーで間違いは無いはずだ。

「バアル様。貴方様はルシファーに会った事があるのですか?」

「ああ。『禍の団』を利用して、悪魔社会内部への破壊工作を指揮している時に奴は現れた。最初に奴を見たときは、人違いかと思ったがな。滅びる前の奴と容姿がまったく違っていたのもあったが、内面も大きく変わっていたからだ」

「内面、ですか?」

「そうだ。私の知る奴は、悪魔至上主義を掲げて天使や堕天使と矛を交えながら、無作為に地上に手を伸ばすような奴だった。しかし、今のあの男は人の可能性に価値を置き、その発芽を促す為に世界を混沌に陥れようとしている」

「混沌・・・・・・」

 バアル様の話を聞くに従って、脳裏に嫌な予感が募っていく。

 混沌、人の可能性、そしてルイの偽名。

 ありえないと思っていた、間違いであって欲しかった。

 しかし、ここに至っては認めないわけにはいかない。

「バアル様、ルシファーは現在は偽名を名乗っているのですよね。それを聞いたことがありますか?」

「ああ、ルイ・サイファーだ。そして、奴の容姿は色彩が違えどそなたと瓜二つだった」

 バアル様の答えを聞いた俺は、ゲートを開いて『無限の闘争』に飛び込んだ。

 界王拳で限界の身体だとか、誰かに見られているなんて気にする余裕は無い。

 ルイ・サイファーは、『真・女神転生シリーズ』に登場したルシファーが好んで使っていた偽名だ。

 そして、この『無限の闘争』に闘士として登録されているのも件のルシファーなのだ。

 偶然に一致と言うには、あまりにも出来過ぎている。

 誰かが入ってくる前に入り口を消し、メインコンソールへたどり着くと、すぐに闘士の現状のステータスデータを確認する。

 検索するのはもちろん、ルシファーだ。

 しばしの読み込みの後、現れたデータに記された文字は『LOST』

 これは消滅が確認された者、もしくは『無限の闘争』の管理下から逃れた者に付けられるステータスだ。

 全身から嫌な汗が吹き出ているのを自覚しながら、ログを(さかのぼ)っていく。

 すると、何度か外部との交信が試みられている記録があった。

 そしてロストしたのは駒王会議当日、どうやら俺とヴァーリが闘り合っていた最中だったらしい。

 あの時、将軍様は言っていた。

 『無限の闘争』のバトルフィールドを現実空間に展開した事によって、現実と『無限の闘争』との境界が薄まった、と。

 将軍様がこちらに来れたという事は、あのルシファーが同じことが出来てもおかしくはない。

 しかし『無限の闘争』に登録されている闘士は、正規手続きを踏まなければ現実世界に残ることは出来ないはずだ。

 ならば、いったいどうやって……

 もう一度ルシファーのデータを洗いなおした俺は、漸くその答えにたどり着くことができた。

 コンソール内に残されている最終のステータスには『Soul』と記されている。

 つまり、こちら側に縛られた肉体を捨てて、魂だけで外界に飛び出したという事だ。

 闘う事が基本であり、肉体に重きを置く『無限の闘争』からしてみれば、盲点というべき行動なのだろう。

 そして、これでバアル様が言っていたもう一つの証言とも繋がった。

 今のルイ・サイファー、ルシファーの容姿が俺に瓜二つな訳は、奴の魂の受け皿として俺のクローンが使用されたからに他ならない。

 なるほど、鍛える必要など無いわけだ。

 奴にとって必要なのは肉体のポテンシャルではなく、己が肉体にする為の『無限の闘争』への親和性なのだから。

「くそぉっ!!」

 苛立ちのままにコンソールに拳を叩きつける。

 だが、メインルームに打撃音が響くだけで、異界の技術で作り出されたコンソールには傷一つ無い。

 なんてこった。

 今回の戦争の原因は俺だったってワケだ。

 まったく笑い話にもならない。

 今まで必死に積み上げてきた物を、自分で台無しにしたってことじゃないか。

 後悔と自己嫌悪が頭の中を満たしていくが、今はウジウジ後ろを振り返っている暇は無い。

 ルシファーがこうなったと知ったお陰で、確信が持てた。

 ここからの逃亡者はもう一人いる。

 次に検索に掛けるのは『DIOS』

 再び訪れる読み込み時間の後に、ディスプレイに表示されたデータはやはり『LOST』だった。

 DIOS。

 海外で作り出された、旧約聖書のキャラクターが闘う罰当たり同人格闘ゲーム『バイブルファイト』

 こいつはその最終ボスであり、その正体は聖書の神だ。

 ログやデータを遡って見れば、通信履歴から逃亡の手口までルシファーと一緒。

 もしかしたら、奴等はグルだったのかもしれない。

 それから、聖書に由来を持つ悪魔や天使のキャラを中心に確認を行ったが、この二体以外の脱走者は見当たらなかった。

 コンソールを落とし、大きく息を吐いた俺は自分の顔面を思い切りぶん殴った。

 頭の奥がジンッと痺れる感覚と共に、口の中に鉄さび臭い味が広がる。

 さすがに自分のパンチには、無傷ってワケにはいかないらしい。

 だが、これで気合は入った。

 後悔はある、罪悪感や自己嫌悪だって消えていない。

 だが、そんなものは後回しだ。

 今はテメエがやった事のけじめを付けるほうが先である。

 今回の悪魔の暴走や天界の不穏な動きの原因が俺にあるのなら、そのカタも俺が付ける。

 奴等にどんな意図があるはは知らないが、それも関係ない。

 

 ……ルシファーと聖書の神を叩き潰す。




 ここまで読んで下さってありがとうございます。 
 さて、今回の騒動は全部自業自得だと気づいた慎。
 久々のブチキレモードに突入です。

 『バイブルファイト』なんてマニアックな代物を二次創作で出したのは、私くらいだろうな、と思う今日この頃。
 
 という訳で用語集です。

〉グレートホーン(出典 聖闘士星矢)

 牡牛座の黄金聖闘士アルデバランの必殺技。
 両腕を組んだ状態から居合い抜きの要領で抜き放ち、凝縮した小宇宙を一気に相手にぶつける。
 非常にシンプルな技だが、その破壊力は絶大。
 まともに命中すれば大抵の相手は死亡か重症となる。

〉ルイ・サイファー(出典 真・女神転生)

 女神転生シリーズにちょくちょくと登場している人物。
 但しシリーズ毎にその姿は青年、老人、子供等と違っている。
 その正体は地獄を統べる魔王ルシファーであり、人間の姿は世を忍ぶ仮の姿である。
 青年体では『閣下』、少年の容姿では『坊ちゃま』という愛称で、ファンの間では親しまれている。
 基本的に金髪白肌の容姿と名前がシリーズ毎に同じな為、プレイヤーには常にバレバレであるが、気付かないふりをするのがエチケットである。
 一説に彼の名前は映画「エンゼルハート」でロバート・デ・ニーロ扮するルイス・サイファーに由来するとも言われているが、定かでは無い。
 
〉バイブルファイト(出典 海外同人ゲーム)

 『はじめに闘いありき』

 海外で作成された、旧約・新約聖書の登場人物たちが入り乱れて格闘する、メガテンシリーズに匹敵する罰当たりフラッシュゲーム。
 プレイヤーキャラは
 某立川の聖人
 ノア(腕に碇の入れ墨を入れた爺さん。腕っぷしと保護した動物で戦う)
 モーゼ(ほとんど魔法使い)
 イブ(胸と股間に葉っぱを張り付けただけの容姿なのだが、色気も萌えもまったく感じない。アダムを召喚する)
 マリア(赤ん坊を抱いて闘う全く新しい主婦キャラ。バ●カンにシバかれるぞ)
 サタン(三叉槍を持った古き良き悪魔。金子的絵を想像してはいけない)
 と、どいつもこいつもファンキーである。
 全ての相手に勝つと、漏れなく神の怒りを食らう事になる。

 もちろんMUGENでもキャラ移植がされており、立川の聖人、ノア、サタン、●●●●が存在している。

 今回はここまでとさせていただきます。
 また次回でお会いしましょう。
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