やはり俺の青春はロックでまちがっている。~Rock of the Rock~   作:石動 千凪

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みんな気になる?ヒロインは誰だ!!

一応原作キャラとくっつけますよ。

名前は出しませんが、この人ですよ!

ほら、黒いレースのあのお方!

※4/18 誤字修正


第02話 ~彼の過去を知る者~

部室を後にして、廊下を歩く最中、後ろから呼び止められた。

 

平塚「おい比企谷。まだ部活動時間だぞ。なに帰ろうとしている」

 

八幡「用事があるって言ったじゃないですか。ちゃんと雪ノ下と話して許可はもらってます」

 

平塚「そ、そうか」

 

八幡「・・・・・先生は、仕事が終わってから、何か用事はありますか?」

 

平塚「用事は何もないが、どうかしたか?」

 

八幡「それでしたら、仕事が終わってからココに来てください」

 

平塚「なんだ?駅前の地図じゃないか?」

 

八幡「先生には、見てもらおうかと思いましてね。本物の俺ってものを」

 

八幡「いい加減に、好き勝手言われるのはあれですので」

 

平塚「そ、そうか」

 

八幡「それでは、放課後お待ちしてますね」

 

 

 

 

平塚side

 

比企谷に言われた通りに、駅前にやってきた。

夕方を過ぎてなお、賑わいが絶えない場所だ。

それにしても、普段電車に乗らないから久しぶりに来たが随分と騒がしいな。

それにしても比企谷の奴・・・・。地図に場所が書いてないじゃないか。

渡された時になぜ気づかなかったのだろうか?

それとも比企谷の事だ・・・何か考えが・・・・・。

 

~~♪~♪♪~~~♪

 

あの人だかりから音楽が聞こえる。誰かが路上ライブでもしているのか?

今時路上ライブか・・・。今の時代に珍しいな。

いや・・・あれは・・・・

 

八幡「「---♪~~♪~♪」」

 

比企谷!?アイツが歌っているのか?

随分と様になっているようだが・・・・これが比企谷なのか?

それに普段学校で人と関わろうとしていないあの比企谷がバンドを組んでいるなんて・・・・・。

 

八幡「「~~♪      」

 

曲が終わり、その場からは拍手が鳴り響く。

誰しもが彼らに喝采を送る。

マイナーバンドでこれほどの人気があるのはすごいな。

 

??「みなさん、今日はありがとうございました。」

 

??「今度あるライブに出させていただける事になったので、よろしくお願いしま~す!!」

 

比企谷の隣に並ぶ少女の掛け声と共に、集団は各々散っていく。

各々が感想を口に出しながら。中には彼らに話しかけたりもする。

集団がすべて居なくなった後、彼らは会話を始めた、

 

??「ハチさん。今日はありがとうございました」

 

八幡「気にしないでくれ。今時路上ライブだなんて酔狂な事をやるやつは居ないしな」

 

??「酔狂って・・・。やっぱりおかしいですかね?」

 

八幡「そんな事ないと思うぞ?路上ライブなんてロックで最高だと思うし」

 

八幡「今この業界で有名な連中だって、みんな始まりは路上だったりするしな」

 

八幡「俺だってそうだ」

 

??「ハチさんもですか?」

 

八幡「まあな。っと、何時までもこんな所で話す必要もないだろう。」

 

比企谷がちらっとこちらを見る。私に気づいたようだ。

会話を中断させるように促している。

 

??「ハチさんはこの後はお店に行きますか?」

 

八幡「そのつもりだよ。」

 

??「分りました。それではお先に失礼します。」

 

ミナ~サキニイクヨ~!

チョット、ミンナマッテヨ~

 

比企谷は駈けていく彼女たちを見守った後、こちらに歩いてきた。

 

八幡「随分とお早いですね。」

 

平塚「今日は抱えてる仕事がなかったしな。それより比企谷、さっきのは・・・」

 

八幡「先生。こんな所で立ち話もあれですから、ついて来てください。店に案内しますよ」

 

平塚「あ、ああ・・・・」

 

比企谷は自分の荷物をまとめ歩き出す。

その後ろ姿は、学校で見かける元をは随分と違っていた。

人っていうのは、こうも纏うオーラを変えられるのか?

比企谷・・・君は一体何者なのだ・・・・

 

八幡「先生、ここです。入ってください」

 

そう言うと、比企谷は一つの店に入っていった。

表向きは、バーの様な雰囲気が漂う店だ。

 

平塚「[CYCLE MUSIC'S]。循環する音楽達・・・。」

 

何かのバーとしか思えないぞ?未成年がこのような所で・・・。

比企谷の後に続き店に入る。

店内に広がる光景は、バーとは違う。かといって喫茶店とはまた違う雰囲気をしていた。

横に目につくのは、小さなステージのようなスペース。ここは一体・・・・。

 

??「やあハチ。予定よりずいぶんと早いじゃないか。それに、お客さんまで連れてくるなんて」

 

八幡「今日は少し事情がありましてね。こちらは平塚先生です。俺が唯一信頼出来る教師です」

 

平塚「は、初めまして。平塚といいます。比企谷・・・比企谷君の学校の教師です」

 

??「初めまして。ようこそCYCLE MUSIC'Sへ」

 

藤代「わたくしは、ここのマスターで、ハチとは古い馴染みになります。藤代 裕二(フジシロ ユウジ)ともうします。以後、お見知りおきを。」

 

平塚「よろしくお願いします。比企谷の古い馴染み・・・と言うのは・・・」

 

藤代「ふむ・・・・ハチ?」

 

八幡「フジさんから話してもらって平気ですよ。先生になら。その為に来てもらったのですから」

 

藤代「それでは、わたくしの方から、話せるだけお話ししましょうか。平塚様、コーヒーでよろしいですか?」

 

平塚「はい。ありがとうございます」

 

八幡「それじゃ、俺は先に準備だけして来ます」

 

藤代「ああそうだ。ハチに美咲さんからの伝言があるよ。「少し遅れるかもしれない」と言っていたよ」

 

八幡「またアイツは・・・フジさん。今日アイツに飲ませるコーヒーは全部ブラックでお願いします」

 

藤代「分っているよ。今日で5回目だしね」

 

比企谷と藤代さんがクスクスと笑う。

比企谷のこのような表情を見るのは初めてだ。

彼にもこのような表情が出来るなんてな・・・。

比企谷は、そのまま奥へ進んでいった。

 

藤代「さて、何から話しましょうか」

 

平塚「比企谷とは、いったいどの位前から知り合いなのでしょうか?」

 

藤代「そうだねぇ。彼とはもう、4年近い付き合いになるかなぁ。」

 

藤代「まだハチが中学生の頃だったかな・・・」

 

比企谷は中学時代、ある人と出会って救われたと言っていた。

藤代さんの話を聞くと、その人はアキという一人の女性らしい。

その女性はロックバンドをやっていて、そのつながりで藤代さんと出会ったらしい。

それから1年半ほどで、その女性はこの町を離れたらしい。

その時から、比企谷は毎日のようにここへ来ているらしい。

そして今は、1人のロックミュージシャンとして活動しているらしい。

 

藤代「アキとハチは、まるで本当の姉弟のようでした」

 

藤代「アキは、ハチに色々と教えていたよ。そのおかげで、ハチは世の中の理不尽に負けないくらい、強く育ったんだと思うよ」

 

平塚「その、アキという人はなぜこの町を離れたのですか?そして今は・・・」

 

藤代「アキは母親の看病の為に、地元へ帰らなくては行けなくなってしまってね、そして・・・」

 

八幡「死んだよ。1年前にね」

 

奥から比企谷が出てきた。総武の制服ではなく、カジュアルに近い様な服を来ていた。

手にはギターケースが握られていた。ロックバンドに詳しくないが、その佇まい、雰囲気は様になっていた。

 

八幡「アキ姉は、母親の送迎中に事故にあった」

 

八幡「悪質なトラックの暴走運転。それに巻き込まれて・・・・・ね・・・・」

 

平塚「比企谷・・・・」

 

比企谷の表情は、今まで見たことがない程に"いい表情"をしていた。

しかしその顔は、人の死を語るような表情では無いように思える。

 

八幡「人間は、いつか死ぬ。それは今日なのか・・・明日なのか・・・・はたまた何十年後なのか・・・・」

 

八幡「そんな事はわからない。ただ、いつか死ぬのは決まっている」

 

八幡「だから、今この瞬間を最高に生きる。それがアキ姉の言葉だった」

 

八幡「だから、俺はアキ姉の事を話す時には決して悲しまないようにしてる」

 

八幡「アキ姉達に言われてたから。アタシ達の事は、誇らしく話してくれって」

 

八幡「先生。今疑問に思ったんじゃないですか?なぜ人の死をそんな顔でしゃべれるのかと」

 

八幡「俺はもう。アキ姉に対して、涙なんて枯れるほど流しつくしたんです」

 

八幡「だから、もう俺は悲しくない。だからこそ、誇らしく話せるんです」

 

平塚「君は・・・今まで一体どれだけ・・・・」

 

八幡「そんな顔しないでくださいよ先生。確かに俺は、大切な人を亡くしました、でも・・・」

 

八幡「アキ姉のおかげで、俺は家族との絆を手にする事が出来た」

 

八幡「少ないけれど、仲間も出来た。だから今、俺はこれでも幸せなんですよ?」

 

八幡「それに、先生みたいに俺を認めてくれる人だっています」

 

平塚「比企谷・・・・」

 

彼の目は、いつもの様な腐った目をしていなかった・・・様に思えた。

ああ、彼はもう大人なのだと思わされた。

でもその合間に、まだまだ高校生らしい、子供である一面も見られる。

比企谷、君という人間は、実に面白い存在だよ。

 

藤代「平塚様、それにハチも。暗い話はもう終わりにしましょう。コーヒー、入れなおしますよ」

 

八幡「そうですね。それに、そろそろ時間ですし。」

 

藤代さんの発言と共に、沈みかけていた空気が元に戻ったようだ。

すると、比企谷に話しかける声が聞こえた

 

??「ハチさん。もうお話しは終わりですか?」

 

いつの間にか、先ほど路上ライブをしていた彼女たちが集まっていた。

 

八幡「おう。・・・ってか、もう時間も遅いぞ。高校生は早く帰れよ」

 

??「ハチさんだって高校生じゃないですか。私知ってるんですよ?総武高の制服着てるの見ましたし」

 

八幡「俺は事情があるんだ。お前らと一緒にするんじゃない」

 

??「そんな堅い事言わないでくださいよハチさん」

 

八幡「いや・・・堅い事って・・・」

 

藤代「いいじゃないかハチ。明日は休日なのだから」

 

八幡「フジさん。こいつらに甘くないですか?」

 

藤代「あのハチが見つけた原石達なのだから、しっかり丁寧に磨いていかないとね」

 

??「さすがマスターさんです。」

 

八幡「全く・・・」

 

平塚「比企谷?彼女達は?」

 

八幡「こいつらは、路上ライブなんかやりたいって言い出した酔狂な連中ですよ」

 

八幡「俺はその手伝いをしていただけで「ハチさんにはバンドの事を教えてもらってます!」

 

八幡「おい美那。人のセリフにかぶせてくるな」

 

美那「あ、私は平野 美那(ヒラノ ミナ)って言います。ギターやってます!」

 

八幡「スルーするなよおい」

 

平塚「比企谷、君のバンドではなかったのか」

 

美那「ハチさんには、始めたばっかりの頃にお世話になって、今でも色々教えてもらってます!」

 

平塚「そうだったか。っと、私は平塚 静だ。こいつの高校で教師をやっている」

 

美那「センセーですか。なんかそれっぽいですね」

 

平塚「随分をふわふわした感想だな」

 

??「美那、初対面の人。しかも年上の方にはそうゆう話し方を辞めろと言っているだろ?」

 

??「すいません平塚さん。この馬鹿が礼儀知らずな事を」

 

平塚「気にしないでくれ。学校でも生徒には慕われるからな。このくらい気にしないよ。」

 

晶奈「ありがとうございます。私は和泉 晶菜(イズミ アキナ)と言います。ベースを担当してます」

 

平塚「私もベースなら演奏できるよ。先ほど演奏を聴いていたが、胸に響くいい音だったよ」

 

晶奈「ありがとうございます。いつか平塚さんのベースも聞いてみたいです」

 

平塚「機会があればな。比企谷とのつながりで、いずれそんな場面もあるかもしれないね」

 

晶奈「楽しみにしてます」

 

八幡「そういえば、栞はどうした?」

 

美那「しーちゃんなら、明日は用事があるからって先に帰ったよ?」

 

八幡「そうだったか。まああいつは、お前らと違って忙しいからな」

 

晶奈「私だって忙しいときは忙しいですよ。美那と一緒にしないでください」

 

美那「ちょっとあーちゃん!私だって忙しいんだぞー!!」

 

晶奈「あーハイハイ。忙しいねー忙しい忙しい」

 

美那「むーーー!!」

 

 

 

彼女達と話す比企谷の表情は、今までに見たことない程きれいなものだった。

これが彼のいうロックであり、本当の比企谷八幡という男なのか。

比企谷には、まだまだ色々な過去があるようだ。

そしてそれを知るのは、彼が本当に心を開いた人物だけなのだろう。

いつか、私にも話してくれるとうれしいのだがな。




次の話はいよいよガハマさんクッキー事件になる予定です。
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