ストライクウィッチーズ Assault Warfare   作:t5m5k2

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見ていただいたかは分かりませんが、前回の最後に書いた予告通りにいきませんでした。すみません。これから気を付けます。


前回の続きみたいなものです。
キャラクターの登場がMW2やACahに偏っているのに気付いて、なんとかバランスよく登場させるように努力しています。


では、よろしくお願いします。


7 , 交流 ⅱ

 

……第1ハンガー、501基地、ブリタニア連邦……

……1944/4/16 1120 Zulu……

 

ハンガーの中に入ると、AUH-72の隣にグレーの鉄製コンテナが置かれていた。高さ2m、奥行き20mくらいの海上輸送用コンテナで、横には大きくブリタニアの国旗らしきマークが描かれている。自分たちへの物資で間違いないようだ。コンテナの周りには249部隊員や運んできたらしい作業員の姿があった。傍に運搬用の大型トレーラーがあることを見ると、届いたばかりです、といった感じだ。近くまで来てコンテナ全体を見る。丁度一人の作業員がコンテナの扉を解放した。重い金属音が響き、ゆっくりと開け放たれる。閉まらないようにロックしたところで、まず最初にコザックがコンテナに入り込んだ。アレンも扉に近寄り、中を見渡す。暗くて何があるか分からない。

 

「何が届いてる?」

「箱のサイズからして、まず歩兵用銃弾です。まだ奥にもあるみたいですが…。とりあえず出します。」

 

そういってコザックが近くにあった木箱を抱え上げる。両腕に抱えられた箱は、だいたい60㎝四方の木箱。続いて入った作業員も似たような木箱を出す。自然にバケツリレーが始まったので、アレンも列に加わって運ぶ。木箱を受け取るたびにずしりとした重量が腕にかかる。あまりライフルを扱うことのないアレンにとって、弾薬箱は少し重く感じられた。そのリレーは20箱くらいを運んだところで終わった。運び出した中には、やや大きな木箱もあった。何が入っているのか気になったが、作業員が直接アレンを呼ぶので、疑問を後回しにしてコンテナの奥に入る。薄暗いコンテナ内でははっきりと判断できないが、何かの台車に積まれたそれは、わずかに差し込む光できらりと輝いた。近づいてそっと触ると、ひんやりとした金属の感触があった。こちらに向かって先端が細くなっている。ミサイルだ。後ろにいた作業員に声をかけ、台車を引っ張り出す。大の大人4人でゆっくりと引き出した台車には、白とグレーの円筒形の物が横に4つ、縦に3列乗っていた。それぞれが鉄のフレームで区分けされ、ミサイル同士が触れ合わないようにしている。ヘリの傍まで台車を移動させてどのミサイルかを確認しているうちに、2つ、3つ目の台車も運び出された。白い筒状の物体が露わになる。その様子を見ていたバルクホルンが、台車を指しながら問いかける。

 

「それはなんだ?」

「ミサイルだ。ジェットエンジンを積んだ誘導機能付き爆弾、という説明だな。」

「誘導爆弾?敵に向かって飛んでいくのか?」

「そのとおり。構造はごちゃごちゃしていて説明しにくいけど、一言でいえば敵が出す熱を捉えて追いかけるって感じだ。」

 

バルクホルンがやや腑に落ちなさそうな顔をするため、アレンは初めてネウロイへミサイルを放ったときのことを説明に持ち出した。

 

「5日くらい前、俺が初めてここへ来た日、あの機体から白い煙が出たのを見ていたと思う。」

 

そういいながら、滑走路上に止めたままのF-15SEⅡを指さす。

 

「あぁ、何か飛び出ていったのを見た。あれがこのミサイルとやらか?」

「そう。同じもの。」

 

今度はなるほど、という反応を示した。代わりに坂本から質問が出る。

 

「あの一発でネウロイを破壊したが、あの威力はすごいな。特殊な徹甲弾なのか?」

「先端には爆薬が仕込まれている。敵に触れて起爆し、その爆発力で目標を無力化するんだ。」

 

少し前までは、それこそ機関銃の攻撃だけで敵機同士を落としあっていた。しかしエンジンがジェット化したり、機体を覆う装甲が強化されたりと、第2次世界大戦にあったような戦闘機は姿を消した。その結果、高速で飛翔して敵を追い落とすためのミサイルが登場した。勝つためには手段を選ばなくとも、戦争の後には醜いがれきの山しか残らないようになった。人間それぞれが生き残るために編み出した技術の結晶ともいえる。一方で、人同士が戦うには無駄に強力な兵器である。ウィッチたちにミサイルの話をしながら、頭の片隅でそんなことを考えていた。それからしばらく公に出してはいけない情報以外でウィッチたちに説明していると、不可解なことが思い浮かんだ。

 

「ちょっと待った。AIM-120Dだよなこれ…。」

 

独り言。この時代にいる人間には決してわからないこと。アレン一人の疑問だ。初代AIM-120が開発されたのは1980年代。再び妙な現象が起こっている。

 

「あれ?そう言えば今何年?NATO弾なんて存在しないだろ。」

「40×46㎜弾まで…。どうしてだ?」

 

ローチやソープも何やら呟いている。おそらくアレンの疑問と同じ意味合いを持った言葉だろう。

 

「坂本少佐、この物資は一体誰が送ってきた?」

「ブリタニアの司令部だ。そのほかはあまりない。」

 

イギリスでもなければアメリカでもない。存在しないはずの兵器が、なぜ時代をさかのぼってここにある?アレンたちがここに飛ばされたと同時に、この世界にも存在するようになったのか?だとすれば、自分たち以外にも2016年の世界からこちらに来てしまっているものがあるかもしれない。う~んとアレンは唸った。想像する限りでは思いつかないことになってしまっている。

 

「レスリー少佐、何か手紙があります。」

「て、手紙?」

 

いつも通りバラクラバ姿のゴーストが、コンテナから白い封筒を持って出てきた。それを受け取り、止めてあるシールを剥がす。中からは二つ折りになった紙が出てきた。広げて見ると、10行ほどの文章が書かれている。上から読もうとするが

 

「―――、ロシア語?」

「え、マジすか。」

 

全く読めない。

 

「コザック、読める?」

 

木箱を開けたり閉めたりしていたコザックに紙を渡す。彼の両親はロシア人であるため、彼自身もロシア語が話せる。野原であった時に聞いていた。数秒待つと、コザックが内容を要約して話した。

 

「送り主はよく分からないですが、普通の人間ではなさそうです。今回は249部隊用の機銃弾類全般、それと少佐のF-15SEⅡ用ミサイルを送ってきたようです。今回は第1弾で、1か月後に第2弾を送ってくる、とあります。」

 

詳しい内容も読み上げる。ミサイル類として、AIM-120Dが10発、AIM-9Xが12発。対空戦闘任務での標準兵装2セット分にあたる。機関砲用の20㎜弾も届いた。歩兵用銃弾に関して知識があまりないアレンはよく分からないが、ソープやローチの反応からして、十分な量があるようだ。

 

「送り主は神様か?笑えるな、そりゃ。」

 

ゆっくりと立ち上がったソープが呟く。もう何が何だが。アレンはもう一度深く唸った。自分が何かの拍子に過去へタイムスリップしたことはわかる。そしてこの世界には魔力が存在し、地球にはネウロイと呼ばれる集団がいて人間との攻防を繰り広げている。しかしこれだけでも理解しがたい状況なのに、立て続けに不思議なことが起こる。存在するはずのない兵器が調達され、人間かどうかわからない存在から手紙が送られる。向こうでは一種の息抜きとして、とある国のアニメとかいうテレビ番組を見ていたことがある。充実したストーリーときれいな作画は、アレンも見入ってしまった経験がある。ストーリには魔術だの超能力だのといった架空の世界があった。架空の世界だからこそ、その中で夢を膨らませることができ、それがアニメの面白いところである、と誰かが言っていたのも覚えている。しかし、架空だと思っていたことが今目の前で起こっている。

 

「少佐、何考え込んでいるんですか?」

 

黙っていた時間が長かったようで、ソープが声かけてきた。

 

「この世界、ずいぶん神様の好き勝手になってるような気がするな…。」

「は?」

 

ソープは理解不能だったが、アレンは特に説明することもしなかった。なんでもない、と一言言って、補給品を片付けようとミサイルが積まれた台車に手をかける。ハンガーと隣接する弾薬室にミサイルの台車を運び込み、集まっていた基地の人間が散らばっていくのを見ながら、ベイリーらとF-15SEⅡの整備をする。一通りの点検項目をレクチャーし終えたのは、丁度13時過ぎになっていた。

 

 

*******

 

……マロニーの執務室、連邦軍司令部、ブリタニア連邦……

……1944/4/16 1520 Zulu……

 

 

木製の扉がノックされる音が響いたのを聞き、マロニーは回転イスに座ったまま「入れ」と声をかけた。ドアノブが回転する音と扉のヒンジがすれ合う音が小さく響き、外から二人の人影が入ってきた。それがエース中将と執務補佐官だと分かると同時に、マロニーは立ち上がって机の前に歩み出た。補佐官が扉を閉めてこちらに振り返ると、二人そろって敬礼をした。マロニーも答礼する。お互いに手を下ろすと、エースが話し始めた。

 

「以前調査依頼が出ていました件について報告に来ました。」

「ほう、どうだったかね?」

 

マロニーが答えると、エースの隣にいた補佐官がバインダーを見ながら答えた。

 

「実験用“フローズン・フレイム”を無事に確保しました。現在、“エコー・リマ”にて保管中です。今のところ安定しており、本国周辺に目立ったネウロイの反応は確認されていません。」

 

さらに紙を数枚めくって報告を続ける。

 

「並行して行われている“プロジェクト・エアクラフト”ですが、現在情報の収集と研究が行われています。1週間後には試作機の建設に入ると技術部から報告がありました。」

「つまり、計画に遅れはない、ということだな。」

「はい。」

 

取りあえず安心し、マロニーはふむとため息をついた。マロニーをはじめとするブリタニア空軍の一部で行われているとある計画のことだ。“凍った炎”と“新しい航空機”による一連の計画を成功すれば、現在ヨーロッパを中心として世界に広がりつつある戦争を勝利へと導くことができる。マロニーの身内にも、敵によって亡くなっていった人間が何人もいる。それこそが、今の彼を動かす力だった。最強の兵器を戦争へ投入することは、結果として恐るべき敵から自分たちの生命、地球市民の生命を守ることになる。マロニーはそう考え続けている。そして副次的な繁栄ももたらすだろう、と。

 

「よし、報告ご苦労。補佐官、下がっていいぞ。」

「失礼します。」

 

右手で促し、連日徹夜に近い仕事にあたっている補佐官を退出させたマロニーは、部屋に入ってから一言しか話していないエースに向いた。

 

「正直、ここまでうまくいくとは思いませんでした。」

「良いことではないか中将。」

 

扉が閉まる音が響くと同時に、エースから話しはじめた。立ったまま話をするのも疲れると思ったマロニーは、ひとまず部屋の中央にあるソファーを勧めた。二人同時に座り、話を続ける。

 

「問題はこれからですよ。いえ、今この時と言った方がいいのか。」

「情報部のことか?」

「ええ。501へ送ったチーム『ガイスト』たちが、うまくいってるかどうかです。」

 

ソファに深く沈み込んだエースが軽くうつむくのを見ながら、マロニーも頬杖をついて天井を見つめる。通称『ウォーロック計画』を構成するプランⅠ期Bは、別の世界―――今マロニーたちがいる地球の未来に近い世界―――から来た人間が持ち込んだ先進技術を調査することである。つまり、アレン・レスリーが搭乗する、高速飛行が可能な戦闘機に使われている技術をコピーするということだ。ウォーロックの飛行速度は存在するどの航空機よりも速く、現在使用されている機体設計では空中分解を起こす可能性がある。丁度良いタイミングで、もともと高速飛行を前提として作られた機体を見ることができたマロニーは、もちろん黙っているわけではなかった。理屈からすれば機体の強度は変えずとも、ウォーロックは高速で飛行することが可能だと言われている。なぜなら、動力であるエンジンには“フローズン・フレイム”という“ネウロイのコア”を使うからだ。それを拡張させることにより、ネウロイ自己修復能力を利用できれば、機体が分解しかけてもその部分を修復させることが可能である。このウォーロックというのは、極端に言えば人間がコントロール可能なネウロイなのだ。強いものはなんでも吸収して使う。ただ、敵本体をそのまま味方にするのは特殊であるが。

 

「タスクフォース249の戦闘機の技術をどこまで吸収できるか不安です。チーム員はトップクラスのスパイですが、完全ではありません。」

「なに、戦闘機を整備する人間に化けさせたんだ。最も情報を抜き出しやすい立場だ。怪しまれることもない。」

 

そうですな、とエースが答える。しばらく二人で話し込んだマロニーとエースは、夕食の時間になり、執務室を後にした。

 

 

*******

 

……第1ハンガー、501基地、ブリタニア連邦……

……1944/4/16 2135 Zulu……

 

 

「いやぁ、ゆっくりと愛銃を点検するなんて何時振りだろうな。」

「なに新入社員みたいなこと言ってんだ。クリーニングなんて当たり前だろ?」

「こいつ仕事終わったらさっさと寝てましたから。」

 

一部だけつけられた電灯の下で、70年先の技術が盛り込まれたライフルを手に取る人影があった。元タスクフォース141の3人だ。木箱に腰掛けながら部品を外して清掃をしたり、サイトを覗き込んで構えの練習をしたりしている。

 

「にしてもこれからどうするんですか。」

「おうちに帰りたいか?」

「正解なような、不正解なような。」

 

ローチが曖昧な返答をしたので、ゴーストはどっちなんだよと突っ込みを入れる。その時、消されていた照明が点き、ハンガー内が明るくなった。3人とも同時に天井を見上げて、何が起こった、と思考をめぐらす。しかしその答えはすぐに出た。ぎぃと何かがこすれる音が響き、3人は音のする方向へ振り向く。ハンガーと廊下を結ぶ出入り口が開き、中から二人の人影が出てきた。

 

「お?」

「あ…。」

 

双方から声が漏れる。上下とも白と黒2色の服装をした少女と、水色の上に白いタイツを履いた二人だった。

 

「え~と、誰だっけ?」

「さっきも紹介しただろ!覚えロ!」

「そうですよ、ゴースト。リトビャク中尉とユーティライネン少尉ですよ。」

 

人の名前は覚えにくい、とはなから覚える気もしないゴーストだが、すでに5回以上同じことをしている。その都度エイラが起こり、ローチが教え、ソープはあらぬほうを見つめ、サーニャは小さくうつむく。傍から見ればコントのワンシーンにもなりそうだ。すまん、とゴーストが答える中、ソープは座ったまま首を2人に向けて問うた。

 

「どうかしたのか?」

「これから夜間哨戒です…。」

 

ちらちらとこちらを伺いながら答えるサーニャに、ソープは彼女が恥ずかしがり屋なのかとあたりを付けてみる。すると、横でくすくすと笑う声が起こった。何かあったのかと振り返ると、ゴーストとローチがそれぞれ腹と額を抑えていた。

 

「大尉、怖がられてますよ。」

「そのモヒカンで今の声掛けはアウトです…!」

 

そのまま笑う2人をうるさいと叱り、話を戻す。

 

「夜間哨戒か。がんばれよ。」

「はい…。ありがとうございます。」

「でも二人だけなのか?」

「いえ、一人です。」

 

3人は固まった。扉の向こうに広がる夜空へ、一人で飛び出すのかと。二人でも心細いだろうに、不安ではないのだろうか。いや、そもそも目の前には2人の魔女がいる。エイラは何のためにここにいるのだ?

 

「少尉はいったいなぜここに?」

「見送りダ。」

「?…一人だけ?」

 

ローチは一人呟いた。単機出撃なら、他の隊員も見送りに来てもいいのではないかと考える。

 

「毎晩毎晩みんなに来てもらうのは少し悪いかなって…。」

「サーニャはいっつもみんな思いだからな。」

「毎日なのか?」

 

エイラがサーニャをほめるのをよそに、ローチは思わず声を大きくした。

 

「ナイトウィッチは、この基地で私だけなので。」

 

サーニャが静かに呟くのを聞き、ローチは開いた口がふさがらなかった。まだ501部隊の戦闘を見たことがないが、一人で出撃することはないと思っていた。むしろ、思いもしなかった。司令部に対する若干の怒りも浮かんだが、今自分がいる世界が元居た場所とは違うことを思い出し、冷静に考える。数日前にアレンとマロニー大将が話をしていた時のことを思い出し、ウィッチらが現状で不足していることを振り返る。この状況下ならば仕方のないことなのかと心の中でため息をついた。

 

「すみません、私はもう出ますので…。」

「あぁ、すまない。声かけて悪かった。」

 

遠慮がちな声が掛けられ、それに対してソープが明るい声を出す。一礼してストライカーユニットへ向かうサーニャと、その手伝いをするエイラを見て、3人は散らかったライフルの部品を集めた。彼女が発進するさいの風で飛ぶかもしれないからだ。HK416CのアンダーバレルにM320を取り付ける作業をしていたローチに、ゴーストが話しかける。

 

「なぁ、あの仲の良さって、もしかしてあれなのか?」

「へ?“あれ”ってなんすか?」

 

何を思いついたのか分からない。ましてや彼がそんな話をすることが、ローチにとって疑問だった。ローチの頭が疑問の解決に必死になっている間に、ゴーストが続ける。

 

「特にユーティライネンの方、リトビャクのこと好きじゃねぇの?」

「急に何を言い出すかと思えば、そんなことか…。」

 

隣でネジや小さな部品を片手に集めていたソープが割って入り、早く片付けろとばかりに手を払う。ローチとゴーストも黙り、部品の回収を急ぐ。すべてをまとめたと同時に、ハンガー内に高速で連続する破裂音が響いた。音の発する方を見ると、サーニャが足に履いたユニットを起動させているのが見えた。その下に青白い光を発する円形の魔方陣が現れ、やがてサーニャのユニットは固定台から離れた。サーニャはゆっくりと前進し、灰色で箱型のロケットランチャーらしきものを抱え、3人に軽くお辞儀をしてから飛び立った。加速した機体がふわりと路面を離れ、赤と水色の航空灯が徐々に高度を上げていくのを見送る。裸眼では見えないくらい小さくなった頃、不意にゴーストが話し始めた。

 

「ところでユーティライネン少尉。」

「なんだ?」

 

ゴーストが表情の分からない顔面をエイラに向ける。何度も見て慣れたのか、エイラは驚くそぶりも見せない。ローチは、やはりその話をするのかと内心呆れた。そんなはずはないと思っているのだ。ゴーストが話し出す。

 

「リトビャク中尉のこと、好きでしょ?」

 

普通なら、平然と『え?何のこと?』だとか『何言ってんだ。』と答える。もちろん、ローチもエイラがそうすると思っていた。こんなに小さな少女が、もう同性を好きになるとは考えられない。一種の偏見かもしれないと思うが、どうしてもそう感じてしまう。よほどのことがない限りそんな感情は浮かばないだろうし、エイラがそう言った分野の感情を抱くようには見えないのだ。少し離れて天井を見ていたが、なんとなくエイラを向いた。しかし、そこには予想外の光景があった。エイラの頬が少し異常でないくらいに赤くなっている。

 

「な…!そんなわけないだロ!」

「じゃぁ毎日リトビャク中尉を見送りに来ているのははぜ?」

「べ、別に変じゃないだろ!」

 

必死になって弁解しようとするエイラだが、頬の赤さはさらに増している。誰でも見てわかるほどテンパっている。それでもゴーストは容赦しない。

 

「いっつもリトビャク中尉と一緒にいるとこ見ると、怪しいなぁ~。」

「うるさい!したくて一緒にいるんじゃないぞ!その…、なんていうか…。」

 

妙なタイミングで勢いが弱まるエイラを目の当たりにし、ローチは本当なんだと確信した。理由は何にせよ、エイラがサーニャを好きであることは間違いない。

 

「ゴースト、やめておけ。もう遅い時間だ。少尉も戻ろう。」

 

二人のやり取りを黙って見ていたソープがついに口を開いた。それに従い、エイラとゴーストも会話を終えた。赤い顔のままエイラがハンガーから出ていくのを見送り、3人もライフルの組み立てを終えて武器庫へ仕舞い込んだ。それから、ハンガーなどがある棟とは別棟にある男性宿舎へと向かった。

 

「ゴーストってあんなこと聞くことありましたっけ?」

「別に。なんか面白そうだったから。」

 

そんな会話をしながら彼らが部屋についたのは、夜の10時30分を過ぎたころだった。

 

 




最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


最後の締め方…練習不足かもしれません。
途中の部分もですが…。


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