アブソリュート・デュオ〜銀狼伝〜   作:クロバット一世

21 / 45
今回はバトル回です。

奴の正体が判明します


19話 欺いてこそ霧

「すまない!遅れた!」

 

「もう、何やってたのよ⁉︎みやびはどうしたの?」

 

悠斗は急いで広場へ行くと、そこには戦闘服を着た連中と戦っている伊万里達がいた。

 

「先に来てないのか⁉︎___っ!それにしてもなんだ、あれは……?」

 

広場で闘う、巨大な環状の刃が目に入った。

 

「あれは月見の《焔牙》の真の能力だそうだ。なんでも《焔牙》は《Ⅳ》になると真の力を解放できるらしい」

 

透流が悠斗と合流しながら説明した。

 

「透流っ!無事だったか!?」

 

「まあな、みやびが見当たらないけど…」

 

「…っそれが」

 

「悠斗、透流!無事だったか!?」

 

そのとき、巴が悠斗たちと合流した。

 

「橘か、梓がいない様だけど…」

 

「ここにいます」

 

草むらから梓がでてきた。

 

「梓!!よかった、無事だったんだな!?」

 

「すいません、心配かけました…途中ではぐれたとき、敵と遭遇して…」

 

ドカァァァン

 

そのとき、洋館の方で爆発が起き、辺りに破片が散った。

 

「トラ…あの洋館に誰かいるか?」

 

「理事長とブリストル、あとあの執事がいたと思うが…」

「クソッ!」

 

「透流、そっちは頼めるか?…俺はみやびを探しに行ってくる」

 

「私も行くわ!島に詳しい人がいた方が良いでしょ?」

 

「伊万里…すまん、俺一人で行かせてくれ…頼む」

 

「悠斗…」

 

伊万里は悠斗の様子から『もしかして』と思った。そして自分のおせっかいが余計なことをしてしまったのではないかと思った。悠斗はそのまま森の方へと向かおうとした

 

「悠斗!!」

 

そのとき、勝元が悠斗を呼び止めた。

 

「詳しくは聞かねぇけどなぁ…しっかりあの子と向き合え…『答えを出さねえ』ってのが一番相手を傷つける行為なんだからな」

 

「勝元…わかってる…」

 

悠斗はそのまま森へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ…みやび…何処にいるんだ。」

 

悠斗は草や枝を掻き分けながらみやびを探していた。途中で《装鋼》を纏った敵と接触したが悠斗は全て一撃で倒していた。

森の奥まで探していると、

 

 

 

「マタアッタナ」

森の奥から他の《装鋼》と明らかに違う《装鋼》を纏い、仮面をつけた男が立っていた。

 

「お前…《シェード》か、随分以前より良い装備つけてんな」

 

「コレハ《センヨウガタ》ダ。コイツデオマエヲタオス」

 

そう言うと、背中から近未来武器を連想させるフォルムの両刃剣をだし、悠斗へと向けた。

 

「…なあ、良い加減お前の正体について教えてくんねーか?正体もわからねーのに復讐とか言われてもどう返したら良いのかわかんねーしよ」

 

「…ソウカ、ソレモソウカ…イイダロウ、カメンヲトッテハナシテヤル」

 

そう言うと、《シェード》は仮面に手をかけ、

「ヨクメニヤキツケルガイイ…コノ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の顔を」

 

「……っ!!!………テメェは…」

 

そう言って仮面を外した《シェード》の顔を見て悠斗は驚愕した。そう、悠斗はその顔を知っていた。何故なら、その男はかつて未来でボンゴレが戦った敵なのだから、悠斗自身は《奴》とは戦っていない…彼と戦ったのは八年後の雲雀恭弥とボンゴレ雨の守護者山本武、そして自分たちのボスである沢田綱吉だけであるからだ。しかし、彼のことはよく知っている。何故なら《奴》はその時代において最強の剣士と呼ばれていたのだから…その男の名は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「幻騎士…」

 

 

幻騎士、未来で巨大な勢力を誇っていた《ミルフィオーレファミリー》で霧の六弔花となっていた剣士である。その力は六弔花の中でも高い実力を持っており、リボーンですら、『体技においては雲雀に匹敵する』と言わしめた男である。

 

 

「どうなっている…何故テメーがここに…」

 

「俺がここにいるのは全てのボンゴレを滅ぼすために、まずはお前を倒すためだ天峰悠斗。俺の協力者の標的がいる学園にお前がいたからな」

 

「…ボンゴレを倒すってんのはどういうことだ?白蘭の敵討ちってわけでも無さそうだしよ」

 

「…白蘭様に心酔していた俺は未来の俺であろう?…まあ、正解に近いってところだが…」

 

「…?ますますわかんねーぞ、白蘭のことじゃねーんなら何だってんだ、」

 

「…貴様らが白蘭様を倒したあと、その時代の記憶が過去の本人たちにも伝わった…そう、俺がファミリーを裏切ったという記憶もな」

 

幻騎士は怒りの形相で悠斗を睨みつけた。

 

「貴様らのせいで、俺はジッリョネロでの居場所を失った…だからお前たちを倒す!!」

 

「…なるほど、テメーの動機は分かった。だけど俺は殺されるつもりはねぇ!!俺自身も今虫の居所がわりーからな、手加減しねーぞ!!!」

 

悠斗は白い炎を帯びた《長槍》を構え、幻騎士に強烈な突きを繰り出した。しかし、幻騎士はそれを両刃剣で防ぐと、両刃剣に藍色の炎を纏わせ、巨大な剣撃を放った。

 

「うおっ!?」

 

悠斗がそれを何とかかわすと、背後の大岩がいとも容易く真っ二つになった。

 

「…チョイスのときよりもやけに強くなってるみたいだな…」

 

「あのときの俺を基準にするな。もう俺に油断などは無い。完膚なきまでに叩きのめしてやる。」

 

「…どうやらそうみたいだな、だから本気出すぜ…こいっ銀牙!!」

 

悠斗の首にかけてあった《雪のチョーカーver.X》に銀色の光が輝くと、そこから白銀の毛並みにあちこちに装飾をつけた狼、《雪狼(ルーポ・ディ・ネーヴェ)ver.X》こと、銀牙が現れた。

 

「頼むぞ、銀牙」

 

「ガルルル…」

 

「…それが貴様のVG(ボンゴレギア)か…面白い、見せてみろ」

 

そう言うと、幻騎士は自身の匣兵器に霧の炎を注入し、自身の匣アニマル《幻海牛(スペットロ・ヌディブランキ)》の幻覚空間を作り出した。

 

「くらえっ!!!」

 

幻騎士な合図とともにミサイルが出現し、悠斗へと発射された。しかし、悠斗たちはそれをいとも容易く避け、幻騎士へと攻撃した。

 

「今度はこっちの番だ!!」

 

と、言いながら幻騎士に突きを放つが、幻覚で姿を消し、死角から攻撃を繰り出してきた。しかし、悠斗も反応し、幻騎士の剣を掴むと、槍を幻騎士に向けて

 

「くらいやがれ!!」

 

渾身の突きを繰り出した。しかし、幻騎士の両刃剣から大量の炎が一気に放出され悠斗も思わず吹き飛んでしまった。

 

「死ぬ気の炎をチャージして一気に放出する…厄介な剣だなそれ」

 

「…こいつは《幻影剣(イッルジオーネ・スパダ)》と言ってな…《装鋼の技師》が俺専用に作った特殊武装だ。性能は未来の俺が使っていた《幻剣(スペットロ・スパダ)》をはるかに凌駕する」

 

「…そうかよ、確かに破壊力はトンデモねーようだけどな」

 

「…俺は貴様を倒す。この新たな力でな」

幻騎士は自身の剣を悠斗の前に向け、そう宣言した。

 

「わりーが俺も負ける気は無い…だから…これで終わりにする」

 

そう言うと悠斗は息を思いっきり吸い、

 

「銀牙、GO!!」

 

すると、銀牙は超スピードで走り出し、幻騎士に攻撃を繰り出してきた。しかし、幻騎士はそれを容易く見切っていく。

 

「…これでもう終わりか?」

 

「ああそうだ、テメーの負けだ」

 

「…っ!?」

 

突如上から悠斗の声が聞こえ、幻騎士が上を向くと悠斗が空中を走りながら幻騎士へと攻撃を繰り出していた。

よく見ると、空間に無数の氷の道が出来ていた。

 

(これは…あの狼の能力か!?)

 

悠斗の匣兵器《雪狼》は走りながら高密度の雪の炎を放出し、空間を凍らせる。それによって悠斗は空間全てを使った立体機動を可能としたのだ。

 

「狼王一閃!!」

 

悠斗の渾身の一撃が幻騎士へと当たった。そして、幻騎士はそのまま意識を失った。

 

「よし…早くみやびを探しに行かねーと」

 

 

 

 

 

「…なるほど、確かに良い一撃だったな…当たっていれば」

 

「っ!?」

 

声の先には先ほど倒したはずの幻騎士が平然と立っていた。

 

「霧の幻覚…でも全く気づかなかった、幻覚の精度が以前と全く違う…」

 

「力を手にしたのはお前たちだけでは無い。俺は、お前たちの戦った未来の俺よりも遥かに強くなっている…このまま貴様を倒したいところだが…終了のようだ、帰らせてもらう」

 

すると幻騎士手にある無線機から連絡が入っていた。

 

「…このまま逃すと思っているのか?」

 

「ああ、そのつもりだ…いや、もう逃げさせてもらった」

 

すると、幻騎士の身体が徐々に消えていった。

 

「幻覚…!?っまさか、もうここには…」

 

「欺いてこそ霧…この様子なら、次に会う時に貴様を殺すのは訳無さそうだな…ではまた会おう天峰悠斗、次に会うときは貴様の最期だ」

 

そのまま幻騎士は姿を消していった。

 

 

 

「完全にしてやられた……くそぉ!!!」

 

悠斗は怒りながら近くの木を殴りつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コッコッコッ

 

暗い廊下を二人の影が歩いていた。

一人は白衣の老人《装鋼の技師》エドワード・ウォーカー、もう一人は悠斗の絆双刃穂高みやびだった。

 

「…本当に強くなれますか?」

 

「ああ、己の弱さを知る者こそ真に強くなれる素質を持つ…このわしが保障しよう」

 

みやびの問いに《装鋼の技師》は当然のように答えた。

そして、奥にたどり着き、目的のものをみやびに見せ、

 

「お嬢さん、そなたにきっかけを与えよう…心の底から強くなるためにな…」

 

みやびはその《悪魔の囁き》を聴き、《それ》を見つめ、

 

(強くなれば…悠斗くんは…)

 

偽りの力を求めてしまった。

 

 




はい!!《シェード》の正体は幻騎士でした!!
幻騎士の登場はこの小説を書く頃から決めていたので登場させられて良かったです!!!
そして、悠斗とみやびはどうなっていくのか…

今後もお楽しみください!!


感想待ってます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。